今回の目的は、とにかく小中大の証言を崩す事。それしかない。
開廷直前。御剣が話しかけてくる。
どうやら御剣ら検察側にも、何らかの圧力がかけられているらしく。
御剣「被告人を、すべて有罪にする。それが私のルールだ」
成歩堂「御剣……。変わったな、お前」
成歩堂が初めて御剣を「お前」と呼んだのがこの場面。
ところで。この事件の現状ですが。
成歩堂は今、この事件の被告人でありまして。
けれど成歩堂はいつも通り、弁護人の席に立っていて。その理由はと言えば。
成歩堂「自分の弁護は、自分でします」
との事。
本来の法律では……絶対に無理でしょうなー、普通は。
緊張感の漂う中、証人として小中が登場。
話をはぐらかして答えない小中に、御剣が焦れる。
御剣「証人の名前をうかがいたい」
「名前を、聞いている!」
「名前だッ!」
この調子で、何度も何度も小中と漫才やらかす御剣。
この辺りから、少しずつ御剣が「笑える奴」に変わっていく。
小中「うーん……秘書……英語で何て言ったっけ……?」
secretaryくらい覚えとこうよ、アメリカかぶれの人だったらさ。
尋問を進める内、小中の作り話を突き崩し、決定的な証言を引きずり出す事に成功。
これでクリア!――と思ったら。
最後の敵は御剣だった。
御剣「あなたが犯した犯罪を、認めるのだよ……」
正直に言う。この瞬間は、御剣を心から憎らしいと思った。
全作品中でも、一番悪どい場面かも。
事件の小さな一部分は認めて、大きな本題は否認する……
コレをやられると、身近な場合でも辛い。
もうこれまでかと、成歩堂と一緒に諦めそうになった時。
とんでもない人が目の前に現れた。
成歩堂「……!!!!! ……チ・ヒ・ロ・サ・ン・!!……」
その場で卒倒した成歩堂の事、責められないと思う。
数分後、何とか目を覚ました成歩堂。
彼の目の前に立っていたのは、千尋――の霊が宿った、真宵だった。
(顔や体格は千尋、髪型や服装は真宵)
その千尋(と呼ぶべき)から、決定的なヒントを教えてもらう。
まさに起死回生と言える資料を手に、成歩堂は再び弁護人席へ。
ただ、この時の、成歩堂の心の声が気になった。
成歩堂(あたりまえだ! こっちは、命がかかってるんだぞ!)
この世界では、殺人罪は即死刑ですか?
それでも、最後の最後まで食い下がってくる御剣(&小中)に対して、
千尋「このメモを読み上げなさい」
成歩堂に言ったこの発言が、小中への最後通牒となり――――ついに、勝利。
かくて、無事に事件解決。
成歩堂「たまたまツイていただけですよ」
(スゴ腕の霊が……)
と、ある意味シャレになってないコメントを語る成歩堂。
千尋「私、一生わすれません」
と、これまたシャレになってない礼を、成歩堂に言う千尋。
戦い終わって。自由になって。
綾里法律事務所は、成歩堂法律事務所に生まれ変わる。
真宵は、成歩堂の助手を務めると宣言。
真宵「よろしく! なるほどくん!」
千尋と同じアダ名で呼ぶ。敬語もストップ。
成歩堂「……でもまあ、考えてみれば、ぼくがこうしてここに立っているのも、
もとはと言えば、この子のせいであり、同時に、この子のおかげでもある」
などと、しみじみ考える成歩堂と共に、物語は新たな局面へ……。