タチミ・サーカスのテントへ赴く御剣たち。
(ただしナツミは帰った模様)
ココまでたどり着いたら、残る目的は一つ。
黒幕を倒す事だ。
次なる目的は、猿代草太の主張を崩す事。
重いバルーンを運ぶ際、草太が使ったトラック。
御剣自身が「ビッグタワー」の広場で目撃した、あの青い車だ。
その事実関係を確かめようとしたところで、狼と茜が合流。
そこに入った「異議あり!」宣言(コール)。
だから草太よ、お前も法曹界の人間ではないだろうに。
そこに入った「異議あり!」宣言(コール)。
そうそう、この台詞は主人公が言ってこそ…………と思ったら。
美雲「あッ! ミツルギさんにそっくり!」
声マネされた。
と言いますか……理解した瞬間、寒気が走った。
PC(プレイヤーキャラクター)の声を他のキャラに演られるのは、
まさしく自分の声を奪われるに等しいわけで。
まぁ、今はとにかく、トラックの検証をするのが先。
御剣は茜の指示の下、指紋検出を試みる。
手順は、過去作の物と変わらない。
画面を真っ白に染めてから、粉を飛ばせばいい。
ただ、今まではマイクを叩いても粉を飛ばせたはずなのに、
今回は息をかけないと反応しない。
このシーンに限って、人前でプレイするのはちょっと恥ずかしいかも。
追求は続く。
美雲と詩紋、二つの誘拐の共通点を挙げるも、草太は平然。
どんどん冷たくなっていく場の空気を、突然ぶった切ったのが信楽。
美雲に一発芸をやらせて時間を稼いで、御剣の推理を促す。
そこで御剣、アプローチの方法を変えた。
了賢のチェス相手をあぶり出せば、草太の正体は自ずと明らかになる。
自分宛の手紙はすぐに捨てると言い放った草太だが、最後の一手が甘かった。
内藤から届いた最後の手紙を、ミリカがまだ預かっていたのだ。
草太「内藤の野郎! ここにきて、邪魔をしやがって!」
と、草太は吐き捨てた後、昔の恨みを話し始めた。
寒い雪の日。お父さんの手伝いをしなければならないのに、
アイツに縛られて車に閉じこめられて、そして二人とも出られなくなった。
草太「アイツは、オレの親父を殺した殺人犯の息子なんだよ!」
「氷堂伊作は、オレの親父の名前さ」
「アトで知ったんだ。あの日、オレの親父が殺されたってことを」
「内藤は、親父の殺害に手を貸した、裏切り者だったんだよ!
アイツは人殺しの息子さ! 死んでトーゼンのヤツだったワケ!」
と……熱く動機を語ってくれた手前、申し訳ないが。
ソレ勘違いですから。
つまり。草太の殺意の発端さえ、フェイクなのだ。
18年間も混乱したまま、確かめる事もなかった記憶。
一連の事件は、ことごとく虚構から始まっていたのだ。
その虚構を破壊された時。
草太は人としての仮面を脱ぎ捨て――鬼になった。
そのじつ、発端の事件を差し引いても、草太の人生は過酷すぎた。
暗殺事件を目撃したために、
美和所長に尋問(←虐待の可能性が高いだろう)を受け続けた事で逃亡し、
その後は一人で生きてきた。
だから殺し屋に憧れて、人々をもてあそぶ人生に転んでいった。
内藤を焚きつけて、外城への殺意を募らせた。
内藤と了賢に関係を持たせ、美和所長に内藤を殺させた。
籠目と万才を焚きつけて、互いに殺し合わせた。
そして御剣にすがり付いて、探偵役を演じさせた。
王帝君が来日してからの事件は全て、草太の書いたシナリオ通りに進んでいたのだ。
自らの犯意を、直接は語ろうとしない草太。それどころか、
草太「あんまりつまんない話が続くなら、ここでショーはオヒラキだよ。
それなりのカクゴを持って主張してほしいなあ!」
……何故かペナルティゲージ出されたし。
思わず、スタートボタンで即セーブした人は、私だけではないだろう。
一体いつの間に裁判官の資格とったんだよ草太は。
と、ここで生きてくるのが、ミキコによる無線傍受。
言われて草太、本気に焦った顔を見せるが、それは演技。
草太「……ピンときたんだよねえ。ボウジュされてるかもって」
きっとこの人、この洞察力で相当の修羅場くぐってきたと見た。
けれども。ミキコの証拠はまだ生きる。
草太が美雲をさらった時の録音で、手がかりがつながった。
最後の勝負は、草太が王帝君を殺した件の立証だ。
何度も思いっきり声マネされて、激しい悪寒をおぼえつつ。
草太「証拠、ないんでしょ? 勝算も何もない……そうだよね?
なのに止めたなら、これぐらいのリスクは覚悟してほしいなあ!」
何故かペナルティ倍加攻撃までかましてくる事に慄きつつ。
御剣は次の一手を考える。
御剣(……”発想の逆転”!)
王帝君は、ボルモスの頭部模型で圧死したのではなかった。
水鏡を殺そうとしていた王帝君は、草太によって殺されてから、
屋上から地上へと運ばれ、そして保管されていたのだ。
奇しくも、草太を捨てたあの料理人と、同じ手段で。
そこに最後の登場人物が到着した。
糸鋸「お待たせしたッス! 御剣検事ッ!」
冷凍倉庫と草太のつながりを示した後、彼を含め全員、行く末を見守る段に入る。
そして御剣は、最後の証拠品を投げた。
茜たちの科学捜査ならば、痕跡は検出されるのだ。
神がそう決めたから。
かくして、哀れな鬼は獣に罰された後、
突如現れたコロシヤに裁かれかけるも、やはり突如現れた了賢によって事無きを得る。
……と、一見は名場面なんですが。
考えてみればこの場面、御剣たちメインキャラは誰一人、カケラ一つも絡んでない。
いつからこの作品は、職業・殺し屋が主人公になったんだ。
少しは動こうよ司法の皆さん。
なお、余談ながら。
この時点で、一つの画面にいる人数は、総計14人。あと犬。
話は終わり、コロシヤは消え、狼は追う。
了賢も去ろうとしたところを、詩紋が呼び止めた。
了賢は、殺したいなら殺せと詩紋を挑発するが。詩紋の心は強かった。
詩紋「……さっきまでは、復讐してやるつもりだったさ……何年かかっても」
「だけど、復讐でラクになるのって、オレ一人だけだろ?
オレが人殺しになったら、母さんは、逆に何倍も苦しむことになるんだ。
映画の仲間も、オレのこと心配してくれたやつらもそうだよ……」
「アンタは絶対にユルさないけど……罰を与えるのは、オレじゃないんだ。
だって、そのためにいるんだろ? 母さんとか……検事のオッサンがさ」
一連の事件が過ぎ去った後。検事審査会の執務室にて。
御剣もまた、自らの後始末を済ませる。
仲間たちの見守る中、彼は検事職への正式復帰を果たした。
御剣「…………以前、ある男が言っていました。
被告人の唯一の味方になってあげられるのが弁護士だと。
依頼人を信じることで、《真実》に近づいていく……。
その男の姿は、私の目にもまぶしく映りました。
法廷で戦う父と、同じように……」
「しかし、それはあくまでその男や父の生き方です。
…………私のものではない」
「私は、検事として人を助けていきたいと思っています」
御(私も、知っている……。大切なものを失い、何も信じられなくなる気持ち。
すべてを疑う、その孤独な戦いの日々)
(そこから、私を救い出してくれたのは……)
父と重なる面影を思いながら。御剣は言った。
御剣「法のムジュンを正せるのは、法にたずさわるものだけ……」
私は、検事として法のムジュンと向き合おうと思います」
信楽「キミなら、やりとげるだろうね。だって、あの信さんの息子だもの」
「《検事》として生きることを決めたキミの目は、お父さんにそっくりだ」
「ホント、信さんに見せてあげたいよ……」
と、去って行く最後まで「信さん」ネタを引っぱった信楽。
あなた御剣信の女房ですか。
ところで。御剣の具体的な今後だが、
水鏡との会話から考えるに、
組織内部に食い込めるように出世するのが近道だろうか。
それともあるいは行く行くは、いっそ政治家の道でも目指すか。
水鏡も立ち去った後は、御剣の宣言(コール)を挟んでエンディング。
ミキコとナツミは、互いのスクープを探り合ってて。
コロシヤは変わらず放免……ってそれでいーのか。
折中は変わらず脱獄を企んでて……ってそれでいーのか。
山野は反省してないけど刑期が延びたからまあいい。
ミリカは……応援してやりたいな今回は。
了賢は格好よくキメてるが、よく考えたらこの人も元凶の一人では……?
司と天海は、刑務所で一応幸せになれてるようで。
デリシーは薬のアイディアを考え中で。
矢張は変わらず……うん、変わらないでいてくれお前だけは。
信楽と馬堂は、18年前の事件を再捜査中で。
伊丹と瞳子も、改めて職務にいそしんでいて。
茜はまたアメリカにトンボ帰りで。
冥は弓彦の将来を案じて。
狼は父親の思いを継いで帰国して。
弓彦も彼なりに頑張ってるようで。
荷星と由美子は、ボルモスの映画の成功に喜んでて。
水鏡と詩紋は、映画の帰りにそろって墓参り。
そして。御剣・イトノコ刑事・美雲の三人は、次なる事件を目指して突き進む。
時は4/8。
「運命の袋小路」まで、あと11日を残して、この物語は終了する。
――GAME OVER――