魔法使いと少女 (愛の囁き)

リョウと香が恋愛したとして。リョウが香に本当の本気で愛を囁いたら。
その声音だけで香、あるいは失神しかねない気がしてきた。
そう……、言わずと知れた、あの「声」で。


例えば、それはこんな感じ。


「じゃあ……いこうか」
「……!!」 (がくっと崩れ落ちる)
「な、何だ? 俺まだ何も、ナニもしてないだろうが」
「あ、あはは、ごめん、急に腰ぬけちゃった」
「おまぁなぁ……」
「あ、あのさリョウ。悪いんだけど、今みたいに言うの、ちょっとやめて」
「あん?」
「だから、普段みたいにさ、どうでもいい事みたいに話しかけて、してくれればいいの。
 そうすればあたし、きっと最後まで耐えられると思う。頑張る」
「………………はい!?」


何が悲しゅうて、人生最愛の相手に対し、
いつも以上にフザけなきゃならんのかと、頭を抱えるプレイボーイ。
百戦錬磨の魔法使いも、無垢な少女にだけは勝てないというお話。



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