『さらば、逆転』実況レポート (探偵パート1回目・前編)

根源的な問い――弁護士とは何か――への答えが求められる、第2作・最終話。



冒頭は、「第3回全日本ヒーロー・オブ・ヒーロー・グランプリ」の授賞式。

「忍者ナンジャ」「キャプテン・サイパン」「正義学園4年2組」「オニャンコポン」……と、
数々のヒーローの並ぶ中、グランプリを受賞したのは、
「トノサマン」シリーズ第3作の「大江戸戦士・トノサマン・丙!」だった。
(この時に表示される、「トノサマン・丙!」の画像は非常に重要)

……って、関係ないけど、ふと思う。
全体的に特撮ヒーローブームなんだろうか。この『逆転裁判』世界は。



その授賞式の記念パーティの席に着いている、
成歩堂・真宵・春美、そして彼らを招待したアクション俳優・荷星三郎の四人。
(荷星については、『逆転のトノサマン』を参照)

因みに、日付は3/20。(『逆転サーカス』の時から年が明けている)
所は、「ホテル・バンドー」の「すみれの間」。


トノサマンを始めとするヒーロー談義に盛り上がる真宵と荷星。
成歩堂と春美は、その話の輪には入れない。
春美は、日曜は「世界こども名作劇場」を見ているし、
成歩堂は、もともと特撮ヒーローには興味ナシだし。(何より年齢世代の問題)

真宵「でも、今日の忍者ナンジャ……ちょっと、ヘンだったなあ」
   「持ってなかったの。……まっかなギター」

この「忍者ナンジャ」は、光映プロ制作。
英都プロ制作である「トノサマン・丙!」のライバル作品。

……と、真宵だけでも相当なテンションになっているのだが。
もしもこの場に、あの誰かさんも一緒に居たら、より一層凄まじい勢いになっていた可能性も。
というより、実はこの会場のドコかに潜んでいたらどうしよう。(一概に否定できない)


やがて会話は、「トノサマン・丙!」の主演の話に飛ぶ。
人気急上昇中のアクション俳優・王都楼真悟(おうとろう しんご)であるとの事。


なお、この時に色々調べると、春美が野菜しか食べない子だとか、
例のボーイから暑中見舞が届いた事などが判明。

そんな中、この台詞だけは、全クリアした今となっては、辛い。
春美「……ひとりっ子なんです」



ロビーで行われる、受賞記念のアトラクション・ショーと、そして記者会見までは、
まだ20分ほど間がある。
そのため、ホテル内をウロウロして、一旦迷ってから、元の場所に戻る。
すると、ちょうどアトラクション・ショーが始まるところ。
真宵「今日は出るかな? ”トノサマン・ザ・ご乱心”」
と、はしゃいでいる真宵だったが。



いざロビーに行ってみると、何故かアトラクション・ショーは中止に。
そのアナウンスにあった「警察」の言葉に警戒する一同。
いったい何があったのかと思ったのも束の間。

「待ちなッ!」

聞いた事のある声、そして何より……
まともには読み取れない、超ハイスピードのマシンガントーク食らわす人は一人しかいない。
オバチャンこと大場カオルである。(オバチャンについても、『逆転のトノサマン』を参照)
しかも今度は、

カタカタカタカタ……。

と音を立てる、謎の光線銃のオマケ付き。
何でも、英都撮影所を辞めさせられたため、警備員に転職したらしい。

オバチャン「最初は、ぼでーがーどでもやろうかとも思ったワケ」
       「アンタのトモダチのさ。赤くてヒラヒラのイイオトコ」
       「でもサ」

御剣『そのようなアレは、困る』

オ「……とか言われちゃってサ」

という事は、会いに行ったのか。わざわざ。オバチャン。御剣に。


警察が動いている以上、きっと何らかの事件が起こっているはず。
真宵に急かされ、成歩堂は彼女と共に現場に向かう事にする。春美も付いて行く。
春美「なるほどくんは、真宵さまのためなら、いつも火の中、水の中です」
……確かに「初期三部作」最終話、火の中を通って、水の中に落ちたっけ。



「すみれの間」に入ると、ボーイが話しかけてくる。(第1作のボーイとは別の人)。
ボーイ「綾里真宵サマ……でございますか」
    「お電話が入っておりますので、フロントへおねがいします」
という事なので、ここからは春美と二人で行動。
調査の際のコメントも変化。
タチミ・サーカスが公演を再開している事が分かる。



さきほど迷って入りこんだ、廊下に行ってみる。すると、例によっての大騒ぎ。
「ウチは社会のマドなんや! 知るケンリがあるんやッ!」
……などとキレイゴトを言ってると思ったら。事を知るや否や、

「コロシやでー! ビッグスターがやられたでー!」
……不必要な動揺を撒き散らしながらトンズラして行った。あのカメラマン・大沢木ナツミ。


マズイ所を見られてしまったのは、例によってイトノコ刑事。
さっそく話を聞いてみる。
殺されたのは、あの「忍者ナンジャ」の主演、アクション俳優・藤見野(ふじみの)イサオ。
そして逮捕されたのは、前述した「トノサマン・丙!」の主演、王都楼真悟。

なお、この時にイトノコ刑事から聞ける、他の情報。
糸鋸「これ以上、自分の給料にナニかあったら……
    ソーメンも食べられなくなるッス!」
   「最近、ソーメンしか食べてないッスからねえ……」

給料を減らされまくった結果、ソーメンが常食になった模様。

そんなイトノコ刑事の、「最近よく見かけるカオ」ランキング。
3位はナツミ、第2位は真宵、第1位は成歩堂であるとの事。



そうなると、今回救うべき依頼人は王都楼なのか……と考えつつ、ロビーに戻る。
すると、待っていた荷星から渡されたのは、トランシーバー。
荷星「さっき、ボーイのかたからあずかったんですけど」
   「弁護士の成歩堂龍一さんに、って」


……ピピピピピピ……


突然鳴ったトランシーバーから聞こえてきたのは、やたら慇懃無礼な男の声と、そして。
真宵「たすけてッ! なるほどくん!」
「問題なのは、お連れさまのイノチ……ちがいますか?」

この言葉を境に、成歩堂の視界(=画面)が激しくブレる。終いにはモノクロに。
しかし、そこまで動揺しながらも、成歩堂は冷厳なる事実を導き出す。即ち。

成歩堂「……”営利誘拐”……」

「要求は……判決です。無罪判決を、ひとつ」
「王都楼真悟を無罪にしていただきたい」
「タイム・リミットは2日」
「チャンスは、1回きりです」

成歩堂「たった1回で、無罪判決だと!」
無茶である。
コレはチュートリアルの第1話ではないのだ。

通話の最後に犯人は、”素直に”名前を名乗った。
「私の名前は……。……コロシヤ」


警察に通報できない以上、味方は少ない。
春美に促されて思い出した、頼れる仲間(?)その1は。
成歩堂(……イトノコ刑事……!)



すぐさまロビーで、イトノコ刑事に状況説明。
成歩堂「……要求は、王都楼真悟の無罪判決です」
糸鋸「交換条件が、”無罪判決”……?
    ということはモチロン、王都楼は真犯人というコトッスな!」

順当に考えれば、イトノコ刑事の論は正しい。
そして、実際のところも――正しかったのだ。



やや時間はさかのぼって。某所。
真宵(こ……ここ、どこ! あのホテル、なのかな……)
その答えが出るのは、まだまだ先の話である。





翌朝。
成歩堂法律事務所。

今回弁護する(はずの)王都楼との面会時刻を待つ、成歩堂と春美。
この時は、事務所のドコを調べても、通常のコメントは表示されない。
そんな折、春美は王都楼に対して、一つの可能性を語る。或る意味、最悪の可能性を。

春美「もし、そのかたが……本当にその……真犯人だったら。
    ……なるほどくんは、どうなさるおつもりなのですか?」
   「真宵さまを助けるために、サツジンハンを、ムザイに……」


また、自らの境遇についても。
春美「おとうさまは……おかあさまをおいて、里を出て行ってしまいました」
   「そして……おかあさまも」
   「わたくしには、真宵さましか……いないの」

最後の台詞。丁寧語になっていない事が、彼女の真情である証拠かもしれない。



さて。
いざ留置所で、会ってみた王都楼。
今回は、何としても彼の弁護をしなければならないわけだが。コイツが曲者。

王都楼「ちょっと待って。マネージャーに聞いてみるから」
二言目にはこう言って、他人と電話する頼りなさ。(というか、留置所で電話なんてして良いのか?)

彼には何を話しても、何を見せても、話が一向に進まない。
(私が)業を煮やして、とうとう問題のトランシーバーを見せてみる。
それでも話が進まないため、とうとう成歩堂も限界を超えた。
成歩堂「あなたのベンゴを引き受けないと、コロシヤが……ッ!」

ところが。この台詞を言った途端、何故か王都楼の態度が変わる。
王都楼「ボクのベンゴ……あなたにおねがいします」
……何となく釈然としないものの、取りあえず話を進める。

その話を聞いたかぎりでは、どうも王都楼、殺人容疑に困っているというより、
今回の騒動がスキャンダルになる事を嫌がっている様子。

何でも、「高校生やOLにも大人気」(by成歩堂)の「トノサマン・丙!」、
その主演である王都楼のキャッチフレーズは、
「春風のようにサワヤカなアイツ」という事らしいので。



会話の最後。
勾玉による霊力を持つ、成歩堂だからこそ出来る質問。
成歩堂「あなたは、藤見野イサオさんを殺害しましたか?」

こう問われた王都楼の答え。
王都楼「ボク、だれも殺してません。もちろん、藤見野イサオも」

こう答えた王都楼の前には、何も視えなかった。
あの銀の鎖も、頑丈な錠も。


王都楼にサイコ・ロックは発動しなかった。
だからこそ、成歩堂たちは王都楼を信じた。

しかし、結論から言えば、この時の成歩堂たちは、質問する文を間違えていた。
もしも、こう尋ねていたら、もしかしたら視えたかもしれないのだ。
あくまでもシンプルに、こう尋ねていたら。



「あなたは、本当に無実なのですか?」――と。




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