主を失うと決まった部屋に駆けこむ御剣。
が、今もって、美雲は行方不明のまま。
一体どこまで迷惑かければ気が済むんだあの子は。
ただ……御剣に限っては、彼女を責める資格はない。
彼自身、経験者だからだ。
誰にも相談せず、自分だけで悩みを抱えて、何もかも放りだして逃げだした事があるのだから。
けど、だからこそ、こうして差しのべた手をつかんでほしいのに。
お前の方からも手を伸ばしてくれなきゃ、届かないっていうのに……!
そこに上がりこんで来たのが信楽。
審議室での弁護士殺人事件をニュースを知ったという彼に、御剣は事の次第を報告する。
信楽「キミとミクモくんの間には、キズナがめばえ始めてるんだろうね」
……それにしては、ずいぶん一方的な関係のような気がしますが。
現に美雲、御剣に心を開いてないから逃げてるんだし。
ともあれ、差し当たっての手がかりを求めて。
御剣と信楽は、改めて「ビッグタワー」の屋上へ向かう。
とゆーわけで。ここからは自由行動。
それにしても。仮にも事件現場が含まれてるビルに、こうもアッサリ入れるのは純粋に謎である。
屋台の店先では、瞳子&伊丹と会って会話。
でも結局、何でこんなトコに居たんだろう。彼らは。
まあ今はそんな事よりも手がかり手がかり……と、ぐるぐる歩いて調べていたら。
美雲が桜の木から降ってきた。
その後。美雲・御剣・信楽と、それぞれコメントが続くのだが。
ごめんなさい。この辺りの意味、私ごときの頭では、未だに理解できてなくて。
美雲「……ミツルギさんのバッジを、取り返せないかと思ったのです」
「あの方を……殺したって。あたしが思い出せば……」
って、だからそもそも、こっちとしては、お前が殺してない事を証明するって言ってるんだが。
第一、こっちを助けたいって思ってるなら、何でわざわざ逃げたのよ。
御剣「キミの行動や思考は、こちらの予想をいつも超えていく」
って、何だかビミョーにホメてない気がするこの言葉。
暗に非常識な人間だって言ってるようにも思えてしまう。
信楽「カァァァァツ! 0点だ、レイジくん。今のはむしろ、マイナスだよ!」
って、ソレまさか、何も一切説教せずに慰めてやれって意味じゃなかろうな。
まさか対等な仲間相手に、そんな事しないよな。
こちらが混乱した頭のまま、物語は進んでいく。
据えてあるTVで始まった、ニュース速報。
これならすぐに逃げないと……と思いきや、再び自由行動できるというのが、
またも不可思議である。
ここでやるべき事は、美雲への質問と、ニュースの確認。
なお、この時、美雲に、被害者が持っていたという手紙を見せると、
「この手紙は手書きではない」事が明らかになる。
それで浮かび上がったのは、異様な答えだった。
美雲が思い出した記憶自体、全てを信用する事は出来ない事。
そして、このビルが「50階建て」という事さえフェイクかもしれないという事。
そんな彼らが次に行くべき場所は、実はすぐ目の前、足下にあった。
目立たなく作られていたハッチを開け、その中に下りようとした時、見知った相手がやって来た。
御剣「あかねさん! なぜ、こんなところに?」
茜「たまたま現場近くに来てたから、様子を見に来たんですよ!」
いっそ誰かさんも、たまたま現場近くに居てくれないかなぁ。
と言いますか、よくも彼女、こう何度も国境を往復する余裕があるもんだ。時間も費用も。
忙しい御剣たちに、何がどうしてどうなってると問いつめてくる茜を連れて。
とにかく一同は、階下へ向かった。