『星になった逆転』実況レポート (法廷パート1回目)

今回の目的は、星成太陽を正気づかせる事。



今作は、本当にひんぱんに視点が変わる。

第4話の語り手は、王泥喜へバトンタッチ。
彼は、第1話での出来事をもう一度振り返りつつ、更に意識を過去に馳せる。

『逆転検事』で顕著だったが、このように「回想の上に回想を重ねる」というのは、
作劇では本来ルール違反。
私が個人的に酔うせいでもあるんだが、少々気になる。





発端は、JAXAを思わせる場所で発生した大災害。
チャレンジャーみたいな発射後の事案でなかった事は、不幸中の幸いかもしれない。





開廷直前。
第3話で近しくなったしのぶと、それから心音を前に、王泥喜は険しい様子で余裕がない。
そこに更に加わる、この度の被告人。

「……はああああああああああ」

と、二言目には深々とため息をつく、矢張っぽい御仁。
大河原宇宙センターに所属する、宇宙飛行士・星成太陽(ほしなり たいよう)。
王泥喜の高校時代からの、憧れの人でもある。

ところで豆知識。
宇宙服の重量は、後に夕神が語るように相当の物だ。
あのオレンジ服だけで43kg
船外活動服に至っては、100kgオーバーである。


話を戻して。
被害者の名は、葵大地(あおい だいち)。
同じく宇宙飛行士であり、星成の相棒(バディ)にして部下。

星成「オレが落ち込むと、いつもアイツがはげましてくれたんだ。
   ”大丈夫ですよ! 星成さん!”……って」
心音「先輩は平気なんですか?」
   「被害者のアオイさん。先輩の”世界一の親友”だったって……」

その通り。
序盤から何度も何度も、くどいほど連呼していた彼の「親友」の登場は、退場と同時だった
生前のエピソードを描かれる事もなく、蘇る事もなく。
かつて成歩堂が師匠を失ったのとは段違いだ。





さて開廷。
弁護人席についた王泥喜は第1話同様、右目を包帯で塞いでいる。
裁判長に問われても、それでも理由は答えない。

心音「昨日からずっと……こんな感じなんです」
この時、てっきり私、眼を損傷してるんじゃと本気で心配になった。
答えを明かせば、彼は取りあえず利き目を塞いでいたに過ぎなかったわけだが。
もしかして特殊な布の包帯かもしれない。
普通の眼帯じゃ無効なのかも。


夕神もまた自分のペース。
しょっぱなからキレて手錠切って準備完了。
もうコレ、実は切れ目が入ってんじゃないの?


かくして、珍しく(?)自分から事件説明する夕神。
そもそもの発端は7年前
ロケット「HAT-1号」での活動で、星成は一躍有名になったのである。
また、証言台のそばには、長い数字列の書かれた金属ケースが。



一人目の証人は、番刑事。
番刑事自ら指紋のチェックもした事や、葵が刺殺された事を含め、
爆破事件の状況を語る。
示された写真には死体のほか、物質サンプル用のカプセルケースが見える。

番「ジブンが率先して、避難誘導したおかげだぞ!」
  「センターにいた者達を、すぐ地下シェルターに避難させたぞ!」

と、職務熱心ぶりを披露する番刑事。

一方、星成は何と、精神安定剤を飲んで日々をしのいでいたという驚愕の事実が判明。
7年前のトラウマは理解できるけど、だったらもう少し療養させてやれよ宇宙センター ……。


結局、番刑事を直接攻略する事は出来ないまま尋問は終わる。
夕神が「だめ押し」と言って示した画像のほか、
金属ケースの中身――爆発の前に発見された爆弾や、その起爆スイッチまで有っては、
王泥喜も感情に任せて叫ぶしかない。



二人目の証人は、被告人の星成。
放っとくとすぐパニックになって大騒ぎして、気絶したり空飛んだりする彼を
なだめながら話を進めるが、どうにもこうにも話がおかしい。

それもそのはず。
実は星成、何者かに飲まされた精神安定剤のせいで、証言できる話が無いのだ
しかし、ソレ即ち、星成が無実という確たる証拠でもある。
意識がもうろうとしてるような人間が、犯罪を出来るわけないのだから。


夕神の口八丁に乗せられそうになってる星成を、王泥喜は必死に説得。
その甲斐あって、ようやっと星成が本調子に戻ってきた。

星成「発射準備はオーケイだ! カウントダウン! 5!」
王泥喜「4!」
心音「3!」
裁判長「2!」
『1!』



さあ、皆さんご一緒に!



星成「リフトオフッ!」
裁判長「こ、これは…………! わ、私には打ち上がるロケットの姿が見えた気がしますぞ!」



王泥喜(オレは立ち止まるわけには行かないんだ……!
     星成さんに、再び宇宙へ行ってもらうためにも。
     そして……”アイツ”の想いを、星成さんに引き継いでもらうためにも!)

この時、全開の笑顔を見せる親友二人の姿が一瞬。

夕神が「冥土のみやげ」と言って示した証拠品から、王泥喜は新たな事実を導きだす。
葵は発射場では殺されていない。星成は殺していない。
代わって容疑者として急浮上するのが、事件の第一発見者たちだ――!





という場面で、この法廷はひとまず終わる。
爆弾処理係の馬等島が駆けこんで来る事で。

馬等島「解除したはずの爆弾が……ばばば、爆発しますッ!」
王泥喜「爆弾なんかに、真実が負けるのか!」
心音「先輩、なに熱くなってるんですか! 逃げないと死んじゃいます! ほら、こっちに来る!」

かくて、法廷は大いなる混沌に陥り、次の章が――幕を開ける。




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