『逆転のカウントダウン』実況レポート (法廷パート1回目)

赤・黄・青の三色揃ったちびキャラ達を眺めつつ、神妙な気持ちでswitch on。
この時、「ぎゃくてんさいばんふぁいぶ!」という声が流れて最初に驚く。
そうか、「ご」じゃないんだ、と。





とある光景。
無音の法廷で始まるカウントダウン。
何が何だか分からぬ間に、いきなり起こった法廷爆破
柱は倒れ、天井は弾け飛び、瓦礫だけが残される。
そこに一人たたずむ男。
全身は無論、右目すら包帯で覆った彼は、白い月を見上げて起ち上がる。

別の光景。
薄暗い部屋で、誰かと電話している誰かの姿。
彼は、元気一杯に裁判所を進む新米弁護士の女性を脳裏によぎらせながら、
青セビロに身を包み、ロケットペンダントをしのばせて起ち上がる。

「決着をつけるよ」――と。



と、ここで申し訳ないが、この作品最初にして最大の問題点を一つ述べておく。

私は制作スタッフさん達に素朴に訊きたい。
なぜ、ムービーシーンに字幕が出ないのですか?

「音声OFFでもプレイ出来る」という一線は、どうか保ってほしかった。
屋外ノーイヤホンでやる人(=私)や、何より耳の不自由な人の事も考慮してほしかった。
もし今後、再版する時があったら、是が非でも字幕を付けて下さいませ。切望です。

指摘はここまで。
(追記。後のiOS版では字幕が付いたとの情報)



嫌らしく笑う爆弾魔の姿を挟んで、場は法廷の控え室へ。
法廷爆破事件(詳細は第4話を参照)の翌日として、表示された日付は「12月17日」。
この際、日付に「年」が表示されない仕様である事が、
全てのプレイヤーに勝利を約束してくれる。
なお、この時点から既にセーブは可能。



開廷直前。
第1話の語り手は、黄色のスーツの希月心音。
心音(……うーん。ぜんっぜん、キンチョーしないなあ!)
と、第一声は至って呑気。
勤め始めて既に半年、それに法廷に出るのも初めてではないのだから、ある種当然。

そんな彼女の役目は、同僚にして先輩弁護士である王泥喜のサポート。
王泥喜「大丈夫かい? 希月さん」
     「さっきから、声が震えてるよ」

と語る王泥喜、一見は紳士的に振る舞っているが、実はコレ演技の賜物だったりする。
本当は笑顔を見せられる余裕など無いはずなのだ。

心音「先輩……あの法廷の爆発でそんなヒドいケガを……」
この時、てっきり私、右眼も爆発で切ったんだと考えた。
実際は、もっともっと複雑な事情があったと知るのは、ずっと先の話だ。


この度の被告人は、心音の幼なじみ・森澄(もりずみ)しのぶ。
すぐに喘息の発作を起こして呼吸器を当てる様が痛々しい。

その、しのぶからの差し入れに、心音は密かに感動。
心音(やば。わたし、なんでイヨカンをにぎりしめて涙ぐんでるんだろ)
この瞬間、一気に登場人物を身近に感じた。
何があっても助けてやるんだと熱くなった。


そんな折。
王泥喜「ゼッタイに勝とう……! この……さい……ばん……」
とうとう傷口が破れたらしく、王泥喜は皆の前で昏倒。
王「オレが……森澄さんを……守らないと」
と、まるで某作品の零号機パイロットみたいな悲壮な様子。

心音(こんなとき、《あの人》がいてくれれば……。
   でも、今から連絡しても、開廷には間に合わない……!)
   「先輩は、寝ていてください。わたしが、しのぶを弁護しますッ!」

王泥喜「一人で弁護を?そんな……ムリだ!
     今まで一人で法廷に立ったことなんかないだろ?」

と、王泥喜はおののくものの、他に選択肢は残されていない。
心音が、やれる限りにやるっきゃないのだ。



さて開廷。
心音にとっては、別の事件から数えて二度目の弁護人席だ。

検事席に立つのは、毎度おなじみ亜内検事。
王泥喜を「赤いサル」呼ばわりする失礼な奴。
その亜内に対して、心音はくるくる百面相。
心音「あ! こら、モニ太!」
   「ひ、ひゃいいいいいッ!」
   「う、うぐぐ……スミマセン」

美少女キャラでも容赦ない、顔芸ぶりに拍手を。
因みに、モニ太の色も刻々と変わっています。要注目。


心音(《法廷記録》を見るには、たしか《R》)
という台詞を境に、「法廷記録」を使用可能になる。
さっそく登場人物紹介をチェック。被害者は「賀来ほずみ」なる刑事のようだ。
しかし、よく見ると亜内の名前が何だかオカシイ。年齢表示もオカシイ。
ともあれ、その亜内の尋問により、しのぶは、心音と王泥喜に会いに法廷へ来ていたと分かる。

亜内の理不尽なハラスメントをかいくぐり、
初心者プレイヤーを考慮したチュートリアルをこなして、心音は弾ける笑顔を見せる。
心音(わたし……やれる!)



あらやだこのこかわいい。



だがしかし。
亜内にやり込められた心音は、甚大なダメージを受けた。
心音(そんな……声が出ない……。こんなときに……!)
失語症のような状態の彼女に襲いかかる、フラッシュバック。
血溜まりに転がる刀。証言台で泣きじゃくる心音。
何もかもが漆黒に落ちそうなったその時に、その者は青き衣をまといて舞い降りた――!!



かくして、「初期三部作」の主人公・成歩堂龍一、8年ぶりの再臨である。

この「8年」という言葉の意味は大きい。
「逆転裁判5の世界」は、
「逆転裁判3から8年経った世界」であると同時に、
「逆転裁判4から1年経った世界」でもある。

(少なくとも私にとって)
平行、あるいは混線した二つの歴史が収束していく予兆なのだ。



なお、この瞬間から、語り手は成歩堂所長(←5の彼の事はこう呼びます)へバトンタッチ。
今作ではこのように、物語の視点が目まぐるしく変化する。
時系列も複雑に入り乱れるので、気を付ける必要がある。



ともあれ成歩堂所長、王泥喜からの連絡を受け、全力で駆けつけた次第。
成歩堂「ココネちゃん。おそくなっちゃってごめん」
広い肩から両手振り上げ、バンと机を揺らして叫ぶ。
貫禄だけなら百人力だ。
ひとまず、しのぶは控え室で休んでもらって。改めまして攻撃開始。

因みにここで、名前のオカシイ亜内の正体が明らかに。
もっとも、成歩堂所長に言わせれば、
成歩堂(なんだかめんどくさそうなヒトだな……)
で終わるんだが。


一人目の証人は、馬等島晋吾(ばらしま しんご)。
冒頭の爆弾魔、もとい爆弾処理係。
いちいちキーボードでの発声システムで喋る人。
実際の法廷では勿論ルール違反、のはず。

あと、一瞬で爆弾を組み立てたり解体したり忙しない。
モーションがコンパクトだからストレスにはならないけど。
因みに爆弾の仕様は、25cm角の立方体。重量は5.4kgなり。



さて。久しぶりの法廷ゲージを眺めつつ、久しぶりの通常尋問。
(検事シリーズのは、どちらかと言うと「取り調べ」というべきだったので)
成歩堂所長は心音にレクチャーしつつ協力しつつ、馬等島を一旦追いつめるが、
手札が足りずに逃げられてしまう。



二人目の証人は、しのぶ。
心音「ナルホドさん……。あの検事、殴ってもいいですか!」
と、またまた顔芸しながら武闘派に走ろうとする部下をなだめつつ、
尋問開始……したけれど。
緊張しすぎてるしのぶからは、まともに話を聞き出せない。


そこで、心音の必殺技「ココロスコープ」の登場となる。
(喜怒哀楽ならぬ)喜怒哀驚のデータ利用法を丁寧に教えてもらう。

……ってコレ、よくよく考えると不自然。
以前の法廷で、とうに慣れてる感じで使いこなしている様子とムジュンする。
時系列がシャッフルされてる物語って、得てしてこういう怪現象が起こるんだよね……。
(より詳しくはこちらで述べています)


それはさておき。
しのぶにとって、王泥喜は「赤く燃える太陽のようなヒト」だという話を聞かせてもらったり、
ぬいぐるみ2体のポスターを見せてもらったりする内に、
亜内の手の内がついに割れた。
しのぶが爆弾に触っていない事が確定したのだ。





閉廷後。
ティモテのCM(って、たとえが古いか)みたいなポーズで照れてる心音がやっぱり可愛い。
一同は危機をしのいだ事を報告しようと、王泥喜の元へ向かったが――!?




次へ
(『星になった逆転』へ行く場合はこちら)

他の事件を読む


HOME


inserted by FC2 system