『終章 はじまりの物語』実況レポート




わけがわからないよ。



ストーリーテラーの証言を目にしてから数分間。
第2章での成歩堂の混乱をリアルに体感してしまった。

ここはいわゆるファンタジーRPGみたいな世界なんだと、
努力の末に納得してたつもりだったのに。
いきなりゲーム機の電源切られて人に呼ばれたみたいな、そんな感覚。



そう。
知らない内に、屈服させられていたのだ。
魔女を否定しておきながら、ここが異界である事は認めてしまっていたのだ。
まさかこの度のクロスオーバーでまで、いつもの「レイトン」クォリティが炸裂するとは。

もっとも、こういう必要なデータが不足していたんだから、屈服させられて当然なんですが。
レイトン「モチロン、私たちは聞いたことがあります」
     「イギリスに本社があり、全世界的な規模を誇る、巨大な製薬会社ですね」

成歩堂「モチロン。《ステラ》なら知っていますけど……」

そうかい。だったら、一言どこかで言ってておくれよ。特に成歩堂。



それはさておき。さてさて皆様ご覧あれ。
只今より始まりますは、ナゾの公開解剖ショウ。
本日のメニューは、トンデモ展開のオンパレードとなっております!

……なんて前口上を述べたくなるほど、まさしく財を尽くしたカンペキな箱庭を、
説明された成歩堂のツッコミたち。
成歩堂(そんな大がかりなコトが、ジッサイに、可能なのか……?)
     「な。なんてフシギな……

極めて常識的なご意見ですが、申し訳ない。
これが『レイトン』シリーズの平常運転です。



それから。他にも色々出てくるが、ごく平易にまとめると、
「六軒島で雛見沢症候群」みたいな現象が、この町にもあったんだなってゆー事で。

モチロン、今作では、それなりに伏線は敷かれてる。
噴水とか鐘とかパレードとか羽ペンとか。
つまるところ、こーゆーネタって、説得力次第なんだよね。



それにしても。
英国政府も絡んだ、10年に及ぶ人体実験で、実際に行われてる事と言ったら、
いい歳したおっさんがTRPGにいそしんでるって、驚愕の事実だと思うんだな。



とにかく。刻は来た。
土は土に。灰は灰に、塵は塵に。幻は幻に。そして、夢は夢に。
幻想は祓われる。憑き物は落とされる。
この世には、不思議なことなど何もないのだよ。



やっぱり結局ドコまで行っても、肝心な点を覚えてないマホーネに
10年前当時の事情を問いただす。

レイトン「”真実”を見きわめるのに重要なのは『あらゆる《先入観》を捨てること』……」
そっから先は、レイトンが全部もっていく
サーチライトを手に、成歩堂を引っぱって、真相へひた走る。
そのついでに、
レイトン「《証拠》を提示するのは、なにも弁護士ばかりとはかぎりませんよ」
     「今回は……検察側から《証拠》を提示したいと思います」

と、法廷の主人公の座も持っていく。
「法廷記録」にないアイテム欄を、ココで使うと今知った。



つまりコレ、第3章と真逆。レイトンが逆転裁判を食ってる状態。
つまりコレ、逆転裁判ファンとしては非常に寂しい………………と思った1周目当時。

甘かった。
ケーキにハチミツかけてアンコ乗っけるよりも甘かった。

『逆転裁判』とは本来、主人公の選択ミスを味わうゲームなのだ。
たとえペナルティでピカラット減ろうが、たとえ無敵のレイトンだろうが、
やるべき事は一つしかない。
レイトンと成歩堂の力関係が逆転する様子は、笑えること必定である。



閑話休題。
結局、証人はまた増えた。
ジョドーラのクローネと、もとい、ジョドーラとクローネと。










少しずつ明かされていく、「伝説の大火」の真相。
言わば、ストーリーテラーの”無知”が引き起こした、痛ましい事故。
それと、彼が軽い気持ちで言い伝えたおとぎ話とが重なって、この茶番劇は始まった。
ファンタジーに見せかけたSFの形で。

「大魔女ベーゼラによって現れた魔女を、臣民が裁いて火刑に処す」という設定で、
虚構は真実を侵していった。

3ヶ月前。消されていた鐘楼が再び現れた時。
ラビリンスシティの筋書きは、書き替えられ始めた。
10年前の真相を暴く、そのために。



けど、成歩堂の方だって、ただ引っぱられてるだけじゃない。
繰り返すが、レイトンの選択ミスの場面は、どれも必見である。

マホーネが衝動的に鐘楼にのぼったのを受けて、レイトンに促され、成歩堂は語る。
成歩堂「あの《鐘楼》の最上階に上ったとき。……なにか、軽い”違和感”がありました。
     あのとき。その”違和感”の正体はわかっていませんでしたけどね」




記憶障害を起こしていたのは、マホーネだけではなかった。
その衝撃を境に、自己犠牲の連鎖が再び起こる。
マホーネ「鐘を鳴らしたのが、誰なのか……それは、もう関係ありません!」



………………駄目だな。……あぁ、全然駄目だッ!



もうそんな事はさせない。もう幻想なんて要らない。もう彼らは子供じゃない。
レイトン&成歩堂は、最後の仕事として、本編最終問題を解答する。

彼らが、あらゆる幻想を全削除(オールデリート)する禁呪を唱えた時。
世界の設定は変更された。


恐らく。このムービーシーンを受け入れられるか否かで、
この作品をプレイヤーがどう評価するか決まるだろう。
人によっては、「んなわけあるかい!」と、
今度こそ、3DSを壁投げする危険性もあるやもしれぬ。

因みに。私個人は、悔しいけれど引きこまれました。
たとえ一瞬でも、背筋が震えてしまった以上、野暮なツッコミは言えません。
あ、でも、ルークが器用すぎってだけは言いたい。
実質ヒーローです、あの子ってばもう。



事件は解決。
今度こそ、いつもの紙吹雪を拝んで閉廷。

ここで改めて、ストーリーテラーによるタネ明かしが説明される。
なお、「真の黒」については、「(完全)黒体」で検索していただきたい。

が、野暮を承知で言わせて頂くが、この説明には問題がある。
ローブが風に舞うムービーから分かるように、
「不可視の素材」は、その向こう側が正しく透けている――ように視界が補完されている。

なので、作中の理屈を押し進めたら、天然の「暗闇」も存在できない
完全に視界を塞いだら逆に、目の前が「視える」という不思議さえ生じ得る。
……やっぱりこの町って、魔法の世界なのかもしんないなぁ……。





その後。(直接描写はないが)町の全員は、最低でも1週間程度、静養したと考えられる。
毒の水と薬を、完全に体外へ排出するために。
だからこそ、4人の来訪者が日常へ戻る日に、敢えてあの銀の鐘を鳴らしたのだろうと、
私は思う。


別れの船で、彼らは冒険を振り返る。

霧は晴れた。全部終わった。
うみねこのなく頃に、彼らは黄金郷へ至ったのだ。
(↑断じて嘘は言ってない)





最後に描かれる物は、ラビリンスシティでの未来。
ロンドンの研究室でのレイトン&ルーク。
日本の法廷での成歩堂&真宵と、そしてもう一人。
これだけの出番のためにポリゴン作ってもらえた扱いに仰天しつつ、
これにて閉幕(カーテンフォール)。


Have a nice day, And see you again!
























余談。
クリアデータセーブしてから、驚いた事。
まさかこの時点で、「ひみつのモード」全解放とは。
いつものような2周目プレイの事、あんまり意識されてないんだね今作は。




戻る

他の事件を読む


HOME


inserted by FC2 system