『逆転のトノサマン』実況レポート (法廷パート3回目)

今回の目的は、姫神サクラの証言を崩す事と――そして、もう一つ。



物語自体は、淡々と進んでいく。
何せ姫神、必要最低限の事しか口にしてくれないのだ。
いくら揺さぶっても、そう簡単には動じない。


そのせいなのか何なのか。

この章は、脱線すると楽しすぎる。ハッキリ言えば、推理を間違えた時の展開が。

裁判長相手に、
成歩堂「も、もう1度、おねがいします」
とか。

真宵相手に、
成歩堂「……真宵ちゃんをためしたのさ」
とか。

あんまり真顔でボケかますものだから、
裁判長「たまにあなたは、ホンキだかジョウダンだか、わからないことを言いますね」
などと言われる始末。



それでも何とか真相に辿り着くと……。
御剣「どういうことだ! 成歩堂、キミは……」
ついに御剣、呼び捨てと「キミ」と、セットで発言。
ますます地が出てきた



そのせいなのか何なのか。

成歩堂と御剣の漫才も、この章は何故かヒートアップ。

例えば、
成歩堂(…………なんでさっきから、ぼくの考えていることがわかるんだ?)
御剣「ハッ……! その冷や汗の感じで、なんとなくわかるのだよ」
成歩堂の心が手に取るように読めるんだと、実に楽しそうに言ってのける御剣とか。



特に、この辺りは物凄い。 (注:〈〉部分は、当方によるト書きです)

御剣「弁護人は、宇在カントクが共犯だというのか!」〈と確認〉
成歩堂「もちろん違います!」〈キッパリ〉
御「ハッ! 宇在の目を盗んで死体をライトバンに乗せて、
  宇在の目を盗んで着ぐるみに入れた……。
  ホンキでそう主張するつもりかッ!」

  〈やはりコイツまだ分かってないんだな、と嬉しげに〉
成「……………。
  〈暫し考えこんでから、へらりと笑って〉
  ホンキなワケ、ないじゃないですか」〈
アッサリてのひら返し〉
御「は……〈一瞬茫然としてから〉はぅっ!」〈愕然と絶句〉
〈にこやかにさわやかに〉「ジョークですよ。……この場をなごませる」
御「……な、な……〈ワナワナ震えてから〉なごむかッ!」〈座席台ばんっ〉



あんたら、公の場で何やってるんですか。



閑話休題。
かくて、真犯人を追いつめたと思ったが。
今回の敵は、特にしぶとかった。

姫神「具体的な証拠、ないじゃない」

未だもって、全く動じない相手に、
成歩堂「……机を叩いているあいだに質問を考えようと思いましたが、何も浮かびませんでした」
この通り、言うべき言葉が見つからず。


そこに――御剣が割って入った。
御剣「……イギを唱えるあいだに何か質問を考えようと思ったが、思い浮かばなかった……」
と、一旦は成歩堂と同じボケをかましそうになるつつも、名誉挽回。

御剣「証人! もう一度《証言》を!」
と、審理を続けさせる。


その上。
成歩堂(まあ、そりゃそうか……)
と成歩堂が見落としかけた矛盾に、

異議あり!

御剣「証人! 今の発言には、問題がある」
と、御剣が反論する。まるで成歩堂――弁護人の如く。

御剣「私のとるべき行動を決めるのは、私だ」
とは、本人の談。



この御剣の助け舟の後、成歩堂は改めて真犯人を追いつめる。

と、ここで最も問題になったのが、殺人の動機。

裁判長「彼女の動機を教えてください」
この問いの答えで四苦八苦。
何度、証拠品を出してペナルティを食らった事か。

衝動殺人だろうが、快楽殺人だろうが、過剰防衛の返り討ちだろうが(←ネタバレ)、
動機といえば動機だと思うのだが。どうだろう。



さんざん悩みながら、攻略本の力を借りながら、事件の全てを明らかにして。
憑き物が落ちたような顔の真犯人。初登場の時より、綺麗に見えた。



真犯人の口から明かされる、「5年前の事故」。

「……タクミさんが、コテージの階段から落ちて……」

この場面、作者(=巧舟氏)の名前がさり気なく入ってたのが興味深い。





これにて事件解決。
安堵している成歩堂たちの前に、御剣が現れる。



そう。ここからが縦糸の本題です。



御剣「成歩堂。……なんか言え」
   「ニガテなんだ……セケン話」


今までの威厳はどこへやら、と言いたくなる豹変ぶり。
やたら儚げに見えてしまうのは私だけか。



御剣「…………成歩堂。私たちは、こうしてふたたび出会ってしまった」
   「しかし。出会うべきではなかった。
   おかげで私の中に、よけいな感情がよみがえった」

成歩堂「よけいな感情……?」
御「”不安”……そして”迷い”だ」
成「それは、よけいな感情じゃないだろう?」
御「私にとってはジャマなものだ。
  いいか。……成歩堂龍一。もう二度と、私の目の前に現れないでほしい。
  ……それだけ、言いに来た」

この会話、本当は真宵の台詞も入るだが。何だか二人の世界になってるので割愛。



第一、成歩堂、肝心な部分はいっこうに語ろうとしてくれない。
御剣との関係を尋ねられても、何も答えようとしない。
真宵「テキですよ、テキ! ……ねっ! なるほどくん!」
成歩堂「……今はね」
真「ええーっ! なんでそう、思わせぶりなこと言うかなぁ。教えてよー!」
この真宵の言葉は、プレイヤーたちの心の叫びだ。



ところで。御剣といえば、密かにトノサマンファンだというのが通説だが。
この場面において、トノサマンを演じている荷星を巡って、
御剣「いつも、テレビでごカツヤクをハイケンしております」
成歩堂(ウソつけ!)
という下りがあるわけで。

コレ、普通に読むと……むしろ御剣、トノサマンには詳しくないという描写にも見える。
あるいは成歩堂、「(TVでは着ぐるみしか見れないくせにウソつけ!)」という意味で言ってるのか。
それともいっそ「(本当はなりふり構わず喜びたいんだろうにウソつけ!)」とか? それとも……。

前言撤回。
どうにでも解釈できるなこの下り。



何はともあれ、この成歩堂たちの活躍によって、
成歩堂「英都撮影所はふたたび方針を変えて、
     子供のためのシリーズは、つづけられることになった……」

とゆー事で。




シリーズ続編「小江戸剣士・ヒメサマン」がスタート。




成歩堂法律事務所では、こんな会話が交わされる。

真宵「なるほどくん! 今日だよ、新番組! ……いっしょに見るんだからね!」
   「なるほどくんも買うんだよ! トレーディング・カード。
   九太くんやスタッフの子とトレードするんだから!」

成歩堂「はいはい。……わかったよ」

男と女とゆーよりも、やっぱり家族っぽいなぁ。この二人。




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