捜査を止められ、正門にまで追いやられてしまった御剣&美雲。
悔しがる御剣に、美雲は真剣な眼差しで、自らの思いを語る。
美雲「ドロボウにも、ゼッタイ盗んじゃいけないモノがあるんです」
「イノチだけは盗んじゃいけない。重すぎて、逃げられないもの」
とにかく気を取り直して、調査を再開しようとした時。
イトノコ刑事が朗報を手にして駆けつける。
そのイトノコ刑事の話を受けて、目撃者のいる「ステージエリア」へ向かった二人。
ソコに現れたのは、白衣をまとった女性――宝月茜。
茜「ホンカク的かつカガク的な捜査官になるため、日々、勉強中です!」
と、アメリカ留学が充実している様子を話す。
……コレは私見になるが。
茜には是非ともこのまま、素直に科学捜査官になってほしい。
と言いますか、なってくれなきゃ私が泣く。
夢は必ず叶うなんてのは、確かに甘っちょろい戯言だ。
夢は破れ、現実に不満を抱えて這いつくばって生きるのが真実だ。
でも。それでも。私は、甘っちょろい戯言を選びたい。
ソレが、読者としての私の権利だと思うから。
閑話休題。
イトノコ刑事から電話を受けて御剣に会いに来た茜が、ココに来れた事情を尋ねる。
茜「これで、御剣検事さんの足跡を追いかけて来ました!」
「スプレーで薬を地面にふきかけて、この蛍光灯の光を当てるだけで……あら不思議!
足跡が浮かび上がってくるんです!」
が、つまるところ茜は、事件の目撃者というわけではない。
どういう事かと、「ステージエリア」に停まるピンク色の車を覗いた時、
御剣たちの前に走って来たのは、ピンク色のタイホちゃん。
何者なのかと話しかけたら、トンデモナイ相手が待っていた。
オバチャンお早いご降臨!
正直な話、もっと後になってから出てくると思ってたから本気で吹いた。
高速マシンガントークと共に、決定的瞬間を見たと語るのは、相も変わらず。
次なる目的は、オバチャンの主張を崩す事。
と言いたいが。聞いても話が今一つハッキリしない。
推理するための情報が、あまりに足りないのだ。
そんな折、
美雲「いいモノ見せてあげようか?」
と、見かねた美雲が出したのは。
なんかすげーメカ。
……としか言いようのない何か。
一見、携帯電話のようなソレは、ズヴァリ彼女の秘密兵器。
美雲「……鳥が飛べない闇夜の空もォ〜、闇を見通すマナコありィ〜。
ごらん召しませ、ギゾクの奥の手!」
「その名も”ぬすみちゃん”!」
結果その場に生まれたのは、不可思議なバーチャルリアリティ(以下VR)の空間だった。
とゆーわけで。再び自由行動。
オバチャンの証言からシミュレートした、VR空間の中を調べていく。
それで分かった事は。
演目のためのステージが撤去されているという事と、
そして、この場に至っても、何故か血痕が見つからないという事実。
その事実を知ってから、ロジックスペースに移動。
その上で、事件発生時での被害者の姿について検証するため、
御剣は茜に足跡検出を依頼する。
この時、
茜「よーし! お見せしますよ! カガクのチカラを!」
と、意気揚々と捜査に励む茜が可愛い。
ゼンゼン不器用でもなければ勝手でもない事に、ああ良かったと安堵する当方。
そんなこんなで、「ぬすみちゃん」のデータ入力も無事に完成。
次なる目的は、オバチャンの主張を再び崩す事。
と言っても。今度の対決は簡単。
着ぐるみの中身は当てにならないという事は、最早このシリーズの鉄則だ。
そもそもオバチャンの目撃証言は、見た場所からして完全に偽証。
彼女が見たのは、あくまでも人影だけなのだ。
そんなオバチャンの話を踏まえてから、再びVR空間に突入。
ロジックスペースでの思考を経た後、犯行現場を特定していく。
因みにこの時、「ステージエリア」での演目を知る事も可能。
御剣「マックス・ギャラクティカと或真敷一座のマジック対決……。
その翌日は、今をトキメくガリューウエーブのコンサートか」
そんな所にまたも現れた、狼&シーナのコンビ。
実際に再現されたステージを前に、御剣は彼らに立ち向かう。
次なる目的は、狼士龍の主張を崩す事。
と言うよりも。本当に崩すべきなのは、御剣たちの推理の方。
あのVR空間はまだ、正確な物ではなかったのだ。
それでも狼は、原灰犯人説を譲らず粘るが。
御剣だって譲らない。
この殺人は、あくまでも誘拐犯同士の仲間割れから起こった物なのだ。
恐らく犯人が使っているだろう車を、御剣が指摘した時。
割って入ったか細い声(←推定)。
「た…………」
「た…………たすけ……」
「……たすけ……てくれ」
それだけ言って倒れこんだ、一人の男。
ミステリ思考で考えれば、多分コレが誘拐されてた人なんだろうな。
そんで、順当に考えれば、実は狂言誘拐だったりするんだろうな。
そんでもって、本当は全ての真犯人だったりしたらどうしよう。
…………って、一目見て思いついた事が、全部大当たりしてたと知った時は、
何とも言えない複雑な気持ちに陥りました。
良くも悪くも王道というか。
そして結局。
またしても御剣たちは狼によって、現場から追いだされそうな状況に。
その一方で、
狼「手荒なことなど、するはずがない。
さ、お嬢様がた。どうか、しばしのご協力を」
なんて台詞で爽やかに、茜とオバチャンを連れて行った狼には、
この文句を捧げておこう。
……狼……! カ、カッコイイことしやがって……!