留置所にて。
草太に尋問、もとい詰問、もとい質問する一同。
御剣の恫喝に卒倒する草太だが、今は同情している場合じゃない。
草太「だれも……ミクモちゃんたちも、ボクを信じてくれなくなると思って」
と、ごもっともな理由を答える草太。
少なくとも御剣は、その気持ちを分からないとは言えない。
まずは、改めて草太の身の上について事情聴取。
草太「いちおう、《猛獣使い》です。まだ見習いですけど……」
「ボクの相棒は、コイツだけです」
「こらこら! ルーサー。ダメだって。困ったヤツだなあ」
これぞネタバレ………………いいかもう。
ただ、そうなると、このオサルに戦い挑んだって事なのかあの男は。
草太「ボクには直属の上司がいて……《興行部猛獣使い課》の課長ですね。
あの人にかかると、どんな猛獣もすぐに言うことを聞いちゃうんです」
続いて、事件直前の時系列の整理。
草太「荷物を運びこんでいた時、ちょっと様子を見に行ったんです。内藤のところに……」
「こっそり行きました。正式な面会ではないです……」
「ボクにとっても、内藤にとっても、たった一人の幼なじみなんです……」
「お、幼い頃に、唯一の家族である父を失って……」
そう嘆く草太を励ます御剣に、信楽は御剣信の姿を重ねる。
御剣(私が……父に?)
信楽「”孤独な人の味方になるのが、弁護士の役目”ってね」
かくて一行は、中庭へ自動的に移動。
その奥で、象にしばかれてる美雲を発見し、そして……。
以降しばらく、辛口失礼。
山野の時にも思った事だが。
過去作での強烈なエピソードを、こうやって明かされるのは、私としては非常に苦しい。
これから初めて『逆転裁判』に触れていく人たちの、楽しみを奪ってしまうと思うから。
もっと言わせてもらうと、ミリカにはもっと成長していてほしかった。
実際に象が人を殴ってるってのに、キチンと謝らないってのは問題だろう。
もっともっと言わせてもらうと、
あの青い弁護士の反応は、絶妙なバランスを保っていたのだと、改めて痛感してしまう。
どんな相手にも、惹かれてるようにも引いてるようにも見える、
あの立ち居振る舞いは、実に感情移入しやすかった。
閑話休題。ここからは自由行動。
まずは目の前のミリカから話を聞く。
ミリカ「弁護士さん、ソウタくんのこと、必ず助けてあげてね」
前よりは殊勝な事を言えるようになったようで、少し安心。
なお、この時、「黒い犬」を突きつけると興味深い会話が。
ミリカ「ご主人さま以外の人には心を開かないって目をしてる。
きっと、すごくおりこうさんなんだろうね」
「あ、ミツルギさんもこの子とよく似た目をしてるね!」
って、いったい誰なんだ御剣の主人て。
また、信楽からも同じ形で会話イベントが発生。
信楽「ホントに変わったみたいだね、レイジくん」
御剣(変えられた、というのが本当のところかもしれないな。……あの、弁護士に)
紹介してやってほしいなあ。冥よりも前に。
隅っこにいる山野も忘れちゃいけない。
山野「あのヤロー、今度見かけたらゼッタイに足腰立たなくしてやる!」
と、某弁護士に怒りを燃やしている山野が教えてくれたのは、了賢の正体。
山野「ここだけのハナシですが……あの方は《調達屋》なのです」
「あの方に頼めば、なんでも好きなものが手に入るのです」
そんな事が出来てる時点で、この刑務所って既に刑務所じゃないと思う。
思わせぶりな井戸や、頑丈な鉄条網なども調べていると、美和所長が登場。
一通り話を聞くと、どうにも気になる言い回しが多々。
美和「山野ちゃんを見てちょうだい! 囚人のカガミだわ」
「山野ちゃんが一番ね!」
「山野ちゃんは……目のつけ所が違うっていうのかしら」
明らかに所長と囚人の関係じゃない。
そんな美和所長から聞き出せたのは、
タチミサーカスが月1で公演に訪れている事と、そして新事実。
美和「あのショーを見たがらない人が三人もいたんですのよ」
って、ソレ内藤じゃないか?と早合点したのは私です。
留置所と刑務所と、こっちもゴチャゴチャになってきたもんで……。
話を終えた美和所長は、池から出てきたアリゲーターの相手を始める。
よって御剣たちは自動的に、刑務所側に移動。イトノコ刑事と再会する。
糸鋸「今回は秘密兵器を持ってきたッスよ!」
「今まで数々の難事件を解いてきた……糸鋸圭介の《七つ道具》をご覧に入れるッス!」
と仰々しく紹介された面々は、金属探知機、ミサイル(犬)、ツリザオ。以上3点。
が、実を言えば、この道具たちを選ぶ下りは全部脱線。
はじめからミサイルの一本道でも事足りる。
『逆転、そしてサヨナラ』の道具たちは、
どれもアチコチへ持ち歩けた上、それぞれ固有イベントまであったのに。
GBAに負けてどうするDSよ。
ともあれ、死体発見現場からの匂いを、ミサイルにたどってもらう。
糸鋸「なんか甘いニオイがしないッスか?」
「たぶん、ケーキか何かのニオイッス」
その匂いをミサイルも感じたのか、トコトコと進んだ先は――了賢の独房だった。
本人不在の隙を突き、独房の中に接写。
チェス盤、お茶セット、ノミの2種……この4ヶ所を調べると、ストーリーは強制進行。
例によってミサイル、見つけたケーキに勢い盛ん。
なお、イトノコ刑事が言うように、犬にチョコレートは絶対厳禁。最悪、命に関わります。
ではもう一度。スタート地点から再挑戦。
今度は折中の独房に着いたので、その中を調べる事に。
その際、タイヤ型の遊具を調べると、こんな会話が。
美雲「ミツルギさんって、子どものころ、どんなことして遊んでたんですか?」
御剣「チェスやゴルフに……フルートをかなでたりしていたが」
美「………………ミツルギさん。ちゃんと、友達いました?」
いたよ、いた。少なくとも小学校なら。
さて。結論から言って、ココではサンドバックを調べるのが正解。
ソコを見た瞬間、本当に唖然となった(私が)。
ココはアルカトラズじゃないんだぞ。
まぁ、この環境だったら、脱獄しない方がオカシイわな。常識的に考えて。
まだ唖然としてる私を置いて、ミサイル&美雲&イトノコ刑事が穴に飛びこんで行く。
暫く後、いつの間にかケーバン交換してる御剣&美雲の通話。
美雲「さっきの穴、留置所の内藤さんの監房につながってたんです!」
…………ミステリ読みとして、再び辛口失礼します。
「秘密の抜け道」というトリックは、反則スレスレなんである。
コレが一度許されたら、密室もアリバイも何もかも、推理不可能になってしまうからだ。
頼むから、このルートこそフェイクであってくれ!と切に願った。1周目当時。
所変わって。
抜け穴の反対――留置所側のベッドの下を確認。
こんな派手な穴、よく誰も気づかなかったもんだ。
かくて今回。殺人事件のみならず、脱獄事件まで混ざった次第。
知らせを受けた美和所長は、しかし、もう諦めてしまっている様子。
美和「これは、当刑務所始まって以来のフショウジだわ……」
いやいや、今まで無かった方が不思議だってば。
美和「もうひとつ抜け穴があるのかもしれないわ」
いやいや、だからそーゆー発言自体やめてってば。
脱獄の件は一旦預けて、御剣たちは捜査に戻る。
揃えた証拠を手に、いざ特別独房へ入ると、水鏡&弓彦コンビと再会。
水鏡「かけることができますか? 検事バッジを……!」
次なる目的は、水鏡秤の主張を崩す事。
さすが裁判官というか何というか。この人もまたダメージモーションの動きは鈍い。
御剣が「優秀とは言いがたいが、信頼にたるオトコ」から得た証拠を突きつけても、この台詞。
水鏡「《検事審査会》の影響力は、警察局にもおよんでおりますわ」
ねえ。今すぐこの組織つぶそうよ。
なお、途中で弓彦が口を挟んでくるが、あっさり瞬殺される。了賢と水鏡(どっちも味方)に。
逆に水鏡から繰り出された証拠――解剖記録に、御剣もまた反撃する。
御剣「証拠が動けば推理も動く」
改めて、凶器を特定し、凶器を持つ人物を特定し、凶器を隠した場所を特定して、いよいよ対峙。
次なる目的は、鳳院坊了賢の主張を崩す事。
自分は無関係と言われても、その論は通用しない。
御剣「チェスにおける打手のパターンは、10の120乗だと聞く」
日本語ではコレ、仏教用語でもない限り表記不可能。
対して、了賢の反論。
了賢「クロが、死体をこの独房に運んで来おったのよ……」
了賢(とクロ)が行なったのは、あくまで死体移動だけ。
また、チェスでの縁は、あくまで偶然の結果なのだと。
そんな了賢に、信楽が補足を求めた。
それで判明したのは、この度の凶器には、了賢の私物である鈴が付いていたという事実。
しかも、この度の凶器が、内藤の私物だったらしいという事実まで浮かんできて。
御剣は怯みながらも、周りの仲間に背中を押されながら、状況を洗い直す。
イトノコ刑事が取り出した「映像分析の《ぶんせきくん》」なる機械で、監視カメラの動画を再確認。
ここで見るべきは鏡の向こう側と、飛びかかる物のシルエット……なんだけれど。
タイミングを合わせて止める事に四苦八苦。
だから私はリズム感が無いとどれほど言えば(略)。
やがて、現れてくる真相。この動画そのものの問題点。
糸鋸「カメラの電源を落とすと、タイムコードがズレるみたいッス」
かくて、この監房の記録には、実に3時間もの空白が生まれてしまった!
………………って言うけれど。
第1話でも思ったが。
果たしてプレイヤーは、何を信用すればいいんだろう。
何から何まで、フェイクばかりのこの世界で。
そんな所に、やって来ました所長様。
逃げた折中が看守に紛れてると言って、騒然になりかけるが。
熊がアッサリ見つけてくれた。
……と言いますか、一同冷静になればすぐに見つかったんじゃなかろうか。
怪盗が混ざってるわけでもないんだから。
次なる目的は、折中秀治の主張を崩す事。
熊や御剣たちに脱獄を邪魔されて荒れている折中に、殺人事件当時の状況を吐かせていく。
ここまで来たら、いっそ折中が犯人かと問いつめたら、こう切り替えされた。
折中「オレがあそこの独房に入った時には、すでに穴があったんだ。
オレの独房と、井戸をつなぐ穴が……な」
………………まぁ……その……何だ……アレだ。
今時ノックスの十戒なんぞに、こだわってる私の方が悪いのかもしれませんがね……。
それで結局、とどのつまり。死体はいつドコを通ったのか。
ただ、井戸を落ちたというのなら、それこそ解剖記録に出そうなものだが。
『華麗なる逆転』の時は、落下による打ち身が云々なんてネタもあったはずだが。
何にせよ、中庭を調べさえすれば、ゴールは見えるはず。
ところが、そんな皆の勢いは、無情にも止められてしまった。
刑務所での夕食を知らせるサイレンによって。
美和「みつるぎさんも、そろそろお家にバイバイする時間じゃないかしら?」
そんな、あからさまにアヤシイ台詞と共に。
御剣たちは現場から追いやられた。