『蘇る逆転』実況レポート (探偵パート3回目)

法律事務所にて。
SL9号事件=「青影事件」について、茜から話を聞く。
茜「青影丈は、あのとき……あたしを殺そうとしていたの」

2年前。雷雨の降りしきる、その日。
宝月姉妹の所へと逃げて来た青影。
そこに入って来た直斗。
青影の人質に取られた茜。
落雷による停電。

その後。茜は 「青影事件」の目撃者として、法廷の証言台に立ったものの。
上手く話す事は出来ず。絵を描いたりも、上手く行かず。

結局、最終的な確証がつかめなかったため。証拠品を捏造した巴。
その捏造された証拠を、”知らずに”使ってしまった御剣。
そうやって「作られた」事件によって、青影は処刑されてしまった。

だからこそ、茜は決めたのだ。
将来、科学捜査官になる事を。
茜「今度こそ、自分のコトバで犯罪と戦いたい!」
という、思いと共に。


と、ここで一つ新たな情報。
茜「お姉ちゃん……2年前まで、捜査官だったんです」
それが、SL9号事件を境に、検事局へ異動した次第。



SL9号事件当時の詳細を知るため、留置所へ。
悩める巴から話を聞く。

2年前。警察局副長(かつ主席捜査官)だった厳徒と、副主席捜査官だった巴。
彼ら二人のコンビは、今も刑事課の伝説になっているのだという。

問題の日。
厳徒と罪門直斗による取り調べから逃走した青影は、巴(と厳徒)のオフィスに逃げこんだ。
そして茜が襲われ、罪門直斗が亡くなった直後、巴が現場に駆けつけたのだ。


つながっていく。いつものように。
一見無関係な人物たちが、ことごとく一つの事件へと、つながっていく。


なお、かつての厳徒と巴のオフィスは現在、警察局長室として使われているとの事。



警察局のエントランスにて、罪門と会う。
検事局へ出頭の身だと告げられて、少なからず胸が痛む。
この人の人生には、これからの救いは有るのか。

その罪門から聞けた事。
現場での捜査と、裁判での報告との食い違い。
凶器に関する情報の操作。
SL9号事件が発生したのも、「申し送り」の日だった事。
そして、巴の心が凍りついたのもまた、SL9号事件がきっかけだった事。


ところで。この場面での会話で、気になった事。
「地方警察局長」と「総監」とが、上下関係のような形で使われている事だ。
この二つは本来ならば、ほぼ同格の単語だと思われるのだが。

つまり、『逆転裁判』世界では、こんな感じの対応になるかと思われる。(←私見)

『逆転裁判』世界 (私たちの)現実世界

警視庁 警察庁
総監 警察庁長官
警察局 警視庁
地方警察局長 警視総監
地方警察局副長 警視副総監
主席捜査官 刑事部部長
刑事部長 捜査一課課長
課長 管理官

地方検事局 地方検察庁
検事局長 検事総長
主席検事 検事正




さて。
これから目指すべきは、警察局長室。
警察署の課長から場所を聞き出して、さっそく向かう。



渡り廊下を通って隣のビルに入り、エレベーターで辿り着く、15Fの局長室。
真っ先に目に留まる物は、重厚なパイプオルガン。(本物)
そこに声をかけてくる厳徒。
読んでいた書類を、デスクに仕舞って。


……そういやこの人、手袋してるんだよな……。


壁にある、2年前の授賞式の写真について話してくれる厳徒。
当時の受賞者である直斗が持っているのは、「剣と盾」のオブジェ。
やはり上の部分は欠けている。
そして、あの(のような物)も、後ろに写っている。

などと、当たり障りのない(?)会話でゴマカされ、エントランスへ逆戻り。
体よく追い出されてしまった次第。



もう一度、警察署に入る。
御剣を心配しているイトノコ刑事と会話。

糸鋸「御剣検事は、今。世界中をテキに回しているッス」
   「このイヤな流れに……御剣検事が、折れてしまわないか」
確かに実際、折れましたからな……。

一方、当のイトノコ刑事は、仲間からこよなく好かれている様子。
ノコさん! また連れていってくださいね! あの店」
このあだ名で呼ぶ人がいる事が嬉しい。(実は私も、こう略すので)


そのノコさん、もといイトノコ刑事から聞けた話。

2年前。青影のナイフの刃先が、罪門直斗の体内から発見された事が決め手とされた事。
つまり、コレが不正の証拠だとしたら、刃先を体内に埋めたという事になる。(無茶だなぁ……)


ともあれ、これからの調査には、局長室に入る事が不可欠。
そのためには、捜査官の協力が不可欠。

何を見せたらいいものか、取りあえず片っ端から突きつけてみた。1周目当時。
中でも傑作なのは、アルミ粉。
思いっきりクシャミをされて、散々な目に遭う事に。

でも正直、見てみたいものである。アルミ粉まみれの成歩堂を。



まだ行っていない所は、検事局。
御剣の執務室に入る。
途端、デスクで書きかけの文書を床に捨てる御剣。

取りあえず、プレイヤーの義務として、落ちた紙を調べる。
その文面に、戸惑う茜。
御剣「読めないのなら、教えてあげよう。《じひょうとどけ》……そう読む」
まさしく、折れて潰れる寸前の状態。

2年前の事件当時、証拠品が妙に少なかった事などを含め、
御剣「……警察局と検事局は、2つで1つなのだ」
と、思い悩む御剣。
……実際のところは、むしろライバル関係かとも思いますが。警察と検察は。



気持ちを切り替えて。
2年前の、検事局賞のオブジェの形について尋ねる。

すると暫く展開する、御剣と成歩堂による古典の授業
因みに、御剣が先生役、成歩堂が生徒役。
御剣「ムジュン……《矛盾》と書く。
   このコトバの由来は……ヤリのような武器《矛(ホコ)》と、防具である《盾(タテ)》だ。
   このコトバには、有名な物語があるのだが……知っているな」

成歩堂「あ、ああ。聞いたことはあるよ。……ちょっと、ド忘れしたけど」

……………………。

成歩堂「異議あり! その証人の発言は、アキラカにムジュンしているッ!」
御剣「”その証人”ではない。”楚の商人”……だ」



すげえ。ツッコミにツッコミで返した。



つまり。「割れた盾」と「折れた剣」は、矛盾を突きつめた、その結果の暗示なのだ。
が、しかし。
御剣「2年前、厳徒局長の提言で、《矛》は廃止されたようだ」



検事局の地下駐車場。
和牛のシンタマを手にする響華と会う。(※「シンタマ」とはウチモモの肉の事)


響華から改めて語られる、SL9号事件の話。
今の巴は、誰かの手による”操り人形”の一人だという事。

今までの事件の、本当の元凶は寧ろ――厳徒。
響華「彼が扱った事件では……不自然なほど、意外な証拠品が出たものさ」
その厳徒が次に狙っているのが――検事局。


信じがたい事態。
当初は確か、「ドタバタミステリ」と称されていたはずの『逆転裁判』シリーズ。
しかしこの外伝は、トンデモナイ汚職事件になってきた。

にも関らず。
成歩堂(どうやら……やっと、この事件のポイントが見えてきたような気がするな……)
こんな恐るべき事態になっても、怖気づくどころか、冷静に事実だけが視えてしまう成歩堂。
この点が、成歩堂の長所であり、また同時に短所でもある。

成歩堂が今まで戦ってきたラスボス達は、確かに誰も強敵だった。
けれども。
あの小中大は、あくまでも民間人に過ぎなかった。
あの狩魔豪は、あくまでも一介の検事に過ぎなかった。

が、今度はレベルが違う。
厳徒は、ただの個人ではない。
局長という立場の公人なのだ。
つまり「警察」という、権力を持った組織そのものが、今回の敵なのだ。

なのに、ソレを成歩堂は何の意にも介さない。
犯人を見つけて何が悪いのかと。事件を解いて何が悪いのかと。
単純に、純粋に彼は謎を追い続け、解き続ける。

もしかしたら成歩堂、たとえ犯人が国家主席とかだったとしても、
平然と法廷に引きずり出すんじゃなかろうか。



さて。ここで本当に、解くのに詰まった。1周目当時。
攻略本を読んで答えを知った時は、呆然となった。
(以降暫く、辛口失礼)


あの。成歩堂さん。
あなた本気ですか?

そりゃ確かに、このアイテムを見せるのが、
イトノコ刑事の心を動かすのに最も効果的なのは、分かる。分かるけれど。
コレは流石に、御剣のプライバシーの問題になるんじゃなかろうか。

御剣が失踪した時、あんな簡単なメモだけ残して消えた理由が、やっと分かった気がする。
少しでも具体的な事を書いたら、成歩堂にどう使われるか、分かったものじゃない。
ほんの僅かな手がかりからでも、地の果てまでも探し求めて来られそうだ。
何たって、15年間追い求めて、その手に収めた実績があるのだし。



警察署。
(私は)心を鬼にして、件の文書をイトノコ刑事に突きつける。
糸鋸「……自分も、最初は冷たいだけのオトコだと思っていたッス。
   でも。今は知っているッス。
   御剣検事が、ワレワレ刑事を信じてくれていることを。
   それなのに……その信頼を……ワレワレ警察は、ウラ切ってしまったッスね……」

嗚呼。ノコさんまで悲しませた。

その甲斐あって、ついにイトノコ刑事のIDカードを手に入れる。
糸鋸「せめて……最後ぐらいは。検事のチカラになりたいッス!」



おもむろに、Aボタンを押す。
ラストダンジョン、じゃなかった、局長室へ、もう一度。

広い部屋に、成歩堂と茜と二人きり、と思ったら。イトノコ刑事も一緒に来てて。
で、それを見た成歩堂が取った行動に、当方絶句。


「《イトノコ刑事のID》を、ポケットの中でにぎりつぶした」。



キチンと返せ。持ち主に。



順番として、まずイトノコ刑事から事情を聞く。
糸鋸「アンタたち、まさか……厳徒局長を……疑ってるッスか?」
この言葉に、茜も思わず驚くが。成歩堂は本音を語らない。


次に、現場の調査。

一つは、事件当時の状態のままである、巴のデスク。
棚には、巴と茜の写真が飾られている。

もう一つは、現在も使われている、厳徒のデスク。
引き出しに入っていた物は、SL9号事件の証拠品リスト
御剣の持っているリストの、残りの半分である。

「検分モード」で調べてみると、裏側に妙な画が描かれている。
「青影事件」で、直斗が殺された瞬間の画に見えるが……。

また、そのデスクのそば、部屋の隅には、鎧兜を着けた像が立っている。
何と、持っている武器を含め、全て本物であるらしい。


そして、厳徒の金庫。
タッチパネルを使って、実際にテンキーを押していく。
覚えやすい暗証番号を打ちこんで、開けてみて。
その中に入っていた物は、二つ。

一つは、あの奇妙な(のような物)の、最後のカケラ。
明らかに血痕が残っている。

もう一つは、手形の付いている、革の布地。
さっそく指紋検出してみる事に。

結果、現れた答えは。
厳徒の指紋…………ではなくて。

興味津々に尋ねてくる茜に対して、
成歩堂「いまひとつ、ハッキリしないんだよ」
と、敢えて伏せる成歩堂。

その会話を遮る形でイトノコ刑事、成歩堂を横へ引っぱり、小声で囁きかける。(←推定)
糸鋸「なぜ、局長のキンコに、あの子の指紋が入っているッス?」



ひとしきり調査を終えて、イトノコ刑事のIDカードに礼を言う成歩堂。
そんな時。声が響いた。

「……ヒドいなー、それ」



しまった!



ホントこの作品、たった一言の台詞だけで、キャラの声が聞こえてくる気がする。


不意に現れた厳徒。
厳徒「……とにかく。出ていってくれる? みんな」
と、速やかに人払い。

更に。イトノコ刑事に対して。
厳徒「IDは置いてってよ。もう、いらないでしょ、キミ」
   「……消えなよ。早く」
と、さらりと解雇処分

更に。茜に対して。
厳徒「キミ、残ってくれるかな」
と呼び止めて。

更に。成歩堂に対して。
厳徒「……キミはいいよ。出て行って」
と追い出して。



結局、またエントランスへ逆戻り。
もう警察局長室には入れない。
厳徒に抗議するため、戻って行くイトノコ刑事。

なお、茜は事情聴取につき、警察から戻れないとの事。



留置所。
巴「…………………千尋さんも、いい弁護士を育てたものね。……うらやましいわ」
  「やはり……御剣くんの言うとおり、でしたわね」

と、成歩堂の熱意にとうとう根負けする巴。

よって、また人物ファイルを突きつけて、告発する。
巴を、がんじがらめに縛っている人物の事を。


二人の会話は、厳徒の話題に移る。
巴「ソンケイする捜査官、でしたわね」
この時、過去形で話している点に要注目。

厳徒の不正を突きつけて、巴を問いつめる成歩堂。
すると、その結果。
巴「私は、厳徒のコトバに逆らうことができないのです」
と、ついに事件の実情が語られる。

多田敷殺人事件は、全て厳徒の命令だった。
御剣の車にある、多田敷の死体を片づけろと。
巴「私が見たとき刺さっていたのは……このナイフだったのです」
と、彼女が示すのは、SL9号事件の飛び出しナイフ。

つまり。巴は、死体に改めて、御剣のナイフを突き刺したのだ。
そして、彼女はその後、茜に電話をかけた。
車に隠した、SL9号事件のナイフを始末するようにと。

また、厳徒から命令された直後も、巴は罪門に電話していた。
が、その電話が逆に、罪門を別の事件へと駆り立ててしまったのだ。



話を終えて。これ以上、事件を解くなと頼む巴。
しかし、成歩堂の決意は揺るがない。

全てを明らかにする事。
それがミステリにおける、”探偵役”の義務なのだ。




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