今回の目的は、大沢木ナツミの証言を崩す事。
休憩中の成歩堂・真宵・春美の会話を挟んでから、審理再開。
ナツミに尋問する事に。
だがしかし。
ナツミの証言そのものは、成歩堂も一緒に目撃していた事に他ならない。
彼女の言っている内容が正しいという事は、誰よりも成歩堂(=プレイヤー)本人が知っている。
おかげで成歩堂の尋問も、全体的に何だか変。
成歩堂「ナルホドーが扉をコワした! まちがいありませんか!」
冥「……弁護人。自分で言っててムナしくないの?」
成「うう……ボクがコワしました。ゴメンナサイ」
18歳の少女にたしなめられる、成人男性25歳。
せめて密室トリックを崩そうと、第三者が隠れられそうな場所を探す。
成歩堂「たとえば……扉のかげは? 見ましたか?」
ナツミ「あの扉を開けたのはアンタやろ!
あんなイキオイよく”バーン”てけとばしたら、ドアのかげにいたヤツ、鼻血だらだらやッ!」
ここで判明する、驚くべき事実。
どうやら成歩堂は、あの頑丈極まりなく見える扉を、華麗に蹴り破ったらしい。
……格闘ゲームに出られるよ、きみ。
実を言えば、ナツミの証言で重要なのは、むしろ彼女が撮った写真である。
提出されたのは、真宵の後ろ姿が写っている写真。
というより、問題なのは、この写真の人物は本当に真宵なのかという事。その答えは――。
この時点ではまだ、どうしようもない。コレが正解。(←身も蓋もない結論)
止むなく諦めモードに陥りかけた、その時。
千尋「……どうやら、間に合ったみたいね……」
今度は春美の身体に宿る事で、千尋が登場。
(顔や体格は千尋、髪型や服装は春美)
百人力の味方を得た事で、ここから一気に形勢逆転……なのだが。
敢えて脱線すると、エライ会話が待っている。
冥「部屋の中にころがってたのが霧崎哲郎でないとしたら、いったいダレだったというのッ!」
成歩堂「……たとえば、その死体の方が、霊媒した真宵ちゃんだった、とか」
仮にもヒロインを(推理で)殺すなよ……。
更には、こんな話にまで及ぶ。
ナツミ「今日からウチは、ゴシップ専門のイヤらしい芸能カメラマンや!」
フツーのカメラマンを目指す気はないのだろうか。この人。
で、こんなアホ話を炸裂させた、その報いは。
とにもかくにもムチ連打。
冥「事件に関係のある質問にしぼってもらえるかしら?」
成歩堂(……いたいよお……)
だから泣くなって。
閑話休題。
冥が隠していた、もう1枚の写真を引きずり出す事に成功。
その写真には、真宵とは明らかに姿の違う女性が写っていた。
証拠隠滅への怒りに燃えて、冥に叫ぶ成歩堂。
成歩堂「だって! 証拠をかくしたんだぞ! それは、その……!
イケないんだぞ!」
だから、きみは何歳なんだ。 (25歳です)
ともかく、その写真を巡り、
倉院流霊媒道のシステム――霊媒を行った術者の姿が、降りてきた霊のそれに変わる――が
取り上げられる。
そのため、
成歩堂「どこかで、被告と入れ替わった人間が存在するのです!」
という成歩堂の論も、即刻却下されてしまう。
けれどこの論は、後々になって考えると、結果的に大当たりだったわけでして。
つくづく不思議な名探偵だな、この男って。
でも何とか(攻略本の力も借りて)、写真の不自然な点を指摘。
これで冥をヘコませられる、と思いきや。
冥「次回の給料査定で、ものすごいドラマが起きるハズよ」
最終的な被害者は、イトノコ刑事(の給料)だったりする。
しかしながら、冥もだんだん余裕がなくなってきたようで。
裁判長「ひひいッ!」
成歩堂「あちっ!」
ナツミ「ウチもかいっ!」
裁判長・弁護人・証人の全員へ、3連コンボがクリーンヒット!
(注:『逆転裁判』は、格闘ゲームではありません)
そんな鬼気迫る冥に対し、逆に成歩堂の態度が、コレ。
成歩堂「……うう」
(最近、ナミダもろくなったな)
……最近……?
つまるところ、謎が謎呼ぶ複雑怪奇な事件は、更なる調査が必要に――。