今回の目的は、葉中のどかの証言を崩す事。
開廷直前。
成歩堂と真宵の元に、春美がやって来る。
その春美に、成歩堂は或る申し出を。
成歩堂「あのさ。今日も呼んでくれないかな? 千尋さん」
「……たのむよ。自信がないんだ、ぼくだけじゃ」
呆れて笑いながら部屋を出て行く春美を見送りつつ、成歩堂は独り呟く。
成歩堂「……これで、よし」
「……これで春美ちゃんは、今日の裁判を聞くことはできない」
成歩堂に男心の優しさを見た瞬間。
さて開廷。
今回は最初から千尋が隣に居るので、少し楽。
最初の証人は、のどかでなくキミ子。
このキミ子は、どうにも強敵である。
今まで証言しなかったのは真宵を庇うためだと、実に殊勝な人物像を演出してみせる。
ただ、その尋問の中には、とんでもないネタが一つ潜んでいた。
成歩堂「”おふたり”というのは……」
キミ子「ああたと、あの外国人の女のかたでござあますわね」
成「……ナツミさんはニッポン人ですけど……」
キ「そうなのでござあますか。
見苦しい身なりに、聞き苦しい日本語でしたので、アタクシはてっきり……」
「アホ!! 大阪弁は立派な日本語じゃ!!!」
……ってな某関西人探偵のツッコミが頭に響く。
が、しかし。ネタはまだ終わらない。
キミ子の発言を受けて、成歩堂が心で呟いた台詞がコレ。
成歩堂(……関西の黒人ふうのヒトたちに怒られるぞ……)
「たち」って何だ。「たち」って。
気を取り直して。
いよいよ本命、葉中のどかが登場。
彼女もまた、ソツの無い証言を披露するが……。
千尋「よくできた作り話。……でも、それ以上のものではない」
というわけで。尋問開始。
のどか「これぞまさしく、”一寸先はソバ”て感じですよねえ」
などと微妙なボケをかまされたり、
成歩堂が一人っ子である事が何故か分かったりしながら、
論を崩して問いつめた、その時。
のどか「今、考えてるでしょ! 話しかけないで!」
ほんの一瞬だけ、糸目が釣り目に変わる。
千尋「……あの証人……急に性格が変わるのね」
成歩堂「証言台に立つと、そういう人、多いですよ」
実はココは、見逃せない伏線かもしれない。
少しずつ、少しずつ、のどかを追いつめていく。
すると今度は、
のどか「うぐぐウゥッ!」
やたら伸びる帽子を引っかぶって、「ムンクの『叫び』」さながらの顔に一瞬。
裁判長「ムジュン……! いったい、何とムジュンしているんですか!」
この質問に出る選択肢。
さっきの証言
法廷記録
助けて千尋さん!
直に呼ぶんかい。
「千尋に聞く」とかならまだしも、よりによって。
(最終的には自力で解く事になるので、さしたる問題はないが)
その結果。見事、事件のあらましを説明する成歩堂。仕組まれたトリックを解明する。
これで解決――と思いきや、まだ甘かった。
そう。成歩堂が解き明かしたのは、あくまで事件のトリックのみ。
動機については、まだ一切、分かっていないのだ。
その動機を立証できるかと裁判長に問いただされた成歩堂。
「ものごとには、かならず理由がある」と千尋にも促され、彼は決心する。
成歩堂(”できる”、”できない”……そんなことは問題じゃない)
「……立証してみせます。のどかさんの動機を……!」
そう言いきった成歩堂に、
冥「……狩魔はカンペキな勝利のみを、ヨシとする……」
と、冥もまた堂々と受けて立つ。
…………一番肝心だろう、のどかを無視して。