『獄中の逆転』実況レポート (前編)

奥へと続く闇の中。
鳴り響く振鈴の中。
流れる血潮の中。
そこにあるのは、倒れ伏す内藤と――犬?



さてさて。
第1話から時間は進み、所も変わる。

御剣・糸鋸・美雲の三人が、留置所に勢ぞろい。
いつも見慣れている場所を、けれど俯瞰の位置から見るのは新鮮だ。

彼らが居るのは当然、検察側として内藤と面会するためなのだが。
肝心の被告人が来ない。
まぁ、昔の誰かさんも誰ともマトモに面会しようとしなかったし……なんて。

そこに駆けこんで来る係員。

看守「た、大変だッ! な、な、な……内藤がッ! こ、こ、こ、殺されたッ!」  



急展開に三人は、長い廊下を走る走る。
糸鋸「このトビラの先はたしか……」
御剣「ああ……。《刑務所》のはずだ」



異議ありぃぃぃッッッ!!



一瞬、本気で机を引っぱたきそうになった。

ただでさえ拘置所と留置所が混ぜこぜのところに、
とうとう刑務所まで混ざっちまったよ。この世界。

……ああそーか、要するに犯人置き場なんだなココ全部。(日本語間違い)



ともあれ、厳重な(はずの)扉を越えて、まだまだ長い廊下を走りに走って、
殺人現場についに到着。
様々な作業台の並ぶその部屋にあったのは紛れもなく、死者と化した内藤だった。





とゆーわけで。ここからは自由行動。

美雲を連れて、部屋の中を調べて回る。





美雲「刑務所ってこうなってるんですね! 勉強になります!」
確かに私も勉強になるわ。
我らが現実での刑務所とは、あまりにも違いすぎる。

ところで美雲ちゃん。
キミの目の前にいる人も、留置所なら入った事あるんだよ。
話せば凄く長いけど。

美雲「心なしかケモノのニオイがします」
なんて言われる道具たちを探ったり、「ムチのお姉さん」(by美雲)の事を思い出したり、
内藤に接写したりしてから、ロジックスペースへ降下。


おかげで、それなりに状況は見えてきた。
が、肝心要だろう凶器については全く分からないまま。

そんな折、開いたドアから割りこんできた第三者。
「あれえ? キミ……もしかして……」
「狩魔豪検事。こんなところで、キグウですね」




なんか、いきなりボケられた。



と言うより実際は、遠回しな皮肉だった様子。
御剣の知人らしいその男・信楽盾之(しがらき たてゆき)は、笑顔の中に棘を仕込んで会話する。
御剣「お会いするのは、何年ぶりでしょうか……」
信楽「んー。忘れちゃったよ。オジサン、ここ数年はずっと海外だったから」
   「でもね……覚えていることもある。キミの裏切りとか、ね」


つまり、この人は知らないのだ。
黒い疑惑の時代の御剣しか、知らないのだ。

信楽「親愛の証しに、ハグをイイかな?」
なんて美雲には気安く話す一方で、御剣にはこの態度。
信楽「弁護士には現場の捜査をさせないのが、《狩魔流》だったね」



どうにも厄介な相手だが、仕方ない。
内藤の弁護人だった信楽から、改めて話を聞く。

なお、この時、興味深い会話イベントが色々と。
御剣「その弁護士バッジ……服にはつけないのですか?」
信楽「んー……冬場は、お気に入りのコートにつけてるんだけど。
   オジサンの”勝負服”にしかつけないって決めてるんだよねえ」


信楽「マノスケちゃんは、チェス好きだったらしいね」
   「オジサンはそういうアタマを使う遊びは苦手なんだよね」

御剣「フッ、ご冗談を。私はまだ、アナタに一度も勝ったことがないというのに」



詳しく聞くと、信楽は昨日の時点でも留置所へ内藤と面会していたとの事。
信楽「ちょっと知り合いがいてね。その人に会いに来るわけ」


ただ、その会話の際、この台詞が引っかかった。
御剣「留置所に、食べ物の差し入れはできないはずですが」

「異議あり」。
それだと『逆転のレシピ』での弁当が矛盾しちゃいます。
あるいはまさか、検察側と弁護人側とで、ガイドラインが違うとか?



会話は続く。
信楽「ここで、天才検事にモンダイです。この部屋は次の三つのうちのどれ?」



答えなんて無い。



って選択肢がない以上、信楽にからかわれるしか道は無い。

まぁ、この部屋が何なのかって疑問は、今この場ではどうでもいい。
差し当たっての問題は、
看守「この刑務所の囚人は、全員《腕輪》をつけております!」
なんて物騒なセキュリティシステムにも関わらず、落っこちてた手袋の件だ。



その問題を考えるには、新たな手札を加える必要がある。
その手札は、廊下のアチコチに散らばっていた。
御剣「動物……!」
猫やら猿やらウサギやら。馬やら豚やらアレやコレや。
果ては、鳴り響く鈴の音と共に、ハーネス付きの大きな黒い犬までやって来て。

威圧してくる相手に御剣は相変わらず、同じレベルでにらみ返す。
御剣(……負けるわけにはいかない!)
糸鋸「御剣検事は、犬のあつかいが下手ッスねー」
裏設定では、動物には心を開くなんてのもあったんだけど……この様子じゃ厳しいな。



改めまして、次の作戦へ。
事情聴取をするために、一つの独房に近づいた。
だがしかし、やはり相手の口は堅く。

「………………エクササイズの時間だ」

ならば、こちらはチェスの時間だ。
直観に基づいて、言葉尻を捕らえて、じわりじわりと追いつめていく。

と、その最中、口を挟んできたのが信楽。
信楽「キミの成長ぶりは、《あの人》にこと細かに報告するからね」
   「……《狩魔流》に染まったキミが、どういう人生を送ってきたのか……
   あの人は気にしているだろう。オジサンには報告する義務がある」

ここまで言うって事は……この人が管理してると思っていいんだろう。
御剣信遺影遺品など、その全てを。(←念のため伏字)





次なる目的は、折中秀治の主張を崩す事。





因みに。折中が持っているトレーニング道具たちは、
折中「《調達屋》から手に入れた」
   「注文すればなんでもそろえられる、秘密の店ってとこだ」
という事だそうだが……そんな事、部外者に話しちゃっていいんだろうか。
あと余談ながら、彼の囚人番号(D-259)にはネタバレが仕込まれてるそうな。



だが、今回の事件で内藤が、死に際の悲鳴など上げるはずはなく。
だって死んでるじゃないですか、ってわけで。

それで問題となったのは、隣の独房。
個人的には、オウムのいる左側が激しく気になるところだが。
実際の視点は、逆の右側へ移動する。



しかし、この場での聴取はココでストップ。
荒れ始めた囚人たちを鎮めたのは、女声による一喝だった。

「……ご静粛になさいませ」
「どうか《法の神》の祝福を受け入れられますよう」

現れたのは、裁判官の水鏡秤(みかがみ はかり)。
彼女はアッサリと、折中を懲罰房へと追い払う。
そして――御剣をも同じように追い払おうとする。
「検事審査会」の名の下に。

信楽「《検事審査会》ってのは、11人の委員からなる審査会議だよ。
   検事がちゃんとお仕事してるか、カンシするのが彼らのお仕事」

御剣「たしか、メンバーは、政治家と法曹関係者から選ばれるのでしたね」
水鏡「……検事審査会は、弁護士協会とも深い関わりを持っておりますわ」


となると……この組織こそが元凶か。

実際の(検事審査会ならぬ)検察審議会で、
一般市民を取り締まる司法を取り締まるのは、一般市民の務めである。

なのに、司法自身が司法を取り締まってどうするよ。
不正や癒着のやりたい放題じゃないか。
そりゃ悪徳検事や悪徳局長が出てくるわけだよ。


そんなぶっ飛んだシステム紹介の際、加わってきたお子様1名。
先月検事になったばかりのド新人・一柳弓彦(いちやなぎ ゆみひこ)。御齢17。
やっぱりアメリカ育ちとかなんだろうなぁこの子も。


ともあれ、下されてしまった処分には従うしかない。
イトノコ刑事を引き渡し、御剣と美雲は一時撤退。

その時、こう声をかけられた。
信楽「今日のこと、ちゃんとあの人に報告しておくから」




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