『華麗なる逆転』実況レポート (探偵パート1回目・後編)

主人公不在のまま、物語は大幅に加速する。



某日某所にて、鳴り響くベル音。
突飛な時刻の電話に、渋々出る。

御剣「……はい。こちら、ミツルギ……」
と受けてはみたものの、聞かされるのは何が何だかサッパリ分からない、謎の話。

自分は矢張ではなく天流斎マシスだとか。
成歩堂が落ちたとか死んでるとか何とか。
あやめちゃんがどうしたとか。
待ち合わせは留置所だとか。

とにかく口調から感じられた事は、非常に事態が切迫しているのだろう事。
矢張「とにかく……すぐ帰ってきてくれ! オマエしか、いねえんだよお……」
御剣「よくわからんが……わかった。……すぐ、そちらへ向かう」
と、御剣にしては変な日本語の会話を交わしてから。
彼は帰国する。



次の場面は、留置所。矢張と会話する。


御剣が。
というか、我々プレイヤーが。
というか、御剣として。



そう。
いつの間にやら、まさかの展開。
ここから暫くの間、PC(プレイヤーキャラクター)が交代してしまうのだ。
成歩堂から御剣へと。

そのため、普段は成歩堂になりきってプレイしている身としては、
今はその成歩堂として、御剣に憑依してプレイしてるような気分。


……などという、システムの基礎を揺るがす事態より、更に驚く展開が。

「ジェット機をチャーターして飛んできた」とゆー御剣の発言に、思わず「待った!」。(←私が)
立派に庶民である私としては、御剣にこう尋ねたくてならない。



キミはどこかの国の王族ですか。



なお、ちまちま調べてみた限りでは、
ピンキリではあるものの、最低でも100万単位の金が飛んでいく事は確実。


閑話休題。本題に入る。
相変わらずワケ分からん話をしてる矢張より、
自分で調べた方が早いと考えた御剣が、状況を説明してくれる。

御剣「……こちらへ来る前、成歩堂が入院している病院へ行ってきた」
   「とりあえず、2日間は病院で絶対安静……ということらしい」
   「ただ……、よくわからないのは、この2つのシロモノだ」
   「病室を出るとき、成歩堂にたくされたのだが……」
   (まず、1つめ……)

と、取り出したのは、あの勾玉。
  (人のココロを見抜く宝玉、とか。……とてもアヤシイ……)
  (そして……もう1つ)

と、取り出したのは、あの弁護士バッチ。
  (……どういうことだ、これは?)

その疑問に、矢張はアッサリ答えてくれる。
矢張「成歩堂が死んだ今。もう、オマエしかいねえんだよ!
    あやめちゃんのベンゴをまかせられるオトコは!」



ふぅん。
……………。………………………………。
何だってーッ!!?? (←実際、理解するまでに、これくらい間が空きました。1周目当時)


理解不能の流れに困惑する御剣に対し、矢張は平然。
矢張「ボール紙のニセバッジでも、バレなかったってウワサだぜ!」
御剣(……それでいいのか……この国の司法制度はッ!)
……やっぱり、ツッコミの入れ方も成歩堂とは一味違う。

とゆーわけで。



「御剣怜侍弁護士」、今ここに誕生である。



気持ちを切り替え、被告人である、あやめと会話。
御剣「……御剣怜侍です。おチカラになれるかはわかりませんが……
   お話を、お聞かせねがいましょう。……事件について」

と、彼にしては珍しく(?)、普通に挨拶してから、成歩堂の安否を伝える。
御「水面に落ちた際に全身を強く打ったようだが、ケガはない」
  「ただし。……タチの悪いカゼをひいたようです」
  「超高熱にうなされ、モーローとしていました」


そう語ってから、御剣も感じた既視感(デジャヴ)。
御剣(気のせい、だろうか……。
   この女性。……どこかで、見たことがあるような……)


なお、この留置所からは、行動も自由になる。調査コメントも大幅に変化。
カメラや守衛に対して、本気で睨みつけたりとか。
(成歩堂の場合は、冷静に観察するのみ)


まずは、あやめ本人についての事。
あやめ「……私には、霊力など、ございません」
     「………………………私には……つぐなわなければならない《罪》があるのです」

次に、事件当夜についての事。
午後10時に「消灯の鐘」を鳴らした後、毘忌尼に修験堂に来るように言われていたが、
怖かったので、自室に居た……と。

果たして、いったい何が怖かったのか。そう問いつめたら。



視えちまったよサイコ・ロックが。



たとえ他人に勾玉が渡っても、成歩堂にしか発動しないんじゃなかったか? この能力は。
(『逆転のレシピ』での盗難騒動を参照)

にも関らず、ソレが御剣にも視えるって事は……。
何か、血の盟約とか施したのか成歩堂よ。

御剣(本人には見えないようだな……。
   これが、成歩堂の言っていた……《さいころ錠》!
   たしか……この勾玉を”つきつける”と聞いたが……)

微妙に、しかし決定的に言語間違いしてる御剣を、しかし私は笑えない。
第2作で初めて見た時、「サイコロがどうしたって?」と思った奴は私ですから。

御剣「天流斎エリスを殺害したのは……あなた、なのだろうか?」
あやめ「…………………………ちがいます」
御(《さいころ錠》が現れない……。”ウソをついていない”と考えていいわけか……)
凄い。
独力でこの作戦を思いつき、使えている。


一通り話を終えてから御剣は、自分は成歩堂の代わりを務める身である事を告げる。
御剣「あなたは、成歩堂をご存じなのですね?」
あやめ「……………………御剣さまは……、あの方のお友だち、なのですか?」
御「……かけがえのない友人です」

あやめ「……………………今から、5年ほど前……私は、あの方をあざむいたのです」
この言葉の真意は、今の時点では謎。
あやめは、本当は、ちなみなのか? 有罪を受けた、彼女なのか?
その答えが分かるのは――――この事件が全て解決した時だった。

御剣「……あやめさん。今からでも、おそくはない。
   彼にだけは……真実を話してやってください」
   「それが……あなたの弁護を引き受ける、条件です」

この言葉。
御剣は、かつての自分自身を重ねて言っているような気もする。
2年前のあの時のような、思いの行き違いをするのは、自分だけで充分だと。


何はともあれ、あやめと約束を取りつけて。
次は、現地での調査開始である。



「葉桜院」側の吊り橋。
久しぶりの再会に喜んでいるイトノコ刑事と共に、捜査を始める。

糸鋸「まったく……ゴドー検事が来るハズだったッスのに。ホント、困ったヒトッス!」
御剣(ゴドー……検事……?)
どうやらゴドーは、御剣出国と入れ違いの時期に、法廷に立ち始めた模様。


目撃者の名前の「ビキニ」の音だけ聞いて混乱しながら、御剣が知った事。

橋が燃え落ちたのは、落雷のせいである事。
「奥の院」側には未だ、真宵が閉じこめられている事。
が、気流が荒いため、「奥の院」側には、ヘリコプターでも行けない事。

また、他方の道の先にあるのは、「極楽庵」という名前の小屋である事。
被害者であるエリスの素性は、全く不明という事。

なお、アチコチを調査した時の、
御剣とイトノコ刑事の漫才、もといコメントについては泣く泣く割愛。多すぎるから。(ネタが)
(イトノコ刑事の住むアパートの名前は「メゾン・ド・あした」であるとか色々)



イトノコ刑事と共に一旦、「葉桜院」の山門へ戻る。
差し当たって気になる物は、雪の消え去っているスノーモービル。

出迎えた矢張に対して、御剣検事はご機嫌斜め。
御剣「……急いで帰国したのは、まちがいだったようだ」
   「成歩堂はブジだし、事件はありふれているし……
   あろうコトか……その被告人から、弁護をたのまれるとは!」

まさに、御剣の検事人生とは真逆の世界。
イトノコ刑事が血相を変えるのも、ある意味、当然。

それでも、成歩堂への情やら恩やらその他諸々から、捜査を続ける御剣は、矢張に事情聴取。
事件当夜のアリバイを尋ねると、さいころ錠、もといサイコ・ロックが発動する。



「葉桜院」側の本堂。

御剣を「カワイイ男のコ」呼ばわりしてくる強者・毘忌尼と会う。
「ビキニ」があくまでも名前に過ぎないと知ってから、詳しい話を始める。


事件当夜は、真宵と共に、「奥の院」側の修験堂へ行った事。
だが、腰を痛めているため、結局、「葉桜院」側の本堂に戻ったとの事。
で、その際、自分の代わりに、「消灯の鐘」を終えたあやめを呼び、
「奥の院」側で会ったあやめに、真宵の付き添いを任せた事。
そして、「葉桜院」側の境内で、被害者に七支刀をふるう、あやめを見た事。

また、春美が今朝からずっと行方不明というのも一大事。


そんな折、部屋の中を見渡すと、(座布団でなく)円座の間に、紙切れが挟まっているのが見える。
茶封筒に入った紙に書かれた、あやめ宛ての文面に驚き。



『今夜10時、極楽庵にて待つ。……秘密を知られたくなければ』



さて。いよいよ「葉桜院」側の境内にて、事件現場調査の開始。
もしかしたら、普段の御剣の捜査もこんな感じなのだろうか。(イトノコ刑事も一緒だし)

凶器だとされる七支刀には、被害者の血と、あやめの指紋。いきなり絶体絶命。
御剣「成歩堂のヤツ……いつも、こんな気分で弁護席に立っていたのか」

また、雪に落ちているエリスの杖からは、なぜか水晶が消えている。
後それから、イトノコ刑事は月末はローソク使用とゆー事もなぜか分かる。


続いて、イトノコ刑事から、現場の情報を訊く。
糸鋸「被害者の全身には、”打ち身”のようなアトが残っているッス。
   どうやら被害者は、2階ぐらいの高さから、落下しているッス」


毘忌尼の証言も、改めて確認。
夕食後は、真宵と毘忌尼は「奥の院」側へ移動。
午後10時、「消灯の鐘」の後、あやめも「奥の院」側へ移動。
毘忌尼は、あやめに「奥の院」側を任せ、「葉桜院」側の本堂へ戻った。
そして本堂で入浴後、「葉桜院」側の境内で殺人事件を目撃。


そして、最大の問題。明日の裁判をどう乗り切るか。
御剣「検事のほうは、どうなっている?」
糸鋸「この事件の担当は、あのゴドー検事のはずッスが……
   今、連絡がとれないので他の検事を探しているらしいッス」
   「いっつもそうッス! スパッと連絡がとれたコトがないッス」

御「明日の裁判……私は、特別弁護人として出廷するつもりだ。
  しかし……私が検事だと知られると、非常にメンドウだ」
  「だから……ベツの裁判長の法廷を手配しておいた。
  彼とは、一度しか会っていない。私を忘れている可能性は、高い」
  「念のために、検事もすでに、私のほうで手配しておいた」

糸「み……御剣検事って……そんなにエラかったッスかッ!」



よく言ったイトノコ刑事。



とゆーか、一介の検事の領分を、とうの昔に超えている。


最後に、「奥の院」側について確認。
吊り橋を渡った向こう側にある小屋。その周りは切り立った崖。
完全なる陸の孤島なのだ。



「奥の院」側についての情報を求めて、再び留置所へ。
あやめから話を聞く。

「奥の院」側で、毘忌尼があやめと会ったという話を明かすと、驚くあやめ。
あやめ「わ……私は……い、行っておりません! ゆうべ、奥の院へは……」

そうか……。
しかし、私はかならず、キミの口から真実を引きずり出す! どんな手段を使っても。
……てな事を御剣だったら言うだろうかと思いつつ。
サイコ・ロックの解除開始。

あやめ「そ……そんなにニラまないでくだい……」
と、瞳を濡らすあやめの錠が一つ砕けて。
御剣(証拠のチカラというより、私の眼力で錠が砕けたようだが……。……まあ、ヨシとしておこう)



何か微妙に、使いかた間違ってます。検事殿。



夕食後、あやめの自室にあった謎の手紙、というか脅迫状。
指定場所である「極楽庵」の正確な場所が、地図に記される。
「奥の院」側には断じて行っていないという、証言書をここでGet。



もう一度「葉桜院」の、今度は「極楽庵」へ。
その場所を見た瞬間、もう帰りたくなった。(私が)

所狭しと、空に張り巡らされた万国旗。
小屋の壁には、矢張とあやめの絵が描かれていて。

何者かの気配を感じて、二人が身を隠すと、現れたのはヤッパリ矢張。
矢張の独り言に言い返そうとするイトノコ刑事の首を押し込もうとする御剣。(←推定)
矢張「やっぱり……マズかったよなあ。オレが、あんなコトしなければ……」
糸鋸「コラ! ちょっとアンタ! ……今のヒトコト、異議ありッス!」



まだ給料下げられたいのか、この男。



アンタが仕事熱心なのは分かってるから。だから。


止むなく、改めて矢張に事情聴取……の前に。
万国旗をチェックすると、驚愕のネタが一つ。
矢張「コイツ、ブキヨウでさあ。折り紙で、ツルも折れねえの。
   みんなからなぐさめられて、クチビルぶるぶるフルわせてたな」

御剣「だまれッ! ……あのときのクツジョクは、一生忘れぬ……。
   ツルならばッ! 今なら、5ミリの狂いもなく折りあげてみせる!」

矢「……………………あのな、御剣よォ。折り紙で5ミリの狂いといえば、そうとうなモンだぞ」
……そういや、居たなぁ。
千羽鶴が折れなくて、四苦八苦してる子。決まって男子だったっけ。

で、結局折れなくて、妙ちくりんなのしか出来なくて。
「コレは宇宙ヅルだっ!」と開き直った子も確かいた。(ほぼ実話)


閑話休題。
事件当夜のアリバイを問い直す。
矢張「……じつはさァ。オレ、ゆうべ……トンでもねえモノを見ちまったんだよ」
と、語る矢張に発動したサイコ・ロックの解除に挑む。

その結果、分かった事。
矢張が隠していたのは、落雷を見た「場所」。
落雷を見た時、矢張は「葉桜院」でなく、この「極楽庵」に居たのだ。

電気が通っていない事を知っている以上、夜はココに居たのは間違いない。
その夜、矢張は仰向けに寝ている姿勢で、燃える橋を目撃したのだ。


そして、夜にこんな場所に居た目的は――――あやめへの脅迫?
御剣「見そこなったぞ、矢張」
   「かよわい女性の弱みにつけこんで、恥ずかしくないのかッ!」

糸鋸「見下げ果てたオトコッス! 婦女子を脅迫するなんて……」
矢張「コレのドコが脅迫状なんだよ!」
   「ラブレターだよ! 恋文! ……決まってるだろ!」

と、シリアスモードぶち壊しの展開に、ぶち壊れる御剣。
御剣「………………………………ラブレターなのに、なぜこんな茶封筒なのだッ!」



血圧上がるよ、御剣。  (←今は居ない主人公の口調で読んでみて下さい)



間の抜けきったロックの答えに脱力している御剣に、イトノコ刑事が口添える。
落雷を見ただけなら、「トンでもないモノ」とは言わないだろうと。

その言葉を受けて、御剣、再起。
御剣「ゆうべ、キサマが見た”トンでもないもの”……。
    ……最後に、その話を聞かせてもらおうかッ!」


この項目を尋ねた瞬間。
サイコ・ロックロック発動。それも最大値5つ
御剣「ま、また……最初からやりなおせ、というのか……?」
もうカンベンして頂きたい……という声が聞こえてきそうな口調の御剣が、そこで出した結論。

御剣(すべてのコタエを引きずり出すためには……。
   コイツ自身を引きずり出すしかないようだ……証人席に!)




てなわけで。
何と御剣、サイコ・ロックを解かないままで、「法廷パート」へ突入である。




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