誰が勇者を殺すのか。

第4作を解いた後、思い浮かんだ一つの説、というか夢想がある。



「第4作の成歩堂先生の正体は、公安のスパイである」という説が。

(より正確には、公安の協力者という立場)


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情報収集の手法として、監視・尾行のほか、
対象団体の関係者を協力者(スパイ)として勧誘し、
内部の情報を探るという手法(ヒューミント)をとり、
シギント(コミント(通信傍受・暗号解読)、エリント)などの技術的手段は行っていない。
職員は、その特殊性から、所属・職名(場合によっては氏名)を
偽って活動することが多い。(公安調査官を参照)

(以上、wikipediaの「公安調査庁」より引用)

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要するに。表向きは弁護士を辞めた流浪の人だとしても、
本当は或る種の公務員――特命を受けている捜査官ではなかろうか、と。

そう考えれば、以下に並べた疑問点の辻褄も合わせやすい。
(青色の部分は、当方による補足憶測です)


・裁判員制度への全面的な介入。
・弁護士バッジを持っていない状態でも、データがファイルされていく「法廷記録」。
・時・所ともに問わず、数々の現場に持ちこまれている隠しカメラ。
・即ち、7年前の時点から(=全事件を最初から)、公的な権限で捜査している。
(その調書が全て裁判の資料になっている点から考えれば明白)

・他の検事・弁護士に比べ、不正が発覚した時の処分が異常に厳しい。
(意図的な工作の可能性。現職では出来ない活動(←偽造品を扱うなど)を行うため?)

・そんな異常な厳罰にも関わらず、本人も周囲も、処分への反応が淡々としている。
(それくらい予想の範囲内、これ幸いとさえ言わんばかり)

・失職した直後なのに、赤の他人の小学生を引き取る余裕。
(あの時点で既に、充分な生活基盤の保証済み(……のはず。さもないと無茶))

・引き取った子供を自分の戸籍に入れ、養子にしている。
(独身の人が養子をとるのは基本的に難しい。まして本来の保護者は失踪中の身)

・子供の本来の保護者が失踪してから2週間程度で、養子縁組を決断。
(ビジネスライクにも見える父娘関係。一刻も早く、「家族」を得る必要があった?)

・行方不明になる事が日常茶飯事。そのキーワードが「極秘任務」。
((海外含む)遠方を渡り歩いている可能性)


なお、そのような複雑な身分になったのは、
当然ながら、第3作終了直後という計算になるはず。
その頃から、とあるスジから(厄介な)勧誘を受け始めていたとか。

かつて検事局や警察局の不正を暴いてみせた手腕を買われて。
今度は弁護士協会の不正を暴くため。
その最も適切な手段が、彼自らの意思でバッジを外す事だった。
たとえどんな非難を受けようとも、最終的に謎を解き明かす事を目指して。

…………なんて感じで。


つまり。
弁護士としての彼は、ただ単純に策略に嵌まったわけではない。
他人に“殺された”わけではない。そう思いたい。
PC(プレイヤーキャラクター)という物は、RPGで言うところの勇者だ。
3作品通じて活躍してきた勇者の最期が、そんな無様な物とは思いたくない。

誰が勇者を殺すのか。
強いて言うならば、それは勇者当人にのみ許される権利だ。
即ち、今まで作品を解いてきた我々プレイヤーこそが、
自ら物語に区切りをつける役を負うべきなのだ。

だからこそ、あの偽造された手記は、
我々プレイヤー自身の手によって提出されたのかもしれない。
それも、偽造された物だという事をプレイヤーは知っているという、
ある意味、残酷すぎる状況で。
あの場面は、新たな世界に移るための、避けられない通過儀礼なのだ。


ともあれ。事件を重ねるうちに、オリジナルの検察機構、
そして警察機構までも創り上げた『逆転裁判』。

これで今後、万が一、「公安局」なんて物が出てきたら凄い。
あるいは、実はこの世界の弁護士協会は(民間でなく)公営の組織で……とか。
そんな事を考えているのだが。どうだろう?





以上、あくまでもファンの夢想によるトンデモ説です。
くれぐれも本気になさらないように。あしからず。




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