『逆転学園』実況レポート (探偵パート1回目)

血の結界でも作られたんですか?



……などと伝奇かぶれの私は横に置いときまして。(気になる人は「鮮血神殿」で検索して)
第3話の語り手は、心音へバトンタッチ。



今日の事務所の面々は、法律家養成専門校・私立テミス学園の学園祭に集合である。
心音(ナルホドさん、弁護士資格を取り戻したと思ったら……
   さっそくこんな所から、招待のお声がかかったみたい)

……こう言われると、ますます成歩堂所長の身分が謎めいて。
疑惑とか醜聞とか障壁とか、まるっきり全然なかったかのよう。
今まで復職しなかったのは、単に手続きが面倒だったからか?とさえ思えてくる。



入った廊下で、まず吹いた。
「検事喫茶」って何する所でありますか。
客はどうするの?検事になれるの?検事に会えるの?
あと、「罪のカレー」っつーのも一体何。



待ち合わせに遅れた心音は、大教室で仲間と合流。
どうやら、成歩堂所長と会うべき教師・道葉正世も遅刻してきているらしい。
代わりに現れたのは、同じく教師の一路真二(いちろ しんじ)だ。

……実は。
敢えてネタバレすれば、この時点で既に、真相への伏線が張られている。
以後も繰り返し述べる事になるが、今回の事件、伏線の量が尋常じゃないのです。

その一方で、こんな小ネタも。
王泥喜「模擬裁判、もう始まるみたいだけどオレたちはどうしようか」
この時、セビロ好きとしては至高のポーズ・ネクタイ直しが繰り出されております。
今まで、この仕草やったメインキャラ居なかったんだよね。
(厳徒警察局長がやってたくらい)



閑話休題。
一路教諭から、テミス学園の機構などを教わる。

一路「この学園には……学年ごとに、三つのクラスがあります。
   弁護士を目指す者は、弁護士クラス。
   検事を目指す者は、検事クラス……
   裁判官を目指す者は、裁判官クラスに所属するのです」
ってソレ、まさか初学年から専門クラスのみって事はないよな……?



一路「歩く伝説と名高い成歩堂先生が、ついに法曹界へ返り咲きを果たした」



持ち上げすぎィ!



あるいはいっそ、お世辞を通り越して嫌味にすら聞こえる。2周目以降は特に。
しかも何と何と。

一路「私の聞いている限りでは、成歩堂先生には……
   本日の特別講義に加えて、明日の実技指導をお願いする予定と」

つまりソレは、成歩堂教授って事ですね!?(←正確には講師)
そしてその実技指導こそ、これからの模擬裁判で得られる栄誉。

一路「弁護士クラス、検事クラスで成績トップの者同士が……
   この学園を舞台にした架空の事件を題材に、ステージ上で一騎打ち!
   事件の中身は、裁判官クラスの者が作った台本から優秀な一本を選択!」
   「検事が勝った場合は現役の検事が指導に当たりますので」


そこに現れた女子生徒。
第1話で王泥喜とフラグ立ててたしのぶである。
心音とは7年ぶりの再会。
因みに彼女は裁判官クラスとの事。

心音「小さい頃からの幼なじみで、大親友なんですよ! ね?」
しのぶ「ええ。……よく、森の奥深くまで遊びに来ていただきました」
生徒会長である体面ゆえの他人行儀。
本来の「ココちゃん」呼びもなされていない。


ここで事務所メンバーは二手に割れる。
王泥喜は、成歩堂所長に譲ってもらって模擬裁判の見学。
成歩堂所長&心音は、道葉教諭を待つべく応接室へ。
ところが道葉は現れず、成歩堂所長はソファで居眠り開始。
模擬裁判は、とうに始まっている頃のはずだ。



弛緩していた時間が動くきっかけは――やはり事件。



不意に聞こえた物音の原因を確かめようと、
二人は応接室から、校庭に設けられたライブステージへ移動。
そこで成歩堂所長の顔が厳しくなった。

血を滲ませて倒れる道葉の、骸。
手首には痛々しい拘束の痕も見て取れる。
この時、てっきり私、ずっと監禁でもされていたんだと思ったものだった。

首を横に向けて考えこむ成歩堂所長は、現場検証を済ませようと心音に提案。
成歩堂「現場を荒らさなければ平気だよ。
     それに…………いや、何でもない。くわしいことは後で話す」



成歩堂「今は状況が状況だ。道葉先生、失礼しますよ」
と、成歩堂所長はためらいなく女性の手帳を広げる。
さすが合理主義者ぶりも健在。

それからステージに据えられた、の像との像。
更には、どうにも胡散臭い学校新聞。
しのぶのスキャンダル記事に慌てふためく心音を、成歩堂所長は諭す。
成歩堂「ココネちゃん。新聞記事に踊らされすぎだよ。
     文面も、どうも悪意に満ちてるし。ウノミにするのはよくないと思うよ」



市民の義務である通報も終えたところで、王泥喜も現場に合流。
その遺体を見て、王泥喜が言った。
王泥喜「模擬裁判で見聞きした死体の状況と、まったく同じなんだ!」





成歩堂所長が一路に報告へ行っている間。
心音と王泥喜は待っている間、しのぶに事情を尋ねる。

被害者の道葉は、しのぶの担任だった事。
今回の模擬裁判では、しのぶの台本が選ばれた事。

しのぶ「台本の内容がもれてしまってはまずいので……
    中身を知るのは、わたくしと、選考した道葉先生だけなんです」


そこに現れた二人の生徒。
弁護士(志望)の青服・静矢零(しずや れい)。
検事(志望)の赤服・厚井知潮(あつい ちしお)。
握手も断る天才キャラの前者と、養成ギプスなんぞ付けてる熱血キャラの後者と。
後で思えばコレどっちも、キャラ作った結果だったんだなあ……。


その二人に促されて話すしのぶによると、
あの校庭のステージで彼女は歌の披露もする役目もあったそうで。

しのぶ「わたくしは本来、ステージに立つ生徒の服を作る係だったんです」

と言われて見せられた制作ノートに、飲んでたスポーツドリンク吹いた
またもギリッギリのキレッキレを攻めてこられてる気がする。


しのぶの星好きに、王泥喜も笑顔で応じる。
王泥喜「昔からの友達の影響で、オレも星はけっこう好きなんだ」



話題は模擬裁判へと移る。
架空事件の方の決着は、検事側勝利でほぼ決まりだった模様。

零「決着はいずれ、別の機会につけるさ」
と、片手でペラペラめくってる六法全書に私はビビる。
いや多分あれポケット版だよねきっと。
さもないとダンベルみたいな苦行になっちまうし……。





比較的穏やかな時間はここまで。
事件という事で乗りこんできた番刑事、しのぶを被告人として連行していってしまう。
そこで心音、反射的に弁護を志望。
振り向いたしのぶも、「ココちゃん」呼びで笑んでくれた。


心音も王泥喜も、零も知潮も、それぞれのやり方でしのぶを救おうと決意。
なので王泥喜、まず手始めとして、模擬裁判の流れを「復習」したいと思ったところに。
「ぼくが手伝ってあげようか? …………おデコくん」
みょーちくりんな呼び方で乱入してきたのは、王泥喜の知る検事の一人・牙琉響也。
この時に流れるBGMが、(私が)フツーに聞けるロック調になってる事に、逆に驚愕した。
これなら耳からイヤホン抜かないで済む。

聞くに、牙琉もまたテミスの卒業生。
成歩堂所長が弁護士として呼ばれたように、牙琉も検事として呼ばれていたのだ。

また彼は、元ロックバンドボーカルとして、ステージでのライブに協力する予定だったという。
なお、この時に見せてもらえるステージの図は、伏線のセール会場
ドコを語ってもネタバレになる勢い。

そして牙琉も、しのぶと同じ、道葉教諭の教え子だった。
牙琉「不正を許さず、常に正しくあろうとする姿勢を尊敬してたんだ……」





さてさて、それではこの章のメインイベント・模擬裁判の模擬演習、
心音命名「モギモギ裁判」の始まり。
王泥喜が弁護士の零役、牙琉が検事の知潮役、心音が被告人のしのぶ役(&裁判長役)。

それで、裁判の内容ですが。ここはどうしても個人的な感想が先に来る。
やっぱり私、牙琉の醒めた言動が肌に合わない。
牙琉「裁判は裁判だからね」
   「こういうのはノリが重要なんだよ」

と一旦あおっておいてから、こういう事言う。
「……怪演、いたみいるよ」(←心音に)
  「着眼の甘さは、まだまだ学生レベルってトコかな」(←裁判当時の知潮に)
  「ま、学生なら仕方ないさ」
(←同上)
  「おデコくん。今のキザったらしい言い回し、ちっとも似合ってないよ」(←開き直った王泥喜に)
何となくだけど、言い回しにトゲを感じるんだな。
何となくだけど、浮かべてる笑みも不自然に感じるんだな。

しかしながら、このモギモギ裁判は、それぞれが会話して進めるのみ。
証拠品の提示などは一切ない。
王泥喜が牙琉にやり込められるのも、あくまで再演、予定調和の範囲内だ。





牙琉の去った後、いよいよ調査の本番開始。
ここで弁護士バッジを見せると、王泥喜のテンションが急上昇。
王泥喜「ほら、希月さん! ほらほら! これがオレの弁護士バッジだよ!」
所長のDNAがめっちゃ注がれてる弟子に乾杯。



心音たちは取りあえず廊下へ。
(捜査中のステージにはまだ行けない)

そこでは、成歩堂所長と一路教諭が話し合っている最中だった。
しのぶの弁護を報告した心音に、一路は不穏な言葉を発して去っていく。
聞くに成歩堂所長も牙琉からの協力を得た模様。
そして成歩堂所長が明かすのは、この学園にまつわる、黒い噂。

そもそも「法の暗黒時代」とは、意図的に有罪を、あるいは無罪を作り出す、
言い換えるなら出来レースの八百長問題
そんな不正を、この学園が推進しているかもしれないというのだ。


ところで、小説や映画ならまだしも、推理ゲームにおいて、
「捏造証拠」ほどナンセンスな物は無い。

推理ゲームの定義とは、
「ゲームマスターの提示する情報から事件の真相を当てる物」であろう。

なのに、その証拠品に虚偽が含まれるという事は……、
「ゲームマスターが自分で敷いたルールを自分で破る」
という、致命的な矛盾(ロジックエラー)を起こしている事に等しい。

コレを他のジャンルで例えるなら、恐らくこうなる。
「クリボーとスーパーキノコの区別が付かないスーパーマリオ」
「倒すと経験値がマイナスされるモンスターが混じってるRPG」
「自分の操作と逆方向に動く場合があるかもしれないテトリス」

………………そんなゲーム面白いと思いますか? ねえ。


つまり「法の暗黒時代」とは、逆転裁判シリーズを含めた
推理ゲームそのものへの反逆とも言えるのだ。
だから成歩堂所長は現場で、己の目と耳と手と足を動かしたのだ。



残った成歩堂所長と、一通り会話。
差し当たって、学園にまつわるアイテムを見せると、成歩堂所長の大学時代のお話が少し。

それから弁護士バッジも。
心音「昔はコワい人だったんですか? ナルホドさん」
   「……コワモテの人ほど、キバが抜けると丸くなったりしますしね」
   「昔の写真とか、あります?」

20歳頃の成歩堂所長を見せてあげたい。逆方向に驚くと思うぞ。



今度こそステージへ。
居たのはスネーク、もとい箱に隠れた生徒が一人。
たった一人の新聞部、その部長・宇和佐集芽(うわさ あつめ)である。

喋り方から、最初はてっきり男子だと思っていたのは実は私だ。
男口調の女子キャラ、けっこう好きです。

そんな集芽に、王泥喜の腕輪が反応し、「みぬく」が始まる。
心音視点のはずなのに。
しかもその上、その「みぬく」の最中に心音が会話に参加してくる。
王泥喜視点のはずなのに。

第1話の時にも感じたが、今作はもう完全に三人称と思った方がいいのかも。
「初期三部作」は、こういう視点切り替えがもっと自然だったんだけどなあ……。

集芽からは色々話を聞いたけど、2周目以降はしみじみ思う。
この子、盗聴までしているわりには、独力で真相を見破る才能は無いんじゃないかと。
三人組の秘密、どれ一つとして暴けていなかったわけだし。



その後、校舎裏では美術部員の知潮から、大教室では弓道部員の零から、
それぞれ事情聴取。

1周目と2周目で、ここまで印象違う会話も珍しい。
特に零。
死体を見たとか言ってくるけど。
つまりコレ、呼吸するように嘘つけるって事に他ならない。
弁護士勢の能力は、嘘そのものではなく、その罪悪感を見破っているわけだから。



最後は留置所。
敬語を止めてくれたしのぶに安堵。
けれど、だからこそ心音の中に疑念が残った。
三人組の「友情」には、裏がある。

王泥喜「オレにも、古い付き合いの友達がいるんだけどさ……。
     困ったときほど感じるもんだよ。親友のありがたみってのは」

と言ってくれた先輩の応援を受けて、心音は奮い立つ。

これが彼女の初陣である。




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