『盗まれた逆転』実況レポート (法廷パート1回目)

今回の目的は、怪人(たち)の証言を崩す事。



開廷直前。
「もお、なんでもいいから、有罪にしてくださーーーい!」
休憩室で響き渡る、あの絹裂くような金切り声。
声の主は勿論、被告人の天杉。

天杉「ボク、やっぱりアレなんです! ハンニンだったんですぅぅぅッ!」



無罪か有罪かハッキリしてくれ。頼むから。(←プレイヤーとしての懇願)



そこに希華も現れる。
希華「あ、ユーサクくうん! グッモオニン!」
天杉「あ! まま、まれかちゃん! グッモオニィィン! ……いや。
   どうなんだろ、ここでわざわざ英語っていうのもなんか」
このように休憩室でだと、天杉の台詞の語尾は全く読めない状態に。
一体全体、何と言っているのだろう。無性に気になる。
(追記。3DS版の解像度で、ついに全文確認できるようになりました)



用があると言って席を外す希華を見送りつつ、さて開廷。
因みに、時刻は午前10:00。


で、今回立ちはだかる謎の検事・ゴドー。
彼の専用音楽と共に行なわれる自己紹介。
裁判長の追及をサラリとかわしてから、ゴドーは成歩堂に言葉を投げる。

ゴドー「やっと会えたな。……まるほどう りゅういち」
相手の名前を間違えるとは失礼な奴、と正直なところ思った、1周目当時。
よく考えたらコレ、何とも深い意味合いだったのですな。
ゴドー「オレは、アンタと戦わなけりゃならねえ。そのために……地獄から戻ってきたのさ」



最初の証人。お約束のイトノコ刑事。
すると。その証言を聞き終えた、ゴドーの席に起こった超常現象。ソレは。



コーヒーカップ、射出!



ゴドー「……闇よりなお深い暗黒をたたえ、地獄よりも熱く苦い、コーヒー……」
なんて、いきなり語ってますが。
いつからココはバーになった、バーテンダーはドコに居るんだ、
てゆーかコーヒーカップって滑るのか、てゆーかココ裁判所だろ……
まだまだまだまだツッコミは怒涛の如く、我が頭に浮かぶけど。
…………………………まあいいや。格好いいから。


とにかく天杉の無実を立証するなら、斬りこむ論点はココ。
成歩堂「倉院のツボは、仮面マスクが狙うエモノとして、不自然なのです!」

今にして思えば、この成歩堂の推理こそ、今回の事件全体を言い表していたかと。
他の獲物と異なる「倉院の壷」だけは、仮面マスクの犯行としては、
全くのイレギュラーだったわけだ。


それにしてもこの事件は、複数の論理が、実にヤヤコシイ形で交錯していると言える。
少なくとも、この時点での成歩堂は、
「天杉が仮面マスクなのか否か」については論じていない、という事は押さえておきたい。



結局のところ、事件当夜の犯行現場には誰が居たのか?
ソレを検証するために、次の証人として登場した哀牙だが。
相も変わらず態度がデカイ

名探偵のくせに襲われたのかと成歩堂に問われても、まるで動ぜず。
哀牙「貴方……いきなり殴られたことは?」
成歩堂「え! あ、ありますけど。……消火器で」
少しだけ、第2作のネタバレがココでも。


また、漢字検定準1級(←推定)の難解台詞も健在。

哀牙「我が意識が黄泉の世界へと旅立ち、黄昏の彼岸を彷徨いし玉響……」
   (わがいしきが よみのせかいへと たびだち、たそがれの ひがんを さまよいし たまゆら……)


その一方。我らが真の名探偵・成歩堂はと言えば。
成歩堂「あの……なんですか? ”たばかる”って」
単語の意味が分からんようです。
(注:「謀る(たばかる)」とは、あざむく、だますなどの意。「はかる」とも読む)

他にも。
成歩堂「……あの。マユアイ……というのは?」
要するに眉間の事ですな。額とは少し違うような気もする。
(音読みだと「みけん」。訓読みだと「まゆあい」)



そんな哀牙の証言の中、重要なのはこの部分。
哀牙「カタナを持っている相手と闘うは、ハアドでメロウ、そしてヘロウ」
と、いわゆる「剣道三倍段」の事を語っているわけだが。

この台詞、未だにニュアンスが分からない。
「hard(=手強い)」はともかく、「mellow(=芳醇な)」は文脈が通らないし、
「hello(=こんにちは)」に至っては意味不明。
それともコレは、「意味わからんぞッ」とツッコミを入れとけば、ソレで良いのか?


それで実は、ここまで話を読み進めて、解くのに詰まった1周目当時。
ちゃんと伏線は、探偵パートで敷かれていたというのに。

法廷記録を読み返し、攻略本の力も借りて、ついに攻撃を繰り出す成歩堂(と私)。
成歩堂「この星威岳哀牙こそが……怪人☆仮面マスクだったのです!」

仮面マスクは、哀牙による自作自演だった。
ソレが、成歩堂の視えた”真実”。
ただ、今にして思うと、この成歩堂の告げた”真実”は、少々言葉が足らなかった。
「倉院の壷」を盗んだ怪人☆仮面マスクだった」と言えば、完全に完璧だったかと。


そう。
密かに重要な事だと思うが。
この時点で、成歩堂の論説は大幅に変わってしまっているのだ。

「哀牙は仮面マスクである=天杉は仮面マスクではない」という論は、確かに分かりやすい。
が、分かりやすい論だからと言って、本当の真相を見落としてしまったのは悔しいところ。



哀牙「仮面マスクの手口はまさに天才! 名探偵・星威岳哀牙こそがッ!
   ……その正体に、ふさわしいのかもしれませんな、みなみなさまがた!」
高笑いしてから、こう言い放った哀牙。
早くも、真犯人を華麗に捕らえた――と思ったら。

ゴドーの「異議あり!」宣言(コール)と、「ぱしっ」という音の後。
プレイ画面に出た物は。




『逆転裁判』名物・コーヒーまみれ成歩堂。 (第3作限定)




この時、見開いた点目が、ますます小動物風でございます。


より決定的な証拠を求められ、ゴドーに追いつめられる成歩堂。
ただこの時、話の都合で、服は元に戻ってるけど。
実際はきっと、青スーツに染みついてるだろーなコーヒーが。
一刻も早く洗わないとアウトですよ。

そんな折、



「待った!」



と法廷に乱入してきたのは――希華。

彼女が持って来た物は、何とあの「倉院の壷」。
しかも見つけた場所は、哀牙探偵事務所だと言う。


が、しかし。
ゴドーは、その壷を持って来た事こそ、希華の自作自演と主張する。

第1作で、成歩堂がコッソリ物証を手に入れた時は不問だったのに……とも(私は)思いつつ。
壷が探偵事務所に置いてあった事を立証する成歩堂。


そうすると……
哀牙「……さあさあみなさん、ごらんくださあい……!
   天才にふさわしき好敵手を求めて、ついに自ら犯罪に手を染めた……
   あわれなピエロでござあい……」
   「やあれ! この我こそが、かの仮面マスクだった!
   さよう! みなさん、楽しんでいただけましたかな……!」
高笑いを交えて、こう言い放った哀牙。
今度こそ、真犯人を華麗に捕らえた――と思ったら。



「待った!」



と、今までの流れをぶっ壊す被告人・天杉優作。

天杉「怪人は、ボクなんです! っていうか、ボク、怪人なんです!」
   「だから……有罪にしちゃってくださーーーい!」
……ああ思い出す、第1作・最終話のあの騒ぎを。(雰囲気ぜんぜん違うけど)


よって、取りあえず、天杉のアリバイ(現場不在証明)を立証してみせる成歩堂。
その際の、ゴドーの反応がコレだった。
ゴドー「………ぐぅ……ッ………
    うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」

……絶対に胃、壊しますよ。そんな一気飲みしたら。 (コーヒー好きとして痛く心配)

更に、立証する証人もいると告げたら、コレ。
ゴドー「うぶぐほおおお……ッ!」
……吹き出すなら飲むなって。 (コーヒー好きとして痛く複雑)



そんな激しい応酬の末、天杉の無罪を何とかGet。
因みに閉廷時刻は、午後2:24。



閉廷後。
希華といい雰囲気になりかけた成歩堂の元に、春美が登場。
春美「まあっ! どなたですか、その女性は!」
   「真宵さまの前で! 他の女性と! いいムードに……! 恥をお知りなさいッ!」

さっそく誤解して、ビンタを食らわす春美。
更に、相手が人妻と知ると、今度は往復ビンタ。


そんな中、独り浮かない顔の天杉の元へ、ゴドーが登場。
ゴドー「オレの相棒にヒトコト、礼を言おうと思ってな。……まるほどうさんよォ」
と語る彼の話で分かった事は。

ゴドー「怪人がケチなツボを盗んでいたとき、KB警備会社では……ヒトが1人、死んでいたのさ」
    「……アリバイってのは、”現場不在証明”のコトだが……
    今日の裁判で、オレたちは……”逆アリバイ”を立証したのさ」

という事で。
この事件は窃盗から殺人へと切り替わる。
天杉は改めて拘留される事に。


と言いますか……。
もしかしたらゴドーは、最初から全部分かっていたのかもしれない。
本件が殺人である事も、天杉がその容疑者である事も。
(死体が発見された時刻は、本日の開廷前)


つまるところ、怪人の正体も探偵の正体も不明のまま。そこに殺人事件まで交ざってしまった。
そして何より、
ゴドー「オレはアンタと戦うために、地獄から戻ってきたんだ」
と、成歩堂に敵意を示すゴドーの正体は、果たして……。




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