≪カーテンコール≫


平次「おお工藤、こっちやこっち。さっさと来ぃや」

コナン「ったく、何なんだよ。こんなトコに呼び出して。ひとの迷惑考えろよな」

平「まぁま、そない嫌そな顔すなや。
  最後までオレらの話読んでくれた人に対して失礼やぞ。主役はお前なんやから」

コ「バーロォ、今回に限ってはオレじゃねーよ。
  何度も言うように、今回はオレの全く知らないところで話が進んでいったんだから」

平「オイオイ。この期に及んで、まだとぼける気か? 往生際の悪い奴っちゃの。
  あーあ……あの日の工藤、イヤ新一やったら、もっとずーと素直やったろうに」

コ「何か言ったか? よく聞こえなかったんですけどっ!?」

平「な、何でもありません――て、めちゃめちゃ聞こえとるやんけ。
  ところで工藤、オレ一つ訊きたいんやけど。わざわざ今回の話を
  1996年て限定したんは、やっぱり時代考証のためなんよな?」

コ「ああ、その通り。任意の時代にしても良かったんだけど、
  機械技術とかサッカーとかのリアリティを優先したんだ」

平「そやな。実際1990年代ゆうたら、オモロイ事も多かったし。
  ただ……こないな話にまでリアリティちゅうのはなぁ。こだわり過ぎちゃう?」

コ「煉瓦が無ければ家は建たない、ってね。
  少なくともこの世界では、現実からの大きな逸脱は許されないのさ」

平「そら例えば、お前の体が突然元に戻ったり――とかか?」

コ「まぁね。そのじつ今回の話でも、元ネタのハッキリしてる物があるんだ。
  幾つくらいあるのか把握してるか、服部?」

平「んー……二つ、イヤ三つかな?」

コ「OK」

平「まずはお前が気に入っとる公園の木。アレは『名探偵コナン』の
  アニメ版の、あるオープニングのワンシーンを想定しとる物や」

コ「それからお前がゲームで取ったヌイグルミ。青山作品に出てくる『カエル』って
  言えば……一つしかあり得ねーもんな」

平「あ、アレやっぱカエルやったんか? マントがビラビラ付いてたけど」

コ「多分な。鎧みてーなの着てたけど。異様にベロ長かったし」

平「そんでもって、後はオレとクレーンゲームの関係やけど」

コ「でもソレは、本来の趣旨とは違うんじゃねーかな。
  『名探偵コナン』から取ってきたアイディアじゃねーんだから」

平「同じサンデー作品ではあるけどな。オレと声が似とる奴から頂いたんやて」

コ「似てるっていうより、全く同じなんじゃ……」

平「コラコラ、ソレは禁句やで」

コ「けど服部、オレ今回の話で一点だけ分からねー事があるんだよ」

平「何や?」

コ「阿笠博士って、何であんないいタイミングで電話して来れるんだろうな。謎だよ」

平「あ。そういえば……そうやな。うん……」

(二人とも沈黙に支配されて――幕)





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