『獄中の逆転』実況レポート (中編)

翌日の執務室。
イトノコ刑事と分断され、捜査権も奪われた状態で、かかってきました携帯電話。

糸鋸「警察局で聞いてきたッスけど……
   昨日の事件の容疑者がタイホされたらしいッス!」

という貴重な情報報を手に、御剣&美雲は留置所へ。
すると居たのは、何とも気弱な男が一人。

「だって、検事とかってどうせすっげえコワイんでしょ?
 すっごい目付きでにらみつけられるんでしょ!」



ハイ御名算。



そんな、ごもっともな理由で怯えてる容疑者・猿代草太(さるしろ そうた)。
美雲は、御剣からのテレパシーを受け取って(?)、草太への尋問に臨む。
やがてその内、草太も御剣の強面に慣れてきた模様。
だが今度は警察に対しても怯えまくり。

草太「だって、刑事とかってすっげえ荒っぽいでしょ?
   大きなカラダでイアツしてくるんでしょ!」



ハイ御名算。



ただ何にせよ、
草太「ぼ、ぼくは、誰も殺してません!」
と訴える人を放っとくわけにはいかない。
そこでイトノコが一つ提案。

糸鋸「御剣検事が、弁護士バッジを借りて、弁護してあげればいいッスよ!」
美雲「やだなあ! ミツルギさんが弁護できるわけないじゃない。
   今は、ジョーダン言ってる場合じゃないでしょ!」

イヤ美雲ちゃん、現実は冗談よりトンデモナイ物なんだよ。
話せば凄く長いけど。





てなわけで。廊下で作戦会議。
雁首そろえているところに、信楽が混ざってきた。
草太の弁護のために来たという彼に、すぐさま美雲が飛びついた。
彼と組めば、捜査が出来る――!

が。
信楽「ウチは助手は取ってないよ」
   「狩魔の息のかかったヤツなんかもってのほかだね」



嫌悪の目を向ける信楽に、対する手段はただ一つ。
思いを素直に打ち明ける事。
御剣「今の私は、あのころの……狩魔に心酔していたころとはちがいます」
糸鋸「御剣検事は変わったッス!
   たしかに、ムカシはゴクアクヒドウな検事だったッス!
   でも、今は全然ちがうッスよ!」

美雲「先月の事件で、わたしのことも助けてくれたんですよ!」
御剣「捜査を手伝わせてください。お願いします」

頭を下げる。その行為こそ、信楽の心を溶かす。
かつての御剣では、あり得なかった行為が。

信楽「なにがキミを変えたのか……。ちょっと興味あるなあ」
御剣「法廷に立って経験した多くのこと。出会った多くの人々。
   そして……そこで再会した友人たちでしょうか」

信楽「『あの人』も驚いてるだろう。ないがしろには出来ないな、こりゃ」

言って信楽が差し出した名刺には、
「御剣法律事務所所長 信楽盾之」とあった。
つまり御剣は、かつての父の仕事場へと還るのだ。


ただ、その結果、弾き出されてしまうのがイトノコ刑事だ。
よってイトノコ刑事は、弓彦側の情報をリークする役目を仰せつかる。



かくて、この作品は完全に、『逆転裁判』と同じ構造になった。
成歩堂の役が御剣に。
御剣の役が弓彦に。
千尋の役が信楽に。
真宵の役が美雲に。
裁判長の役が水鏡に。
それぞれスライドしたのだ。



というわけで。改めまして捜査の再開。
閉ざされていた刑務所に再び入る。
すると現れた女性が一人。

信楽「はじめましてのハグを、よろしいですか?」
「オホホホ。もちろんですわ」
信楽「ンッ! ンンンンンンンッ!」
「やはりアイサツは、ハグ・アンド・キスからですわねえ」

世の中、上には上がいる。
そんな教訓を信楽に与えた彼女は、留置所および刑務所所長の美和マリー
彼女いわく、昨日のレクリエーションというのは動物ショーだったそうで。
なお、この時に流れるBGMが、やけに懐かしく。





そんな話を伺ったところで、改めまして自由行動。





まだ唖然としてる信楽に話しかけると、弁護士として諭される。
「笑顔は信頼関係の第一歩」という論は、確かに間違ってないと私も思う。

個人的には、いオウムが物凄く気になるが、残念ながら調べられない。
囚人から話を聞いてから、作業部屋にいる第一発見者を呼んでもらう事に。
それで出てきた相手は……えーっと……このクネクネした挙動不審者は……。



これぞネタバレ第2号。



御剣は初対面だろうけど、この人物を知らずに、逆転シリーズは語れない。
とにかく話を聞き出すべく、御剣はチェス盤を用意する。
なお、この時から、「ロジックチェス」の敵駒が三つに増える。
仕草のみならず、「発言する言葉」にも気をつける必要が出てきた。


御剣「常識的に考えて……良識のある人間が、囚人になるとは思えないのだが……」
言いきるなあ。
いかなる事情があれども罪人は罪人でしかないってのが、かつてのキミの論じゃなかったっけ?
個人的には「今その話は関係ない」とかの切り口にしてほしかった。


「知らねえっつってんだろ!」
「ウソじゃねえ!」
「うるせえ!」
などの言い回しを突っつきたいのを我慢して(私が)、御剣は真実を暴いていく。
だが、そうやって突っ走る御剣を、美雲が制した。
美雲「真実を暴きだすため、じゃなくて、ソウタさんを救うためですよ!
   私たちの目的って、依頼人を助けることでしょ?
   だって、今は検事じゃなくて、弁護士の助手なんだから!」

御剣(弁護士の心構え……か)
何だか何ともヤヤコシイなあ……。





次なる目的は、山野星雄の主張を崩す事。





御剣(弁護士に、イヤな思い出でもあるのだろうか……)
なんて疑問を感じつつ、判明していく事情。

山野「では……正直に申し上げます。犬でございます」
   「黒い大きな犬が……被害者の首筋に、食らいついていたのです!」
   「あの犬が! あの犬が、殺したのです!」

以降、どんどん加速していく残酷表現
調子よくスプラッタを語り続ける山野は、しかし、とうとう口を滑らせた。
御剣の指摘を受けるにつれて、その口調を変えていき、そんでもって……その。





刑務所内では、カツラは禁止です。(物を隠せるから)





かくて山野陥落、と思ったが。
「異議あり!」宣言(コール)が割って入った。

信楽「へへへ。かっこよかったでしょ。今の『異議あり!』の声」
そう言って、信楽は仕上げを施す。
信楽「”弁護士はピンチの時ほど冷静に、ふてぶてしく笑うものだ”。
   これ、信さんに教えてもらった《弁護士の心得》ね」

もしかして。例えば神乃木も、御剣法律事務所とのつながりがあったのか。
この世界の弁護士の原点は、やはり御剣信という事になるのか。





今度こそ、山野との件を片づけて。別の囚人からの事情聴取。
山野の言う、「特別独房」へと足を運ぶ。
御剣(あの凶悪な犯罪者が……まさかこの刑務所にいるとはな)
  「ムカシの知り合いです……」
  (この声は……やはり……)

などと話すから、またもネタバレかと身構えたら、誰でもない新キャラだった。

かつて御剣が捕らえたという、鳳院坊 了賢(ほういんぼう りょうけん)。
職業・殺し屋の一人である。

御剣(クロは、盲導犬でありながら、猟犬としても育てられた。
   かつては、暗殺者・了賢の武器のひとつだった……)

って、んなもん刑務所内で飼ってていいのか。

それどころか、
了賢「最近、彫り物にこっていての。一心不乱に木をけずっておったよ」
何と刃物まで手元にあるという好待遇ぶり。

他なる趣味はと問えば、手紙を使っての「通信チェス」だそうで。
そういえば、ネット対戦など無かった頃は、こういう手段のゲームが賑わっていたものだ。
手紙のやり取りだけで行う多人数RPGなんてのを知ってる人も、もう少なくなっているだろう。


ところが。詳しく話を聞く内に、おかしな事態になってきた。
いつの間にやら、内藤の罪状が変わってしまっているのだ。

美雲「これって、あの事件を全部、内藤さんのせいに……?」
了賢「えん罪でここに来る人間は、カクジツにいる」

そんな事、言われなくても分かってる。
段々うるさがられてるのを感じつつ、ひとまず廊下へUターン。
猿山にのぼってた美雲は回収したものの、信楽は消えてしまって見当たらない。
なので二人で留置所側へ移動。

廊下に着くと、美和所長が何やらボヤいてて。
所長室や中庭について伺ってから、内藤の監房へたどり着く。
思えば、ココに皆入った事があるわけだ。御剣自身も、あの人も、あの人も。





とゆーわけで。ここからは自由行動。

(設定上は)勝手知ったる場所をさまよい歩く。





第一印象としましては。ひとえに無防備な部屋だ。
鏡からして、むき出しで置いてあるし。
この世界の容疑者って、総じて従順なんだろうか。

ベッドに近づけば、事件の痕跡(だろう物)が目に留まり。
デスクに近づけば、人物の関係(だろう物)が目に留まり。


コレらの捜査を終えると、看守が血相かえて戻ってくる。
監視カメラの動画(!)をチェックする事に。
これで、事件の「how」と「where」が一応定まってきた模様。

ならば今度は、留置所側で聞き込みを、と意気込んだ矢先、
かつての仲間――狼士龍とすれ違う。
けれど彼は、かつての部下も引き連れず、何かを隠して去って行く。





とゆーわけで。ここからは自由行動。





美雲の大笑いモーションとかに和みつつ、看守2名から話を聞くと、信楽登場。
更には、弓彦&水鏡のコンビも加わった。

水鏡「検事は公務員、副業は法の神へ弓引く行為ですわ」
御剣「営利を目的としていなければ、モンダイないはずだが?」
って、一体ドコを狙って射ってんだろう、この会話。





次なる目的は、一柳弓彦の主張を崩す事。





というか実質、お子様への教育的指導と言った方がいいかもしれず。
光速の意味も知らんアホの子だし、ベソかくし。
もうオウチに帰んなさいよボウヤ。

というか実質、いちいち隣から過保護してくる水鏡の存在が激しくジャマ。

水鏡「猿代草太の職業が何か……ご存じないようですね。
   彼は、サーカス団員なのですわ」
   「《タチミ・サーカス》。聞いたことはございませんか?」
御剣(こ、この女! その事実をここまで隠していたのかッ!)

ある種のブーメラン現象だねコレは。
自分が散々してきた事をやり返されると、怒りも倍増するという物です。



こうなったら作戦変更。捜査は一からやり直し。
信楽「弁護士はね、諦めの悪さが肝心なの」
というアドバイスを受けて、いざ草太の元へ。




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