今回の目的は、眉月大庵の証言を崩す事。
休憩室にて。
王泥喜と、みぬきとの会話に、加わる声。
「……さすが、ぼくが見こんだだけのことはあるね」
やっといらっしゃいました先生が。
と言いましても、ほんのちょっとだけの顔出しですが。
成歩堂「キミは……あの刑事を狙っているんだろう?」
「彼の犯行を立証するのは……かなりムズカシイだろうね。
今の法廷のシステムでは、特にね」
と、王泥喜の立証もまた状況証拠に過ぎない点を指摘。
飛びきり凝ってる、こんなたとえ話のオマケつきで。
成「もし、歌姫さんが”ウソ”をついていたとしたら……
キミの主張は、フライパンの上のバターのように溶けて消えて、
あとに残るのは香ばしいニオイだけ。……そういうコトだよ」
ああた様は、一体どこのコーヒー好きですか?
そんな気取った言い回しを見せた後。
成歩堂「ああ……そういえば。キミにわたすモノがあったな。あの刑事さんからたのまれたんだ」
そう告げて示した物は、殺人現場で発見された、爆竹の燃え残り。
そして立ち去る、最後の台詞。
成歩堂「眉月大庵にとっての、”発火装置”を探すことだよ……」
……だから、ああた様は一体ドコの(以下略)。
審理再開。
満を持して、大庵が証言台へ。
大庵「眉月大庵。捜査三課の刑事だ。
”三課”じゃあ、分かりにくいか。いわゆる”国際課”だな」
と名乗られた肩書に、例によって「異議あり!」。
捜査三課と言ったら、本来は窃盗課です。
どうやら大庵、この審理に自分が呼ばれた事が、そもそも不満な様子。
大庵「……なあ、どういう事だい、相棒」
と詰め寄るが。
響也「今は……ぼくのことを、“相棒”と呼ばないでくれ」
……冷静な事、言ってますね。牙琉検事。
そんな大庵が主張するのは当然、自らのアリバイについて。
ラミロアの証言、ひいては人格までも非難する大庵に対して、
響也「……それは言いすぎだ、ダイアン」
「……ダイアン。コトバを選べよ」
と、響也は叱責。
その真剣な心配りは、いっそ弁護士になれば良かったのに……と思うほど。
そのじつ爆竹の件も、響也は既に把握済み。
しかもその上。
響也「あの日は、ぼくもあのろうかを何度か通ったのだが……
第3部が始まる前に、妙なモノを見たな」
「ぼくたちメンバーとスタッフがつけていた、ヘッドセットだよ」
「そのヘッドセットの電源が、もしONになっていたら……?」
などと、あのヘッドセットの件まで把握済み。
「敵に塩を送る」って言葉がありますが。
そんなに大量の塩を送られてきても困ります。
続く尋問。
「第2部」に銃撃があった証拠を挙げろと言われて。あのギターの失速の事を思い出す。
だから、分からないけど多分ミキサーだ。(←何となく)
そのじつ大庵、焦り始めたし。
かくて始まる、CDの怪音探し、じゃなかった、ラミロアの曲からの銃声探し。
冷静に考えれば、答えは簡単。
ラミロアのパートを選べばいい。「ポポポポポ」で済まされているパートを。
ソコだけ選んで試しに聴いてみると、確かに聞こえる。
(全パートを重ねると、シンバルが鳴っているのと同じタイミングである事が分かる)
そう。つまりは、大庵の演奏ミスもまた伏線の一つ。
肩を傷めた反動で、まともにギターが弾けなかったためなのだ。
しかし。粘る大庵は、自分には被害者を殺す動機が無いと主張。
確かに、まともに考えたら、大庵とレタスに接点は無い。
でもまあ、たぶん繭だろきっと。(←無責任)
なお、その繭についての補足説明も、響也の口から。
響也「ボルジニア共和国にしかない”種”だと聞いているよ」
「……ただし、ボルジニアからの持ち出しは禁じられているが」
「ちょっと処方を変えると、別のある物質をカンタンに……
そして大量に作り出すことができてしまうんだ。……人体に、非常に有害な物質をね」
ハッキリ言ってしまえば、致死性の毒物か、あるいは麻薬や覚醒剤か。
それで大庵、この繭を使って何をしようとしていたか。
尋問では、取引相手を指摘するだけで、アッサリ終わってしまう……が。
本当の問題は寧ろ、その先だろう。
そもそも何で、そんな危険な取り引きをしようとしたのか、だ。
例えば、司法長官の弱みを握って恐喝するためとか。
それとも逆に、実は危篤状態の息子さんと大庵は親友だからとか…………
…………考えすぎかな。
続く尋問。
ソレによって、だんだん明らかになっていく事件の全貌。
大庵には、共犯者がいた事。
その共犯者の手によって、繭は国外へ持ち出された事。
そして事件当日、コンサート会場では、
ステージ・楽屋・通気口の3ヶ所それぞれ、出来事が同時進行していたという事。
あの「タワー」のせり上がりさえも、伏線の一つだったのだ。
……と言いましても。
この事件たちの流れを一通り把握できたのは、最低3周くらいプレイしてから。
1周目当時は、全くもって、チンプンカンプンでありました。
しかし。粘る大庵は、マキのピアノ演奏が途切れていない点を指摘。
……何度も繰り返し流される、ムービーシーンによる説明と共に。
そこに響也がまたヒント。
響也「……妙……だな……」
「なんとなく……”違和感”があったんでね。今の演奏に……」
音楽の違和感と言われたら、答えは一つ。
多分またミキサーだろーな。(←適当)
かくて始まる、(利き酒ならぬ)「利き歌」の世界。
王泥喜「じつは、この曲のある部分を聞くと、ハッキリ分かるんですよ」
と、王泥喜に言われるが。
何度聞いても私には分からない。
いいさ、どうせ私は音ゲーなんか出来た試しがないんだし。(←開き直った)
どんなゲームも基本的に、片耳イヤホンで済ませてる奴(=私)には、本当にキツイ。
ゲームでヒアリングに苦労するのは、え○ご漬けだけにしたいです。
と言いますか。DSの音質では、どう頑張っても本物のピアノの音は再現しきれまい。
やっぱりコレは、PS2辺りの本格サウンドを使ってやるべきネタなんじゃないかなあ……。
ともあれ。大庵陥落まで、あと一歩。
だがしかし。ここまで至ってもまだ、大庵は自白に至らない。
そうなると……。
裁判長「100の事実が、ある1点を指し示していても……
決定的な証拠がないかぎり、”立証”にはならない。
それが、現在の、この法廷の絶対的なルールなのです」
という事で、王泥喜の告発は不発になりかける。
もしやコレが、成歩堂先生が休憩室でおっしゃっていた事なのか。
決定的な証拠がなければ、真犯人を挙げる事は出来ないと。
もっとも、証拠主義というのは、序審法廷システムというよりも、
現在の実際の法制度そのものの根幹でありまして。
コレを覆されたらエライ事態になる、はずだ。
そのじつ王泥喜が下した判断も、物証でない証拠――証人を召喚するという事。
そう。密輸事件の共犯者を、この場に呼べば良いのだ。
そして、密輸を犯したマキに対しては、凄い裏技が使われる。
王泥喜「今、マキさんが”密輸”を認めれば……
その罪は、この国の法律で裁かれることになります。
この国では、密輸の罪は、死刑にはあたらない」
「今、マキさんが罪を認めなければ……
いずれ、ボルジニアの警察に逮捕されることになります」
「彼には今、助かる道はないのです。
彼自身の”罪”……《マユの密輸》を認める以外にね!」
この辺り、未だもって釈然としない。
事は国際事件である。
ボルジニア側の法律が一切適用されないなんて事は考えられない。
それが、ボルジニア本国に帰らなければ不問という事は。
亡命を適用でもさせるつもりか。
第一、こんな裏技を認めたら、逃げ得の密輸業者であふれるぞ、この国は。
けれども。
この裏技を使った結果――――大庵陥落。
頭を振り乱す姿は、何度見ても吹き出す当方。
ただコレ……色んな意味で大変な事件だ。
何たって響也、公私共に親しい友人を失った――はずなのだ。
その割りには、あまりにも冷静なままなのが、個人的には気になるけれど。
審理の最後。被告人のマキ、登場。
その最後に至っても、彼は何も語らない。
マキ「事情……説明、できない。でも。必要だった。おカネ。とても、たくさん……」
……そりゃそうだろう。密輸なんてするくらいだから。金は欲しかったんだろう。
ただ、ね。
私が訊きたいのは、そういう事ではないのだよ。
何でお金が必要だったのか、ソレを話しては頂けないのだろうか?
ラミロアを思って何かをしようとしたとか、そういうのが有るんじゃないのか?
マキ「……あなたがた、感謝している。
ワタシ……イツワリばかり。なのに……真実、見つけてくれた」
そう礼を言いながら、サングラスを外した顔は確かに美少年。
この笑顔を、最初から拝んでいたかった。
閉廷後。
王泥喜と、みぬきとの元に、成歩堂先生が再び。ラミロアも一緒にいる。
ラミロア「目の手術を……受けてみようと思うのです」
成歩堂「ぼくがね。オススメしてみたんだよ」
「医者の話では、ラミロアさんは……
何かの”事故”が原因で、目が見えなくなったらしいんだ」
もっと言えば……ラミロアの手術のみならず、
ラミロアの身元調査の方も、成歩堂先生は勧めたかもしれない。
もしかしたら、この時点で既に、ラミロアの素性を察していたのかもしれないし。
成歩堂「やっぱり……急がなくちゃいけない……そう思ったんだ。ぼくの、”ゴクヒ任務”もね」
という会話を最後に。事件は一応解決した。
しかし、謎は数えきれないほど、山積みになって残っている。
なぜ大庵は密輸を企んだのか?
なぜマキは密輸に協力したのか?
そのマキの今後は?
司法長官の息子の安否は?
ラミロアの失われている記憶とは?
成歩堂先生の極秘任務とは?
果たしてこの時点で、物事は何がドコまで動いているのか?
これらの疑問を抱えたまま。物語は終盤へなだれ込む……。