『蘇る真実』実況レポート (法廷パート2回目)

この章の目的は、全ての真実を手に入れる事。そして――。



ところで。審理1回目のニックは、危なっかしく正解ルートをたどる
初心者プレイヤーを模していた。

審理2回目のニックは真逆。
周回プレイを繰り返し、攻略しつくした熟練プレイヤー状態。
……としか思えないんだな。
この章のニック、全体的に、漆黒オーラまとってるんだもの。





審理が開始するや、ニックは、
2年前の「ジャック・ライアン事件」を取り上げる事を提案する。

エッジ「駆けつけたルイス・コール捜査官は、犯人と差し違えて命を落とした」
と、エッジが説明し始めた時。

異議あり!

レオナ「裁判長! 弁護人の主張に異議を申し立てます」
が、そのレオナの反駁にも、ニックは揺るがない。
具体的な物証で、二事件の関連性を結び合わせる。

レオナへの尋問も、言ってみれば通過儀礼。
ニックは、ずっと伏せていたカードをショーダウン。
寝耳に水の新事実に、エッジは激しく動揺。

エッジ「そんな事は聞いていないぞ!」
ニック「きみは、ねつ造された資料で事件処理をさせられたんだ」
エ「そんなバカな事が! 私はアメリカ警察局、最高位検事だ」
ニ「きみよりも、さらに大きな力を持った人間がいたんだ」
と、対するニックは決然と、新たな証人・モニカの召喚を要請。

しかしレオナも負けてない。被告人として最強のカードを切ってきた。
レオナ「私は、あなたを自分の弁護人とは認めません。あなたをこの場で解任します」
   「私の述べた自供に、間違いはありません」
コレをやられたら、弁護人側は万事休す。
絶望して机に伏したニックに、かけられる声。

待った!

エッジ「私を見くびらないでもらいたいな」
と、レオナに。
エ「”真実”を暴くことは……時に、ヒゲキを引き起こす。
  ……しかし。それ以上のヒゲキが存在する。
  それは……”真実”から目をそらすこと、だ」

そしてニックに。
エ「人を信じる。それならば、私はキミを信じよう」



野郎同士が熱い……!!!!



私が見てるコレ、王道のジャンプアニメだったっけ?
(因みにこの下りの間、ずっと『大いなる復活』鳴りっぱなしである)

検察側・弁護人側ともに頷き合って、召喚されたモニカが、証言台に立った。
ニック(……ついに、過去への旅が始まる……。
    その旅の終着点。それは、きっと……今回の事件の”真相”だ!)




2年前の悲劇。
「ジャック・ライアン事件」の日について、少しずつ時系列が整理されていく。
姉は妹を守ろうと叫び、妹は姉を救おうと訴える。

モニカの辿る、か細い記憶。その証言を、ニックは途中で遮った。
ニック「モニカ。ありがとう」

入れ替わり、レオナが再び証言台へ。
荒れる息を抑えながら述べる言葉に、ニックは鋭く切り込んでいく。
殺人事件の真の凶器をあぶり出していく。
おぞましい答えを求められ、レオナは涙混じりに絶叫する。
レオナ「あなたは正義漢を気取って――」

違う。
ニックは信じてるだけ。
物証だけを。真実だけを。

そんなニックを今、誰よりも信じている人が、検事席にいる。
エッジ「この男は一つの事しか考えられない、バカな男だ。
    だが、キミの事だけを信じ、信じ続けてここまで来たんだ。
    なら、キミもこの男を信じてみたらどうだろう。
    かつてのキミ自身がそうだったように」



二人の男に背を押され、レオナは秘めていた事情を打ち明けた。
聞き終えたニックは、ここでもやはり、うろたえない。
ニック「証人。あなたの証言、やはりムジュンがあります」
   「きみも知らない真実が隠されている。きみ達姉妹を陥れるトリックが」

と、まるで本格ミステリの名探偵みたいな言を吐き、真犯人の名を上げた。

突如投げ込まれた爆弾に、事態は騒然。
その混乱を、怒声が制した。

待った!

本事件のラスボス降臨。
まさにふてぶてしく笑いながら、自ら証言台に立ち、ニックを糾弾。
残酷な答えに、クライド姉妹は泣き崩れ、エッジも裁判長も、
誰もが愕然と肩を落とした。
レオナ「これが、あなたの言う真実なの!?」


この時。法廷の誰もが騙されていた。
この物語は、悲劇で終わると思いこんだ。
ただ一人、はじめから真実を見破っている男を除いて。


何度見ても感慨深い。
この時のニックの態度は、筆舌に尽くしがたい。
直立不動で、何の感情も読みとれない。
完全にこっちの、プレイヤーの顔

「ほら、早く選択肢出ろ。こっちは先へ進めたいんだよ」って、
テキスト流し読みしてる時の顔に、私には見えるんだな。


ニック(あの時、持ち出していた事。知っていたのか)
   (やはり。この証拠品で、すべてが決まるのか)

など、心の中でつぶやき続けた末、彼は牙をむいた。

ニック「ひとつだけ、ハッキリさせましょうか」
   「モチロン、この二人を殺害した……《真犯人》ですよ」

滔々と推理を披露した最後、ニックは腕を掲げて宣言する。
ニック「この事件の犯人は――」



さあ、人物リストから解答を選べ!(というイメージ)



ニックに指された真犯人は、ついに。
現実的なブレイクモーションで崩れ落ちた。



沈黙の落ちた法廷で、ニックは静かに真犯人へ語りかける。
レオナやエッジにも促され、真犯人は自供した。

それにしても。
私は以前、『蘇る逆転』の実況レポートに書いた。
国家権力を持つ政治家を倒す展開もいつか有るだろうと。
その予想が当たってしまった。
この世界の歴史書に「フェニックス・ライト」の名前残っちまうよ。
なんてこったい。

事件を終えて。
ミラー「フェニックス・ライト弁護士。エッジワース検事。
    彼らは、昔のワシと同じ目をしている。
    君たちなら、きっと明るい未来に変えてくれる」
   「ワシには君たちの目の奥に、この星の明るい未来が見えるよ」

真犯人が去った後、レオナも笑顔を見せた。
レオナ「久しぶりなんです。この重い鎖から解き放たれた気分」

裁判長と陪審員の意見も一致して、判決は下された。
「無罪」の表示されるモニターの下、交わされる笑顔での会話。


レオナが別件で連行される一方で。
ディックが、ロッタとラリー引き連れてきた。
ロッタ「めでたい時は記念撮影や!」

ところで。ここでニックの独唱が始まる直前、
注意して見てると、めっちゃ笑えるサプライズが。
(観劇して気づけた人どれくらいいるだろう)




時を置いて。
エッジ「キミのおかげで、私の中に、よけいな感情がよみがえった。
    遠く、懐かしい香りがする」

ニック「エッジワース。…………何で、普通に話せないんだ」
エ「ニガテなんだ……セケン話」

セケン話は苦手でも、気を利かせるのは出来るらしい。
そんなエッジの計らいで、ニックはレオナと二人の時間。

レオナ「結局。私は自分を捨てて、あなたを裏切り、弱い人間になった。
    あの頃のままのあなたを見ているのが辛かった……」

ニック「レオナ。きみは変わっていないよ。何も」
    「道を間違えたなら、戻って出直せばいいじゃないか。
    今度こそ、前を向いて歩いていくために」




……ええ話やなー……。



以下、野暮な話。

原作において、「成歩堂の嫁」を語るのはある種のタブー。
200パーセント荒れる。戦になる。
答えはプレイヤーの数だけある。

けれど。この『蘇る真実』では、ニックの嫁はレオナ一択で良かろう。
つくづくトンデモナイ偉業を遂げた、脚本担当の鈴木圭氏に最敬礼申し上げたい。


ここで物語の幕は下り、再び上がれば、TVアニメで言うところのEDタイム
宝塚に詳しい方は、
「いきなりダンスが始まって驚いたんじゃないか」と言われたが、
私がビビったのは寧ろ、エッジが黒服、ニックが白服にチェンジした事の方だった。
そんでもって最後は、ヒラヒラ&キラキラ服のニック&レオナ。

あ、知ってる! コレ宝塚って言うんだよね知ってる。
(↑今まで見てるのが全部宝塚です)



ショータイムが終われば、今度こそ終幕のカーテンコール。
レオナ&エッジが見本を示してから、
キャストと観客全員で、やる事は、どんな時でもただ一つ。
さあ言おう。ハラの底から、大声で。人さし指までつきつけて――。





『異議あり!』




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