と。(色の話)

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花嫁は清らかさの象徴・幸運のアイテムとして、青い小物を身に付けるという。


青い色にあるイメージは、まず「清潔」である。
透明に透き通った、雲一つない空や波一つ立たない水。穏やかな安らぎの象徴。
もともと青には鎮静剤の作用がある。
だから信号では、ゆっくり進める「安全」の色として使われているのである。


精神的には落ち着いた冷静沈着な思考の象徴である。
知性・理性などどちらかと言えばエトスの感情であり、
思いやりや優しさ、安寧な日々を求め、平和な社会的生活を望む。

しかし慎重さも度が過ぎれば、何も出来ない状況に陥ってしまう。
「ブルーな気分」という奴である。青は病的な憂鬱さ、脆さも象徴する。


「青い鳥」と言えば、即ち幸福のシンボル。だが同時に現実に合わない、高すぎる理想も表す。
実際、自然界に青い色は極めて少ない。
海・空を除いたら、僅かな花と宝石、生き物の瞳くらいしかない。
青は二義的な色、希少な人工物の色なのである。
そして空想・夢想を暗示している。


古代では青は「曖昧な色」と定義されていた。
よって「青春」のように若者や成長を意味する。
ただし「青二才」ともいうように、まだまだ未熟であるというニュアンスも充分に含んでいる。

五行では東・春・温暖・萌芽・成長・発展を表し、占星術では水星・双子座を表す。
夢の中に出てきた場合は、明るい青は天空からの連想から上昇・名声・忠告を示し、
暗い青は闇からの連想からなどの凶兆を示す。
青い服は、名誉の訪れを暗示する。


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人間が生まれて初めて知覚する色は、赤である。


赤い色にあるイメージは、まず「情熱」である。
燃えたぎる炎や太陽、それから血液や血管。躍動する、エネルギーの象徴。
もともと赤には興奮剤の作用がある。
だから信号では、気をつけなければならない「危険」の色として使われているのである。


精神的には元気に溢れた自律的な行動の象徴である。
情念・衝動など、どちらかと言えばパトスの感情であり、
勝利や成功、緊張した生活を求め、毒々しいまでの自己顕示を望む。

そして赤は恋愛の色である。それも性を伴う盲目の愛。
転じて嫉妬・憤怒・憎悪まで象徴し、ついには闘争・戦乱にまで発展する。
革命の旗の色は赤である。


「赤裸々」というように、赤には率直であけすけな印象がある。
実際、自然界に赤い色は極めて多い。
前述の火炎や血液などのほか、動植物にも様々な種類で見られる。
赤は一義的な色、自然に生きる命の色なのである。
そして現実世界を暗示している。


古代では赤は「明るい色」と定義されていた。
よって接頭語としての赤は、その単語の意味を強める。
「赤っ恥」、「真っ赤な嘘」という言葉には「明らかな」というニュアンスがある。

五行では南・夏・熱・高進・動悸・支配を表し、占星術では火星・牡羊座を表す。
夢の中に出てきた場合は、輝く赤は火炎からの連想から成功・発展を示し、
暗い赤は凝固した血液からの連想から病気・災害を示す。
赤い服は、素晴らしい体験を暗示する。




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