『逆転の標的』実況レポート (後編)

イトノコ刑事とひとまず別れて、やって来ました殺人現場。
美雲「お困りのようですね、ミツルギさん」
と意気込む美雲を従えて、御剣は独り思索にふける。
御剣(できるだけ、捜査を引き延ばさなければ……)
って、何だかどこかで聞いた台詞だな。





とゆーわけで。ここからは自由行動。




美雲に海(でのゴハン)へ誘われたりしながら、
飛行機内のモニター群、それから死体にも接写する。


そして机上の書類に注目。
御剣(しかし……なんだ? この違和感は……?)
そりゃ何が矛盾してるかって……全部だろ?
線図以外、書いてある文章ことごとく。

聞くと、どうやら原因はコロシヤにあるようで。
意外に武闘派なんだなこのエセ執事。

一方、内藤はと言うと……
内藤「あの日から、首が右に回らねえ」
との事で。
そうか、単なるデザインの都合じゃなかったんだこの首。


以上を調べ終えてから、ロジックスペースへ降下。
現場の銃の真相や、弾丸の軌跡を明らかにしていく。
その推理から、
御剣「弾丸を調べさせてもらおう。線条痕が残っているかもしれん」
と御剣が出したお約束は、しかし今回は叶わない。



ところで。そんなこんなと調べたが、まだあらゆる意味で進展は無い。
最初に動いたのは、コロシヤだった。

コロシヤ「重要な証人がいるではありませんか。……このトビラの向こうに」
と次の展開を促してから、突然の停電と共に、
コ「わたくしには、もう《真実》が見えました」
  「あとは、御剣さまにおまかせいたします……」

どこまでも、穏やかに。どこまでも、黒く。
コロシヤは姿を消した。





そのコロシヤに昏倒された御剣は、イトノコ刑事の呼びかけで目を覚ます。
コロシヤの代わりにあるのは、あの例のカード1枚のみ。
更に代わりに現れたのが――コロシヤの促した”証人”だった。

その際、驚くべきは、
御剣「はじめまして。検事の御剣怜侍といいます」
と、フツーの丁寧語で挨拶する御剣だろう。
さすがに国家主席相手に、普段のノリは無理だよな……。

しかし。これで事は逆に悪化した。
今まで捜査できていたのは、コロシヤのおかげだったのだから。
結果、捜査手帳は白紙に戻る。(検事バッジ除く)
ミキコの立場も俄然不利に戻ってしまう。



こうなったら、残された活路は――真っ向勝負しかない。
いちいち中指、じゃなくて人差し指を振り上げる大統領を前にして、
御剣はチェス盤の前に立つ。

御剣「仕草をよく観察し、相手の感情を読みとるのだ」
なるほど。
では早速、相手の真意を……直観で読みとっていきましょう。

御剣「発言は強気ですが……見逃すことはできません。
   治外法権と聞いた瞬間……表情にあせりの色が浮かんだことを」

すげえ。やっぱ、名探偵なら出来るんだよコレ。

その華麗なる口撃に対して、
王「ワタシは……あえて! あえて、認めるとしよう!」
長々とした演説という名の言い訳をしてる大統領は、放置プレイに処しておく。
おかげ様で、捜査手帳も元通りになった事だし。





次なる目的は、王帝君の主張を崩す事。





それで判明したのは、会場にトノサマンなんぞがあった事情。

内藤「あのトノサマンバルーンは、間に合わせの借り物だったのです」
と王に説明してから、美雲に補足。
内「たまたまこの公園で、屋台を出している男がいてな。
  そいつが、トノサマンのバルーンを貸してくれると言い出した。
  ……やたらと調子のいい男だったそうだ」


しかし大統領、そのトノサマンバルーンの事を記憶していなかった。
その事実から導かれるのは、バルーンを撃った真犯人。
ひいては、大統領暗殺未遂事件の全容だ。

いや、違う。
そもそもコレは、事件でさえない。



この事件に犯人がいるとするなら……それはあなただ!(←作品違う)



御剣「すべては……このウソつき大統領による茶番劇だったのだ!」
そう真実を暴かれた相手は、魂から絶叫して、枯れ果てた。



これにて事件解決!と思った矢先。
「異議あり!」コールで割って入ったのは、内藤だった。
って、別にこの人、法曹界の関係者でもないのになぁ。

と、今度は「待った!」コールの乱入。ミキコの番だ。
御剣「勇気を出したまえ! おそれていては、真実は逃げていく。
   キミはルポライター……ジャーナリストなのだろう?」

ミキコ「ジャーナリストは、《ウソ》をついてはダメや……。
    《真実》を伝えないで、スクープとは言えないですわ!」
そう言って、彼女は仲間として、重要な証拠品を捧げてくれた。


それでも内藤は足掻くものの、大統領が認めた。
未だに残る謎を解くために。

王「なぜ外城くんは、命を落としたのだろうか?」

その途端、途端、その外城を露骨にけなし始めた内藤。
挙句、またもミキコを犯人に差し戻そうと足掻き始めた。





次なる目的は、内藤馬之介の主張を崩す事。





今度は簡単。
そもそも、内藤が主張している拳銃など、真っ赤なニセの証拠品なのだから。

よって、外城を殺した犯人を問いつめるべく、ならばと今度は大統領を問いつめるが、
何も聞いてなくて役に立たない……と思ったら。
役に立たないのが役に立った。


こうなったら、あと必要なのは証拠品。
外城を殺害し、部屋のモニターに刺さった弾丸こそが犯人の……と思ったのに。

鑑識「まず、この弾丸に付着した血痕は、被害者のものと一致しました」
   「そして、この弾丸の線条痕も……この拳銃のものと一致しました」



……何……だと……?



つまりは、ゴミ箱にあった銃から、外城を撃った弾が出た事になる。
つまりは、ゴミ箱にあった銃は、フェイクじゃなかった事になる。

コロシヤもフェイク。
赤いフードもフェイク。
暗殺事件もフェイク。
フェイクさえもフェイク。
よく分からなくなってきた。





次なる目的は、内藤馬之介の主張を崩す事。





さっそく揺さぶって、それで浮かぶのは意外な真相。
美雲「あり得ない証拠なら……証拠自体を疑うしかないんじゃないですか?」
御剣(法廷では証拠がすべて……この私が証拠を疑うとはな)

そういう事だ。
あの、捜査手帳のリセットも伏線だったのだ。
いったん渡してしまったあの瞬間に、真実はすり替えられたのだ
この証拠品は、絶対ではないのだ。


追求は続く。

内藤「証拠もなく、ヒトをウソツキ扱いしちゃならねえ……。
   父ちゃんに教わらなかったかい?」
って、あんたどうして知ってんだ、と言いたくなる減らず口を叩きながら、
内藤は愛銃をもてあそぶ。
御剣(撃つたびに弾をこめ直している……?)
そんな内藤の仕草こそが、とうとう仇となった。


御剣「……チェックメイトだ」
言われて犯人、文字通り撃沈。
っていうか、いったい何を乗せてんだこの飛行機の天井は。





事件解決後。色んな意味で持ち直した大統領。

王「ワタシは、もうしばらくの間、この国に滞在する予定だが……
  いつでも、我らが西鳳民国をたずねてくるといい。歓迎しよう」

それからミキコにもお礼を言われる。
でも実際には彼女、まだまだトラブルを量産していくわけだけど。



ただ、その中で最後に残った事件がある。
コロシヤの依頼の件だ。

御剣「その狂騒の中で、ダレひとり気付いてはいなかったのだ。
   それが、《ゲーム》の始まりにしかすぎなかったことに……」


より正確に言うならば、それは「終わりの始まり」だった。
18年間にも及ぶ、フェイクに彩られた事件たちの……。




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