「法廷パート」開始。
今回の目的は、松竹梅世の証言を崩す事。
ここにおいて、ついに成歩堂と御剣とが向かい合う。
初対面であって、実は初対面でない二人。
最初の証人は、決まってこの人。
御剣「捜査を指揮した、イトノコギリ刑事!」
御剣は、イトノコ刑事を正しく呼ぶ、ほぼ唯一の人。
イトノコ刑事が御剣に懐いてる(?)理由の一つではないかと。
てなわけで、イトノコ刑事への尋問開始。
しかし、証言そのものに不審な点は感じられず。そんな中。
成歩堂(……! 被告席の真宵ちゃんが、何か投げてきたぞ)
真宵の投げた紙切れから、この第2の事件で、やっと「ゆさぶる」を知る成歩堂。
でも実は、第1の事件の時から、「ゆさぶる」は出来ますが。
意を得た成歩堂に、さっそく締め上げられるイトノコ刑事。
糸鋸「血液の成分の、ええと、ヘロ……ヘログモビン……いや、
モヘグロ……ヘモグロモビロン、あれ? モヘゴグロヘドモゴグ……。
……しょ、証言をキョヒするッス!」
「ヘモグロビン」さえ言えない始末。
そんなイトノコ刑事の下手(すぎ)な説明に、御剣の得意技が発動。
御剣「来月の給与査定を、楽しみにしておくことだ」
……って。素朴な疑問。検察官て、警察官の給料に関われるのか?
成歩堂「血は、どっちの手の指についていましたか?」
この作品、「利き手」問題が結構多く出てくる。この辺は、正統派ミステリ。
成歩堂「被害者が犯人の名前を書き残すケースは、かなり多いんですか?」
糸鋸「推理小説やドラマなんかでは、よく見かけるッス!」
「ダイイングメッセージ」や「ミステリ」という言葉を使わないのは、逆に好印象。見習いたい。
そんなこんなで、イトノコ刑事の証言を崩せた、と思った矢先。
さっそく御剣の攻撃が始まる。
自らの論を通すため、千尋の解剖記録を改ざんした(?)御剣。
追及されても、さらりとかわす、そんな姿に。
成歩堂(……御剣……! カ、カッコイイことしやがって……!)
この場面が初の呼び捨て。
なおも食い下がる成歩堂に対して、ふと呟く御剣。
御剣「……たしかキミは、綾里千尋の弟子だっけな……。
彼女のやり方は、よく知っているよ」
実は、御剣と千尋とは、面識があった事が後に判明する。
さて。やっと登場。松竹梅世。
その日の午後からホテルに居たと言う彼女は、殺人現場の真宵と成歩堂を目撃したと語る。
梅世「そのギザギザアタマ、よっく覚えてるわぁ!」
酷い言われようです。
けれど成歩堂も負けてない。
梅世の証言を見事に打ち破った時の、この台詞。
成歩堂「さ。……今度は、どんな言いわけをしましょうか……?」
彼の背後に黒いオーラを感じるのは気のせいですか?
だがしかし。梅世の本領発揮はココからだった。
追いつめられての逆ギレで、顔の表情も、服の雰囲気も別人に。そして吐いた台詞がコレ。
梅世「何だっつーのよ! このギザギザアタマがぁ!」
スケ番か、この女。
そのあまりの変貌ぶりに、完全に気おされる成歩堂。
成歩堂(こ……こわいよお……)
この瞬間、成歩堂の奴が小動物に見えました。
これでいよいよ梅世陥落――と思いきや。
自分にはアリバイがある、と梅世は主張。
その滔々とした語り口に、成歩堂は思考停止気味。
成歩堂「る、るうむさーびす?」
「あ、あいすこぉひぃ?」
まるっきりオウム返し。
もっと言えば、何か幼児化してる気が。言語が理解できてない状態というか。
というわけで。梅世のアリバイを崩す最後の砦、ホテルのボーイへの尋問。
この時に、
御剣「ボーイを尋問した結果、松竹梅世のアリバイがくずせなかった場合、
当然、松竹梅世は犯人ではないということになる。
その場合は、きみは綾里真宵の《有罪》を認める」
ずいぶん無茶な条件を出してくる御剣。
しかもこの条件とやら、ちゃんとした等価交換になってない。
「梅世の証言を崩せた場合」については御剣、何一つ語っていないのだ。
……策士だな。
が、それでも恐れず怯まず立ち向かい、とうとう事件の一部を解明。
そうなると御剣も、
御剣「と、とりあえず異議を申し立てる!」
これくらいしか言う事なくて。
一方、成歩堂は完全に自分のペースを取り戻す。
成歩堂「御剣検事! あなた自身ですよ!」
御剣への丁寧語も完全復活。
それにしても、こうして場面ごとに二人称が変わるのが、日本語の楽しいところ。
成歩堂と御剣との、互いの「二人称」って、いったい何種類ある事やら……。
(お前、きみ、あなた、あんた、キミ、キサマetc……)