星の変遷

広い海の中に。深い闇の中に。

生まれゆく星がある。いつも。
たった一人の、熱い思いに輝く星が。
その輝きは人を呼び、星は光を増してゆく。
まるで、鮮やかな色を帯びる、虹のように。

その、傍らで。

消えてゆく星もある。いつも。
ほんの小さな、出来事が呼びこむ嵐。
その激しさは人を傷つけ、星は光を失ってゆく。
まるで、はかなく消え去る、夢のように。


今まで何度も、何度も見てきた。
星々の消える瞬間を。
世界の変わる瞬間を。

やっと安住の地を手に入れた――。
そう思えた時にはもう、既に始まっている。
必ず訪れる、別れの日が。


私は忘れない。
何があっても忘れない。
星たちの変遷を。
この目で見てきた事を。感じ取った思いと共に。
抱き続け、糧にしていく。
穏やかな笑顔で会える日が、再び来るのを信じて。


今までも、これからも。――ずっと。





HOME


inserted by FC2 system