『過ぎ去りし逆転』実況レポート (前編)

時はさかのぼって7年前

シリーズ初、3D俯瞰図で進められる法廷シーンをプロローグに始まる、
いわゆる「過去編」。

その「過去編」が動き出した瞬間。
一度目の悲鳴が私の口から飛び出した。



新人御剣再登場!



初陣である『始まりの逆転』で見た時の彼がいた。
あの過剰なヒラヒラ服を身にまとった彼がいた。
まだ狩魔豪のクローンのようだった頃の彼が、そこにいた。


しかし。
御剣(……これが、私にとっての初めての法廷…………か)
という直後のコメントに、暫く「?」状態に陥った。1周目当時。

前述の通り、御剣の初法廷は『始まりの逆転』である。
それなのに、いきなり矛盾してしまっているわけで。
まさかこのシリーズ、またも時系列が崩壊してるんじゃないかと怯えたのは私だ。


と、そんな風に怯えた気持ちを吹っ飛ばす、次の展開。
二度目の悲鳴が私の口から飛び出した。
御剣「! ……先生」



狩魔豪先生が御健在ッ!!



そういや『始まりの逆転』の時には出てこなかったけど、
この時代だと完全に豪の天下なんですよね検事の世界は。

と言いますか。物凄くどーでもいい事だけど、一つ言わせて下さい。
この二人が向かい合って立ってると、画面が濃すぎます
二人して、ヒラヒラヒラヒラしちゃってからに。


御剣(私の背中を、伝説の検事が見張っている。……ブザマな戦いはできない!)
と、この時代だと素直素直な御剣は、さっそく事件に立ち向かう。
けどホント、コレって『始まりの逆転』とはどうつながってくれるのか……。
本当に心配でたまらなかった。1周目当時。






とゆーわけで。ここからは自由行動。

裁判所のロビーを歩く。





って……ちょっと待ってくれ。
そもそもココってロビーなのか?
いつも成歩堂たちが被告人と話してるあの部屋ってロビーだったのか??

取りあえずココでは、ソファのそばの係官に話しかけるのが吉。
御剣(ム……! スルドイ目でにらまれてしまった。
   狩魔の教えを受ける者として、負けるわけにはいかない!)

こんな事を日頃からやってるから、終いには監視カメラまで睨むようになったんだなコヤツ。


一通り調べたら、満を持して先生の所へ向かう。
最初に出てきた話題は、この度の事件を担当していた一条九郎検事について。

狩魔豪「”法廷に立たせられない相手”の裁き方を相談されたことがある」



なお、この時、検事バッジを見せると、興味深い会話がたくさん。

狩魔豪「弁護士を目指していたお前が、ワガハイを師と呼ぶようになるとは。
     フン……数奇な運命よ」
御剣「確かに私は、弁護士を目指していたこともありましたが……
   今は、検事の仕事に誇りをもっております」

この会話だけ取り出すと、現実の法務省さんが小躍りして喜びそうだ。
(実際にはむしろ、最初は検事を目指していながら、最終的に弁護士になる人の方が多い)

狩魔豪「検事バッジとは……人に見せびらかすものではない!
     検事としてのイゲンは、バッジなどなくても自然に身につくものだ」
     「……なにより、この服に穴を開けることなどもってのほかだ!」
     「ワガハイは、検事局の連中にもつねづね言っているのだ。
     検事バッジは、しまっておくのがオシャレというものだとな!」

そうか。この世界で、検事バッジを消した犯人は先生だったんか。やっと謎が解けたよ。



そんなネタは置いといて。事件の話に戻る。

事件の発端は、9月8日夜に起こった殺人事件。
だが、事件の根は更に深い所に眠っている。

狩魔豪「今回のコードピア大使館員の殺人事件だが……。
     これは、第二のKG-8号事件と呼ばれているものだ」

言って見せてもらえた物は、3年前の新聞。

ここで当方、例によって、えーとえーとと指折り計算。
7年前の物語での「3年前」とゆー事は、つまるところ10年前。当然ながら計算は合う。


狩魔豪「天野河コンツェルンの会社員の葛由卯子(かずら ゆうこ)。
     彼女が密輸現場を目撃したことがコトの発端だった。
     だが、葛由卯子は法廷で証言する前に殺されたのだ。
御剣「コードピア公国の大使館員が容疑者として捕まったのでしたね」
狩魔豪「そう……コードピア人のマニィ・コーチンが容疑者だ。
     しかし、証拠不十分で無罪となり未解決事件となったのだ」
     「この事件の担当検事……一条はツメが甘かったのだ」
     「そして、今回お前が担当するコードピア大使館員殺人事件。
      この被害者も、密輸組織のことを法廷で証言する予定だった」
     「だが、KG-8号事件と今回の事件には違う点が一つだけある」
     「ギゾクといわれ、世間をさわがしている……大ドロボウ《ヤタガラス》だ」


が、ヤタガラス関係については一条検事しか知らないと言われたため、
そろそろ次の行動かと考えた時。

「あの。おにいさん。これ、両替してほしいの!」

頼んできたのは、ピンク色の風船を手にした女の子。
その彼女の願い通り、御剣は小銭を100円玉に替えてやった。


一体どういう事情なのか気にするより前に、御剣は狩魔に連れられ、法廷へと移動する。
一条から、事件の引き継ぎを終えなければならないからだ。



人のいない法廷の、検事席。
狩魔豪と御剣とが並び立つ。
それこそ、千尋と共に立つ成歩堂さながらに。
二人そろって同じように腕を組んで待ってる様は、見ていていっそ微笑ましい。

ところが。
一条どころか、弁護側の人間も見えないまま、裁判長だけが現れて。
裁判長「ところで、休廷中に誰かの誕生日でも祝われたのですかな?
     クラッカーを鳴らしておられたようですが……」

掛け値なしにイヤな予感がする。
すると案の定、騒々しい雄叫びが飛びこんで来た。
「え、え、え、えらいこっちゃッスゥゥゥゥゥ!」
「第2控え室で……い、一条検事と、被告人が……!
 ふ、ふたりが……ふたりが、死んでるッスゥゥゥ!」


矢も盾も止まらず、一目散に廊下を駆ける御剣。
しかし、肝心の第2控え室の入口で、一組の男女に止められてしまう。
そこに、さっきの雄叫び男(というかイトノコ刑事)も駆けつけてきて。





とゆーわけで。ここからは自由行動。

人々に尋ねる前に、目に留まった物を一つずつ調べていく。





廊下の右端にて。
御剣(消火器か……こんなモノで殴られようものなら……記憶の一つや二つ、
   カンタンに飛んでしまいそうだな。
   まあもっとも、私は殴られるようなマヌケなことはしないが)

って、7年後に思いっきり背後から殴られてますが。さすがに記憶喪失にはならなかったけど。

廊下の左端にて。
御剣(ム! 柵に止まっているカラスと目が合ってしまった!
   狩魔の教えを受ける者として目をそらすわけにはいかない!)
   「……………………勝った」

ってキミ、野良猫か何かじゃないんだから。せいぜい自重したまえ。



などという小ネタに満足してから、事情聴取開始。


一人は、刑事・馬堂一徹(ばどう いってつ)。
馬堂「……一条は、刃物で刺され死亡。そして……手には銃を持っていた。
   一方の真刈。こいつは銃で撃ち抜かれている。血のついたナイフを持って、な」


そして、いま一人は、プロローグで一条と「法廷バトル」をしていた弁護士、なのだが。
「……くっ……ぷぷっ。
 ”ただの新人とは思わないでくれたまえ”って……!
 アハハハハハハハハハハハッ! しかも、狩魔検事のお弟子さん!
 どうりで……ぷぷぷっ……! キバツなカッコしてると思ったわ!」



この私を愚弄するかこの不届き者がッ!



……あ。いやいやいや待て待て待て。
確かに御剣の立場としては、あまりにヒドイ言われようだが。
よくよく考えたら、コレがフツーの常識人の反応なんじゃなかろうか。
そのじつ、初プレイ時での御剣の第一印象って、「何だかスゴイ格好してるな」だったし。

そんな、ある意味常識的な、ある意味非常識な笑い方をした彼女の名前は、
「葛氷見子(かずら ひみこ)」。
のスーツを身にまとう、スレンダータイプの女性弁護士だ。


それから無論、忘れちゃいけないイトノコ刑事。
糸鋸「ネンガンの刑事になりたてピカピカの! 糸鋸圭介ッス!」
この台詞で、ついに確定。
”現在”は、『始まりの逆転』よりも半年前だ。
今度こそ、他の作品と年表がつながった!

そんな彼の今回の任務は廊下の警備だったわけだが、
糸鋸「この廊下に居たッスけど、争った音も聞こえなかったッスよ」
との事。



彼ら全員と話し終えると、葛は退場。
KG-8号事件の中心人物であるマニィ・コーチンと共に去って行く。

その彼女と入れ違いに現れたのが狩魔豪。
馬堂とは旧知の仲らしく、
狩魔豪「いつまでも現場にこだわる古い刑事だ。さっさと出世でもすればよかろうに」
    「……わからんでもないがな」
と、弟子に劣らぬツンデレぶりを発揮。

そんなところに。割りこむ声。
その声を聞いた瞬間。三度目の、そして最大の悲鳴が出てしまった。



狩魔冥ちゃん御年13歳!?



何でも彼女いわく、司法試験を前にした夏休みで、アメリカから戻ってきたという事で。
結局この事件、狩魔豪の指揮のもと、御剣&冥のコンビで捜査に挑むという流れに。
まさしく狩魔一門ドリームチームが誕生した瞬間だ。

しかしながら実のところ、
冥「……先に検事になったからって、エラそうにしないで!」
御剣(あ、あいかわらず……だな)
やってる事は例によってのドツキ漫才だったりしますが。



さて。場所は変わって。捜査許可の下りた、犯行現場の「第2控え室」の中へ。
それぞれ拳銃とナイフとを持ち、折り重なるように倒れている一条と真刈を目の当たりにする。
そこに、
冥「先に検事になったからって……これ以上、バカにバカでかい顔で、
  バカなジマンをされたくないの」

と息まく冥は、この事件での推理勝負を申し出る。
御剣(事件の真相をかけた勝負など、……子供の発想だな)
何つーか、もの凄く耳の痛い意見だなぁ……。

それで、その勝負(?)を見届ける役目にあたる事になったのがイトノコ刑事。
糸鋸「さぁ! 捜査ッス! 捜査するッス! コボウズ検事!」
と、先輩である馬堂の言葉を真似してみせるが。
御剣「……私の名前は御剣怜侍、だ。もしまたコボウズ検事と呼んだら…………
   検事職権を活かし、キミの給与査定を行わせてもらおう」

早速いつものコントが炸裂した。



馬堂「……一条がオソいかかり、真刈が反撃して相打ちになった……」
という馬堂の推理を聞いてから、本格的な捜査が始まる。





とゆーわけで。ここからは自由行動。





机やら床やら窓やらTVやら、それから一条と真刈も調べて回りつつ、
ロジックスペースとも往復する。
そんな中、鑑識からの出た結果に基づいて、冥の推理も始まった。
冥「この事件は、一条検事による報復から始まったのよ」





次なる目的は、狩魔冥の主張を崩す事。





と言いますか、そもそもこの事件、二人が相打ちになったという前提からして既にオカシイのだ。
この事件に介入している第三者こそを探すべきなのだ。



そんなところに。
裁判長を連れて戻って来た葛、いきなりトンデモナイ事を言い出した。

葛「馬堂さん。糸鋸刑事の逮捕を進言します」
裁判長「わ、私は見ましたぞ! 休廷中、廊下に誰もいない時間があったのを!」
葛「ずっと第2控え室の前を警備していたはずの刑事が、なぜ、そんなウソをつくのかしら……?」





次なる目的は、葛氷見子の主張を崩す事。





と言っても、そもそも葛の話では、一番肝心な情報が伏せられてしまっている。
この事件に近しい人物なら、一人ならず居るというのに。

しかし、そんな御剣の推理を砕いたのは、馬堂のこの言葉だった。
馬堂「……マニィ・コーチンは、傍聴席に居たと……報告があった」



結局、イトノコ刑事は馬堂に連行され、冥や裁判長も去って行く。
後に残ったのは、御剣と葛の二人きり。(あと鑑識員もいるけど)

なので改めて、KG-8号事件についての話を聞く事に。
葛「3年前、天野河コンツェルンを、密輸疑惑で告発した葛由卯子は、私の妹よ」
  「天野河コンツェルンの秘書が関わっていたという密輸組織……
  ヤツらがマニィを助けたのよ……」

つまるところ、今の時点ではマニィこそが最有力の容疑者に他ならない。
しかし、マニィが今回無実である事もまた確か。
考えこむ御剣に、葛は変わらず笑い転げて、こう語る。

葛「御剣くんって、本当に真面目ね。
  いつか……その真面目さが命取りにならないことを祈るわ」
意味深い言葉を最後に残し、葛は部屋から立ち去った。




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