『燃え上がる逆転』実況レポート (後編3)

今度こそ正真正銘、本作ラスボスとのファイナルバトル

やるべきは、カーネイジが永世中立劇場にいたというアリバイ証明への挑戦。
その根拠は、トノサマンショーの内容にあるという。

その瞬間、私の頭も閃いた。

……そうか。
ありがとう、矢張。
キサマのおかげだ、礼を言う。
御剣が言わずとも私が言う。


しかして、当のその矢張はと言えば。
矢張「お? オイ、御剣ぃイイ! ダレだよ! このカワイイ子はっ!」
例によって、今度は美雲にご執心。

なので、ここは狼の台詞を引用しておこう。
狼「オレも検事を……いや、アンタを信じてみてもいいかも知れねえな」
 「この大事な局面……御剣検事に任せるぜ!」

そう。コレなのだ。私の求めるライバル関係は。
ちゃんと認めた相手は、ちゃんと名前で呼ぶべきなのだ。
それが最低限の礼儀なのだ。



カーネイジ「”トノサマン・さみだれ突き”でアクダイカーンをメッタ刺し……」
      「今日が初公開の新技、なのだろう?」
      「その新技を見ていることこそが、私のアリバイになるのだよ!」



語るに落ちたな、このカネジジイ。(←名前間違い)



しかし、カーネイジは食い下がる。
ショーのクライマックスの時だけ、席を外したのだと。



危うく膠着しかけたその場を制したのは――矢張。
矢張「お前(=御剣)はこのジイサンをファンとして認めないっていうけどよぉ。
    オレは、かなりの”トノサマニア”だと思うぜ!」


え!?
まさか、この表現、公式なのか!?
今まで作中には一度も出た事なかったよね!?

などと私が驚いているのを余所に。矢張は語る。
矢張「ジイサン、アンタすげえな!」
   「どうやって調べたんだよ? ”トノサマン・さみだれ突き”をさ。
   あの技は、スタッフでも一部しか知らないくらいゴクヒだったのに」
   「ゴクヒっていうか……。名前が決まったのが、ショーの直前だったってだけなんだけど」
   「舞台カントクがやたら悩んでてよ!
   ショーの始まる5分前に、控え室のホワイトボードに書いたんだ」

という、ヤッパリ矢張の貴重な証言に基づいて。
検察官と捜査官との、二人がかりで追いつめていく。


これで。ついに。やっと。
マニィ・コーチン殺害事件のwhenとwhereが判明した。



6番打者、ヒメサマン役:大場カオル。
オバチャン「ミッチャン、なんだい! ソーシキみたいな顔しちゃってさ!」

息詰まる場で、そう騒いで持ち出してきたのは、まんじゅうの箱
カンゼンに凍りついた空気の中で、オバチャンは日の丸のついた特別製だと言い張る。

御剣(たしかに、扇の日の丸が赤くなっているが……)
その「」を見た瞬間。
一気に論理がつながっていく。
御剣は、自動的にロジックスペースに降りて思考する。


それで出た答え。
御剣「……大場カオルさん。あなたに、感謝する」
オバチャンの手癖の悪さに乾杯だ。

だがしかし。
決定的だろう物証をつきつけても、カーネイジはまだ余裕。



7番打者:捜査員、鑑識A。
鑑識A「これは、たしかに血痕でした」
    「被害者のものとは、血液型が一致しませんでしたあッ!」


一見、突拍子もない展開。
けれど。
私の中にも、一つのカケラが浮かび上がった。
まだ紡いでいない、紡ぐべき論理のカケラが。

その一方で。悩む御剣の中に浮かんだ物は、8番打者の蒼の弁護士。
御剣(こんな時……アイツだったら、どうしていただろうか……?
   どんなフリな状況でも、逆転する力を持つあのオトコならば……。
   …………逆転…………? そうか……! 発想を逆転するのだ!)




真の「逆転を継ぐ者」は、御剣怜侍だった。



その万感の思いと共に。打者一巡として、最後のボタンを押す。
文字通り、カーネイジを倒す、武器を投げつける。
そして、穏やかに、静かに、御剣は告げる。
御剣「……以上、だ」
   「この国と、アレバスト。どちらの裁判を受けたい?
   どちらにしても、キサマはゲームオーバーだ」


トドメの言葉に、カーネイジから魂が抜け落ちた。





数日後。
カーネイジと、それから天野河丈一郎の裁判を控える裁判所にて。
御剣とイトノコ刑事との会話。

御剣が、ダミアンからの差し入れをノコさんに与えたりしてるところに、美雲と狼も顔をそろえる。
御剣「……ふたりがかりの勝利だと、私は思っている」
狼「オレはオレのやり方でやる。それは、これからも変わらねえよ」
  「アンタのつかんだ真実が犯人に届かないなら……
  いつでも泣きついてきてくれて、かまわねえぜ。オレが、そいつを引きずり出してやるよ」

今ここに、新たな縁が結ばれた。


糸鋸「今日は紙ふぶきをイッパイ用意してきたッス!」
と、イトノコ刑事も笑顔で言い添えて。



法廷に向かう彼らの姿から、エンディングへ。

いちるはネット販売で報われて。
ジンクはダミアンからダイカイ像(ただしレプリカ)を手に入れて。
冥はコードピアの裁判で活躍して。
原灰は警察を辞めて……って、お願いだから幸せになってくれ!
茜はアメリカに戻って……って、だからアナタは科学捜査官になれ! 絶対なれ!
姫子は留置所でまた恋に恋してて。
裁判長は御剣の噂に踊らされて。
マコは警備員を辞めた後の職探しに興味津々で。
ダミアンは美雲の協力で国の宣伝に励んで。
矢張は今度はバリに飛ぼうと……って、だから成歩堂も見守っててくれ! ホント頼む!
馬堂と狼は、密輸組織の後継者争いを追い求めて。
オバチャンは御剣からの手紙に喜んでて(?)。





そして。カーネイジの裁判を終えた、御剣の執務室にて。
御剣・イトノコ刑事・美雲の会話。

美雲は差し当たって、女の子三人組となるための仲間探しに励むと語る。
美雲「がんばって、”ヤタガラス”が活躍しないですむ世の中にしてね!」



そんな会話の後は、写真撮影のシャッター音で、最後の挨拶。



これからも、この“世界”が美しくある事を祈りつつ……。
Good Luck!




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