『逆転のレシピ』実況レポート (探偵パート2回目)

法律事務所にて、事件の流れを確認する成歩堂と真宵。
それに、もう一つ大きな問題も残っている。
真宵「ケッキョク、どうなったのかな。なるほどくんのニセモノ」
こっちの方も、何とかして解決しないと。

なお、この時、五十嵐の証言書を見せると、こんなコメントが。
真宵「あたしも小さいころはパリンパリン割ったよ。いろいろ」
その場面は、後の事件で出てきます。



この章では、最初に警察署へ行ってみると、非常に興味深い場面を拝める。

「何してるんだ! 聞き込みの人員を、はやくまわしてくれ!」
「署のサーバーマシン、シャットダウンできないのか?」
「課長! インターネットはやめてください!」
「いや、しかし、メールトモダチのサヨコさんがだね」
「また今度にしてください! はい。スイッチ、切りますよ!」
「ぎゃー! サヨコさん……」

この通り、刑事の皆さんが、大事件で大騒ぎしている事が分かる。(一人除いて)



留置所でのマコは取調べ中なので、代わりに「吐麗美庵」へ。
すると、独りで大騒ぎしているイトノコ刑事を発見。
糸鋸「よよ、よしッ! きたきたきたきたきたアッ!」
   「そう! そこで《8》ッス! カモンッス!」
   「うがああああああッ! ハズしたッスかああッ!」
   「《8》なら500円……ぐううう……クヤシイッ!」

初めて見た時、てっきり競馬だと思ってた。このノリは。


糸鋸「あの……マコクン、ナニか言ってたッスか? 自分のコト」
こう問われて、どう答えたものかと悩む前に、真宵が正直に全部ぶちまける
結果、当然イトノコ刑事は大ショック。
糸鋸「自分は! 自分はああああああッ!」
真宵「カベにアタマぶつけてる……」
あの時の狩魔豪みたいにだろうか。

ところで。さっきのイトノコ刑事は、いったい何に興奮していたのか。
ソレを問いただしてみると、何とサイコ・ロックが発動。
が、実はこのロックは即解除できる。

イトノコ刑事が夢中になっていたのは、ラジオの生放送による、宝クジの当選番号発表。
どうやら、今回の事件の被害者も、同じ番組を聴いていたらしい。

更に詳しく調べるため、被害者の職場――コンピュータ会社「バグダス」の場所を教えてもらう。
その会社に行く……前に。他に行くべき場所が色々と。



まずは、「吐麗美庵」のキッチン。
本土坊と、前に見かけた包帯の女性との会話。

「……来月、また来ますから……」
「……今度、いただけなかったら……つけますね……火……」
と、本気かシャレか分からない言葉を残して去る女性。

一方、後に残った本土坊の機嫌は最悪。
本土坊「シオでもまいておこうかしらね!」
成歩堂「うぎゃわっ!」
     「めめ、目が! 目があああっ!」
相も変わらず不幸な男よ、成歩堂。


気を取り直して。先程の女性について尋ねてみる。
本土坊「あの気味のワルいオンナはね。お察しのとおり、ローン会社の子」
     「《カリヨーゼ》っていうんだけど」

また、例の「ニセ成歩堂」(?)の名前も、ここで判明。
本土坊「《ナニワのゼニトラ》……」
この名前から考えれば、やはり大阪人なのか。
(個人的には、むしろ広島弁のような印象が)



「吐麗美庵」の店内に戻ると、イトノコ刑事は帰り支度。
糸鋸「……じゃあ、アンタたち。自分はそろそろ、署に戻るッス」
   「なんか今、大事件が起きてるッスから、そっちッス」

その去り際に、渡された物。
糸「あ、あの……。ま。マコクンに……マコクンに……、これを差し入れしてほしいッス」
  「ベントウ……ッス。早起きして作ったッス」
やたら迫力のあるウインナー弁当
因みにこの弁当の画像、制作スタッフさんの実物らしいですな。



てなわけで。ローン会社「カリヨーゼ」(因みに有限会社らしい)に突入。
出迎えてくれた包帯の女性の目を盗んで(?)、部屋を調べる成歩堂と真宵。


壁のクロークにある青スーツ。
真宵「……スーツのエリに……」
成歩堂「弁護士バッジ……?」
     「このバッジ、ボール紙でできてるじゃないか!」

より正確には、段ボールの紙によるお手製。

デスクのプレイヤーにセットしてあったCD。
書かれている文字は、あの「クリーニング・ボンバー」。
成歩堂(これが……マコちゃんの言っていたCDか……!)
でもよく考えると……コレをプレイヤーにかけたら大惨事になるはずですが。色んな意味で。

テーブルの横の絨毯に落ちているマッチ。
成歩堂「今どき、紙マッチなんてめずらしいな………………?」
     「この紙マッチ……《吐麗美庵》って書いてある!」


この3点を調べると、ストーリーが強制進行。


よって、ココは見逃しやすいかもしれない。
真宵「ショウギのコマの下から、紙キレがのぞいてるね」
成歩堂「……《修理代請求書》か……」
真「クルマの持ち主は……《シカバネ組》だって」


それはさておき。

「コォラァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
 アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
 アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
 アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
 アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
 アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
 アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」

またも無駄に怒鳴りつつ、チンピラヤクザのゼニトラ登場。
その怖さに、真宵はテーブルの下に隠れてしまう。


さっそく成歩堂に因縁をつけようとするゼニトラだったが。
そこに、包帯の女性が声をかける。
「……帰っていらしたの……トラさま……」

すると何故かゼニトラ、この女性に対してだけは態度が豹変。
ゼニトラ「カワイイうらみちゃんのコトや。なんでも。ゆ、ユルしたるでェ!」


成歩堂「あの……聞きたいことがあるんですけど――」
ゼニトラ「ワイには聞きたいコトなんかない! もう、会うこともないで!」
と、圧倒的な迫力でもって。気づいた時には逃げられて。

止むなく、今度は女性の「うらみ」の方と会話。
また、ゼニトラの本名は、「芝九蔵 虎ノ助(しばくぞう とらのすけ)」である事が判明。

うらみ「……わたしたち……愛しあっていますから……」
    「イノチの恩人なんです。トラさま……」
その事情――死にかけたうらみをゼニトラが助けた事――について問いただすと、
うらみにサイコ・ロックが発動する。

なお、この会話の際、真宵の口からこんな台詞が。
真宵「トランプの勝負で、なるほどくん、あたしに5万円の借りがあるし」
博打は、(少なくとも日本では)法律で禁止されています。
と言うより、コヤツら、5万も賭けてトランプしてたのか正月から。



帰り道。「ビタミン広場」で、機嫌最悪の五十嵐に出くわす。
成歩堂(とりあえず、聞いてみるか……グチ)
と、五十嵐の話に耳を傾ける成歩堂。

結果、そうして聞いた努力は、無駄ではなかった。
殺人事件があった時、五十嵐は通報のため、公衆電話を探していた。本土坊に急かされて。
電話なら、まず間違いなくレストランの中にあるはずなのに。
五十嵐が法廷で最後に語ろうとしたのは、この出来事だったのだ。

そして、この出来事から弾き出される事実。ソレは――。
成歩堂「オジさんは……追い払われたのかもしれない」
     「警察が来るまで、店にいてもらいたくなかった……」

という事。

急いで、マコと本土坊に話を聞く必要が出てきた。



「吐麗美庵」に行っても本土坊には会えないため、留置所へ。
取り調べを終えたマコから話を聞く。

本物成歩堂の弁護ぶりに、大喜びしているマコ。
マコ「今日の裁判のコト、テツヤでマコ日記に書きまくるッス!」


だがしかし。事件の謎はまだまだ混乱中。
二人――マコと五十嵐――の目撃した事件は、あまりにも違いすぎるのだ。

マコの目撃した事件では……。
レストランに居た客は、被害者と、
同席していた男の客(=ゼニトラ?)と、そして女の客(=うらみ?)と。総計3名
また、被害者のテーブルにはCDがあった。
そしてコーヒーに毒を入れたのは、その同席していた

対して、五十嵐の目撃した事件では……。
レストランに居た客は、被害者と、そして自分(=男)と。総計2名
そしてコーヒーに毒を入れたのは、ウエイトレス(=)。

これではまるで、互いに別の毒殺事件が、二つ発生しているかのようだ。



なお、この時、ゼニトラの写真を見せると、こんなコメントが。
マコ「まぁさしく、そいつッスウウウゥゥゥ!」
   「成歩堂さんのニセモノッス! そのニヤけて日焼けたツラ!」
   「出張でサイパンに行って日焼けした、と言ってたッス」

マコよ。成歩堂は絶対にそんなトコ行かない。



だって、そんな路銀ないから。(断定)



謎めいた事件に落ち込んでいるマコに、イトノコ刑事の差し入れを出す成歩堂。
一度は喜ぶマコだが、イトノコ刑事の手製と知ると、態度は硬化。
マコ「………………………………………
   ザンネンッスけど……留置所で、差し入れは禁止ッス!」
その上、
マ「それに……スズキ、ウインナーは大ッキライッス!」
  「真宵さんにあげるッス!」

それで起こった、信じられない事態。
こう言われた時の、成歩堂の対応である。
成歩堂「……………………そうだな。悪くなるまえに食べちゃおうか」
真宵「え! ……いいのかなあ」
って。
成歩堂の奴、弁当、食っちまいます。真宵と共に。マコの前で。
真宵さえ躊躇ったとゆーのに。


この点から分かるように、この男は少なくとも、いわゆるフェミニストではないのは確実。
ミソラーメンのチャーシューを真宵に譲ってあげないくらいだし(←攻略本の番外編より)。

やはりこの男、本質的に合理主義者なのか。実は密かに性悪なのか。
それとも単なる天然か。



そういえば、イトノコ刑事の言っていた「大事件」とやらは、どうなったか?
警察署に行ってみると、事態はますます深刻になってる様子。(一人除いて)

「署のマシンがパンクしました!」
「記者会見の用意はまだか! 総監が見えたぞ!」
「ううん。インターネットでも話題になっているようだな」
「だから! 課長、コンピュータを使わないでください!」
「いや、しかし今、ワシの王手が……」
「また今度にしてください! はい。スイッチ、切りますよ!」
「ぎゃー! ワシの王手が……」

糸鋸「ウイルスッス! ウイルスッス!」
   「コンピュータ・ウイルスが署内で暴れ狂っているッス!」

というように、イトノコ刑事も興奮気味。


それはさておき(?)。
何はともあれ、「カリヨーゼ」の情報を訊く。
糸鋸「カリヨーゼは、闇金融の中でも特にアヤシイ会社ッス」
   「彼女にニラまれたら、ブジじゃすまないッスからねえ」
この「彼女」とは、あの包帯の女性・うらみの事。
糸「彼女の名前は、鹿羽(しかばね)うらみ。
  あの、鹿羽権太(しかばね ごんた)の、たったヒトリのマゴにあたるッス」
  「鹿羽権太は……恐怖の《鹿羽組》組長ッス」
  「警察の力ですら、ヤツらをつぶすのはムズカシイッス」
  「ウラ社会で絶大な力を持つ、やっかいなグループッス」
  「街の闇金融をひとまとめにして、かせいでいるとか」
  「鹿羽権太のマゴ好きは有名ッス。たったヒトリのマゴで、組長の生きがいッス」


また、うらみとゼニトラの関係については、
糸鋸「かなりアツアツなふたりらしいッス」
との事。



話は戻って。ウイルスの件。
真宵もイトノコ刑事も(!?)、その単語の意味を分かっていない。
会話コマンドに「ウイルスとは?」と出るが、コレはイトノコ刑事に訊くわけではない。
機械オンチを名乗るはずの、成歩堂の説明なのだ。

成歩堂「”ウイルス”は、コンピュータを破壊するためのプログラムです」
     「コワすのは……そう。コンピュータの中身、かな」
     「たとえば、警察のコンピュータには事件のデータが記録されてるだろ?
     それが、ウイルスプログラムでゼンブ、ぱあになるわけ」
     「もっとコワいのは、ウイルスは伝染する、ってトコロだ」
     「コンピュータは、ネットワークでつながってるコトが多いだろ?
     ウイルスは、それらのマシンを次々に破壊していくんだよ。
     ネットワークを通じて、ウイルスは自分で勝手に、増えていくわけだ」
     「ウイルスプログラムは、他人のマシンに送り込むんです」
     「それがコンピュータ・ウイルスだよ。悪いプログラムだ」

以上。
まるで法廷パートさながらの長台詞を、イトノコ刑事と真宵に話す成歩堂。

だが、そんな成歩堂の熱弁も、この二人にかかると……
糸鋸「アンタが、ゴドー検事にクシャミ引っかけてカゼをうつす、という」
真宵「それでゴドー検事は法廷をお休み、と」



長い説明、水の泡。



糸鋸「今回、ウチで暴れているウイルス……どこかで聞いた名前なんスがねえ」
と首を捻っているイトノコ刑事に、あのCDを見せてみる。
糸「これッス! この、フザけた名前! 思い出したッス!」
  「今、署内でウワサのコンピュータ・ウイルスッス!」


そして明らかになる、驚くべき事実。
成歩堂「ウイルスプログラムって……、”商品”になるんですか?」
糸鋸「”億”単位のカネが動いていると思われるッス」



……と、話を一通り終えてから。
ウインナー弁当の件を問われる成歩堂と真宵。
その答えに詰まっていたら、もう1回渡された。同じウインナー弁当を。



さて。そろそろ調査の総仕上げ。


仕上げの一つ目。
「カリヨーゼ」で、うらみのサイコ・ロックを解除。

その際、明るみに出た物は。
ゼニトラが、うらみを好意を持っているわけではないという真実。
あくまでも、自らの保身のため、ソレだけのために、ゼニトラはうらみに尽くしていたのだ。

うらみ「……信じていたかった……トラさまのコトバ……」
    「そうじゃないことは……はじめから、わかっていたのに」
元と変わらない表情のまま、そのまま頬を伝う――、ひとすじの涙。
個人的にこの時の顔、物凄く、綺麗に見えた。


うらみ「わたし……《鹿羽組》のムスメですから……。
    オトシマエ……つけなくてはいけないんですよね……」
泣き濡れながらも、毅然とした態度で。
自分が事件に加担している事をほのめかしながら。
彼女はその場を立ち去った。


部屋に残された成歩堂は、独り静かに怒りを燃やす。
成歩堂(ぼくには、どうしてもユルせないものが、2つある。
     ”毒薬”と”ウラぎり”……。
     最もヒキョウで、最も深く人をキズつける……)


考えてみれば。毒殺が扱われた事件は、今回が初めて。
もっと言えば、『逆転裁判』シリーズでは、同じ死因の事件自体、そうそう登場していないのだ。



仕上げの二つ目。
被害者の勤めていた会社「バグダス」(因みに株式会社)へ。
ココの人たちは、社長の小池ケイコも、社員も独特。

業務目的を尋ねてみても、
小池「ある企業が必要とするデータ管理をブンセキして、
    ベストなオペレーションソフトとソースの配信をしてるんだねー」

業務内容を尋ねてみても、
「プログラムのストラクチャはコードの応答性が
 パフォーマンスの向上にラジカルなグローバル性と
 メモリのオーバーヘッドの独立性が重要です
 だからマルチスレッドにおける同じソースをタイムスライスされます
 協調性のグローバル定数がラジカルに読みこむ利点を研究しています」



既に人間語じゃない。



調べる許可を頂けた事もあって、被害者のデスクをチェック。

また、その被害者の抱えていたトラブルについて、
小池ケイコに問いただすと、サイコ・ロックが発動。
すぐに解除する。

本音を言えば。このロックは、もっと早く解きたかった。1周目当時。
「クリーニング・ボンバー」の正体には、この章の冒頭で気づけていたから。
だが、警察署でのイトノコ刑事のデータが来ないと、このロックは解けないのだ。


ともあれ、これで殺人事件の、”本当の”動機が分かった。
犯人が欲しかったのは、宝クジなんてチャチな物じゃない。
小池「闇ルートでも、数億円の値段がつくんじゃないかなー」
と言われるほどの、莫大な金ヅルだったのだ。


なお、ここで小ネタを一つ。
小池ケイコと岡高夫の二人には、或る共通点があるそうな。
コレに自力で気づけなかったのは、悔しかったな。



本日の調査の、ラストステージ。
「吐麗美庵」に到着すると、やっと会えた本土坊――と、そしてゼニトラ。

ゼニトラ「……さ。わたしてもらおうかい」
     「診断書よ、診断書ォ……」
どうやら、事件の鍵を握る証拠品を奪いに来たらしい。

うらみの思いを胸に抱き、断固として証拠品を守ろうとする成歩堂だったが。
ゼニトラに脅されている本土坊と、二人がかりで襲われた、その時。

糸鋸「待つッスぅぅぅぅッ!」
絶妙なタイミングで、助けが入った。
糸「ここここ、恐ェッス……! イヤ、ガマンッス!
  アンタ! こ、この場は自分にまかせて、逃げるッス!」
  「アンタがいなくて……ダレがマコクンを助けるッスかッ!」



分かった! あなたの犠牲は無駄にはしない!
……などと思わず叫びたくなるような、イトノコ刑事の活躍を背に受けて。
成歩堂と真宵は「吐麗美庵」を後にした。




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