「赤魔術」論

まず準備運動。『まじっく快斗』にて判明している紅子の情報を。


1.紅子は17歳・高校2年生の、自他共に認める、高笑いの似合う完璧な美女
  (無難に憶測すれば処女)であり、相当に髪が長い。

2. 紅子は、魔鏡(コレは『世紀末の魔術師』で言っている物に非ず。
  本当の魔法の鏡) を用いる魔術によって「千里眼」を行い、キッドの存在を知る。

3.紅子は自らの魅了(チャーム)の魔力
  (もしかしたらコレは無意識レベルで発してる可能性が高い)によって、
  男どもを従わせる事に酔っている。

4.紅子は、自らの魔力&魔術に絶対の自信を持っているが故に、
  「快斗=キッド」であると断定する。

5.紅子は山奥の屋敷(具体的な場所は不明)に、
  醜いが忠実な男性の付き人と二人暮らしである。

6.紅子は赤魔術の正統継承者にして、この世の王となるべき存在である。

7.紅子は自宅で本格的な魔術を行う際は、ローブを身にまとい、杖を手に持つ。

8.紅子は龍のヒゲ・人魚の涙・河童の目玉(まさか本物ではあるまい。
  同名のマジックアイテムと推測)、そして快斗の呪を持った物(ハンカチ)を用いて、
  快斗とシンクロした人形を作る。(ロコツに「丑の刻参り」状態なのは御愛嬌)

9.紅子がシンボルとしているのは、赤と星と蛇である。
  (しかも彼女の正装での装飾品の蛇たちは、彼女の心情と完全にシンクロしており、
  その表情を自在に変える)

10.紅子は、自分専用の玉座を持っている。

11.紅子は、正円&六芒星などによる魔法陣を地面に描いて、
  魔術との複合技でキッドを魅了しようとする。

12.紅子は無言で発火(パイロキネシス)の魔力を使い、
  キッドから贈られた花を燃やす。

13.魔女である紅子は、涙を落とすと魔力を失うらしい。

14.紅子は運動神経も良く、スキー上手。

15.紅子は「ペアを組むオマジナイ」なんつー庶民的な魔術も使う。

16.紅子は「大人っぽくなるオマジナイ」なんつー……以下略(笑)。

17.紅子は邪神ルシュファーを、五芒星による呪符で使役して、
  キッドの未来を予知する。

18.紅子は、ペンダントを用いて中森警部に、攻撃的な傀儡になる呪いをかける。
  (呪いは一晩以上有効)

19.紅子の武器は、大鎌(西洋の死神が用いるタイプ)である。

20.紅子は実は、自身の魔力に屈する事のない快斗に、複雑な愛情を抱いている、
  かもしれない。
  よって『大人とわかってくれない』(コミックス第2巻)を境に、
  彼女の魅了の魔力のベクトルが完全に反転する(←筆者個人による憶測)。

21.紅子は水晶玉を用いる魔術によって、「千里眼」と予知を行う。
  (水晶玉がしゃべるっつーのは、やはり御愛嬌)

22.白馬は、紅子が自分のクラスメイトである事を、彼女を間近で見るまで
  全く気づけなかった。(魅了のベクトルが反転したという根拠が、コレ)

23.紅子は、ホーキを用いて浮遊(レビテーション)の魔術を行う。

★(この辺りから、いわゆる「パンドラ編」(『名探偵コナン』との完全リンク)スタート。
  そのため必然的に紅子の出番は激減する)

24.紅子は呪文を用いて発火(恐らくバージョンアップ版)を行おうとする。
  その呪文の冒頭は、
  「聞け、冥府魔道をさまよう禍々しき亡霊よ。
  紅の盟約に従い、その躯骸を炎と化して我に」との事。

25.紅子の能力は、大衆の面前で示してはならないらしい。
  (……と言うより、『名探偵コナン』とリンクしてしまってるからだと思う)





さぁ、ココからが本番です(笑)。

最初に私が興味深く感じたのは、「赤」や「蛇」をシンボルにしてる点。
(「星」がシンボルというのは、基本の基本。現に占星術は浸透してます)

日本なら「白魔法」「黒魔法」などという表現が比較的有名ですが。
コレは、実はキリスト教などに基づいた表現でもあったりします。
主の御心に沿った教え=白。主の御心に反した教え=黒。なのです。
コレをあまり真剣に語ると、KKK(とゆー団体は御存知?)みたいな
危険な差別問題にもなりかねないので、やめときます。

で、「赤」。
ホラー漫画などでは、結構ひんぱんに出てくる魔法の色です。
もともと赤は、血液・生命・太陽の色。一義的な「自然」の色です。

次に「蛇」。
キリスト教などでは、アダム&イヴに禁断の果実を与えた魔物ですが。
もっと昔の本来的な宗教では、英知や無限などのシンボルです。
(「ウロボロスの蛇」……2匹の蛇が互いの尻尾をくわえてるアレとか)

つまり紅子は単なる魔法使いというより、赤魔術という、キリスト以前の
立派な原始自然宗教(ないし自然科学)の信奉者なのです。
即ち、彼女の御先祖には、間違いなくヨーロッパ人がいるはず。
中世では絶対、いわゆる魔女狩りで狙われたはずです。

それ故にか、赤魔術にはキリスト教などを意識してる面も見えたりします。
選民思想(この世の王になる云々)とか、
邪神ルシュファー(明らかに、堕天使ルシファーの転)とか。
(わざわざ「邪神」と断るからには、悪魔崇拝(サタニズム)も若干アリ)

そして私が、(特に初期の)『まじっく快斗』でしみじみ感じ入ったのは、
二人の「MAGICIAN」が対比されて活躍してくれてる事。
そう。マジック(奇術)を用いる男(=快斗)と、
マジック(魔法)を用いる女(=紅子)との対比……私には感動なのです。

なお、紅子は自分自身の持つ魔力と、複雑な道具による魔術とを、
結構バランス良く使い分けてます(けど魔力は持て余してる感もアリ)。
幼い頃から、(魔法使いとして)良い環境で育ったのでありましょうね。




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