『逆転の百鬼夜行』実況レポート (探偵パート1回目)

確か大神ってゲームあったよね。



そんな感想を抱いたムービーの後、またも犯人による倒叙が描かれる。

第2話の語り手は、王泥喜へバトンタッチ。
「成歩堂なんでも事務所」に勤めて1年経つ彼が今回する仕事は、
成歩堂所長の養女・みぬきの付き添い。

王泥喜(……何でオレは、この事務所に居ついてるんだろう?)
……こっちに話を振られても困ります。

因みに成歩堂所長はと言うと、
みぬき「パパは知人を迎えに行くとかで、出かけてます」
との事。





二人の着いた場所は、山奥にある九尾(きゅうび)村。
妖怪ブームで村興しを目指しているこの村には、みぬきの友人が働いているそうで。

王泥喜(よし。”九尾村・庭園”に、《移動》するか……)
という台詞から、待望の探偵パートがスタート。

3D処理された背景と、大幅に変更されたインターフェイスに興奮しつつ、会話イベントを確認。
色々コントを見せてもらって和む私。
みぬきの消失(ヴァニシング)マジックも、ばっちりモーションを決めてくれる。

と、ここまで堪能してから気づいた。
コマンドから「調べる」が消えてる事に。

しばらくの間、真剣に焦った。
まさか「調べる」が全面廃止されたかと。
実際には、削減された程度で済んで一安心。


私としては、むしろ「移動」がスムーズになった事がありがたい。
九尾村のどこに居ようと、選択肢一つで事務所に帰還。

そうか!この世界では、旅の扉が一般化されたんだね!
カガクの力ってスゴイね!……なんてボケてみたりする。


庭園から見える村長の屋敷は貴重な文化遺産らしい……なんて話していると、
みぬきの友人・メイドの天馬ゆめみが登場。
目にする物に片っ端から怯えてお札を突きつける和装少女。
王泥喜の大声にも早速おののき、赤鬼呼ばわりする始末。
こういう時は、無論バッジの身分証明がお約束。

何とか弁護士(ただし鬼の)と信じてくれた、ゆめみと改めて会話。
村長の屋敷には、悪い妖怪が封じられているやら何やら。


そんな最中、突如として起こった一幕。
それは、そのままズバリ、
「悪の妖怪・天魔太郎VS正義の妖怪・グレート九尾」の対戦だった。

黄色のマントをなびかせて、実のところはアトラクションであるその対戦で
勝利を収めて去って行ったグレート九尾は、村興しのきっかけを作った覆面レスラー。
当然ながら、その素顔は誰も知らない。


その後も、観光を兼ねて村のイベントを楽しんだ王泥喜&みぬきだったが、
平和な時間は続かないのがミステリ世界。

ゆめみ「そそそ、村長さんが、妖怪”天魔太郎”に………………殺され……ました!」

矢も盾もたまらずに、王泥喜は現場へ駆ける。
彼が目にしたのは、赤い血と黒い羽とに埋めつくされた部屋。
その部屋に伏す、二人の人物。
一人は明らかに絶命していたが、いま一人には息があるのを、王泥喜はいち早く察して叫ぶ。
王泥喜「誰か早く救急車を!」

そう。これが人間の行動という物です。
職業探偵は人命救助してナンボだと思うのです私は。



事件後、事情聴取から戻ってきた、ゆめみと会話。
何と、この度の容疑者・天馬市長は、ゆめみの父親。
そして被害者・九尾村長は、元プロレスラーであったという。
……後に思えば、この時点で誘導されてたんだなあ。
王泥喜たち(と私)の思考回路は。


ところで、ゆめみがこの村で働いている理由の一つ。

ゆめみ「お母さんが好きだったこの花……九尾草の咲く村で、暮らしてみたかったのです」
と教えてくれた花が……………………えーっとその

何ともギリッギリのキレッキレの線を狙いやがってと感じる私は考え過ぎか。
個人的な意見としましては、正直な事を言いませば、
こうして序盤から丁寧に設定を説明していただければ、
こうして架空の植物を出す事そのものは良いのです。
どこまで言っても、説得力次第なんです世の中は。


閑話休題。
本当は、ゆめみの話を深く聞きたいところだが、
「頭がジクジクする」という事で、あまり負担をかけられない。

ゆめみ「わたし、ひとりになっちゃうのかなあ」
と、独りつぶやく、ゆめみはまさに「究極のコドク」の人。

こんな事を言われて、黙っていたらオトコじゃない。
王泥喜は依頼を快諾し、ゆめみもお礼を言ってくれた。


それじゃあ早速行動開始……の前に。
みぬき「オドロキさん? その手帳、何ですか?」
という台詞から、究極のお助け機能「探偵メモ」が稼働する。

要は、プレイヤーが自分でメモを取っていたのを、ゲーム側が肩代わりしてくれるという寸法だ。
積極的に利用すると、探偵パートが完全に作業と化すので要注意。
実際、全く使わなくとも何も支障ありません。
私は、2周目以降のフラグ管理として、たまに使ってます。



出向いた留置所にて、被告人・天馬市長と面会。
険しい目つきで恫喝しながらオーバーアクション繰り返す、古めかしい生真面目…………って。
何だかずっと昔、どこかで見かけた誰かさんを思い出すような。

王泥喜(いい人なんだろうけど、誤解を受けやすそうだな……)
よく分かっていらっしゃる。


差し当たって逮捕された理由は、凶器の指紋と、そして動機の存在。

天馬「私は、九尾村の合併を、押し進めていたのだ」
王泥喜「え、えっと……それが、村長を殺す動機になるんですか?」
天「うむ。村長が合併に対して、強固に反対していたからな」

そういえば。王泥喜が被告人とコミュニケートした描写って、これが初めてだな……。


そこに軽快に鳴る、王泥喜の携帯電話。
かけてきたのは成歩堂所長。
きちっとセビロ着てる事に気づいて私は小躍り。

何でも、新しく雇う事になった新人弁護士と合流してほしいとの事で。
王泥喜は九尾村へUターン。



着いた村の入り口で、王泥喜が見た物は。
警官とモメた末に背負い投げ食らわす武闘派少女だった。
……そういやこの子、初登場時の冥と同い年なんだなあ……。

心音「やっと見つけました! 探したんですよー」
と、何だかド○クエ2の某王子みたいなコメントしてくる彼女と、一通り会話。
その際、敢えて外れのアイテム突きつけて、憂い顔からの熱血返事を繰り返し味わう私。

心音「では、先輩! さっそく事件現場に、向かいましょう!」
かくて今作、王泥喜のパートナーが心音に決定。
因みにこの時、心音の持ってきた新聞記事について話すと、
なかなか”戦歴”のある新聞社だという事が判明する。



というわけで、事件現場へ近づく二人。
ロビーには、村長の屋敷の管理人・銭洗熊兵衛がいた。

熊兵衛「どうりで、高そうな腕輪してらあ」
と言った端から華麗にスリ取る、恐ろしい泥棒スキルの持ち主。
実は「こ、このツノはイカク用のものじゃ、ありません!」(by王泥喜)の時に既に盗られている。

この時点では、熊兵衛からはロクに話を聞けない。
が、王泥喜の腕輪について印象づけられる、重要な場面だ。


今度こそ、王泥喜が発見した現場「九尾の間」へ到着。
すると元気に叱る声。

「むう。なんだキミ達は! 勝手に入っちゃダメじゃないか!」
「よし、逮捕だ!」




早ッ!



イトノコ刑事よりもカッ飛んだ正義マニア、番轟三(ばん ごうぞう)刑事がここで登場。
白ずくめの服から、冒険譚(ヒロイック・サーガ)大好きの某お姫様を連想したのは私だ。

番刑事とコントかましたその後は、満を持して「調べる」解禁。
状況次第で自在に動くカメラパンにまず感動。
調べるべき箇所だけでなく、調べ終わった箇所にもマークが付く親切設計も、私としては助かる。
なお、今作では(指でなく)素直にタッチペンを使うべし。

死体の位置、「開かずの間」の扉、倒れた椅子、
僅かに開く窓、落ちている置物の5ヶ所を探ればストーリーが進行するが、
他の会話も読むのがオススメ(伏線的に)。
特に押さえておくべきは、天井の換気口(ダクト)だ。

なお、前述の窓を含め、この部屋のように、
「抜け道はあるけれど事実上密室と見なせる」という状態を「準密室」と呼びます。
こういう手札をあらかじめ見せておくのが、フェアプレイと言うものです。


事件の構造は、『再会、そして逆転』を思い出させる。
たった一つの鍵を持ち歩いていたのは、たった一人の人物しかいない。


そして、今作のメイン検事・夕神迅(ゆうがみ じん)の事が明かされる。
番「彼は……ただ者ではない。
  何しろ今回の担当検事は、殺人罪で投獄されている囚人なのだから」
  「彼は検事局長じきじきの依頼で法廷に立っているのだ」

王泥喜(まさに、法の暗黒時代だな……)

否。
むしろ逆なのだ王泥喜弁護士。
犯罪者でありながら、神のような実力を持った検事も、かつて居たのだよ。
才ある者が報われるのも、世の然るべき姿だ。
まだ、キミには分からんかもしれんがね。
……局長さんなら例えばこう言うかもしれない。


その一方で、心音は憂い顔。
後の因縁への布石が打たれる。

番刑事の説明は続く。
番「……”法曹界の歪み”……通称、ユガミ検事!」
  「彼の罪が、その通り名の由来なのだ」
  「彼が“法の暗黒時代”のキッカケとなった殺人事件の犯人だからだ」




関係者への事情聴取のため、再び熊兵衛へ突撃。
すると熊兵衛、軽くパニック状態。
何と、あのグレート九尾が”死んだ”証拠が川原で見つかったとか。
王泥喜たちは、手にしたマスクを確認しつつ、改めて屋敷の中へ。

堀田院長(自称)みたいなアヤシイ動きをする熊兵衛から、事件当時のアリバイ確認。
市長の秘書と一緒だったと答えてくれた。
この時、見取り図にあるロビーのテレビが、思いっきりブラウン管だったから吹いた。
この世界って昭和じゃないよね?


熊兵衛「誰か入ってきたら、あそこの監視カメラに写るしな」
って、本当に本物の画像なんでしょうね……?(←疑心暗鬼)

王泥喜「……ところで、このマスク、ホンモノなんですかね?」
熊「確かに違いねえ。こりゃあ、グレート九尾のものだぜ」」
って、本当に本物のマスクなんでしょうね……?(←疑心暗鬼)


と、ここで王泥喜が閃いた。
王泥喜(ま、まさか……グレート九尾の正体って!)

因みに。この章で自由行動するなら今のうち。
後の展開は、ほぼ自動的に進んでいきます。





ゆめみを村の入り口で見つけた王泥喜は、事件の状況、
そしてグレート九尾について問いただす。

なお、この時、ゆめみへの「突きつける」描写が実に丁寧。
ゆめみを気遣って敢えて見せないとかね。

ゆめみ「マスクをはがされることは、覆面レスラーにとって最大の屈辱!
     彼らにとってのマスクは、命よりも、大事なものなのです」
この台詞を記憶しておくと吉。



ロビーでは新聞を発見。
やたら妖怪押しのテレビ欄の中、推理ドラマっぽいタイトルが見えるのが私は気になる。

現れた熊兵衛を問いただしてるところに、
現れた真犯に……もとい、村長秘書の美葉院秀一(びよういん しゅういち)。
自分で美青年とか言っちゃってる、派手な頭の30代男性。
明らかに熊兵衛を丸めこもうとして、けれど自爆してるフシもあるような。



続いて留置所。
ふと、かつてサーカスの敷地で延々と迷った事を思い出した。
今になってみれば、アレもいい思い出かもしんない。

市長と話す内、話題は合併問題へ移る。
泥喜「そんなに九尾村が必要だったんですか?」
天馬「うむ。あの村は観光資源として、魅力的だったからな」


その時、一瞬だけの派手なエフェクトに、王泥喜の態度が変わる。
王泥喜(……やっぱり、腕輪が反応している!)
     「希月さん、天馬市長はウソをついてるかもしれない」
     「えっと、ウソをつく時、人は必ず緊張するんだけど……
     それがオレにはわかるんだ。この《腕輪》の反応で。
     オレが他人の緊張を感じた時……腕輪がキツく締まるんだよ。キュッとね」

心音「ええええええええええええええええええええええええええ!」



ついに来た……ッ!



以下、物語好きとしての私見。
こういった最低限の説明が、物語には必要なのです。
初期三部作でなら、霊媒云々のような説明が。
コレをやる事で、物語の世界は、私たちのそれと地続きになるのです。


そして、発動する「みぬく」。
探偵パートで発動する「みぬく」。
ただ一つの証言のみで検証される「みぬく」。

これで、「みぬく」は、サイコロックと完全同格の、「説得」のためのツールになった。

今こそ、歴史は再起動(リブート)される。
今度こそ――運命の袋小路ではない――みんな幸せになる、
理想郷(エルドラド)に到達できる……!


ともあれ、「みぬく」によって被告人を攻略した王泥喜は、
グレート九尾の正体と、真犯人の動機を告げた後、明日の裁判へ挑む。

今回こそが、彼の本当の初陣である。




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