事件2『友とまだらの紐の冒険』

・ネタバレ情報を知る前は、いろいろ夢を見ていました。
 第1話は、自ら進んでセルフ弁護を始めるのが楽しみだなあと。
 第2話は、亜双義の出立を送った矢先にまた事件が起きるのかなあと。
 そうやって先んじて思い描いてた作品って、たいてい裏切られる。予想でなく、期待を。
・冒頭から全力で心を折りに来るスタイル。
 よりによってCANONをそのまま載せる意図が分からない。
 他人様の作品のネタバラシというのは、特に物書きとして絶対に許されざる行為だと私は思ってる。
 ドイルの著作権が切れてるからって、こうも核心を明かす制作陣には首を傾げざるを得ない。
 ホームズシリーズを未読のプレイヤーの楽しみを奪う罪は重い。
・第2話冒頭で、サポートキャラが死ぬ。霊媒師でも出てくるならともかく、無駄死にじゃないかコレ。
・法律家を目指してる亜双義が、友人を密航させる違法行為をしてるという矛盾。
 事情を明かさず密航させる方もさせる方、事情を聞かず密航する方もする方。
 フツーに一緒に留学するんじゃダメだったの?
 あるいは、極秘任務で護衛として部屋に隠れる取り決めをキチンとする、とか。
・とことん周りに流される操作キャラと、信頼関係ゼロの(一応)ヒロイン。
・ぶん投げられた。
 ぶん投げたいのは私だゲーム機を。って、そうじゃなくて。
 ホントにマジで操作キャラのターンが来ない。
 別に直接襲ってきたわけでもない、逃げ去ろうとする相手に投げ技って、毛利蘭でもやらないぞ。
 まさか、コレ単に、スタッフが画像上下反転を披露したいだけなんじゃないだろうか。
 テキストゲームって、ハードのスペックが上がると死ぬのかもな……。
・確かに『裁判5』で、「調べる」が消えて不満だとは申し上げました。
 でも、だからって、信頼関係ゼロの状態で「調べる」やっても、楽しいわけがない。
・「調べる」の当たり判定が緩い。個人的にはありがたい。やっと長所だ。
・女に言われて初めて周りを見渡せる。法廷記録の時も思ったけど、もっと自由行動させてよ。
・本棚の本が倒れ、食卓の食器も落ちてる。だから船が揺れたんだろってツッコミたいのに進まない。
 夕食後に意識を失ってる事にも気づいてくれない。操作キャラが言ってくれない。
・船員が犯人と感じた第一印象は、半分合ってた。
・小さくて軽いカンヌキ。『逆転サーカス』の「10kg」を思い出す。
・机に寄ったら、また投げられた。(2回目)
 真宵や春美もエライ真似よくするけど、アレは一旦信頼関係を築いてるから納得できる。
・というか、この机の段、もしかして攻略と関係ない? 
ぼくが投げられたのは単なるネタですか? 暴行罪で訴えていいですか?
 画像上下反転してるって事は、まともに首からイッてるだろコレ。
・ロシア語のダイイングメッセージ、を、二人とも分からない。それをフラグに、画面に何か湧いた。
・ホームズ様がアホキャラというのは、島田荘司が30年前、1984年に『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』で通った道。
というより、イカレっぷりなら島荘ホームズの方が上です。
・また投げられた(3回目)。
・ひとを投げ飛ばした事をとぼける女。
日記を見るのが気に入らないんじゃない。
この操作キャラを嫌ってるだけじゃないか。
・「まだらの紐」の設定パクリ展開。未読者への配慮ホントにゼロ。
・また投げられた(4回目)。
・高笑いして去って行く自称名探偵。単純に厭な奴なんですが。
・そうか、船にいる全員グルなんだろ。この暴力女と気障男がぼくの敵だな。
……という妄想の内、半分(前半)が正解という恐ろしさ。
・細長の吐血は嫌なんだけど、この人には愛嬌がある。
 ……と弁護したいから、頼むから袖で血を拭かないで。
・毎回2人分の食事を運び入れてたらバレますよね密航……と思ってたら予想の斜め上。
 残り物を与えられるって、人間扱いになってない。
・クローゼットの側にあるベル。最初からはいじれない。
・亡命してる女の変装。声の演技はどうなってるんだ。
・操作キャラを放って勝手に始まる推理劇場という名の接待推理。木更津裕也か。それとも毛利小五郎か。
「わー、おじさんすごーい、でも、おじさんの名推理すごすぎて、みんな分かんないみたい。
ボクお手伝いするから、分かりやすく説明してあげようよ!」……って感じ?
・女に言われて推理始める。やっぱり主体性がない。
・いちいちぐるぐるスポットライトが集中を削ぐ。と言いますか、1回目は完全に読み流して問題ない。
 時間の止まった空間で問題箇所を指摘するという意味で、システムが「みぬく」と似てる。
・選択肢が表示されるから、「みぬく」よりは辛くない。ただ、どうにも、テンポが遅すぎ&ノリが軽すぎ。
 操作キャラを一瞬でもカッコいい思ったのも事実だが。
・ところで、この場面は結局、何語で喋ってるのか。
 英日ネタだけでも持て余し気味になってるのに、更にロシア語まで混ぜるか。
・「不自然な英語」……何で変装モードだと口調ごと変わるの?
・移動時にヒントが出るのはいい点。
・まだ女が疑ってくる。
・刑事が健闘賞。苦労したと語らないのは漢だ。
・画面の「靴墨」が暫くピンと来なかった。何かの棒が有るように見えて。
・頸椎骨折。って事は、船が不意に弾んだ? エアポケットみたいな事ってあるのか?
・刑事も殴られた? 薬を盛られた?
・探偵も眠らされてる。まさか全員が一時期眠らされた? テロリストでも紛れてるのかこの船。
・通気口を触ったら、画面が回った。
・そもそも船って、基本的に停められないはず。まずは、おもかじ切って、それから減速。
・霧散する密室。つまりこの船、室外から室内への救助活動できないって事。この船の安全性は、皆無だ。
・また投げられた。(5回目)
 ……なあ、ホントまさかこれが凶器って事ないよな……。
・どう足掻いても気障男に頼らざるを得ない一本道。
・思い返せば、ドイルの「まだらの紐」は、私が生まれて初めて読んだ推理小説だった。
小学生向けのコミカライズだったっけ。
 まさか、その謎解きを、CANONそのものを、こんな形でバラす、どころか、コケにする作品があるなんて。
・確かに古典ミステリである以上、自然科学的な間違いは目立つもの。
 でも、ホームズ作品は粗があっても、それ以上にキャラの魅力と話の勢いでねじ伏せられる快感を得られる、
だからこそ100年超えのベストセラーとして君臨しているわけで。
 うん、どこかのゲームと全く同じですねこの作風。
・ともあれ、あれほど荒唐無稽な架空の遅効性猛毒をかつて創った書き手が、
『まだらの紐』をディスってる場合じゃないと思う。
・「実は事故」。
 新シリーズ第2話でコレやっちゃダメだろ。暗殺とか陰謀とか散々煽っといてコレか。
・船員のペット。船の安全性皆無の証拠その2。
・真相に対して、「こんなはずはない」……また肝心な台詞盗られてる。本来ならコレが操作キャラの魅せ場だろ。
・肉に睡眠薬。 『逆転のトノサマン』と同じネタだが、問題はその分量。
 一人を眠らせる『トノサマン』と、客全員を眠らせる今章とでは、規模の桁が違いすぎ。
 それに、一等室と三等室とで、メニューが同じってのも何か変。
・推理劇場3回目。
 時間の止まった白黒画面で会話してる、コレってつまりメタ空間だ。プレイヤーが駒を動かしてるゲーム盤だ。
 実はコレ、メイスンシステムの中なんじゃないか。
・船員の自白。また問わず語り。
・亜双義の安否を確かめる。……だから、本来ならコレが操作(略
・「なぜ突き飛ばしたか」の説明が、無い。
 当事者というより、ハッキリ言おう、制作者が放棄したのだ。
 創り手は、おかしいと思わなかったのか。実際にこういう事が起こった時に、納得できるのか。
 例えば神乃木なら、何年も“殺されて”いた恨みを抱いていたとか想像できるが、今章は頭痛がする。
・コレは半ばネットの受け売りだが、「突き飛ばされながらイヤリングを掴んだ」よりも、
例えば亜双義がニコミナに詰問などして「あらかじめニコミナの耳を掴んでいたところを突き飛ばされた」の方が
自然に感じる。
・またメタ空間……としか表しようがない。あるいは、それこそ時空を超えた純粋推理空間。
 実際にはどのような出来事が起こっている状況なのかサッパリ分からん。
 別に被害者の画像にこだわらずとも、会話と選択肢で済むじゃないか。
・友人を亡くしたばかりの人に馬鹿笑いしてくる気障男。マジでコカ中毒状態に思えてきた。
 だいたいコイツ、他人を誤認逮捕した事を結局謝ってない。
・40日で勉強を終わらせる。20歳から4年かかった現代より有能と表したいか。
・「密航させておきながら事故死した人」の遺志を継ぐ。何か軽い。
・私の知ってる範囲でも、初めから作者に殺される予定だったキャラってのは確かにいる。
 けど、だからこそ死に際に魅せ場があった。
 暗殺者にボロボロにされながらも帰ってきて、親友に抱きしめられながら、言を遺して散っていった。
 あーゆーのが、遺志を継ぐってゆーんじゃね?
・と言いますか、こんなアッサリ人が死ぬ世界観だったら、受け身とれない素人にあんな投げ技やる女は
武道家として大問題。
・最後まで投げられる。(6回目)
・結局この話、「傾く密室トリック」を使いたいだけの事件だったのでは。
 せっかくの「海上という名の密室」というファクターがあったのに、全く活かせてないのも情けない。
 「傾くだけで閉め出される部屋」「平然と蛇を飼う船員」「客全員を昏睡させる量の薬物を常備」……
 とてもマトモな大型客船とは思えない。
・ところでネットでは、「亜双義は弁護士になる以外に目的があり、実は密かに生きている」という説が通ってるそうだが。
 私の受けた感じでは、普通に死んでると思う。無意味な思わせぶり、というか説明不足の結果だ。
・刀の名前も、同作で回収されない限りは「伏線」でなく、後付けで伏線として使える「布石」と見なすべきだろう




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