『逆転学園』実況レポート (法廷パート2回目)

今回の目的は、三人組の友情を成就させる事。



開廷直前。
テープの分析を一段落させた牙琉が駆けつけた。
牙琉「テープは徹底的に調査中だよ。重ね録りの形跡もあったしね。
   消された音声の復元には、もう少し時間がかかりそうだけど」

今作ではこの人、もう完全に、有能な鑑識です。



さて開廷。
まずは夕神、情報という名のカードを1枚切った。
夕神「あの時刻は、アテにゃァならねェ」
と、しのぶのアリバイを補強して、論点を変えた。

即ち、遺体の運ばれ方について。
よって、遺体を目撃したと述べる零が召喚される。

零「昨日、そこの弁護人と約束した。正々堂々証言をするとね。
  だから、裁判にも積極的に協力する。これでいいんだよな、希月弁護士?」
と、いつにも増して挑発的。
尋常じゃないほどの容疑者臭を感じる。


と言いますか。
そもそもこの事件、既に少年法に踏み行ってる状態だよね?
フツーの裁判じゃ扱わないだろ本来なら……とツッコミ入れそうになったが、
よく考えたら真宵もバリバリ未成年だったしな。


それで始まった尋問ですが。
実は私、ここで本格的に詰まりました。1周目当時。
探偵パートでチェックした伏線をすっかり忘れてて。

それで初めて使った「相談」コマンド
重要な証言を王泥喜に教えてもらった後は、証拠品を片っ端から投げまくる私。

気がつけばすっかり慣れたなあ、この行き当たりばったりにも。
すぐに攻略本に頼ってた時代が懐かしい。


追いつめられた零に夕神は、フォローという名のトドメを与える。
夕神「証人よォ……。そろそろ潮時なんじゃァねェのかい?
   話しちまえよ、本当のことを。楽ンなるぜ……」


「あなたの罪を認めるのだよの術」、再び。
かくて、零の仮面(ペルソナ)も、いよいよ剥がされる時がきた。
だが私、最初は逆に考えていた。
まだ年若いのに無免で運転でもしてたのかと。
だから違法行為、故に弱みだったのかと。

だから、夕神から真実を告げられた瞬間は、
心音「………………は?」
私もコレと全く同じ反応だった。

法廷がざわめくのを境に、法廷記録の表示も変化。
つまりあのデータってのは、主人公の主観なんだね。


それにしても。コレはストーリーとは直接関係ないが、
零が何度も滑らかに動いてみせる様に、私としては感嘆の息が漏れてしまう。

服のホックを外したり、ポケットから左手を出したり。
こういう演出をしやすくなったのは偉大だ。


話を戻す。
結局この事件の最大のポイントは、「如何にして死体は移動したのか?」のはずだ。

運動マットでもない。ボールかごでもない。クレーンでもない。

皿に付いた血の正体も割れた。
また、番刑事がやらかしてたのだ。
そして零もやらかしてたのだ。

零「弁護人。お前の推理には、ひとつ大きなムジュンがあるようだ」
……なんて言ってくるけど、いや別にムジュンなんてしてないし。

挙げ句の果てに。

零「み…………見て、ない。死体は……見なかった」
  「……す、すまなかったよ……」

……謝って済むなら裁判いらんだろー……。


もっとも、夕神の方にとっては、死体がいつ移動したかは大きな問題ではない。
模擬裁判の前だろうが最中だろうが、しのぶは容疑者圏内から外れないのだ。

そしたら、今度は零が頑張った。アホの子なりに頑張った。

零「聞け! すべての耳あるものよ!
  この希代の天才、静矢零の……華麗なる完全犯罪の秘密をッ!」
  「さあ、警察の皆さん! 真犯人はここですよーッ!」



やあれ!



……なんて付けたくなる零の口上に、夕神から一言。
夕神「裁判長。証人に…………救急車だ。それも大至急」
嗚呼。こういう生暖かい気遣いって、下手な罵倒より痛く刺さる。


実を言えば、零のこの口上は、しのぶへ向けたメッセージに他ならない。
自尊心に見せかけた、精一杯の愛情表現。


そして。零が本当の本当に言うべきだった証言が、ここに来てやっと顔を出した。

彼は勘違いしていたのだ。
模擬裁判で席を外していたのは、亡くなった道葉教諭だったと思いこんでいたのだ。


だが、それでも零は本当の意味で、心を開いてくれない。
三人組の友情を信じられない、疑心で固まってしまっている。
だから心音は、零の心を溶かす。
彼ら三人が「友情の証」を持ち続けている証拠を、仕草を解き明かす。

零「ぼくは……ぼくはダレも殺してない」
 「死体も動かしてない。見てもいない」
 「……希月弁護士。お前を、信じていいんだな?」

これでやっと、三人全員が味方になった。
零の証言に、信憑性が出てきたわけだ。
しかも、心音が指摘した真犯人こそ、零を操って捏造証拠を法廷に出した張本人なのだ。



かくて、一路教諭が証人として召喚される。
さすが弁護士テクニックのエキスパート、ふてぶてしい笑顔で涼しく流すが。
心音は、一路の失言を聞き逃さなかった。
しのぶを陥れようとする輩などに、かける情けなどあるものか!
心音「手段を選ばずの教えが必要悪? ナミダを呑んでそう教える?
   すべては、保身のためのタテマエにすぎません。
   これでは、まるで……まるであなた自身が、法の暗黒時代そのものではありませんか!」



そう、言われて。
ついに教師の化けの皮が剥ぎ取られた――わけなんだが。

一路「全員、ちゅーもーく! これよりホームルームを開始する!」

悔しい、けど笑っちゃう。
どシリアスの真っ最中のはずなのに。何故か始まる出欠確認
チョークは飛ぶわ、夕神はキレるわ、電撃は走るわの無法地帯に。
番「ハッハッハ! ユガミくんは居残り決定だ!」
そんな中、相も変わらずマイペースを貫く人が約1名。


そういえば、今回の事件では証人の誰も彼も「異議あり!」宣言(コール)してくるが。
考えてみれば、全員が法律家であるわけで。
だから、ひんぱんに出てきてもあまり違和感がないのが助かるところ。


ともあれ、乱入してきた知潮からの新情報によって、一路のアリバイは順調に崩されていく。
そこに夕神も助太刀。
第一印象から思っていたが、誰であろうと嘘つきは許さないというのは、まさに正義漢の態度だ。



一路の隙のない証言に、一旦屈服する心音だったが。
そう。ここで、この事件最後の幻想を祓う時が来た。
証拠品に基づいて、理論は再構築されていく。
そして、幻想は真実へと代わる。



トリックなんて、「なかった」。



死体は最初から、発見現場にあったのだ。
だから最後は、その死体の隠し所さえ当てればいい。


私はもう、答えは半分わかってる。
けれど心音は、一路からの精神攻撃に打ちのめされる。

一路「キサマは、無実の静矢を有罪にしかけている」

え。いや。あの。
すみません。ごめんなさい。
確か昔、とある新米弁護士も、無実のオバチャンとかそこら辺に罪を押しつけて
急場しのいだ事あったりするんで。
その辺いまさら責められても困るんですが。


しかし心音の神経は、某青弁護士ほど太くなかった。
声を失い、息を失い、心を失い、明らかに過呼吸のパニック障害に陥りかける。
そんな彼女を、周りが救う。

知潮「希月弁護士は、オレの恩人だあッ!」
   「ココネちゃん。あなたは……最高の弁護士だよ」
零「謝罪など必要あるものか」
  「礼を言わねばならないのは、むしろこちらの方だろうな」
しのぶ「あたしは今も、この瞬間だって……ココちゃんを信じてるもん!」
夕神「……おめえさんを待ってるヤツがいるんだろう?」
   「そいつを……ガッカリさせるんじゃねェ!」

王泥喜「大丈夫だ。大丈夫だよ。希月さん」
     「希月さん。さあ、笑顔だよ」

ここまで説得されて、ようやく彼女の心に火が点いた。



そこで、心音もまた、弁護士版ロジックスペースへ降下する。

《あなたはこの時点で、この犯罪を解決するために必要な情報を全て手に入れている。
あなたはその事実を元に合理的な推理を構築した上で、犯人を特定して下さい。》




提示された挑戦状を受けて。
心音の、主人公の、プレイヤーの脳内パルスは一条の光となって駆け抜ける。



真相は視えた――かに見えた。
だがしかし。心音の場合は、ここから先も手探りが続く。
むしろ、ここから先が本番だ


よって、法廷のど真ん中で始まりますは、ピンクの布によります
希月心音の緊縛ショー

王泥喜を助手にして、夕神を立会人にして。
傍聴人全員をも巻きこんで、次々と実験を繰り返す。
こういった、衆人環視での試行錯誤こそ、ミステリ解決編の醍醐味ってもんです。

なお、余談ながら、心音が像としてみせたポーズ。
肩から胸にかけてのシェイプアップに効果あります。
(自分が普段やってるポーズとほぼ同じで笑った)


誰がどう見ても、客観的に頷ける、たった一つの冴えたやり方。
それこそが、真犯人を打ちのめす、最高の武器なのだ。

心音「さあさあ、傍聴人の皆さん! お手をハイシャク!」
先輩と同じく、正面顔でビシッと決めて、そこで事件は一件落着。



閉廷後。
やはり、しのぶは今回の事件で、王泥喜に惚れた模様。
中断されてた学園祭も、めでたく延長と相成った。



後日。知潮と零の模擬裁判も、しのぶと牙琉のコンサートも無事に終了した後。
集芽も仲間に加わって。
王泥喜も、自分の親友を紹介すると心音に約束した。





――平和な時間は、ここまで――。




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