『さらば、逆転』実況レポート (法廷パート1回目・前編)

今回の目的は――誰かの証言を崩すどころではなく。



開廷直前。
相変わらず自分のスキャンダルばかり気にしている王都楼を横目に。
千尋と共に、何としても無罪を奪い取る事を誓う成歩堂。
そこに、トランシーバーの反応が。

「今朝、あなたに1つ、プレゼントを用意しました」
と、謎めいた言葉を残して通話は切れる。



さて開廷――のはずなのだが。
成歩堂の方はともかく、冥の方が何故か居ない。それもそのはず。

係官「……検事が……狩魔検事が……今朝、ナニモノかに……狙撃されました!」


そう。
コレが、誘拐犯からの「プレゼント」。
王都楼の無罪のため、ただソレだけのために、冥は撃たれたのだ。


信じがたい事態に愕然とする成歩堂たちに、割って入る――声。


「……イノチに別状はない。狩魔冥は生きている」


またもラスボス音楽と共に、皆の前に現れる御剣。
法廷の証人席に、そして検事席に、1年ぶりに彼は起つ。
御剣「……裁判長。狩魔冥はツゴウにより、出廷できない。
    代理で出廷した……検事・御剣怜侍。
    検察側の準備は……無論、完了しているッ!」
   「狩魔検事は右の肩に銃弾を受け、現在、手術中だ。
    さいわい私は、この事件のすべてのデータに目を通している。
    ……私なりのやり方で、王都楼真悟の罪を立証しよう」


かくして、第1作と同じカードの「法廷バトル」がスタート。
御剣「……成歩堂。この1年の旅で、私がたどりついたコタエ……。
    この事件が終了したとき、キミもそれを知るだろう」




最初の証人は、例の通りのイトノコ刑事。
しかし第2作で彼を「刑事」と呼べるのは、あと少しだけ。というのも……。
糸鋸「この法廷が終了したら……辞表を提出するッス」

御剣「……ショボくれた証人は必要ない。カオを上げたまえ。イトノコギリ刑事!」
と、発破をかける御剣に、イトノコ刑事も一応の元気を取り戻す。

今までの冥とは違う”強敵”に、千尋も成歩堂も表情を引き締める。
成歩堂「……なにしろ、相手がアイツですからね」
     (”たどりついたコタエ”……おもしろい。見せてもらおうか……)




まずは事件の流れを理解するため、イトノコ刑事の証言を丹念に問いただしていく。

推理のキーになりそうな物は、殺害現場にあった、空っぽのギターケース。
糸鋸「事件にカンケイしようがないッス」
……などと最初に言われはするが。こう言われて、本当に関係なかった試しは無い。
因みに、被害者の死亡推定時刻は、午後8:15。



続いて、事件の証拠品たちの検証。
王都楼の指紋の付いた凶器と、藤見野の血の付いたボタン。
コレらの情報を聞いた限りでは、犯人は王都楼しか考えられない。

御剣「……いかがかな。弁護人?」
成歩堂「……フ、フン! 穴だらけですね!」
久しぶりに見た気がする。御剣に丁寧語で話す成歩堂は。


例によって成歩堂に締め上げられ、しどろもどろになっているイトノコ刑事に、御剣も苦言。
御剣「退職金の査定……楽しみにしておくことだ」
   「カネがほしければつづけたまえ!」



ともあれ、そうやって何とかイトノコ刑事の論を崩した――と思った矢先に、御剣の反撃開始。
御剣「王都楼は、食事に使ったナイフを持って、被害者の控え室に行った」
犯人の殺意を、見事に立証してみせる。
ただ、その論の展開中、どうにも気になった事。ソレは……。



ラスボス音楽、流れっぱなし。



……ここまで作者に愛されてる「ライバルキャラ」を見たのって、初めてだ。



まだ審理されていない証拠品。
御剣に挑発される形というのが気になりつつも、首を捻って考える。

ギターケースについては既に触れられているので、グラスの方を(恐る恐る)提出する。
成歩堂「これは、じゅうぶん”不審な証拠”です!」
と、毅然と言ってくれる成歩堂だが。こちら(=私)は不安でたまらない。

合ってるのか?合ってるのか?
ペナルティ食らったら、そこでもうGAME OVERなんだぞ。そしたら、また電源切るぞ
…………などとビクビクしていたら。

裁判長「その、すがるような目は、やめてください」



心を読まれた。



この台詞って、本当に成歩堂に言ってるんでしょーか?(一瞬びびった)


しかし。
その決死の発言も、御剣には全て計算済みだったらしく。
被害者が発見された時の新たな情報を披露してくる。
(この時、霧緒が被害者を発見した時の画像が表示される)

御剣「キミは、私の書いたシナリオを変えるコトはできないのだよ」
と語る御剣は、第1作の時とは何かが違う。
今回の彼は、そう簡単には動じない。
御「……私は、この1年間、”検事”について考え抜いた。
  そのコタエを、これから、お目にかけよう」




というわけで。
次の証人の登場……なのだが。
証人が席に立ったその瞬間から、当方にこみ上げる笑い。
先の展開は、分かりすぎるほど分かってる。痛いほど分かってる。なのに可笑しいのは何故。

ヘルメットで顔が見えない証人に、鋭く声を投げる御剣。
御剣「………………証人! 名前と職業を明かしてもらお――――ぐふうっ!」
オバチャン「……フッ。イ・チ・コ・ロ……!」



天才検事・御剣怜侍、オバチャンに狙撃さる。  (光線銃で)



成歩堂(さっき、さんざんカッコつけてたのは、なんだったんだ……)
そりゃ、御剣を倒せる最強兵器の一つですから。オバチャンは。

オバチャン「もお、ミッちゃんたら! ……1年ぶりの再会でショ!
       もっとうれしそうなカオ、しなさいって!」
本当に良かったねオバチャン。久しぶりに、みっちゃんとデート出来て。(←違う)


で、そのオバチャンによる証言。
相も変わらず怪しさ大爆発
その内容が曖昧である事は、流石の御剣も認めざるを得ない。ただし、
御剣「……一考の価値はある問題と言えるかもしれない」
何だか政治家並みの回りくどい言い方ではありますが。


尋問の際もまた、ネタが色々と。

例えば、成歩堂に問いつめられるオバチャンへの、御剣の援護射撃(?)。
御剣「……証人。証言をおねがいする。あとでガムをごちそうしよう」
   「弁護人。ガム代はキサマの事務所に請求するからな」


例えば、オバチャンから成歩堂への、逆方向の尋問(?)。
オバチャン「アンタ、ちっちゃいころのユメは?」
成歩堂「み、ミラクル仮面……でしたけど」

例えば、オバチャンによる裁判全否定発言(?)。
オバチャン「”ムカシ、ナニを言ったか?”
       ……そんなコトに、いったいなんの意味があるってのサ!
       ”今”がすべて! ムカシのコトなんて、セキニン持てないョ!」


けれども。
このオバチャンの証言のおかげで、証拠品同士の矛盾が明るみに。
御剣の論に対して、今度は成歩堂が反撃。
成歩堂「今の主張……さっきまでのきみの発言と、ムジュンしている!」
(↓ネタバレ注意)
ボタンが袴から発見される(=トノサマンの着ぐるみを着ている)なら、
凶器に指紋が付くわけが無く。

凶器に指紋が付いている(=トノサマンの着ぐるみを着ていない)なら、
ボタンが袴から発見されるわけが無く。


それに、
自室のナイフを持って(=殺意を持って)被害者に会っているのなら、
手袋は外さない(=ナイフに指紋は残らない)はず。

そしてそもそも、
手袋ナシで(=殺意なく)被害者に会っているのなら、
自室のナイフを持って被害者の部屋には行かないはず。

(↑ネタバレ注意)
……ここまで語って、やっと御剣の絶句する様をこの目で拝む。



更なる尋問。
オバチャンの誤解――王都楼が霧緒を藤見野に送りつけたという事――を、解いてやる成歩堂。

成歩堂「そのメモには、彼女の妄……想像が記されていました」
思えばコレ、全シリーズ中、最も平和な尋問かもしれない。
御剣のオバチャンへの態度も、普段より若干穏やかで(←最初だけ)。


その結果、最終的に引きずり出される、新たな証拠。
王都楼の無実を必死に追い、そして霧緒を最重要参考人として告発する成歩堂だったが。

御剣「……………………やはり……こうなったか」
まるで動じる気配も無く、成歩堂の更なる推理を問うてくる。

だが、この時の御剣は、成歩堂の推理の内容が「分からない」から尋ねているのではない。逆だ。
「分かっている」からこそ尋ねているのだ。
成歩堂を、試すかのように。


その証拠に、御剣は、予め霧緒を召喚する手配を済ませていた。
(個人的に、この場面での「待った!」には、是非ともボイスが欲しかったところ)



つまり。
結論から言って、この章での成歩堂は一貫して、御剣の掌の上で踊らされただけなのだ。

思い出せば、第1作の最終話では、常に成歩堂の方が、御剣より先の世界へ走っていた。
それが今回、第2作の最終話では、常に御剣の方が、成歩堂より先の世界へ走って行くのだ。



……ラスボス音楽引っさげて。




戻る  次へ

他の事件を読む


HOME


inserted by FC2 system