Backstage 1  (小学生トリオ編)

平次「どうも皆様、毎度オレらをごひいき下さり、誠にありがとうございます!
   当シリーズもご覧のように、3回目の発表と相なりました。今後とも、
   ヨロシクお願い致します!
   しかし、それにしても遅いな、アイツ。まさか逃げたんちゃうやろな……」

コナン「そんなわけねーだろ。お前なんかに任せとけるかよ」

平「何や、やっと来よったか……って、あらま、今日は小さいカッコの方なんか?」

コ「別にいいだろ、どっちでも。オレにも都合があるんだよ」

平「イヤ、オレは別に構へんけど。そか、今回はゲストが来るからな。ほんでか」

コ「そういう事。だから今回はオレの事、くれぐれも「工藤」とは呼ばないように。
  呼んだら最後、問答無用で蹴り飛ばすから」

平「ソレ、笑顔で言う台詞か……?」

歩美「コーナーンくん! 遊びに来たよー!」

コ「あ、歩美ちゃん! よく来たね、いらっ……しゃ……い」

光彦「何なんですかコナンくん、その嫌そうな顔は?」

元太「オレ達が来ちゃいけねーってのかよ?」

コ「そ、そういうわけでもない……わけでもないけど」

歩「ゴメンね、コナンくん。わたしが付いて来てって頼んだの。
  灰原さん、一緒に来れないって言うから」

コ「そんな、何も歩美ちゃんが謝る事ないよ」

平「そうそう、気にすな嬢ちゃん、人数多い方が賑やかでええて」

元「ところでコナン、この色黒のにーちゃん誰だ?」

コ「え? 誰って何を今更――あ! そうか、そう言えば」

平「何や、どうした?」

コ「よく考えたらお前たち、まだ本編じゃ正式に出会ってねーんじゃねーかよ。
  つまりコイツらは、お前と一応は初対面なわけで」

平「そやよ。せやからココで挨拶するんやないか。
  でもコイツらかて、オレの事くらい元々知っとると思うけどな」

元「知ってるか、光彦?」

光「へ? あ、ちょっと待って下さい。ええと、その」

平「――て、今ココで連載読み返すなぁ!
  なぁ嬢ちゃん、あんたやったら分かるやろ? オレの名前」

歩「え、名前? んーと、聞いた事はあるんだけど……」

平「そや。大阪にその人ありとうたわれる、西の高校生名探偵の」

歩「分かった! 時代劇のお金投げる人!」

平「イヤ……ソレちゃう、微妙にちゃう」

コ「諦めた方がいいと思うぞ。現実なんてこんなもんだよ」

平「情けない話やな。仮にもレギュラーキャラどもが、共演者の名も知らんとは」

コ「だから、共演は厳密にはまだしてないっての。
  それに高校生名探偵って言ったら、普通は新一にいちゃんの事だよねぇ、皆?」

光「ええ、以前はそうでしたよね」

コ「以前……?」

光「だって全然、噂聞きませんよ、最近」

元「ああ。この前もワイドショーで、「死んだかも」とかって騒いでたぜ?」

コ「だから何度も言ってるだろ、アレはどっかの記者が流してるデマなんだって!
  ホラ、そこの関西人、さっきから一人で爆笑してんじゃない!」

平「そ、そないな事言われても、傑作やん……あ、ダメや、限界……」

コ「勝手にしろ!
  とにかく、新一にいちゃんは生きてます」

元「だったらココに連れて来いよ」

光「そうですね。彼も紹介して下さいよ。遠い親戚なんでしょう?」

コ「あ、あのな、冗談よせよ。そんな事できるわけないだろ。オイ、いつまでも笑って
  ないで何とかしてくれよ、服部――って、アレ? ドコに消えたんだ、アイツ」

元「何焦ってんだよ、コナン?」

光「まさか、どうしても連れて来られない理由でも?」

コ「あ、だから、ソレは、その」

歩「二人とも、いい加減にしなさいよ。コナンくん困ってるじゃないの」

コ「歩美ちゃん?」

歩「この前ね、蘭さんとお話した時に聞いたの。
  新一さんて今、スゴイ事件調べてるんでしょう、コナンくん?」

コ「え? うん、そういう事に……なってるけど」

歩「だったら、無理してココに来させなくていいよ。忙しいんだもん」

コ「信じて……くれてるの? ホントに?」

歩「わたしは信じてるよ。蘭さんだって言ってた。
  『心配な時もたまにあるけど、まずは信じるところから始めなきゃ』って」

コ「……!」

歩「素敵な恋人同士だよね。わたし達も見習わなくちゃ」

コ「そんな、別に恋人なんかじゃ――え、見習う?」

歩「大きくなったらわたし達も、蘭さん達みたいになりたいね、コナンくん!」

コ「わ! ちょっと待ってよ、抱き付いて同意求められても困るってば」

元「おーい、コナン……」

光「二人の世界に入らないで下さーい……」

平「おーおー、ココ一ヶ所だけ妙に暑いな。真夏になっとる」

コ「服部! の、おにいちゃん。今までドコ行ってたんだよ」

平「すまんな。どうにも笑いがおさまらへんかったから」

コ「とか言って、本当は名前覚えられてなかった事を嘆いてたんだったりして」

平「そ、そんなわけあるかい!
  たかがガキ相手に、んなアホな理由で落ちこむわけあらへんやろ」

コ「……落ちこんでたんだな。冷や汗出てるぞ」

平「やかましい。マスコミに死人扱いされとるお前に比べたらまだマシや」

コ「うるせーよ、余計なお世話だ」

歩「は!?」

光「聞き捨てなりませんね、今の台詞。何でコナンくんが死人扱いになるんです?」

元「ソレって新一にいちゃんの話だろ? って事は……」

コ「あーっ、無し! 今コイツが言ったこと、全部忘れて!
  ……服部、お前なぁ……!」

平「な、何や、そのツラは。お前かてオレの言葉に返事したやんか。
  それにオレ、まだ今回はお前の事、『工藤』とは言うてへんで。――あ」

コ「ハイ、今言いましたと。ええと、ボールは確かこの辺に」

平「さーて、オレはそろそろ帰ろかなぁ。後は任せた」

コ「って、涼しい顔して逃げんじゃねーよ。まだ話は終わってねーぞ!」





元「……出て行っちまったぞ、二人とも」

光「無責任なホスト達ですねぇ。仕方ない、ラストは歩美ちゃん、どうぞ」

歩「うん! ええっと、これからもわたし達の応援、ヨロシクお願いします。
  皆さんもガンバって下さいね!」





Backstage 2  (灰原哀編)へ続く

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