所変わって。ババル側の秘書執務室。
シーナに捕縛されている美雲と、肩をいからせてるイトノコ刑事の元に、
いい加減くたびれてる御剣が駆けつける。
そんな彼らの前にあるのは、またも殺人現場。
しかも被害者は、あのマニィ・コーチンときたもんだ。
美雲「わたしがヤタガラスを追ってこの部屋に来たらもう死んでたの!
わたし、野外ステージであやしい人影をみつけたの!」
「黒いコートのフードをかぶってて、すっごくあやしかった!
きっとコイツがニセモノのヤタガラスだ!って思って。
追いかけて大使館の中まで来たんだけど、見失っちゃって……きっと、アイツが犯人だよ!」
なるほどなるほど……と話を聞いてあげたいのに。
シーナは冷たく切り捨てる。
シーナ「あなたはあくまでこの国の検事。捜査権は、ない」
という彼女の論に、しかし御剣は反論できない。
御剣「ここはあくまでババル共和国の国土。
よって、ここで起きた事件は……ババル共和国の司法機関が担当する……」
この通り、治外法権が適用される以上、御剣の出る幕はないのだ。
そこに出された助け船。
「その捜査……私も参加させてもらうわ」
そう言って、冥が一団に加わる。ババル側の外交官・ダミアン大使と共に。
ダミアン「被害者のマニィくんは、私の秘書だ。協力するのは、当然のことだよ。
こちらこそ、国際警察の方に来ていただいて、助かった」
その助け船に、(独自に)乗っかる御剣。
御剣「……狩魔検事の助手として、今日の捜査に協力させてもらっている」
………………。
なんとまあ、驚いた。
みつるぎは、「したてにでる」のコマンドをおぼえた!
冥「ネムたい捜査をしたら、目覚ましのムチが飛ぶことを忘れないことね」
と、冥は釘を差さしつつも、冥は御剣の申し出を受け入れる。
とゆーわけで。ここからは自由行動。
ババル側の警備を務めている、イトノコ刑事を伴って捜査開始。
因みに冥はアレバスト側の警備。
あの狼もまた、アレバスト側の外交官・カーネイジ大使の護衛を務めているという。
焼け焦げた部屋の、壁や床にある痕跡を探ったり、周りの人に尋ねたりしながら、
マニィの元に近づく。
そばにある凶器も大事だが、もっと大事なのは、彼のポケットに入っていた鍵だ。
御剣「やはり、この証拠品は同じもののようだ。
カズラが持ち去ったものと……。
刃に、見覚えのある美しい模様が彫られているからな」
冥「私も覚えているわ。これは……ツタの模様ね」
御「うム。見たところ、からまりあう二本のツタを表しているようだな」
糸鋸「”ツタ”ッスか? ジブンには、星のカタチに見えるッスけど」
ここで改めて、ダミアンに事情聴取。
何でも、彼は次期コードピア大使の候補だそうで。
日頃はヘラヘラ笑っているが、ときおり戻る表情は紳士のそれだ。
ダミアン「このカギは、たぶんコードピア時代のものだね」
「コードピアのショウチョウである、チョウと花のマークが描かれている」
そこまで聞いてから、ロジックスペースに移動。
事件に関わるナイフ達の事情を確認していく。
それで開けてみた、執務室の金庫。
その本当の開け方を、御剣は考える。
もしかしてと思いながらも選んだ場所に、冥がツッコミ。
冥「その穴は金庫の扉についている金具と対になって……扉をロックしていたものよ」
私もそうは思うのだが。それでもコレしかあり得ない。
それで開けてみた、二重扉の中。
そこにあったのは、数々の美術品と、そして2枚の紙切れ。
それらの証拠品と、冥との会話も踏まえ、ロジックスペースに移動。
その後、問われた冥は、例の国際密輸組織の黒幕について語る。
冥「各国からの情報を集めた結果……最終的に……この大使館が浮かび上がった」
そう言って取り出す、1枚の紙切れ。
「この紙……コードピア製のものよ」
とゆー事は。今まで出てきた紙切れを集めて並べれば、見えてくる。
ノンブルを、1/3、2/3、3/3と並べれば。この事実が浮かび上がるのだ。
冥「マニィの手によってババルインクが大量に密輸されている……!」
次なる目的は、シーナの主張を崩す事。
と言いましても。論破は簡単。
もし美雲の目的が密輸の追求なら、書類が金庫に残っているわけがないのだから。
けれども。シーナは揺るがない。
シーナ「私はその少女が凶器のナイフを握っているのを目撃した」
対して、美雲の反論。
美雲「部屋に入ると真っ暗で、何も見えなかったの。
その時、足元に当たった何かを拾って電気をつけたら……」
……責められないねぇコレは。特に御剣、キミは決して。
しかし忘れちゃいけない。
ナイフの柄を握っていても、美雲の無実は簡単に証明できる。
そう論破した御剣に、
シーナ「ううっ……きゃああああっ!」
またも謎の突風現象により、シーナの髪が後ろにまくれる。それでも、
シーナ「殺人犯の考えることなんて、常人の理解を超えているわ」
と粘る彼女に、本当の現実を突きつける。
マニィを殺めたナイフは、ババルの物ではない事を。
犯人は、火事の前に、双方の国を行き来できた人物に絞られる事を。
……って。ちょっと待った。
ソレって誰よ!?
どー考えてもあり得ない犯人像に、頭を抱えてしまった一同。
その重い空気を、笑顔の美雲が振り払った。
美雲「もう! そんなに脳みそだけで考えなーい!
「脱出口は走りながら考えろ! これ、大ドロボウの哲学!」
てなわけで。
かくして一同全員、今度はアレバスト側へと移動する。
――ただし、シーナ一人は例外で。