A Magician's Words

オレが持つのは 尖ったナイフ
研ぎ澄まされた 鋭いナイフ
この指を軽く振るだけで 殺すなんて 実に簡単
その眼窩を 喉笛を そして心臓を
いくらでも 貫いてさしあげましょう

傷つけたくなんか ないのに
本当の想いを 伝えたいだけなのに
どうしてオレは こうして皆を苦しめる?

だから オレは仮面をかぶる
乾いた笑いの 道化になって
オレの演技は 常に完璧
見抜ける奴なんて この世に誰一人だって居ないから

けれど

ふと 思う時がある
オレは決して流せない 涙という物を
胸が痛い時 締めつけられるという そんな気持ちを オレは知りたい

もしかしたら オレは 盗みたいのかもしれない
言葉という もう一つの武器を手にして
人間ならば 誰でも当たり前に持っているのだという
心という名の 宝石を

お願いです
誰か 教えて下さい

オレは どこに行けば良いのですか?
それとも あなたは知っていますか?
オレの求め続ける物は 果たして――どこにあるのでしょうか?





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