今回の目的は、本土坊薫の証言を崩す事。
開廷直前。
真宵やマコに、謎が解けているのか尋ねられて、ゴマカしている成歩堂。
けれども。
実は私、1周目当時の時点で、この事件の構造は分かってきていた。
マコの見た世界と、五十嵐の見た世界の違うその理由も、もう分かっている。
そのせいか私には、この時の成歩堂、わざとトボケてるようにも見えた。
今までの事件を簡単に解けている人には、前からそう見えていたのかな。
そんな所に。
マコと入れ違いの形で、イトノコ刑事が登場。分析を終えた証拠品を手にして。
内容物は分かっても、付いていた指紋が不明なのが気になるが……。
さて開廷。
因みに時刻は、午前10:00。
証人として現れた本土坊。
妙に明るく、きゃぴきゃぴと。シナを作って、ゴドーを口説く。
本土坊「……あなたとなら……」
「マチガイを起こしちゃうかも……」
と、いきなりこんな事を言われても、全く動じないゴドーが凄い。
成歩堂や、それから御剣とかが相手だったら、どんな修羅場になった事やら。
そんな我が道を行く、本土坊が語った証言。
何と事件当時、店内には巨大な鏡が置いてあったのだと言う。(今更)
確かにその鏡越しに見たのなら、モノクルも、イヤホンも、カップの手も、全て逆になるだろう。
しかし、冷静に考えていくと、どうにも奇妙な現象が。
マコの見た”世界”では……。
モノクルは左目に嵌めている。
左耳は聞こえない→イヤホンは右耳に嵌めている。
コーヒーは右手で飲まれている。
五十嵐の見た”世界”では……。
「ヤツは、メガネをかけたほうの耳にラジオのイヤホンをハメとった!」
→モノクルは左目に嵌めている。
「ブチこんでやがったのさ。左の耳にな!」
→イヤホンは左耳に嵌めている。
「そしてそのまま、その手でコーシーを飲んだ。左手でなッ!」
→コーヒーは左手で飲まれている。
……? 逆でもないぞ……?
取りあえず、その当座の疑問から、本土坊の論を崩してみる。
しかし悲しいかな、五十嵐の話は信用ならないと、昨日証明されてしまっている。
ゴドー「『ワシはイヤホンといっしょに、イカれたメガネも見たんだ!
そうだよ! いっしょくたにブチこんでた! 左耳にッ!』」
とゆー、ゴドーの物真似(とゆーか声帯模写?)も説得力を添える。
だが、五十嵐の席は、本土坊が言っている場所とは異なる。
というか、そもそも店内に鏡なんて絶対に無かったはず。
事件当日、五十嵐は花瓶を割ったと証言しているのに、
現場写真の花瓶は割れてないのだから。
……と、この通り、言いたい事は、まとまっている。
だがしかし。一体どの証言に何を突きつければ良いかが分からない。
一つの台詞に、一つの証拠品しか出せないシステムを、この時ほど呪った事はなかったかと。
実際、正解のルートを選んでも、
成歩堂「裁判長! 今の証言……この証拠品とムジュンしています!」
出るのは何だか、推理ミスした時に限りなく近い台詞だし。
しかも、その次に出てくる台詞が、もう1回コレ。
成歩堂「裁判長! 今の証言……この証拠品とムジュンしています!」
オウムのサユリさんかお前は。 (オハヨー、オハヨー)
それでも何とか、
成歩堂「あの日、吐麗美庵にカガミなど存在しなかった!」
この台詞まで辿り着いて、ようやく安堵。
というわけで。
今から、いよいよ本丸に突入。
マコの目撃した”世界”と、五十嵐の目撃した”世界”――
二つが共に存在している、パラレル(並行)世界の謎を解く。
成歩堂「五十嵐さんの目撃した”事件”と、被告人が体験した”事件”……。
この2つは、まったく別のモノだったのです!」
「吐麗美庵」で、”毒殺事件”は2回起こった!
そんな大それた出来事を、店主である本土坊が知らないはずは無い。
五十嵐の見た方の”毒殺事件”は、ことごとくフェイク(偽物)だったのだから。
ただ、そうなると、問題が一つ。
殺された被害者は、フェイクの事件当時ドコへ消えたのか?
勿論、その答えは一つ。
本土坊は、本命の毒殺事件の――共犯者なのだ。
だが本土坊は、自分は或る男に命令されたという以外、実情を答えようとしない。
そこで、
成歩堂「じゃあ、他のことを聞きましょう」
と、話題を変える成歩堂。
証人に、訴追される恐れがある証言を黙秘されたら、訴追される恐れのない証言をさせる……
『さらば、逆転』の時に学んだ作戦を、ちゃんと使っております。
その際の証言を元に、ついに今回の殺人事件の真犯人を引きずり出す成歩堂。
成歩堂「……このオトコですね」
と、その写真を突きつけると、裁判長が慌てふためく。
裁判長「ど、どなたですかッ!
なんか、どこかで見たコトがあるような……」
って、見た事があるも何も。
間違いなく見てるでしょ裁判長殿。この法廷で。
ここから、審理は新展開。
真犯人とのバトルが始まる。
ゴドー「オレは、審理をつづけるぜ」
「30分後……コイツを証言台に立たせる。……かならず」
という、ゴドーの協力を得る形で――。