『逆転連鎖の街角』実況レポート (探偵パート1回目)

《運命》の車輪は、回りつづける。
オレたちが、生きているかぎり……。
大きな事件、小さな事件を巻きこんで、
車輪は回りつづける。
《運命》の車輪が止まるとき……。
その人生も、終わる。


このナレーションと共に、次々とフラッシュしていく事件の画像。
そして――最後に銃声。


この冒頭の処理には、感服。
素直に脱帽したい。

2周目で初めて気づいた事なのだが。
実は、今回の事件たちは全て、この冒頭で語り尽くされている。
よくよく見れば、どの位置から銃が撃たれたのかさえ、この瞬間に分かるのだ。



さて。
生まれて初めての法廷で、いきなり師匠と職場を失った王泥喜。
差し出された手に従い、「成歩堂法律事務所」を訪ねる……が。
ソコにあった物は、事務所というよりは。



カオスだ。



何という散らかりよう。
男やもめに……ってな言葉が頭に浮かぶ。


そこに現れた相手。
「ようこそ、成歩堂の事務所へ。カンゲイします!」
前の事件で顔を見た、あのシルクハット&マント姿の少女。

何はさておき、まずは部屋の中を色々チェック。
すっかり様変わりしている内装のうち、元の面影を残しているのは、
観葉植物の「チャーリー」と、本棚に並ぶ法律書の2ヶ所のみ。


ふと思う事その1。
考えてみれば、そもそも成歩堂は芸術学部出身だった。
本当は役者の道を目指していた(という裏設定がある)わけで。
だから、こうして奇術師と関わる人生というのも、ある意味本懐と言えるのかもしれない。

ふと思う事その2。
この部屋見たら、どんな感想を言うんだろーな。千尋。
嘆くか怒るか、あるいは笑うか。
何にせよ、呆れ果てるのは確実か?


その後、その少女との会話で、分かった事。

「成歩堂法律事務所」は現在、「成歩堂芸能事務所」を名乗っている事。

その事務所所長である少女の名は、「成歩堂みぬき」である事。
もう既に、プロデビューしている奇術師である事。


……などという会話を済ませると、自動的に次の場面へ移動する。



着いた場所は、成歩堂が入院しているという触れ込みの、引田クリニック
現れて会話した相手は、引田院長……じゃないです断じて。あくまで自称。

今度も最初に部屋の中をチェック。
何よりも気になったのが、部屋に散らばるビデオメディア。

王泥喜「ビデオディスクのケースが、うず高く積み上げられている。
     『大江戸戦士トノサマン』『トノサマン・丙!』
     『小江戸剣士ヒメサマン』『電動伝道師サマンサマン』……
     子供向けの《ヒーローもの》で埋めつくされている」

成歩堂「そういうのが好きな子がいてね。ドンドン送ってくれるんだ」
王「へええ……。親類のお子さんですか?」
成「……まあ。そんなようなものかな」
王「すごい量ですけど……カネ持ちの子なんですね」

王泥喜「テレビに映っているのは……《ヒーローもの》っぽいな」
みぬき「あ。コレ、みぬき知ってるよ! 《ボージャク武人・ナニサマン》だ。
     ヒーローの”鼻につく”感じが、小学生に大ウケなんだよ!」

王「成歩堂さん、こういうのが好きだったんですか」
成歩堂「入院してると、これぐらいしかするコトがないんだ。どんどん見ないと、たまる一方でね」
     「こういうときにまとめて見て、さっさとレポートを書かないと」


コレらの会話に出てくる、特撮ヒーロー番組のタイトル。
『逆転裁判』シリーズのどの場面に出てきているか。全部分かる貴方は偉い。
(※サマンサマンは『蘇る逆転』ブログ、ナニサマンは「特選法廷」がそれぞれ出典)

ところで。このビデオ達を送りつけてる人というのは誰なのか。
春美か。真宵か。あるいはいっそ御剣か。


それにしても。こうして成歩堂と会話している場面、どうにも不思議な感じがする。
一応、自分だった人(=PC)と会話するっていうのは。

何だか鏡に話してるみたいな錯覚を感じつつ。
「はっはっはっ」という全開の笑顔にビビリつつ。
成歩堂から事情を聞く。

成歩堂「ヒキ逃げ、ってヤツだよ」
     「ボンネットにハネ上げられて、10メートルほど飛ばされて……
     電柱にしたたかアタマを打っちまったよ」

という惨劇にも関わらず。
成「さいわい、足首のネンザだけですんだよ」
果たして運がいいんだか悪いんだか。
因みに、ここでの「轢き逃げ」という表現は、厳密には日本語間違い。
本来は「当て逃げ」です。

なお、この場面では、こんな台詞がさり気なく。
成歩堂「このおニイちゃんが助けてくれなかったら……また、転校するしかないな」
みぬき「そんなの、ないよ! せっかく、トモダチも出来たのに……。
     ひどい、おニイちゃん!」

どこまで本気で言ってるんだこの台詞。色んな意味で。

そんなネタを挟みつつ。
成歩堂「とにかく、オドロキくん。ウチで働かないか」
と言って、成歩堂が示した「依頼」。
その依頼人に会うべく、王泥喜は事務所にUターンする事に。



事務所に戻ると、さっそく来ていた依頼人。
やたら威勢のいい、ラーメン屋「やたぶき屋」の店主・矢田吹麦面(やたぶき むぎつら)。
どうやら、成歩堂とは個人的な知り合いらしい。
矢田吹「まだ弁護士のセンセイだったころ、先代の屋台に、よく来てたらしいぜ。
     副所長さんと、ふたりしてさァ」
実はこの場面、小説版『逆転裁判』にて登場してます。


というわけで。
王泥喜が今回、依頼された事件たち。

その1。成歩堂を襲った「轢き逃げ」の犯人を捜す。
その2。盗まれた矢田吹の屋台を探す。
その3。盗まれた、みぬきの下着(パンツ)を探す。



どれ一つとして、弁護士の仕事じゃない。



みぬき「さ。さ。オドロキさん! 街へ繰り出しましょうよ!」
どこかの誰かと似ている言い回しに促されつつ、とにかく調査に出発。



事件の起こった順に従って。最初は「轢き逃げ」事件現場へGo。
目に留まったのは、ペンキにまみれた大きな門と、
隣の「人情公園」入口に張られた「keep out」のテープ。


まずは、門の方で掃除をしている、北木小梅と会話。
北木組(通称キタキツネ一家)・4代目組長の妻であるとの事。

その会話の折に判明する、驚愕の事実。
事故当時の成歩堂が「10メートル吹っ飛ばされたのにケロッとしていた」(by小梅)
という事。
まさかいくら何でも、気絶くらいはするんじゃないんですか。成歩堂さん。……いや。



先生と呼ばせて下さい。



いや違う。ええとその、僭越ながらお呼び致しても宜しいでしょうか。
だって、何だか段々、コロンボのカミさんか、工藤優○か、ル○=インバースに見えてきて。
要するに、人外の存在というか。(←褒めてます)


そういえば、公園の方はどうなってるのか。
Lボタンで視点を切り替えると、一人の女性を発見。
しかし、まだ話しかけられない模様のため、公園入口をチェック。

ここでの収穫は、ゴミ箱から拾い上げた物たち。
みぬき「ペンキがついてるゴミが二つ、ありますね」
この時点では、一つしか拾う事が出来ないため、車のミラーを取りあえずGet。


さあ、それじゃ今度は公園の中に入ろう……と思ったら。
警官に、おゆうぎ呼ばわりされて止められる。
更に現れた、白衣の刑事にも止められる。
「……さもないと、そのカオに、ひっかけちゃうよ?」
 実験中のハイドロキシアセアニリドホスホモノエステラーゼ溶液を、ね」

という事で。この時点ではまだ公園には入れない。

ですが。その。
二人揃って、おゆうぎ扱いされてるのは大問題だと思うのですが。
成歩堂の場合は絶対にそんな事なかったのに。
ホラ、あれだけガタイいいから。


止むなくアプローチの仕方を変えようと、改めて小梅に尋ねる。

小梅「だれか、殺されたらしいよ。……それはそれは、奇妙な状況で」
という説明が…………後で考えると、どうにも他人事。
本来ならコレ、「ウチの子が大変なんだよ!」ぐらい言いそうな物だが。

小梅としては寧ろ、自分の下着(パンツ)が盗まれた事の方が重大らしい。
小梅「ここ数日、やたらパンツが盗まれてるってウワサだよ。
   それも、似たようなヤツがね」
というわけで。こっちの下着についても探さなければならないハメに。
やる事がどんどん増えていく。
裁判の「さ」の字も出る前なのに。


そんな彼らの前に、さきほど公園に居た女性が。
キタキツネ一家の屋敷に入ろうとした彼女に、突如みぬきが動く。
みぬき「わたくしども。こういうものです」
と、自らの事務所のビラを手渡して告げる。
    「こちら、弁護士の王泥喜法介センセイです!
    「よろしかったら……事務所でお待ちしていますね!」


なお、この女性との会話を境に、「成歩堂芸能事務所」の表記が変更される。
その名も、「成歩堂なんでも事務所」に。
とうとう事実上、探偵事務所のような代物に突入である。



事件の起こった順に従って。次は屋台が盗まれた現場へGo。
目に留まったのは、ラーメン屋(のような物体)と、
それからパトカーが停まっている、隣の「宇狩外科医院」。
みぬき曰く、件の下着ドロは、この病院の辺りに逃げこんだらしい。

ひとまず現場の証拠品をGetしてから、矢田吹と会話。
矢田吹「ウチに帰ってきたのが……夜の10時前ぐらいだったか」
王泥喜(ずいぶん夜が早いラーメン屋だな……)
    「盗まれたのに気づいたのは?」

矢「今朝も早く、朝日の前よ」
王(ずいぶん、朝が早いラーメン屋だな……)
まあ確かに、夜が早いのは不思議だけれど。朝が早いのは変でもない。
ラーメンの、特にスープの仕込みってのは、時間かかる物です。


さあ、それじゃ今度は病院の中に入ろう……と思ったら。
警官に、おままごと呼ばわりされて止められる。
という事で。この時点ではまだ病院には入れない。

ですが。その。
こちとら仮にも弁護士なのに。どーにもこーにも威厳がない。
相手は警察なんだから、弁護士バッジを示せれば、何とかなると思うんだけど。



事件の起こった順に従って。最後は下着ドロが逃げこんだ、病院のガレージへGo。

そのガレージに、またも登場するお約束。
王泥喜「お。あんなところに折ったハシゴがある」
みぬき「やだなー。あれはね。”キャタツ”っていうんですよ!」
王「……”キャタツ”? でもさ。ハシゴとどうちがうの? それ」
念のため覚書。
梯子は、立てかける壁がないと使えない。
脚立は、立てる余地がないと使えない。
そういう意味で、コレらは互いに、似て非なる物。代わりにはならないわけで。



因みに、このガレージでの注目ポイントは、車の周辺。

ポイントその1。車の下。
発見した携帯電話の持ち主を探そうと、「検分モード」で電話を使う…………事が出来ない。
もどかしいやら、拍子抜けするやら。


ポイントその2。車のマフラー。
王泥喜「そういえば……成歩堂さんの、ムカシの事件を読んだことがあるんだけど」
     「ムカシ、自動車の排気パイプに詰まっていた“布きれ”が……
     事件解決の手がかりになったコトがあったんだって」

そんな事件の記録まで知っているとは……
つまり王泥喜、成歩堂に憧れて弁護士になったという事なのか。
と言いますか、本編の事件のネタバレは如何なものかと。
(どの事件の事か明かされなかったのが救い)

ともあれ、その記録に従って調べてみると、中に詰まっていた物は――。
みぬき「ああああああッ! みぬきのパンツだあ!」
発見に喜んだ彼女は、さっそく得意芸「マジック・パンツ」の披露を開始。
み「さ。さ。よく見ててくださいねー。
  この、パンツ。中に何が入ってるのかなー? ……はいッ!」

王泥喜「うおッ! なな。なんだなんだ! なんで、パンツの中からどんぶりがッ!」
そう言えば、昔読んでた漫画で居たなあ。
制服の上着から何でもかんでも取り出す主人公。
フライパンとか金属バットとか。

もっとも、一見何もない所から物を取り出すのは、奇術の技としては基本。
しかし、よりによって、そのネタに下着を使うとは。あくまで商売道具として使ってるんだろうけど。


ポイントその3。車のミラー。
この箇所を見つけた瞬間、事件の一つは完全解決。



かくて一通り仕事を終えたので。引田クリニックへ報告に。
宇狩外科医院の黒い噂を、成歩堂先生から聞いてから、
探偵事務所、もとい、なんでも事務所にUターン。

すると、公園で会った女性が再び。
彼女の名前は、並奈美波(なみな みなみ)。
自分の婚約者にして、キタキツネ組の一人息子・北木滝太(きたき たきた)を
守ってほしいという依頼。
なお、この時、見せられた写真での滝太の服には、
『逆転裁判』警察マスコット・「タイホくん」の絵が。


ああ、今まで長かった。
やっとこれから本題だ。


セオリー通り、まずは留置所へ……と思ったが。被告人には会えず。
よって、殺人事件の現場である公園へ向かう。
が。またも、中に入る入らないの押し問答に陥って。

そこに現れた相手を見て、王泥喜は暫し絶句する。
王泥喜「……!」
     (な。なんだ、このひと……)
     「がりゅう……先生……?」

そう呟きたくなるくらい、相手は霧人に似ていた。

ただし、話し方も服装も、全くもって違うけれど。
「ぼくがつれて行ってあげるよ。……現場にね」
何とフレンドリーな会話。
と言いますか、事実上ナンパみたいな行動である。



そんなこんなで、やっと辿り着いた公園内。
謎のにーちゃんと別れた後、問題の屋台をついに発見。
先程の白衣の刑事にも再会。
茜「刑事の宝月茜。この現場の、名前ばかりの責任者よ」


何でも、茜本人曰く、9年ぶりに日本に帰って来たそうだが。
そういう事情よりも困るのが、話を聞いてくれない事
何を話しかけても、取り出した袋のかりんとうを、

さくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさく。
さくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさく。
さくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさく。


と食べ続け。


何と言うかその……鼓膜に刺さります。この音。私としては。
そもそも、こんな事したら現場に食べカスが散ると思うんだけど。……いいのか?

それに、現場を調べようとするのも叶わない。
物を突きつけても、茜の態度は変わらず。



さて。この後は、一体ドコに行ったら話が進むのか。
悩んだ果てに、成歩堂先生の下へ戻る事に。

それで教えてもらった事。
成歩堂と茜の縁。謎のにーちゃんの名前(牙琉響也)。
そして、事務所に置かれている白い粉。
間違いなく、あのアルミ粉だ。



公園に戻って茜に見せたら、見事にヒット。
成歩堂の知り合いとして認めてくれる。
茜「思い出の品ってヤツかな。成歩堂さんと、あたしの」
……と言っても、確かこの粉の持ち主は、茜じゃなかったはずだけど。
御剣に返しそびれたのか成歩堂。

一方、こちらの台詞には茜、大いに仰天。
みぬき「宝月刑事さん……パパと、どういうカンケイなんですか?」
     「ムスメです。成歩堂みぬきと申します」

茜「えええええええええええッ! 成歩堂さんに、ムスメさんがッ!」



我々プレイヤーがココにいます。



分かる分かるよその気持ち……と同情しながら、改めて茜と会話。


ところで。鑑識官を志望していたはずの茜は、今作では刑事として所属。
この配属違いは微妙にリアル。
(実際の警察では、この二つの役職はどちらも刑事課です)

ただ、個人的に茜に言いたい事。
その不貞腐れた顔だけは、どうか勘弁してほしい。
現場第一線で活躍する捜査員も、警察では立派にエリートなのだから。
そんな態度でいたら、巴が泣くよ?


閑話休題。
まずは、事件の流れを知るべく、屋台の持ち主を茜に教える事に。
人物つきつけ機能、やっぱり必要なんじゃないのかなあ、コレ。


次に、満を持して現場をチェック。
またもゴミ箱を漁って、証拠品をGetして。
それから、本日のメインイベントである指紋採取

この辺りの流れは、かつての『蘇る逆転』探偵パート2回目とほぼ同じ。
ただ当方、今は粉の飛ばし方を変えてます。
「マイクに息をかける」でなく、「マイク部分を軽く叩く」でも、同じように粉が飛ぶのです。



以上の、長い道のりを経て。
やっと留置所に辿り着く。
被告人に会うまでに、これほど時間がかかったのは、初めてかもしれない。

先に現れたのは、ハチマキ&エプロン姿のおっちゃん、
もとい、キタキツネ一家・4代目組長・北木常勝(きたき つねかつ)。

常勝「ムスコは、無実です。サツジンなどやっていない」
後で思えば。この事件。この台詞が、数少ない救いかもしれない。
被告人を救いたい、と思える要素の。


その後に続いて、やっとこさ現れたヤンキーくん、もとい滝太。
父子喧嘩を見せられてから、それから結局。



被告人と会話できずに、1日目終了。



………………あの。ちょっと待ちたまえ。

何か抜け落ちてないか?この流れ。
このシリーズっていうのは、被告人(の心)を攻略してナンボの世界じゃなかったか?
信頼関係を結ぶどころか、一切コミュニケート出来てない相手を、
一体全体どーやって守れとゆーのか。

しかも、相棒であるはずの、みぬきも(仕事のために)夜の街へ消えてしまうし。
自分の隣にさえ、人は居なくて。



(私は)コドクな気持ちを抱えつつ――物語の舞台は法廷へ。




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