今回の目的は、市ノ谷響華の証言を崩す事。
開廷直前。
普段の依頼人なら、成歩堂を信じてくれているのが定石だが。
巴「弁護士は、依頼人を信じるなど、もってのほか」
と、どうにも冷たい空気の今回。
さて開廷。
真宵もいない、つまり千尋もいない、たった一人で挑む審理。
……と言っても一応、助手ポジションには茜が付いてくれますが。
親友と対峙して、過去の事件に思いを寄せる成歩堂を制し、御剣は冷静に論を進める。
好いた仲になっても、馴れ合いを避ける姿は好印象。
さて。最初の証人、市ノ谷響華。
証人席に着くや否や、弁当の営業を始める。
豪勢なメニューに飛びつく裁判長や、戸惑い呆れる成歩堂を余所に、御剣だけは動ぜず。
御剣「……名前と、職業だ」
この時点でも、少しは成長してるのかな。御剣。
響華「ワケあって、《ベントーランド》で陣頭指揮をとっております」
御剣「市ノ谷響華は、2年前まで捜査一課の特別捜査官……甲種殺人事件の刑事だったのだ」
そう言われて、裁判長も響華の事を思い出す。
という事は……「ゲロ」とは、本当は「自白」の意味か。
それにしても響華、検事側(=巴や御剣)から解雇通知を受けたと言うが、
まさかこの世界の検察官って、警察官の人事にまで口を挟めるのか。
で、肝心の尋問でありますが。
さあ、のっけから分からない。
と言いますか……いきなり完全に完璧な証言を出された気がする。
正直、この証言を崩すのは、第1作の頃の感覚では無理。少なくとも私には。
取りあえず、イチャモンの一つでも言ってみる成歩堂。
成歩堂「巴さんは、ナイフなど持っていないッ!」
こう指摘された、御剣の返事。
御剣「異議あり。」
思いっきり、嫌そうに。思いっきり、気の抜けた声で。(←推定)
案の定、御剣から冷厳なツッコミが入る。
御剣「シャッターが切られたのは、すでにナイフを刺した”あと”だ」
検事殿のおっしゃる通りでございます。
が、それでも食い下がるのが成歩堂。
さっきは「事件に気づいた”瞬間”にシャッターを押した」と言ったはずだと、言葉尻を捕まえる。
更に、犯行に使った凶器が他人の物だという不自然さ。
ただ、この論を詰めていくと――御剣の共犯説が浮かび上がったりしないものか。
かくて響華が、御剣と対立しつつ、述べる証言。
キーになるのは、巴のマフラー。
その証言を揺さぶりまくり、真相を暴く成歩堂。
結果、判明した事は。
巴を確保するまでの間にあった、5分間の空白。
そう、5分もの時間があれば――。
成歩堂「カップラーメンのおかわりが作れる! ……カタめでよければ」
って。張り合うなよ弁当屋と。
……まぁ、言いたい事は一応分かる。
5分間あれば、出来る事は沢山あるという次第。
ともあれ、これで何とか響華を倒せた、と思ったら。
響華「スペシャル弁当でよろしかったかしら?」
と、裁判長を弁当で買収して、自ら証言を申し出る響華。
その響華が証拠品として提出した物は、現場に残されていた――血染めの白い靴。(右足)
予想外の展開に、声を荒らげる御剣。
御剣「裁判長! これは、正当な証拠品ではないッ!」
御剣「法廷における《証拠法》の2大原則」
「《その1:警察局の認可のない証拠品の提示は認められない》」
と、説明を始めるが。
この法律自体、よく分からない。
裁判における証拠品という物は、その裁判の前に全て予め、裁判所に提示する必要があるはず。
警察の許可がどーこー以前の問題。(だったと思う。我が記憶では)
第一、証拠品の提示に警察の許可が要るのなら、
今まで成歩堂が提示したアレとかアレとかアレとか……全部違法になりかねないし。
もっとも……何よりも恐ろしいのは、
その「証拠法」の内容を、何も知らない成歩堂かもしれない。
痩せても枯れてもプロなのに。
因みに、響華が提出した靴は、警察局の認可済み。よって正当な証拠品であるそうな。
てなわけで。今度は靴を検分してみる事に。
尋問の最中でも出来るんだな、検分。
その尋問の際、血液検査について何を知っているのかと響華に問われた成歩堂。
成歩堂「たしか……A型は”神経質”です」
こんな物言いをする以上、順当に考えれば、成歩堂はA型ではあり得ない(はず)。
現場における不審な点を挙げられて、
「待った!」
をかける御剣。
(このボイスが聞きたい人は、第3作をGetすべし)
それで分かった事は。
どうやら巴は、逃げる時に、現場の血痕を消し去ろうとしたという事。
それこそルミノール反応でも調べてみたいところ。
証言が嘘かもしれないと言った茜に、更なる証拠写真を突きつけてくる響華。
そのものズバリの死体遺棄の写真を見せられて、
もうこれまでかと思った――その時。
……まだ……。……うつむくのは早いわ、なるほどくん……
また謎の声に導かれながら、というか千尋と交霊しながら。
成歩堂は、写真にあるマフラーを指摘する。
って……………………。
まふらー!?
自分でプレイメモを書いていて、初めて符合に気がついた。
(※この事件に限っては当方、1周目のプレイでメモを取っています)
――と。
第1作の世界観なら、1回目の審理はこの辺で終了するところ。
だがしかし。
この裁判の本題は、まだまだこれからなのである。