夢の話。

その1.


 実は、私が生まれて初めて書いた二次創作である「メッセージシリーズ」第1話は、
実際の夢が原型です。

 その夢を見たのは忘れもしない、1997年秋。テレビ番組改編期の時でした。
 アニメの”禁断症状”が、何故か当時は収まらず、私はほぼ生まれて初めて友人から
「同人誌」なる物を借りて読みました。

 ファーストコンタクトは強烈でした。今思えば、アレは特に過激な部類でした。
例えるなら、ビールさえ飲んだ事のない人間が、いきなりジンやウォッカを
がぶ飲みしたようなものです(苦笑)。
 そしてこの時の衝撃が、私の人生を変えた――というのは言いすぎでしょうか。


 前置きはこの辺にして。その当時の夢の内容を説明させて頂きます。
 情景のイメージは恐らく、ドラマ「古畑任三郎」の影響を受けています。
 薄暗い部屋。その中央にスポットライト。確かそういう感じでした。
 さて、想像してみて下さい。そんな場所から、

「あんたオレのファンじゃねーのかよ、オレのファンじゃねーのかよ……」

 などと新一に延々と文句を言われる様を。新一派の私には悪夢でした。
 が、途中で彼の口調は変わります。
 次第に声高になり、勢いが頂点に達した、その瞬間。


「やかましい!」


 蘭をも超える、平次の華麗なるドロップキックが横から炸裂!(爆)
 これが宴の開始合図でした。(後は作品をお読み下さい)



 翌朝。私は起きてすぐにメモを取り、読み返して――私自身、驚きました。
 ちゃんと漫才になっている。それでいて私の言いたい事が全て語られている。
オマケに関西弁もそれなりに書けている。言うなれば、無意識の賜物でした。

 コレをこのまま葬ってしまうのも惜しいと思い、私はメモを読める形に整えて、
同人誌を貸してくれたその友人に礼として捧げました。(結果、仰天されました)
 このサイトに掲載している作品は、その文章を更に編集した物です。


 今は全く説得力がないですが。以前の私、いわゆる同人活動は拒絶していました。
 でもこの夢を見た頃から、認識が大きく変わりました。
 ワープロからアイディアを掘り起こし、話を書くようになりました。
 本当に世の中、何が起こるか分からないものです。



その2.


 『コナン』の夢 登場人物たちが出てくる夢、というのは時折見ます。
 そのじつ今まで書いている話に、それらの断片を使ったりもしています。
 そんな夢の中で、一つだけ異色の物がありました。
 今思い返しても、アレは本当に特別でした。


 当時の私は――今もですが――、日々の問題の悩みに頭を痛めていました。
 夢の私も夕暮れの公園(だったと思う)で、独り沈んでいました。そんな時、

「どうしたの?」

 と、“見知らぬ男の子”に声をかけられたのです。


 こんな小さい子に話したって……と思いつつも、私は悩みを打ち明けていました。
 男の子は私の話を静かに聞いてくれてから、笑顔でこう言いました。

「ボク、子供だからよく分かんないけど、きっとうまくいくよ。 きっとね」

 そこで目が覚めました。
 次の瞬間、愕然となりました。

 そう。夢の私は、誰と話をしているのか、全く気づかなかったのです。
 黒縁眼鏡の彼の事を、全く 。



 今でも困った時は、この時コナンが言ってくれた言葉を思い返しています。
 このような夢を見る事は、きっと後にも先にもないでしょうね。




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