しっちゃかめっちゃかになった法廷を後にして。
事務所にて、王泥喜たちは作戦会議。
そこに帰ってきたみぬきに、心音が衝撃の一言を。
心音「あれ? ステージ衣装ってことは、仕事の帰り?」
そうか。
普段は普通の服も着るんだ、この子……。
九尾村で最初にするのは、ダクトの確認。
さっそく王泥喜、自ら天井裏へ一直線。
誇りある行動の後、手に入れたのは――真っ白な埃。
王泥喜の屁理屈推理は、ここで終わった。
密室トリックについて、イチから理論の立て直しだ。
王泥喜たちは、ひとまず事務所へUターン。
すると今度は、成歩堂所長もご帰還。
立ち絵の表情はますます豊かで、困り顔や驚き顔も初披露。
差し当たって証拠品を一通り見せていくと、
成歩堂「ちょっとヒジの角度がよくないかな。もっとこう……」
なんて、王泥喜とスキンシップ取ろうとしてくる。
仲いいな。
なお、この場面では現場写真を見せてみるのがオススメ。
『再会、そして逆転』のエピソードに触れてくれる。
難事件に落ちこむ二人に、成歩堂所長は告げる。
成歩堂「弁護士はピンチの時ほど、ふてぶてしく笑うものだよ」
「どんなことがあっても、絶対に依頼人を信じること。
いつでも、それが弁護士の最大の武器になるんだ」
先代所長からの財産が、やっと継がれた瞬間がここに。
そして明かされる、成歩堂所長と心音との縁。
成歩堂「彼女とは……ぼくがアメリカに行った時に出会ったんだ」
「実は、向こうの裁判制度を、見るために何度か渡米してたんだよ」
「時々知人に頼まれて、法曹関係の仕事は手伝ってたんだ」
以下、しばらく脱線。
【成歩堂龍一は、失職中も法曹界の業務に携わっていた】
この真実が、みんな幸せになるための、最後の魔法。
この真実が、無数に平行する『逆転裁判』の全史を、
成歩堂が27歳以降も弁護士業を続けている番外編たちの歴史をも、ことごとく収束させる。
繰り返し述べるが、我々の実社会の法律上ならば、
成歩堂が復職する事自体は決して難しくない。
そこで私は、この仮説を述べたい。
この第5作において、失職中とされている成歩堂の身分は、言ってみれば「法外弁護士」。
地元の弁護士会には認められていたが、
親玉の日○連(に当たる物)に認められてなかった、歪んだ弁護士だったのだ!
(※実際の日○連をアレコレ言ってるわけじゃないです念のため)
「地方自治体には認められてるけど国には認められてない」なんてムジュンが見られるのもまた、
実社会の現実なのです。いやマジで。
と言いますか、自分で書いてて、ホントにコレあり得るんじゃねと思い始めた。
片や捏造疑惑の法外弁護士、片や殺人罪の囚人検事。
……こら暗黒時代にもなるわ。
いずれにせよ、第5作における成歩堂所長は、
地に足の着いた堅実な人生を歩み、潤沢な資金を得ているはず。
さもなくば、事務所を維持した上に従業員二人雇うなんて、物理的に不可能ですしね。
以上、脱線はここまで。
王泥喜たちは、自動的に留置所へ移動。
相変わらず妖怪に「なりきり」やってる(と思われる)市長。
何となく、邪気眼って言葉を思い出す。
実際、「ゆめみを守る」とか口走ってるし。
「開かずの間」の鍵の件など、市長から聞いた新事実を確かめるべく、
向かった村の入り口で、ゆめみを発見……したけれど。
ゆめみ「あ。……あれ? わたしなんでこんなところに?」
こっちは、モノホンのトランス状態。
もしや、よっぽどストレス溜まってる?
凶器の置物の件なども確認してから、更に問いただそうとしたら、番刑事に邪魔された。
ゆめみにお札ぶつけられてもマイペースのまま、警察まで彼女を持って行ってしまった。
庭園では、美葉院と再会。
またも派手な頭が目に留まる。
美葉院いわく、ゆめみはしばしば「神がかり」――あのトランス状態に陥るらしい。
それから王泥喜、脅迫状の疑惑に真っ向勝負。
真犯人に不利な証拠を突きつければ、アッサリ奪われるのは当然の流れ。
美葉院「…………こんなもの。こうしてくれます!」
……確か成歩堂も昔、ほぼおんなじ事やらかしてたのを思い出す。
他人様を雑草呼ばわりする奴と、これ以上話しても腹が立つだけ。
美葉院専用ブランドの水溶性ヘアカラーとやらを押しつけられつつ、王泥喜&心音は退散した。
現場である「九尾の間」では、そのついでに、いつものコントを一席。
(1周目で見つけられなかったのは不覚。攻略サイトで知りました)
王泥喜「わざわざハシゴまで用意して、ダクトの中、調べたのに……」
心音「先輩。それは、ハシゴじゃなくて、キャタツって言うんですよ」
王「……何が違うの? いいじゃないかハシゴで」
テーブルの下にまで潜りこんだり、健在の「検分モード」も使ったりして、
ぐりぐり調べ回った末、いよいよ「開かずの間」に突入。
中に居たのはオヤシロさま、じゃなかった、天魔太郎の巨大像。
王泥喜は、遮る柵も何のその、閉じてるフタも何のその。
ずんずん進んだその奥で、古い人形を手に入れる。
他にも調べるべき場所は多い。
天魔太郎の正体を示唆する巻物。
減っている錫杖。
床に落ちている派手なチューブ。
思わせぶりな換気口。
ロビーに行くと、熊兵衛が心音にスリやらかすその瞬間を目の当たり。
ついでに腕輪もまた盗られる。
何でそんなに手癖が悪いか。
何とこの人、祖父が義賊だったとか。
そして何で本当の事情を明かそうとしないのか。
やはり裏では、真犯人が糸を引いているのだ。
留置所にて。
いったん鎮まったかに見えた市長だったが、ゆめみの件を持ち出した途端、元の木阿弥。
王泥喜(ゆめみちゃんが疑われてる限り、妖怪の演技、やめてくれないな)
冷静な客観描写キマシタワ!
おかげで、ここはあくまで現実に基づいた世界だと安心できる。
ゆめみのトランス状態についても、心音がカガク的に説明してくれた。
心音「夢遊病は無意識のうちにする行動です。
だから市長をかばおうという意識的な行動はできないと思います」
このように、心神喪失について的確描写してもらえるのは嬉しい限り。
もっとも、世には、この理屈を悪用するような奴も居たりしますが。
(例:『逆転、そしてサヨナラ』の生倉)
九尾村に戻ると、悪党たちが偽証工作の真っ最中。
責任もたない一般人だからこそ、安易にこういう事をやるものです。
王泥喜「あの。明日の法廷に召喚されたんですか?」
美葉院「まあ、せいぜい、市長の首でも洗って待っているんですね」
ああ、遊んでやるぜ真犯人!
……ちょっと第1作っぽく言ってみた。
いよいよ最後の仕上げに入る。
事情聴取を終えて、またまたトランス状態してるゆめみに、優しく声をかけて起こしてあげる。
ゆめみ「これは、ケンアクな関係を改善するオフダなのです」
「これは、鬼の弁護士さんと、寝不足の検事さんに……。
今日の法廷で、ケンカしてたから」
ええ子やなー……ピントずれてるけど。
そんな彼女に、今度こそ「みぬく」タイム。
2行一つの台詞だけに全神経を集中させて、全身をくまなく見つめていく。
しかし、聞いた言葉は、聞くんじゃなかった言葉だった。
ゆめみ「現場でお父さんが……言っていたのです。
”すまないゆめみ。村長を殺してしまった……”って!」
その言葉から思い浮かべた想像で、王泥喜は絶望に落とされる。
その絶望を照らす希望は、敬愛する成歩堂所長の言葉。
今こそ、弁護のバトンは手渡される。
千尋から、成歩堂から、そして王泥喜へ。
逆転を継ぐ者の戦いが、幕を開けるのだ。