『第9章 最後の検察士』実況レポート

【成歩堂side】
鐘楼から発見されたマーダラと1対1。
彼女は「任務」により、ストーリーテラーを殺害したと主張する。

マーダラ「……私は……”魔女”じゃありません……」
     「……魔法なんて……使えません……」

そして言ったこの一言。

マーダラ「《スガタを消すローブ》をまとっていたので……見とがめられることはありませんでした」



……え?何?聞こえない。



と、一瞬真剣に現実逃避したくなった自分。
だって何だよその、ドラ○もんのひみつ道具みたいなの。

翻って、我らが成歩堂はと言えば。
彼は如何なる場合も、公平すぎるほど公平に考える人だから。

ジョドーラ「そのような非常識なローブなど、《存在》するはずがない!」
裁判長「そのようなツゴウのよいハナシ……にわかに信じがたい」
成歩堂「”魔法”が存在するなら。そんなローブがあっても、いいじゃないですかッ!」

何か、成歩堂こそ魔法の世界に生きてる人になってる気がする。


もっとも、単純に「見えなくなる布」なら、我々の世界でもカガク的に実現しつつある。
いわゆる光学迷彩の類であり、、例えばこちらの画像など参考になるだろう。



ところがどっこい。ローブに付いてる粉を洗い落としたらトンデモナイ事が発覚。
真宵「消えちゃったよ……水に、とけたみたいに……」
成歩堂(ローブは、完全に”消えていた”………)
マーダラ「私には、今も見えていますけど……水の中の、ローブ……」
     「ウィッチオルデの森の住人ならば、みな……見ることができます」

つまりコレ、光学迷彩とかで物理的に見えないんじゃない。
催眠暗示などによって、心理的に見えないとしか考えられないのだ。



やがて成歩堂は、連なる事件の本丸を引き当てた。
マーダラと同じローブを身に着けていたはずの、鐘楼にいた3人目を。
結婚詐欺師ならぬ魔法詐欺師だ。


しかし、そうなると根本的に困ってしまう事態に陥る模様。

裁判長「検察士が証人席に立ってしまっては、裁きをつづけることができません!」

でも、「逆転裁判」シリーズの、あの時のあの人とか、あの時のあの人とか、
成歩堂と対面のまま告発受けてたと思うんだけど。ダメなの?



ここらで一つ、深呼吸。
成歩堂(……いったい、どうすれば……)
俯瞰で描かれる、成歩堂の思案顔をしばらく堪能してから、満を持してAボタンを押す私。





レイトン「その席には私が立ちましょう。
     私には……立証できるのですよ。
     マホーネ・カタルーシアさんが……大魔女”ベーゼラ”であることを!

炎の赤をその身に受けて、両の瞳を光らせて。
ラスボスさながらに、レイトン教授ここに降臨。

『レイトン教授VS逆転裁判』は、ここから始まる。










レイトン「……私に興味があるのは《真実》だけです」
     「大魔女《ベーゼラ》の真のスガタは、マホーネ・カタルーシアである……
     それを立証するために、私はこの席に立っているのです。
     ……あなたも、弁護士ならば。全力で彼女を弁護すればよいのですよ!
     ……ミスター・ナルホドー」

いつも通りの涼しい顔で、それが当たり前のように検事席に立つレイトン。
ルークが一緒に居ないのが気になるが……。

って……コレ絶対、某検事が憑依してるだろ。
今にも「くっくっく……」とか笑いそうだよこの学者。

と言いますか。つまりレイトン最初から、成歩堂が『さらば、逆転』で学んだ真理を実践してる?
互いに異なる方向から追求すれば、真相は自ずと現れると知っている?
どんだけハイスペックなんだよ、この教授ってばもう。



レイトン「この《足跡》が不自然かどうか……それは、見るヒトそれぞれです」
     「この証人の”キオクちがい”かもしれないということです」

などと、やんわりと辛辣な言葉を返すレイトンにめげず、成歩堂は丁寧に尋問を進めていく。


すると何と、マーダラが進んで自供を始めてくれた。
マーダラ「……ジョドーラ様。いったい、どうして……私たちを見捨て……裏切られたのですか?」

そんなマーダラの援護を受ける成歩堂に対し、レイトンの同位体レベルは大幅加速。
レイトン「法廷で、イミを持つのは……《証拠》のみ」
と、「逆転シリーズ」の根幹をさらりと言ったり。
レ「どうやら。弁護士は、気がついてないようですね」
と、肩をすくめて目を伏せて首を振るポーズなんてもう、そのまんま。

「ハッ! どうやらシロート弁護士くんは、まだ理解しておらんようだな」
……みたいな、別バージョンの台詞が頭に浮かんで仕方ない。


そんなレイトンの援護を受けるジョドーラは、
自分やマーダラがウィッチオルデの住人・ヨーマだと告白。
成歩堂も、火刑器のシステムを暴露。
真宵も変装(というか扮装)を解いてみせた。

ジョドーラ「《魔女》は、その存在を消される。しかし……その”イノチ”は、奪われることはない」
      「《魔女裁判所》で有罪判決を受けた者は、”名前”と”魔法”と”キオク”を失う」
      「一定の成果を上げたとき。この町へ戻ってくるのだ。”新しい住人”として……な」

前から思ってたんだけど。
ドッジボールの外野と内野みたいな扱いだなソレ。


因みに、ウィッチオルデの森にあるのは、機械などの近代設備。
マーダラ「森にあるものは……みんな。町のみなさんには”見えない”みたいです」


そんなカラクリを隠してる、その理由を明かす瞬間。
成歩堂は、手に持つ本を投げつける。
私も、3DSをぶん投げ……そうになって慌てて止める。

要は、最初の魔女裁判での、成歩堂の直観が正解だったのだ。
この町に起こる怪異は、何もかも嘘っぱちなのだ
でもそうなると……ムジュンが密かに大量発生。

いつ魔法を使うかしれない魔女に、何人もが一生付いて回るのか?
それとも、この町が昔からある事自体が幻想なのか?
この町は5分前に創られたとでもいうのか?


実際、魔法のシーンのタネ明かしは、半ばギャグである。特に黄金像あたり。
(読者側から作者側へ)愛がなければ、(まるで魔法に)視えない。

レイトン「かなりムチャなハナシではありますが……」
成歩堂(たしかに……かなりムチャだな)

せめてコレ、この法廷にも潜んでるだろう他のヨーマも現れなきゃ、説得力が弱い気がする。
少なくとも私だったら疑うよ?


……などと色々考えてる内に、だんだん頭がボーッとしてきた。
それこそ、意識が盗まれてるような感覚。
レイトンに質問されて、
成歩堂(もう、すでに忘れかけてるぞ……)
と、つぶやいた彼の気持ちも、私と同じだと思いたい。


気がつけば、対面の二人、何故か一緒に指振って、ストーリーテラー殺しの主犯を名指し。
「ストーリーテラーの予言」という超常現象もまた、幻想として儚く散った。

が、まだまだ事の真相は不明のまま。
ジョドーラの語る動機も、抽象的かつメタ的で何が何だか。
要するに、「勝手に連載やめるな、死にオチだけは許さんぞ」
って大意で合ってます?





………………………………なんて言ってみたりして。





ローブを着たのだろう、ジョドーラは去って。
レイトンが呼び寄せた、新たな証人が席に着く。

さあ。
そろそろいい加減、終わらせようじゃないか。
この壮大な、茶番劇を。




戻る  次へ

他の事件を読む


HOME


inserted by FC2 system