『獄中の逆転』実況レポート (後編)

留置所にて。
草太に尋問、もとい詰問、もとい質問する一同。
御剣の恫喝に卒倒する草太だが、今は同情している場合じゃない。

草太「だれも……ミクモちゃんたちも、ボクを信じてくれなくなると思って」
と、ごもっともな理由を答える草太。
少なくとも御剣は、その気持ちを分からないとは言えない。


まずは、改めて草太の身の上について事情聴取。

草太「いちおう、《猛獣使い》です。まだ見習いですけど……」
   「ボクの相棒は、コイツだけです」
   「こらこら! ルーサー。ダメだって。困ったヤツだなあ」


これぞネタバレ………………いいかもう。
ただ、そうなると、このオサルに戦い挑んだって事なのかあの男は。


草太「ボクには直属の上司がいて……《興行部猛獣使い課》の課長ですね。
   あの人にかかると、どんな猛獣もすぐに言うことを聞いちゃうんです」



続いて、事件直前の時系列の整理。

草太「荷物を運びこんでいた時、ちょっと様子を見に行ったんです。内藤のところに……」
   「こっそり行きました。正式な面会ではないです……」
   「ボクにとっても、内藤にとっても、たった一人の幼なじみなんです……」
   「お、幼い頃に、唯一の家族である父を失って……」

そう嘆く草太を励ます御剣に、信楽は御剣信の姿を重ねる。
御剣(私が……父に?)
信楽「”孤独な人の味方になるのが、弁護士の役目”ってね」





かくて一行は、中庭へ自動的に移動。
その奥で、象にしばかれてる美雲を発見し、そして……。


以降しばらく、辛口失礼。

山野の時にも思った事だが。
過去作での強烈なエピソードを、こうやって明かされるのは、私としては非常に苦しい。
これから初めて『逆転裁判』に触れていく人たちの、楽しみを奪ってしまうと思うから。

もっと言わせてもらうと、ミリカにはもっと成長していてほしかった。
実際に象が人を殴ってるってのに、キチンと謝らないってのは問題だろう。

もっともっと言わせてもらうと、
あの青い弁護士の反応は、絶妙なバランスを保っていたのだと、改めて痛感してしまう。
どんな相手にも、惹かれてるようにも引いてるようにも見える、
あの立ち居振る舞いは、実に感情移入しやすかった。





閑話休題。ここからは自由行動。





まずは目の前のミリカから話を聞く。

ミリカ「弁護士さん、ソウタくんのこと、必ず助けてあげてね」
前よりは殊勝な事を言えるようになったようで、少し安心。

なお、この時、「黒い犬」を突きつけると興味深い会話が。
ミリカ「ご主人さま以外の人には心を開かないって目をしてる。
    きっと、すごくおりこうさんなんだろうね」
   「あ、ミツルギさんもこの子とよく似た目をしてるね!」
って、いったい誰なんだ御剣の主人て。


また、信楽からも同じ形で会話イベントが発生。
信楽「ホントに変わったみたいだね、レイジくん」
御剣(変えられた、というのが本当のところかもしれないな。……あの、弁護士に)
紹介してやってほしいなあ。冥よりも前に。


隅っこにいる山野も忘れちゃいけない。
山野「あのヤロー、今度見かけたらゼッタイに足腰立たなくしてやる!」
と、某弁護士に怒りを燃やしている山野が教えてくれたのは、了賢の正体。

山野「ここだけのハナシですが……あの方は《調達屋》なのです」
   「あの方に頼めば、なんでも好きなものが手に入るのです」
そんな事が出来てる時点で、この刑務所って既に刑務所じゃないと思う。



思わせぶりな井戸や、頑丈な鉄条網なども調べていると、美和所長が登場。
一通り話を聞くと、どうにも気になる言い回しが多々。

美和「山野ちゃんを見てちょうだい! 囚人のカガミだわ」
   「山野ちゃんが一番ね!」
   「山野ちゃんは……目のつけ所が違うっていうのかしら」



明らかに所長と囚人の関係じゃない。



そんな美和所長から聞き出せたのは、
タチミサーカスが月1で公演に訪れている事と、そして新事実。

美和「あのショーを見たがらない人が三人もいたんですのよ」
って、ソレ内藤じゃないか?と早合点したのは私です。
留置所と刑務所と、こっちもゴチャゴチャになってきたもんで……。



話を終えた美和所長は、池から出てきたアリゲーターの相手を始める。
よって御剣たちは自動的に、刑務所側に移動。イトノコ刑事と再会する。



糸鋸「今回は秘密兵器を持ってきたッスよ!」
   「今まで数々の難事件を解いてきた……糸鋸圭介の《七つ道具》をご覧に入れるッス!」

と仰々しく紹介された面々は、金属探知機、ミサイル(犬)、ツリザオ。以上3点。

が、実を言えば、この道具たちを選ぶ下りは全部脱線
はじめからミサイルの一本道でも事足りる。

『逆転、そしてサヨナラ』の道具たちは、
どれもアチコチへ持ち歩けた上、それぞれ固有イベントまであったのに。
GBAに負けてどうするDSよ。



ともあれ、死体発見現場からの匂いを、ミサイルにたどってもらう。
糸鋸「なんか甘いニオイがしないッスか?」
   「たぶん、ケーキか何かのニオイッス」

その匂いをミサイルも感じたのか、トコトコと進んだ先は――了賢の独房だった。

本人不在の隙を突き、独房の中に接写。
チェス盤、お茶セット、ノミの2種……この4ヶ所を調べると、ストーリーは強制進行。

例によってミサイル、見つけたケーキに勢い盛ん。
なお、イトノコ刑事が言うように、犬にチョコレートは絶対厳禁。最悪、命に関わります。



ではもう一度。スタート地点から再挑戦。
今度は折中の独房に着いたので、その中を調べる事に。
その際、タイヤ型の遊具を調べると、こんな会話が。

美雲「ミツルギさんって、子どものころ、どんなことして遊んでたんですか?」
御剣「チェスやゴルフに……フルートをかなでたりしていたが」
美「………………ミツルギさん。ちゃんと、友達いました?」
いたよ、いた。少なくとも小学校なら。

さて。結論から言って、ココではサンドバックを調べるのが正解。
ソコを見た瞬間、本当に唖然となった(私が)。



ココはアルカトラズじゃないんだぞ。



まぁ、この環境だったら、脱獄しない方がオカシイわな。常識的に考えて。

まだ唖然としてる私を置いて、ミサイル&美雲&イトノコ刑事が穴に飛びこんで行く。
暫く後、いつの間にかケーバン交換してる御剣&美雲の通話。
美雲「さっきの穴、留置所の内藤さんの監房につながってたんです!」



…………ミステリ読みとして、再び辛口失礼します。
「秘密の抜け道」というトリックは、反則スレスレなんである。
コレが一度許されたら、密室もアリバイも何もかも、推理不可能になってしまうからだ。
頼むから、このルートこそフェイクであってくれ!と切に願った。1周目当時。



所変わって。
抜け穴の反対――留置所側のベッドの下を確認。
こんな派手な穴、よく誰も気づかなかったもんだ。



かくて今回。殺人事件のみならず、脱獄事件まで混ざった次第。
知らせを受けた美和所長は、しかし、もう諦めてしまっている様子。

美和「これは、当刑務所始まって以来のフショウジだわ……」
いやいや、今まで無かった方が不思議だってば。

美和「もうひとつ抜け穴があるのかもしれないわ」
いやいや、だからそーゆー発言自体やめてってば。



脱獄の件は一旦預けて、御剣たちは捜査に戻る。
揃えた証拠を手に、いざ特別独房へ入ると、水鏡&弓彦コンビと再会。
水鏡「かけることができますか? 検事バッジを……!」





次なる目的は、水鏡秤の主張を崩す事。





さすが裁判官というか何というか。この人もまたダメージモーションの動きは鈍い。
御剣が「優秀とは言いがたいが、信頼にたるオトコ」から得た証拠を突きつけても、この台詞。
水鏡「《検事審査会》の影響力は、警察局にもおよんでおりますわ」



ねえ。今すぐこの組織つぶそうよ。



なお、途中で弓彦が口を挟んでくるが、あっさり瞬殺される。了賢と水鏡(どっちも味方)に。

逆に水鏡から繰り出された証拠――解剖記録に、御剣もまた反撃する。
御剣「証拠が動けば推理も動く」
改めて、凶器を特定し、凶器を持つ人物を特定し、凶器を隠した場所を特定して、いよいよ対峙。





次なる目的は、鳳院坊了賢の主張を崩す事。





自分は無関係と言われても、その論は通用しない。
御剣「チェスにおける打手のパターンは、10の120乗だと聞く」
日本語ではコレ、仏教用語でもない限り表記不可能


対して、了賢の反論。

了賢「クロが、死体をこの独房に運んで来おったのよ……」

了賢(とクロ)が行なったのは、あくまで死体移動だけ。
また、チェスでの縁は、あくまで偶然の結果なのだと。

そんな了賢に、信楽が補足を求めた。
それで判明したのは、この度の凶器には、了賢の私物である鈴が付いていたという事実。
しかも、この度の凶器が、内藤の私物だったらしいという事実まで浮かんできて。



御剣は怯みながらも、周りの仲間に背中を押されながら、状況を洗い直す。
イトノコ刑事が取り出した「映像分析の《ぶんせきくん》」なる機械で、監視カメラの動画を再確認。

ここで見るべきは鏡の向こう側と、飛びかかる物のシルエット……なんだけれど。
タイミングを合わせて止める事に四苦八苦。
だから私はリズム感が無いとどれほど言えば(略)。



やがて、現れてくる真相。この動画そのものの問題点。
糸鋸「カメラの電源を落とすと、タイムコードがズレるみたいッス」



かくて、この監房の記録には、実に3時間もの空白が生まれてしまった!
………………って言うけれど。

第1話でも思ったが。
果たしてプレイヤーは、何を信用すればいいんだろう
何から何まで、フェイクばかりのこの世界で。


そんな所に、やって来ました所長様。
逃げた折中が看守に紛れてると言って、騒然になりかけるが。
熊がアッサリ見つけてくれた。
……と言いますか、一同冷静になればすぐに見つかったんじゃなかろうか。
怪盗が混ざってるわけでもないんだから。





次なる目的は、折中秀治の主張を崩す事。





熊や御剣たちに脱獄を邪魔されて荒れている折中に、殺人事件当時の状況を吐かせていく。
ここまで来たら、いっそ折中が犯人かと問いつめたら、こう切り替えされた。



折中「オレがあそこの独房に入った時には、すでに穴があったんだ。
   オレの独房と、井戸をつなぐ穴が……な」





………………まぁ……その……何だ……アレだ。

今時ノックスの十戒なんぞに、こだわってる私の方が悪いのかもしれませんがね……。





それで結局、とどのつまり。死体はいつドコを通ったのか。
ただ、井戸を落ちたというのなら、それこそ解剖記録に出そうなものだが。
『華麗なる逆転』の時は、落下による打ち身が云々なんてネタもあったはずだが。

何にせよ、中庭を調べさえすれば、ゴールは見えるはず。
ところが、そんな皆の勢いは、無情にも止められてしまった。
刑務所での夕食を知らせるサイレンによって。

美和「みつるぎさんも、そろそろお家にバイバイする時間じゃないかしら?」
そんな、あからさまにアヤシイ台詞と共に。
御剣たちは現場から追いやられた。




戻る  次へ

他の事件を読む


HOME


inserted by FC2 system