いよいよこれからという大事な時だったが、着陸しちまった物は仕方ない。
着いた「羽咲空港」のロビーにて。考えこむ御剣に、かけられる声。
「待っていたわよ、御剣怜侍」
懐かしくも頼もしいテーマソングを背負って。御剣の同門検事・狩魔冥がここで登場。
やあ久しぶりー!と(私が)喜ぶ気持ちをサッパリ無視して、冥は冷たく言い放つ。
冥「御剣怜侍……あなたを逮捕するわ」
御剣「なっ! なにっ!?」
って……おいおいおい。台詞そのものにも驚いたけど。それよりも。
何でムチが当たってるんだよ。
今までの事件では冥、そうそう滅多に御剣をしばく事なんて無かったのに。
(せいぜい、法廷で推理ミスした時や、被告人を取り逃がしてヘコんでた時だけ)
もしや、コレが冥の本気モードなのか、色々お互い乗り越えたから容赦しなくなったのか、
それとも御剣の勘が鈍ってるのか、まさかワザと当たってやったのか。
そんな風にアレコレ悩む私を置いて、冥は御剣に告げる。ハッキリと。
冥「仮にも、狩魔の教えを受けたニンゲンが……犯罪者になりさがるとは……恥をしりなさい!」
この言葉。かつて、どこかの誰かにも言ったのだろうか。
15年ごしの殺人事件によって死刑に処された、あの殺人者にも。
ともあれ、この冥の誤解を解かねば話が何も始まらない。
御剣「メイ。キミは本当に私が殺したと思っているのか?」
冥「……………………たしかに、まだ私は自らの手で捜査をしていない。
捜査が終わるまで、タイホは待ってあげる」
これでひとまず、ホッと一安心。引き続き、事件を追う事が出来る。
ところで、冥は一人でココに来たかと思いきや、どうやらイトノコ刑事も連れて来た模様。
二人とも、やってる事も相変わらずで。
冥「遅いッ!」
糸鋸「ひぃっ!」
地面を引っぱたいてるようにも見える冥相手に、なぜか内股になって避けてるイトノコ刑事。
どうにも過激なドツキ漫才だが、無闇に関わらないのが得策だ。
とゆーわけで。ここからは自由行動。
イトノコ刑事のテーマソングをBGMに、ロビー内を一人で歩く。
とにかくココでは、イトノコ刑事から話を聞くのが大事。
糸鋸「狩魔検事は、1週間ほど前から検事局に出入りしてるみたいッス」
なお、この時、イトノコ刑事に話しかける前と後とで、会話イベントが微妙に変わるのは興味深く。
「トノサマン」の監督や、「ベントーランド」の営業を調べる場面を比べてみるのも面白い。
機内の2F・ファーストクラスに入ると、ちょうど冥が関係者に事情聴取の真っ最中。
礼儀正しく(?)お辞儀して、機長らに聞き込みしようとしているが、
なぜか痴話喧嘩に巻きこまれる冥。
一体どうなる事かと思ったら、御剣&糸鋸の予想通りの展開に。
……ご愁傷さま、機長。
続いて、1Fのラウンジに入ると、今度はジンクが警官と押し問答の真っ最中。
ジンクについては後回しにして、あちらこちらを一通り調べて回る。
いちると話して気になっていた椅子を調べると、こんな会話が。
糸鋸「”ロックッス来日記念”と書いてあるッス」
御剣「”ロックッス”というのは?」
糸「自分が好きだったロックバンドッス。スイスのスーパースターッスよ。
いやーなつかしいッスねー」
聞いた御剣も言ってるが、何だか早口言葉みたいだ。
この後、ジンクに声をかけると話が進むわけだが。
実は、この時に不覚を取った。1周目当時。
まさか、ファーストクラスやロビーの方にも戻れるとは夢にも思わなかった。
中でもファーストクラス内は、まさしく小ネタの詰め合わせ。
冥が機長を調教(?)してるトコとか、
御剣が自家用ジェット機を買おうとしてるとか、
イトノコ刑事相手にやせ我慢してる御剣とか、
イトノコ刑事の冗談に本気で怒ってる御剣とか。
御剣自身の席の本やチェス盤に関しては、もうケッサクです個人的に。
閑話休題。
ラウンジに戻り、ジンクとの会話を終えると、冥が登場。
殺人事件発生直後に機内を捜査していた事を問いただされる。
とゆーわけで。
次なる目的は、狩魔冥の主張を崩す事。
さっそく、現場で使われたスーツケースの件を冥に伝える。
確かによく見れば、ラウンジの床にも、その痕跡が残っている。
かすれて薄く跡が付いている加減が、何とも上手い。
これで相手がフツーの敵なら、これくらいの論証で勝てるが。
冥の洞察力は侮れない。
冥「死体をスーツケースに入れて、エレベータに乗ったそのとき……
エアポケットで、スーツケースから死体が、飛び出してしまった!」
という推理の部分は、実のところ大正解だったし。
そんな冥の推理を破った御剣の推理によれば、事件の本当の凶器も不明のまま。
けれど冥、自らの推理を修正して食い下がる。
結局のところ、どうしてもいちるに疑惑が残るのだ。
なのでCAルームに入り、御剣・冥・イトノコ刑事の三人で、いちるの話を聞く事に。
まずは部屋の中を色々チェック。
壁際に置かれているのは、新品のスーツケースの他に……
いちる「そちらは、お客様の忘れ物でございます」
糸鋸「王冠に剣にネックレス……。高そうなものがいっぱいッス!」
……まさか凶器が交ざってないだろうねその中に。
それで、いちるの話を聞いて分かった事。
この飛行機の機長は、若菜にぞっこん惚れている事。
いちるは御剣を疑った罪滅ぼしに、許可が取れたと嘘をついた事。
なお、この時、イトノコ刑事に続いて、冥も左右反転の立ち絵が登場。
ある意味、イトノコ刑事の場合より問題が大きい。
泣きボクロの位置はまだしも、ムチの利き手まで逆になってるのは非常に手痛い。
仮にもミステリ世界じゃコレ、密かに致命的な点じゃないかな。
まあ、そんな私みたいな奴の細かい疑問はさておき。
この話の本題は、機内ショップのスーツケースについて。
いちる「もう大人気で、飛ぶように売れておりまして!」
「機内ショップにあるのが、最後のひとつですわ!」
と、いちるは嬉しそうに語って、御剣にも購入を勧めてくるが。
ソレを御剣、一刀両断。
御剣「あれは、そう。なんというか。……悪趣味だ」
あーあ言っちゃった。
世の中には「建前」って物もあるんだけどな一応は。
しかしながら、御剣の発言も、決して的外れってわけじゃない。
(むしろ、ズヴァリと的を射てるからマズイんだけど)
そう。いちるのスーツケースは売れてない。
だから彼女、スーツケースを買うために、自ら在庫をさばくために、
機内をウロウロしてたのだ。
そんな、いちるの証言のおかげで。事件のカギは貨物室にある事が判明。
だが、その貨物室のカギを持っているのは、いちるその人。
だが、そのカギは何故かドコかに消えてしまっている。
これでは、ドコまで行っても、いちるの疑いは晴れてくれない。
こうなったら、何としても貨物室で、次の手がかりを見つけなければ――。