今回の目的は、アクロの動機を立証する事。
開廷直前。
会話している成歩堂・真宵・マックスの所に、イトノコ刑事が現れる。証拠品を持って。
その理由を尋ねてみるが、イトノコ刑事は答えてくれない。
糸鋸「ベツにワレワレは、アンタに味方するワケじゃないッス。
ここまでの法廷の流れは、ワレワレの予想通りッス」
「ワレワレは、きのうのうちに、最後の手を打っておいたッス」
今にして思うと、この「ワレワレ」という表現の意味は、深い。
「ワレワレ警察」ではない、「ワレワレ警察と狩魔検事」でもない。
本当の意味は、多分きっと……。
後それから。
糸鋸「被告に、サーカスの芸人たちから、大量の差し入れが来てるッス」
「牛乳ッス。……受付が、給食センターみたいになってるッスから、早く飲むッスよ」
いざという時にこそ、人々の絆の強さは分かる物。
審理再開。
立見団長と自分との関係を証言するアクロ。
では、さっそく尋問……だが。
攻略本によると、どうやらこの部分の証言は、本当は尋問する必要がないらしい。
そのじつ、
成歩堂「……団長と、何かトラブルはなかったんですか?」
こう尋ねても、冥に即刻否定されるし(ムチで)。
でも……。
実際のところ有ったでしょう、トラブル。ミリカを通して。
法廷パートと言えど、サイコ・ロックの一つや二つや三つや四つ、
発動しても良さそうなものだが。この時のアクロの証言。
裁判長「あなたに証明できるのですか? アクロ氏が立見団長を殺害した……その動機を!」
こう問われて、『逆転のトノサマン』の時と同じ悩みに突き当たる。
衝動殺人だろうが、快楽殺人だろうが、思い違いの人違いだろうが(←ネタバレ)、
動機といえば動機だと思うのだが。どうだろう。
裁判長「この私に提示してください! アクロ氏が、その少女に殺意を抱いていたという証拠を!」
この問いへの答えも、悩みに悩む。
1周目当時は、開廷前にイトノコ刑事から渡された証拠品を出してしまって玉砕。
あくまでも、今の殺人を立証せねばならないのに。何やってるのか(←私が)。
成歩堂「半年前の”事件”。メモに書かれた”決定的な証拠”とは……」
これまた、前述したイトノコ刑事からの証拠品を出してしまって玉砕。
素直に「箱の中に入っていた物」で考えるべきだった。
その後、やっと「半年前の事故」の話に。
何度も玉砕した悔しさを、この部分を速やかにクリアする事で晴らす。
けれども。ここまで言ってるってのに真犯人の奴……。
何で表情が変わってくれないんだ……………………。
事件解決まで、あと最後の一歩。凶器の行方。
冥曰く、イトノコ刑事による家宅捜査の結果、アクロの部屋には無かったとの事。
そうなると、ドコにも無いという事にしか結論できない。
もはや、弁護側に打つ手なし。そう思った時。
「待った!」
と、叫んだのは――――またも真宵。
真宵「マックスの胸像がどこにあるか……べ、弁護側は立証するじゅんびがあらりまる」
(注:言いながら、舌噛んでます)
こんな事を言われてしまったら、もう物語は強制進行。
冥「凶器は……マックスの胸像は、今、どこにあるのッ!」
とにかくこの事件は、群を抜いて攻略本のお世話になりましたが。
この問いに対する答えも、いくら考えても……。
……サッパリ分かりませんでした。
だから、成歩堂がこう言った時も、暫く意味がつかめなかった。
成歩堂「すみませんが、その車イスのヒザかけを取ってください」
だってこの作品、登場人物は上半身しか描かれないから。分かるわけがない。(←開き直った)
と言いますか、証人のボディチェックはキチンとしておこうよ。冥ちゃん。
(追記。この場面では是非とも、ペナルティゲージを満タンにしておく事)
けれども。ここまで言っても、ここまで言っても、それでも真犯人の奴……。
…………表情は変わらないんだねぇ…………。
冥「なぜ私は、家宅捜査なんかした? あんなことさえしなければ……」
この台詞から考えるに、イトノコ刑事が強く申し出た結果だったのだろうか。家宅捜査は。
自分の抱えていた殺意、そしてこの度の事件について語るアクロ。
アクロ「マックス……すまない……!」
泣きながら言ったこの言葉には、親近感をおぼえる。
だが、彼の殺意のベクトル、その方向だけは、私はやはり納得できないのだが。
(あくまでも個人的な私見です)
閉廷後。
ミリカ「うわああああああああああああん! ……ミリカのせいなんだあ!」
「バットも、アクロも、もう帰ってこないんだあ!
このまま……みんな、ばらばらになったちゃうんだあ!」
荒療治のショック療法で、事の深刻さをやっと思い知り、泣きじゃくるミリカ。
というよりも、誰かもっと早く教えてやれとは最初から思ってましたが。
実際ミリカは、成歩堂から、アクロのバットへの思いを知らされると、
ミリカ「わかった!」
「……ミリカがかわりに、ずっとバットのそばにいる!
バットが目をさまして……アクロに会える日まで!」
「ごめんね……バット……アクロ……」
と、(一応)殊勝な事を言ってくれている。
彼女に必要だったのは、何よりも、年相応の知識だったのだ。
恐らく彼女は、サーカスの練習に明け暮れて、学校にも行ってなかった可能性が高い。
(学校の友人と親しくなってたら、ああまで夢の世界に入りこんでないだろう)
突きつめて考えれば、この事件で、一番悪い人間は。
半年前にあんな惨劇が起こったにも関わらず、
惨劇の張本人である自分の娘に歪んだ教育(=知識)を与え続けた、
被害者本人ではなかろうか。
そう考えると、人違いで殺された、という表現には語弊がある。
この殺人は、もしかしたら、寧ろ必然だったのかもしれない……とも思う。個人的には。
かくて、タチミ・サーカスは、新たな形に生まれ変わる。
トミーを団長として。マックスもミリカも成長して。
立見団長が居なくなっても、きっと彼らは、やって行けるはずだ――。
そして。
長く、長く待たされた、この場面。
私にとって、この『逆転サーカス』は、
この場面を見るために存在すると言っても過言ではない。
「……そうか……。決め手は、やはり……?」
「ご指示のとおりだったッス。きのうの家宅捜査が効いたッス!
……あの。見抜いていたッスか? きのうの時点で……真相を」
「まさか……。ただ、もし彼が犯人ならば、結末はこれしかないと思った。
……弁護士が、あの男なら、な」
「成歩堂龍一……ッスか」
「……さて。そろそろ飛行機が出る時間だ。
アクロ氏のことなら、悪いようにはしない。
……私がそっちへ行って、検事局長とかけあうつもりだ」
「ハッ! お待ちしているッス! ……御剣検事どのッ!」
このイトノコ刑事の台詞の時、”彼”の顔が一瞬だけ映るのを最後に、この事件は終了。
この次から、いよいよ真のメインイベントの開始である。