今回の目的は、星威岳哀牙の証言を崩す事。
第6法廷にて、審理再開。
因みに時刻は、午後0:21。
さっそく証人席へ呼ばれる哀牙だが。
哀牙「今朝の10時より今まで、となりの法廷にいたものですから。
……こちらの状況など、知りようがないのですよ」
しれっとした態度で、この台詞。
哀牙「……我が神々しき指に光る、この赤いダイヤのリングのコト……」
と、探偵としての報酬を見せびらかせて。
自分が仮面マスクだという証拠として、哀牙が示すのは、あの犯行写真。
その写真における、不自然な点を指摘していく成歩堂。
すると、ゴドーにこう問いつめられる。
ゴドー「……いったい、この写真のどこに、”ウソ”があるのか!」
そりゃあモチロン……
全部。
……って答えちゃダメですか?
だって本当に全部、一切合切、真っ赤な嘘八百だと思うのだが。この写真。
問いつめられて、自分の無実を取り繕おうとする哀牙に、更に詰め寄る成歩堂。
成歩堂「たしかに……防犯キャメラは高菱屋が用意したモノでした。
しかし! そのデエタを管理したプログラムは、あなたのものだ!」
と、カッコよく決めてはいるが。
例によって口調が移ってます。
より決定的な根拠を求め、犯行写真が偽造された物である事を重ねて立証。
成歩堂(霧緒さん……あいかわらずヘンなオトコに引っかかるな)
と、これまたビミョーに第2作のネタバレを交えつつ。
予告状の「まだら」云々の言葉を、やっと哀牙に叩きつける。
次に解き明かすべきは、哀牙が被害者を殺した動機。
ゴドー「『ユーサクくん、自分を怪人だと思いこんでいるの!
カワイソウでしょ? ユルしてあげてよ!』」
とゆー、ゴドーの物真似(とゆーか声帯模写?)なんぞ挟みつつ。
仮面マスクの盗んだ宝石に注目する成歩堂。
成歩堂「モンダイは、この宝石の色です」
ゴドー「”色”……? ……ニガテな話題だぜ……」
1周目当時、まるっきり読み飛ばしていた。この会話。
あまりにもあからさま過ぎる伏線て、逆に見落とすものなんだなぁ……。
哀牙の正体――名探偵でも、まして仮面マスクでもない本当の姿を、成歩堂は暴き出す。
その、一進一退の攻防戦。
哀牙「貴方は……小学校のころ、通信簿でよく、こう書かれた。
『そそっかしく、早とちりが多い』……ちがいますかな?」
成歩堂「どどどど、どうしてそれを……ッ!」
成歩堂「……小学校のころ、あなたは通信簿でよく、こう書かれた。
『悪あがきするが、効果はウスい』……違いますか?」
哀牙「どどどど、どうしてそれを……ッ!」
どーでもいいけど、ケッタイな通信簿ですね。お互い。
ともあれ。そうやって、哀牙を限界まで追いつめた、その結果。
シリーズ最強のマシンガントーク、炸裂。
本当は全文、書き写すべきなのかもしれないが。
とてもじゃないが読み取れない上、読み方も今一つ自信がない。特に四字熟語が。
もっと言えば、途中のその四字熟語の下りは、日本語としてまるっきり無意味だし。
ところが。そうやって哀牙が壊れてから――ゴドーが吠えた。
ゴドー「このサイテーヤロウが事件当時、KB警備の社長室にいたコト!
そいつが立証されないかぎり、判決は下せねえハズだぜ!」
よし。だったらソレを立証してやる――と意気込んだものの。
どう考えても無茶である。
少なくとも、今持っている証拠品だけでは。
攻略本を読んでみても、やはり打つ手はナシのようだし。
仕方なく、Aボタンで台詞を繰っていくと、
真宵「……まだ、明日があるじゃない! もう一度、証拠をさがして……」
成歩堂「それじゃあ……もう、おそいんだよ……」
この通り、真宵は励ましてくれる一方、成歩堂の反応は冴えない。
ゴドー「”一事不再審”……裁判の基本原則を知ってるかい?」
裁判長「《ある罪状で裁判にかけられて、無罪判決を受けた場合……
その被告人は、同じ罪状では二度と起訴されることはない》」
今、哀牙が本来受けているのは、仮面マスクとしての裁判。
その裁判で、仮面マスクとしての罪を負えば、殺人事件の方ではもう、裁かれる事はない――。
成歩堂(これで、勝利への道は閉ざされた……)
第3作では初の、頭抱えモーションで、絶望に打ちひしがれる成歩堂。
このままでは、殺人事件は永久に迷宮入りになりかねない。
だが、もはや成す術は無しと諦めかけた、その時。
「異議あり!」
「裁判長。あなたは小学校のころ、通信簿でよく、こう書かれた。
『耳がとほく、聞きちがいをする』……ちがうかしら?」
裁判長「……どどどど、どうしてそれをッ!」
子供の頃からジイサンだったのか?とゆーネタを前置きに。
「……なるほどくん。カオをあげなさい。
私が言ったこと……忘れたの?
弁護士は……ピンチのときほど、ふてぶてしく笑うものよ」
今度こそ、現れた。彼女が。交霊ではなく。
待望の、千尋降臨である。
千尋「ひさしぶりね……なるほどくん」
成歩堂「……ち……千尋さんッ!」
成歩堂にとって最強の後ろ盾――千尋の反撃が、ここから始まる。
哀牙が口を滑らせて発した台詞への尋問を、千尋はゴドーに要求。
千尋「よろしいですね? ……検事さん」
ゴドー「…………………………………………」
「……! あ、ああ……」
もしや、この時のゴドー、暫し茫然としていたのかもしれない。
ゴドーなら、分かっただろうから。弁護人席に立っている彼女が、何者なのかを。
というわけで。哀牙の最後の証言。
その証言を崩すチャンスは、唯一度。
一体どうやったらいいものかと困る成歩堂に、千尋は告げた。
千尋「ムジュンを指摘する方法は……何も、証拠品をつきつけるだけじゃないでしょう?」
成歩堂(……《ゆさぶる》しかない、か。ムジュンしている発言を……!)
実を言うと、この尋問も悩みに悩んだ。
どうも私、一度しかチャンスがないと言われると、思考が止まってしまうようで。(怖くて)
けれども。
哀牙はまさに、口を滑らせ、語るに落ちていた。
知るはずのない事、知っていてはならない事を、哀牙は語ってしまったのだ。
その事実を成歩堂に指摘され、哀牙は今度こそ――――叩きのめされた。
哀牙「……さあさあみなさん、ごらんくださあい……!
天才にふさわしき好敵手を求めて、ついに自ら犯罪に手を染めた……
あわれなピエロでござあい……」
高笑いを交えて、こう言い放つ哀牙。
これにて、事件解決。
因みに閉廷時刻は、午後3:35。
と、そう簡単に終わらないのがこの世界。
天杉優作である。
そう。彼は、仮面マスクとしては一旦、無罪になってしまっているのだ。
しかし当然、この天杉の処遇にも、一事不再審は適用されるわけで。
おかげで天杉は、取りあえず無罪放免の立場になってしまう。
――本物の仮面マスク本人であるにも関らず。
それにしても。
この事件は、つくづく「ヤヤコシイ」の一言に尽きる。
天杉は毒島を裏切り、毒島は哀牙を脅迫し、哀牙は天杉を脅迫し……と続く無限連鎖。
個人的にはこの事件、「ウロボロス窃盗脅迫殺人事件」と勝手に命名しております。私。
(3匹の蛇たちが、互いに互いを食い合ってるとゆー事で)
何より、本来ならこの一連の事件、
「倉院の壷」に関してだけは、仮面マスクの犯行とは別件の窃盗事件として立件していれば、
もっと話は簡単だったのでは、とも思うところ。
閉廷後。成歩堂と千尋の会話。
千尋「あの子……今、迷ってるみたいなの」
「家元をつぐことは……母との別れをイミするから」
刻々と近づく、運命の時。
その一方で、天杉は失意の底。
自分が怪人である事が、ついに希華にバレてしまったからだ。
天杉「割れたおちゃわんは……元には戻りませーーーん!」
と、てっきり思ったら。
何と、実際の希華の意見は違っていた。
希華「そんなスリリングなこと、見逃すハズがないじゃない!」
との事で。
彼女曰く、正々堂々と予告状を送って、警察と戦っているなら問題ナシらしく。
成歩堂にも素直に礼を言ってくる。
……まぁ確かにこの希華も、全くの清廉潔白の人ではない。
スピード違反の常習犯なのは確実だから。
ただ希華さん、一つ尋ねたいが……
旦那さんが、盗品を裏ルートで売ろうとしていた事も不問なんですか?(←余計な心配)
そんな感じで、希華といい雰囲気になりかけた成歩堂の元に、再び春美が登場。
そして再び巻き起こる、ビンタの嵐。
春美「なるほどくんッ! 真宵さまの前で! ヒト様の奥方と!」
「ユルしませんっ!」
という、まるで嫁の浮気に怒る姑のような勢いに、とうとう倒れる成歩堂。
成歩堂「ぼくの意識はうすれて行き……そして、事件は終わった」
成歩堂「”割れたおちゃわんは、元には戻らない”……優作くんは言う。
でも、そんなコトはないハズだ」
「割れたツボだって、こうして元に戻ったわけだからね……」
世の中には、取り返しのつかない事も多くある。
成歩堂の言っているこの理屈は、理想論に過ぎないかもしれない。
けれど。何事も、遅すぎるという事は無い。そう思いたい。
成歩堂の人生においても、真宵の人生においても、きっと……。