『逆転の来訪者』実況レポート (前編)

始まりは、暗闇の中。
戸惑う相手に語りかける、一人の人物。

「決まってるじゃないか。被告人を有罪にする……。それが、検事の仕事だよ……」
「前に言わなかったかな? ボクは、有罪判決のためならば……。手段は選ばないんだよ。
 ボクは、天才検事。これからもずっと、そうでなくてはならないんだ」

いつかどこかで見た部屋で、いつかどこかで聞いた台詞と共に。
銃声が鳴り響いた。




さてさて。
この度に描かれるのは、第3作終了直後の世界。


検事局の12階にある自分の部屋に、アタッシェケース片手に訪れる、我らが御剣検事。
御剣(検事局にもどってくるのも、1ヶ月ぶりといったところか)
   (ん……? カギが、開いている……)

何気なく扉を開けた、その直後。
見つけてしまった、いきなり死体

しかもその上。
銃を御剣に突きつけてきた、謎の全身黒タイツ、もとい人影。
御剣「……フン、検事の執務室で殺人とは。なんとも、ムボウな男だ」
そんな御剣の挑発に反応したのか。なぜか闖入者は、壁に発砲してから姿を消した。




時間は経って。執務室では、鑑識による調査が始まる。


なお、今までの「逆転裁判」では「法廷記録」となっていた部分が、今回は「捜査手帳」に。

さっそく確認すると、今まではキレイさっぱり無視されていた検事バッジが、ついに登場。
襟には付けず、ポケットに仕舞っている事がココで判明。
欲を言えば、コレを使って身分証明する場面とかも欲しかったけど。


そんな所に駆け込んで来るのは当然、イトノコ刑事。
肩いからせて地団駄を踏んでる様には、何とも言えない愛嬌がある。
何でも、御剣の留守中は、イトノコ刑事が部屋の管理をしているとの事。

そんなイトノコ刑事を横目に。
御剣は独り、瞑目して思考に耽る。
御剣(気になったことは、しっかりと記憶にきざみつけるのだ)
   (……うム。きざみつけた)

そしてイトノコ刑事を相手に、説明という名前のチュートリアルを開始。
御剣「《情報》と《情報》のツナガリを見つけ……。二つを”まとめる”ことで、新たな《情報》を得る。
   それが、《ロジック》を追うということだ」

……なんて流れを、DSの操作で全部処理できるって事は……。



キミの思考回路はどーゆー構造してるんですか。



しかも、この後がまた凄い。
「ロジック」と表示されたキーに触れたら、表示されるコレって……。



みっちゃんの脳内だよな要するに。



あるいはもしくは、電脳世界(ロジックスペース)に移動するビジョネイルみたいなイメージ?
今までの日頃、目を閉じて考えこんでる時って、こんなヤヤコシイ作業してたんか御剣は。

ともあれ、御剣の指示に従い、キーワードミックス、もとい、ロジックのまとめ作業を進める。
この時点では楽勝だけど、のちのち悩む場面もありそうだ。
ま、いよいよとなったらコマンド総当たりだってしてやるよ私は。
今までの成歩堂で相当に慣れてきてるから。





とゆーわけで。ここからは自由行動。

まず差し当たっては、イトノコ刑事と一緒に、部屋の中をぐるぐるぐる行進。
Bボタンを押しっぱなしにして、無意味にダッシュしまくったり。


イトノコ刑事との掛け合い漫才、もとい会話も忘れちゃいけない。
糸鋸「華麗な《ロジッス》を決めてみせるッス!」


調べるべきポイントも多い。

例えば、飾られている花。
糸鋸「毎月、御剣検事あてにカードがそえられた花が届くッス」
   「……《一件落着 カオル》」


例えば、飾られているトノサマンの人形。
御剣「今度は舞台化の話もあるそうだ」


あと、例の闖入者が撃った壁も調べてみたいが、今は鑑識員がいるため通れない。
なので床の拳銃や、ファイルの乱れた本棚を調べた後、満を持して被害者のそばへ。
被害者の素性は「仲間戸真治(なかまど しんじ)」という名の刑事。

ここまでジックリ調べたところで、
ロジックスペース(今後こう呼ぶ)に移動して、キーワードミックス(今後こう呼ぶ)に挑戦。


それで分かった事は。
まず、被害者は自分自身の武器で殺されたという事。

あと、被害者のホルスターが、何故か右に付いている事。
……コレも何か意味があると思ったんだけどな……。


その後の「検分モード」で、その拳銃の5分の1の弾が使われていると知った時。



「リョウッ!」



やたら騒がしい、謎のにーちゃんが乱入して来た。
えーと、えーと、いったい誰なんでしょーかねー。(←棒読み)

細かい事は置いといて、とにかく名前は「優木誠人(ゆうき まこと)」。御剣と同じ検事職。
一昔前のスポーツ漫画を思わせる、やたらに爽やか熱血キャラ

その優木と、事の流れについて話し合っているその端から。優木がキレた。
優木「キミが! キミが、リョウを殺したのか!」



ハイ。あんた真犯人決定。



もしかして、冒頭で御剣に銃を向けたのもコイツじゃないかと、1周目はてっきり。


優木「ボクは、リョウとの別れの時間がもう少し欲しいんだ……」
と言って、鑑識員を使っての記念撮影してる優木は放っといて。
改めて現場をぐるぐる歩く。


そういや、「検分モード」が動いたとゆー事は。もしかして……と思ったら予想通り。
検事バッジについても詳細が読めるように。
御剣「このバッジのデザインは、”秋霜烈日”という。
   秋の冷たい霜や、夏の激しい日差しのような気候の厳しさの意味から
   刑罰・権威が極めてきびしく、厳かであることのたとえが由来だ。
   検事の身分証明にもなっているが、服につけるのは趣味ではないな」

念のため説明しておきますが。このバッジ、本来は朝日と菊の具象です。


優木と仲間戸の撮影の件で、鑑識員が離れたのを幸いに、撃たれた壁(の額)に近づく。
御剣「ここには大きな……そう、”ムジュン”があるのだよ」
   (”ムジュン”か。あの男の闘い方を思い出させるが……)

ここで、わざわざ「あの男」と限定して言うところに感慨が。
この世界は、弁護士は総じてムジュンを探すのが仕事のはずだし。


そうやって謎を解いた後。
額の、その向こう側について、御剣はアッサリ説明する。
御剣「これは、《隠し金庫》だ」
   「すべての執務室にもともとあるものだ」

糸鋸「全然、知らなかったッス!」
御「基本的に、検事以外は知らないものだから当然だ」

この時の「基本的に」という台詞に、今思うと騙された。1周目当時。
「捜査手帳」での「検事以外は知らない」の方を覚えておけば良かったな。

とにかく、この隠し金庫についてジックリ調べてから、ロジックスペースに移動。
この事件は、窃盗がらみである事が明らかになる。



では早速、何か盗まれてないか確かめてみよう!とゆー流れを、
喪に服してる(?)優木が邪魔をする。
悲嘆に暮れてみせている優木に、御剣が一言。
御剣「………………。どんなに悲しんだところで、死んだものは、もどって来ない」


事件の真相に辿り着くため、三人がかりで本棚を整頓。
その結果、犯人の行動が、少しずつ明らかになっていく。
執務室に侵入→棚のファイルを物色→被害者と出くわす→
殺人→棚のファイルを再び物色……という流れになるはずだ。


ところが。
全てのファイルと、それから死体を元通りにした事で、
別のファイルの様子も分かるようになったその時。
縁起でもない物が飛び出してきた。

逆さに書かれた「イトノコギリ」と読める赤い文字。
ただし、その辺りのファイルが1冊、失われているのも気にかかる。





とゆーわけで。
イトノコ刑事相手に、再びチュートリアルを済ませて。

次なる目的は、優木誠人の主張を崩す事。





今までのパターンを踏まえて、証言を一つ一つ丁寧に揺さぶっていく。
弁護士よろしく「待った!」とボイスで叫ぶ姿が懐かしい。

そうやって揺さぶっていくうちに分かった事。
優木が仲間戸を「リョウ」という名で呼んでいる理由。
優木「ボクは、相棒を呼ぶときは、”リョウ”って決めてるんだ」
   「たしか、”リョウ”は、彼で三人目だったかな」


と、ここで、個人的にちょっと気になった点。
御剣&糸鋸の二人が、同じ向きを向いて立ってる事そのものは、誠に結構なのですが。
左右反転された立ち絵が明らかに手抜きです。
左右非対称に描かれているデザインが裏目に出ちゃったのが、残念無念の極みです。


ともあれ、優木の証言の問題点を指摘してみる。
主人公に相応しく、アップテンポののテーマソングを背負って。
すると、みるみる内に、優木の顔から滝汗が。
その上、そんでもって、

優木「ぐッ!」



コレだよコレだよコレだよコレ!



白目をむいて、のけぞって。毒でも食ったような顔で慄く。
やっぱり、この世界での敵役たる物、最低限これくらい反応してくれないと。


しかし、それでも優木も検事。
たかが第1話のレベルでも検事。
余裕の笑顔に戻って、上着を着直してカッコつけて、
それでやる事は何故か、自分の大胸筋アピール



私の腹筋を鍛えさせたいのかキサマは。



優木「もう一人いるんだな。この部屋のカギを開けられる人間が」
   「連れてきてくれないかな。彼女を……さ」
   「彼女は、検事局の”警備員”でね」

この時の「警備員」という単語に思わずビビった私。
まさかオバチャンが湧くんじゃないかと焦る焦る。

それで結局、現れたのは。
優木「警備員の須々木マコくんだ」
マコ「イトノコセンパイ……」

あーあ……。
またもデッカイ不幸をGetしちまったのか、この人は。
それも、よりによってマスターキーを扱える警備員。
もし、この話が密室トリックの本格ものだったら、究極の最重要参考人じゃありませんか。



それで。この際の尋問で重要なのは、優木よりもむしろマコ。
御剣「待ってくれ。スズキさん。その話、詳しく聞かせてもらおう」
もしかしてコレ、御剣がフツーに他人を「さん」付けで人を呼んだ記念すべき瞬間、かもしれない。

とにかく、このマコへの質問を境に、優木の証言が静かに追加されるのだが。
裁判長の「証言を追加して下さい!」コールに慣れてるせいか、何となく違和感が。

と言いますか、この辺りでちょっと混乱気味になりました。
主に、優木の上着バサバサ音のせいで。

おかげで突きつけるポイントを間違えて、白目むいてる御剣を、ここで既に拝む羽目に。
なるほど、論説を先走ったみたいな形でパニくるわけだな。


閑話休題。
よくよく「捜査手帳」を確認して、焦る優木をへち倒す。
首飾りをくわえて、汗だくだくだく状態になる優木だったが。
やがて余裕を取り戻した。

今度は、仲間戸を悪人に仕立て上げようとする。
マコは警備員として、正当防衛で仲間戸を殺したのだと。

そんな優木に、マコは必死で反論。
マコ「ち、ちがうッス! スズキ、そんな……。そんな、警備員みたいなことしてないッス!」


って。おい。言いたい事は分かるけど。



しなきゃダメだろ、普通。



青い弁護士だったら、そんなツッコミ入れたんじゃないかなぁ、きっと。




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