『逆転の百鬼夜行』実況レポート (法廷パート1回目)

今回の目的は、まず真犯人の可能性を挙げる事。



開廷直前。
控え室で、仲間と普通に喋ってるだけなのに、しみじみ感慨にふけってる私がいる。

まして、こんなやり取りまであった日には。
王泥喜「オレはいつも法廷に立つ前に、発声練習をしてるんだよ」
     「……王泥喜法介は大丈夫ですッ!」

心音「えっと……き、希月心音は……大丈夫です!」
   「先輩。何だかわたし、がんばれる気がしてきました!」

王「オレの中学時代からの友達との合言葉なんだよ」
……イイ話だなー……!



そこに、青セビロの成歩堂所長も顔を見せた。
成歩堂「ちょっと弁護士資格を取り戻そうかと思っててね」


ところで、実際の弁護士法、第7条第3号に照らしますと……、

「懲戒の処分により、弁護士若しくは外国法事務弁護士であつて除名され、
(略)その処分を受けた日から3年を経過しない者」は、弁護士資格を持てません。

逆に言えば、除名されてから3年待てば、復職できる可能性があるという事。
つまり成歩堂所長の身分は、自分の所属する団体(弁護士協会)の裁量次第。
そのじつ法廷記録では「引退している」になってるわけで。
司法試験を受け直す必要は無いはずなのです。私たちの実社会なら。
(以上、参考文献はこちら)


ニコニコ笑ってる成歩堂所長の姿には、やっぱり違和感おぼえるものの、
今回は弁護人の立場にあらず。傍聴席からの参加です。


王泥喜(いつも通り、絶望的に不利な状況だけど……)



抜かしよる。



きみが依頼人から信頼されてる裁判、(プレイヤーには)初めてだよ?





さて開廷。
例によって居ない検察席に、番刑事が華々しくナレーション、もとい説明を。
この時、やけに「〜なのだよ」口調が気になったのは、私だけでないと思いたい。

到着後、夕神は、背中越しから滑らかに振り向いてから、あっと言う間に場を支配してしまう。
その内コーヒーカップが射ち出されてきそうな勢い。
心理操作というよりは、口先の魔術師みたいな感じもする。



最初の証人は、当然というべき番刑事。
どこまでもマイペースを貫いて、夕神を更正させたいと躍起に語る。
刑事が検事のお目付け役とは、コレも確かに今までからの逆転だ。


番「この番轟三。誤認逮捕などしようものなら、辞職も覚悟しているッ!」
……じゃあ辞職していただきましょうか?

青びょうたんやら赤ピーマンやらヒンジャクやら好き放題言われるけど気にしない。
変顔しても気にしない。
腹の底から息を吸い、王泥喜は今こそ吠える。
まさしく天啓の大音声を。
王泥喜「異議あり!」
     「番刑事、あなたちゃんと捜査したんですか!」

番「ぬぐおおおおおおおおおおおおおおおッ!
  じ、ジブンは、誤認逮捕をしていたのかあッ!」

心音「やった! やりましたね、先輩! バン刑事に、ぎゃふんと、言わせてやりましたよ!」





やったよ。ああ、やったさ。
テーマソングがフルコーラス駆け抜ける中、
証人を凹ませ、助手を喜ばせ、裁判長を納得させ、
我らが主人公は、PC(プレイヤーキャラクター)は、華麗なる推理を魅せて微笑む。
そして二撃目をも、自らの口で、選択肢で、進む。





これが私の求める、私の愛する逆転裁判だ。
私が2007年の時、見たかったのはこの景色なんだ。





王泥喜の手番は終わった。次は夕神の反撃だ。
果たして現場にいたのは二人なのか三人なのか。

王泥喜は、心音があさっての方に突っ走りそうになるのをなだめながら、
今度は現場の謎めいた痕跡について洗い直していく。

ところが出てくる出てくる不利な証拠が検察側から。
市長が失くした脅迫状まで飛び出した。



(私は)密かに手を震わせながら、反撃のチャンスを窺う。
そうすれば出てくる出てくる有利な証拠は持っている!
王泥喜「弁護側は、この妖怪の姿をした人物こそが……妖怪のコンセキを残したと主張します!」
アップテンポの追求が流れ、傍聴人たちも味方についた熱い空気を――
夕神が怜悧に斬り裂いた。



天魔太郎が現場にいたのか確かめるべく、夕神いわく「ホカクしてきた」タヌキ、
もとい熊兵衛が召喚される。
証言を聞いた王泥喜は、法廷パートでも「みぬく」を使おうと構えたが、その考えは甘すぎた。

王泥喜「うわあああああ! なんだあああ!」(←ただいま鷹に襲われ中)
夕神「……こいつァ俺の相棒のギンだ」
   「ギンは、インチキってェやつが、大嫌いらしくてなァ。
   おめえさんの使う妙な力。ギンは、インチキと判断したようだぜ」

よくぞおっしゃって下さいました。
局長任命は伊達じゃないね。

因みに。実際の鷹の爪は、人の服や皮膚くらい簡単に引き裂きます。
ああやって直にアチコチ留まられたら流血沙汰です。念のため。



気を取り直して、普段通り尋問を始める。
この時、夕神が机たたく度に、ギンの目が動いてる事に要注目。
密かに驚いてるのね。

けれど熊兵衛よ、「ちゃんと見張ってた」と言われても、それはどうにも無理がある。
口を滑らし続ける熊兵衛相手にフォローしきれず、ついに検事もダメージモーション!
白目をむいて仰け反って、幽霊のように這い上がる。

真犯人像を追い求める内、とうとう熊兵衛は法廷から逃げ出した。
ギンちゃんに食われそうになった故に。



そんな騒動に、夕神キレた
手錠を切って、刀で斬った。

夕神「泥の字よォ。俺に刀を抜かせた野郎は、久しぶりだぜ」
ローアングルからのカメラパンに、否が応でも高まる恐怖。

と言っても、一般人が手錠ぶっちぎった例もあるし、
武器をぶんぶか法廷で振り回してた検事もいたしなあ……と考える私は、
恐らく 感覚が麻痺してる。


結局、騒動を終わらせたのは、夕神自身だった。



「黙りなァ!」



という専用台詞で、法廷は一応通常の流れに戻った。





控え室にて小休憩した後、次なる証人は、目撃者であるゆめみ。

ゆめみ「これ……アズキ洗い退散のオフダ。あげます……」
夕神「…………そ、そうかい……。ありがたく、もらっとくぜ」

オドロキくん! いい人だよ!



それで始まる尋問だが、やっぱりゆめみは混乱状態。
心音のココロスコープで確認すると、ゆめみの心象風景には、まさに百鬼夜行があふれていた。

心音「たぶんこれは、恐怖のあまり……色んなものを妖怪に、置き換えているんだと思います」
そもそも、それが妖怪の定義である。
社会学的には、ヒトが自意識では理解できない物を解釈する手段の一つなのだ。



言うなればコレは、ゆめみの一人称における、叙述トリックの解き解し(ときほぐし)。
彼女の勘違いを一つ指摘すれば、後は自動的に真実が現れる。

が、その結果もたらされた物は、赤黄コンビのダブル変顔でありました。
だってよくよく考えれば、彼女の中の「妖怪」を全否定したら逆効果。
天魔太郎だけは見ててくれなきゃ困るんだから。

(私は)ココロスコープを片っ端からチェックして、王泥喜は、ゆめみの不安を取り除く。
が、その結果もたらされた物は、最悪の結論だった。
このままでは真犯人は、市長しかあり得なくなってしまう。


そこで王泥喜、密室を構築するため、まさに論理の綱渡り。
華麗なる、屁理屈推理をコネてみせる。


「外部犯説(王泥喜) VS 内部犯説(夕神)」のバトルは続く。
夕神は市長のみならず、ゆめみにも疑いの目を向ける。
すると今度は市長がキレた。

天馬「カッカッカッ! オロカな人間どもよッ! ワレこそが妖怪……天魔太郎である!」

現実逃避のあまり、人格の一線超えちゃいまして。
だんだん収拾不能になって参りました。
こうなったら仕切り直して捜査続行、と行きたいが。


夕神「へッ! この法の暗黒時代……弁護士なんざァ信用できねえ。
   判決のばして、ねつ造されちゃァおちおち寝てらンねェ」

王泥喜「オレはねつ造なんてしませんよ!」
夕「さあ、さっさと有罪判決をくだしやが……
  ぐぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!
  うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!

番「ユガミくん! いい加減にしたまえ!」

まるで孫悟空のような電撃制裁が、特製手錠に下されて。
そんなところで、今日のところはお開きとなった。




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