『華麗なる逆転』実況レポート (探偵パート2回目・後編)

この章から、物語の論理展開は、より一段とややこしくなる。
実を言うと私自身、まだ正確にはつかめていないくらい。

そのため、やや分かりにくい文章になっている事を、ここで謝っておく。
また、こうして書いているト書きの段階で、虚偽が含まれてしまう事も断っておく。



「奥の院」側の、修験堂の中に居た、あやめ。
さっそく彼女に、「からくり錠」の解除を求める御剣だが。

あやめ「あ……あの……検事さま。……申しわけありません。
     私には……不可能、です」
その理由は、錠が増えてしまっているからだとの事。


あやめを一度見失った上、錠の解除も出来ない事に、ヘコむ御剣。
成歩堂「……御剣、大丈夫か? カオがまっ青だぞ」
御剣「ミドリ色のキミに言われたくないな」

冥「……御剣怜侍。少し、風に当たってきなさい。
  被告人は、私が見ておくわ。アタマを冷やすの」

御剣「バカな! 私は………うむッ!」

わわわ。
冥のムチを避けられないほど、ヘコんでるとは。
この落ち込みぶりは相当の物。


結局は、冥の説得に折れる形で、
御剣「私は、中庭で捜査の指揮をとる。……ここは、キミにまかせよう」
そう言って、その場から立ち去る御剣。


成歩堂「アイツ、プライドが高いからな。中庭のスミで泣いてるぞ、きっと」
冥「プライドなんて、生きてゆくにはジャマなだけのシロモノよ。
  でも……いいシゴトをするためには、なくてはならない」

と、冥は、第2作ラストを思い出させる言葉を吐いてから、一つの提案。
自分は修験堂に残って、「やっかいなパズル遊び」(=錠開け)の方に付き合うとの事。

あやめ「この《からくり錠》は、倉院につたわる秘宝の1つで……
     錠を閉ざす方法が、数百通り存在します。
     だから……解除できるのは、その錠をかけた人間だけなのです」
今にして思うと……、何とまあ、しゃあしゃあと殊勝な事を言っている事やら。


どうして錠を開けられないのかと問う冥に、弁明する成歩堂。
成歩堂「……あやめさんがここに到着する前に……。……だれかが、錠を増やしたんです。
     たぶん……真宵ちゃんを閉じこめておくために!」

って。
ちょっと待て待て待て。
あやめは、事件当夜は「奥の院」側(=修験堂)には行っていない、と証言していた。
御剣が勾玉を使ってまで確かめた、ソレは紛れもない事実。
本来なら彼女は、錠が増えてる云々以前に、ハナから開けられないはずなのだ。

つまり、錠が増えたから開けられない、と主張した時点で、
この人物は怪しいと見なす事も出来るのだ。

…………などと勢いよく語ってみたが、
もしも、今述べた理屈が大間違いだったらどうしよう、私。


ともあれ、今の時点で錠を開ける手段は、唯一つ。
あやめ「…………………………カギを開ける方法は、数百通りですから……
     ひとつずつ試せば、解除することは可能……です」」
短くても、まる1日かかってしまう、辛い単純作業。


さて。ここで問題。
結局、事件当夜、あやめは一体全体ドコに居たのか。
つい先程の成歩堂の論を通すなら、彼女は「奥の院」側に来ていた、で決定だが……。

そう問いただされたものの、成歩堂の真意をつかめないらしい、あやめ。
……ま、そりゃそうだな。
よく今まで会話の調子を合わせていたものだ。

冥「まるで、被告人が2人いるみたい」
という冥のつぶやきが、事の真実を語っている。

てなわけで、改めてあやめに問いただしてみると。
予想通り、サイコ・ロックが発動する。


なお、この場面のあやめには、どんな証拠品を見せても、冥に止められてしまう。(ムチで)
が、その際に出る台詞が、実は大いなる伏線の一つ。
あやめ「申しわけありません。……成歩堂さま……」
…………成歩堂への人称が変わっちまってるぞ。あやめ。



錠の解除は二人に任せ、「奥の院」側の中庭へ移動。
すると御剣は、まだまだヘコみまくりの真っ最中。
つまり即ち、機嫌最悪
御剣「こんな私を見て、笑いに来たのか!……笑いたければ、笑うがいい。
   どうした! さあ、笑えよ!」




ココは2年前の留置所か。



気を取り直して。
御剣が警察で調べてきた事について訊いてみるが……。
御剣「私は、彼女のカオを見たことがあった。6年ほど前に」
   「私の知っている《彼女》は、宝石商の父を持つ娘だ。
   葉桜院で育ったあやめさんとの接点は、ない」

という事で、彼の持っている「美柳ちなみ」の情報は、ここではまだ手に入らない。


実を言えば、この場面で大事なのは寧ろ、こちらの話題だったりする。
成歩堂「やっぱり……まだ、ダメなのか。地震……」
御剣「ああ……。さすがに、悪夢は見なくなったが……。
   今でも、足元が揺れると、息ができなくなる」
   「あの日、あの地震によって……何もかも、失ってしまった。
   夢も、家族も……そして、自分自身も」

と、第1作のネタバレが、ここで少しなされる。


後ついでに、いろいろ証拠品を見せてみるのも一興。
例えば、ゴドーについて。
弁護士からの転身が考えられるという意見が聞ける。
実際、検事をやめて弁護士になる例なら多く有るが…………。逆もあるのか?

また、彼にしては珍しく、自分自身についてもコメント。
御剣「5ヶ国の法廷の検事席に、助手として立ってきた。
   まず語学から学ばねばならない。なかなか大変だ」




吊り橋を渡ってから、まだ見ていない場所である「極楽庵」へ。
すると春美と出会う。ついでに矢張にも。

矢張「ここは、負け犬たちがつどう、負け犬たちの山小屋だぜ!」
   「どうせ、オレの言うことなんて、ダレも信じちゃくれねえんだ!」

と、ふてくされている矢張は横に置いといて。
事件当夜の流れを、春美に尋ねる成歩堂。
すると、またまたサイコ・ロックが発動。それもまたまた最大値5つ
……流石に多いな今回は。

解除のヒントになるのは、この台詞。
春美「わたくしの霊力が……消えてしまったのです」
彼女が、誰かを降ろそうとしていた事は確かな模様。

なお、この時、極楽案のそばを流れる吾童川を調べると……何とも言いがたいコメントが。
成歩堂「事件当夜、ぼくも流されてみた」
     「……………………よく助かったな、ぼく」

どこまで行っても、何事も他人事の態度なんだよな。この男。



地震以降の出来事――増えた錠の事を、毘忌尼に報告するため、
「葉桜院」側の本堂へ戻る。

毘忌尼「からくり錠を使えるのは、倉院の人間だけなのに……」
という事は、錠を仕掛けたのは、真宵か、春美か、あやめか、毘忌尼か。
それとも、それ以外か。


エリスこと舞子が、「葉桜院」に現れた経緯を改めて話す毘忌尼。

ここから第1作・第2作の壮大なネタバレオンパレードが展開するため、
未プレイの方は、即刻「回れ右」をして頂きたい。
(↑流石にそんな人は居ないだろうが)

毘忌尼「1週間前……エリスさま、いえ。……舞子さまが、いらっしゃった」
     「《倉院流・本家の血が絶やされようとしている。
     私は、それを阻むためにここへ来た》……って」
     「倉院流の歴史では、何度もくりかえされてきたわ。
     《分家》が《本家》を根絶やしにしようとする、暗殺計画が……」
     「倉院流は、この世界に対して、大きな影響力を持ってきたわ」
     「その時代の権力者たちの影に、かならず倉院流が存在した」

それが17年前、「DL6号事件」の時に、信用を失って没落し、舞子は姿を消した。
しかし、長い時を経て、事は変わった。

毘忌尼「あなたのおかげで、事件の真相がわかってから……
     倉院は、やっと……ふたたび、チカラを取り戻そうとしているの」


そうやって話をするうちに浮かび上がってくる、舞子の姉にして、分家の長・キミ子の存在。
毘忌尼「キミ子さまは、今……刑務所にいらっしゃるのよね?」

そして。(勘違いした)毘忌尼の口から、ぽろりと。
とんでもない台詞が飛び出した。
毘忌尼「あやめは……あの子は……キミ子さまの娘なんだよ」

キミ子の娘と言ったら、ソレは成歩堂にとっては春美の事。
成歩堂「あの子が……キミ子さんのヒトリ娘。……ずっと、そう思っていました」
逆に毘忌尼は、春美の素性を知らなかった様子。


そこから更に明かされる、驚愕の事実。
毘忌尼「ということは、キミ子さまには……娘さんが3人、いたんだねえ……」
     「……あやめには、双子の姉がいるんだよ」
少しずつ、謎の外堀が埋まっていく。
やはり”彼女”は、「他人の空似」などではなかったのだ。

毘忌尼「今から、20年前……家元の座を妹に奪われたとき、キミ子さまの家庭は、崩壊したわ」
     「妻が家元になれないと知ったキミ子さまの夫は……
     おさない双子の娘たちを連れて、倉院の里を去ったの」
     「だんなさまは、宝石商だった。やがて、再婚した際に……
     双子のうちのひとりを、この葉桜院にあずけたの。
     ……それが、あやめよ」
成歩堂「あやめさんの……双子のお姉さんの、名前は……?」
毘「……おぼえてないわ。父親が宝石商、としか……」


そして、露呈してしまった悲しき事実。
成歩堂「……春美ちゃんに……2人も、お姉さんがいたなんて」
春美は、その二人の子を奪われたキミ子の妄執によって産まれた――という事。
毘忌尼「今度の事件も……独房にいるキミ子さまの執念が引き起こしたのかもしれないね……」


ともあれ、キーパーソンは、そのあやめの「双子の姉」。
導かれる答えは、一つしかない。目指すべきは、「奥の院」側の中庭だ。



と、その前に。
「葉桜院」側の境内へ寄ってみる。

すると、上機嫌のイトノコ刑事が歌ってるところを発見。
しかもこの歌、BGMに合わせて歌えます

話を聞くと、今回の殺人事件の凶器を探しているものの、違った物しか見つからないとの事で。
糸鋸「ワケのわからない怪文書を拾ったッスけど……事件にはカンケイなさそうッスしねえ……」



んな事ない。絶対ない。



さっそく見せてもらうと、ソレは焼け焦げた紙。
糸鋸「奥の院の前にある、焼却炉の中にあったッス」
中の文面を読んでみると、書かれている単語は「霊媒」「家元」etc。
「華麗」も、「引導」も、ちゃんと有る。「消灯の鐘」の文字も。


ところで。そもそもイトノコ刑事は、何をもって凶器探しをしているのか。
糸鋸「もう1本、別のカタナがあるはずッス」
   「そこで、これッス! ……金属探知機」




まあ懐かしい。



てなわけで。イトノコ刑事の持つ金属探知機を使っての、凶器探しゲームがスタート。

糸鋸「お。ハシゴッス」
成歩堂「キャタツですよ、それ」
糸「どうちがうッス? 似たようなものッスよ」
と、キャタツとハシゴ論争の変則パターンが出てきたり。

雪の中から、イトノコ刑事の財布やら、警察手帳やらをGetしたり、とネタは満載。


もっとも、今回の答えは見当がついていたので、短い時間でクリア。
反応したソレを、二人でよくよく確かめてみると……。


……かち……


成歩堂「……うわあああああああッ!」
     「……被害者のツエの中に、カタナが……」

糸鋸「《仕込みヅエ》というヤツッスね」
成(……妙だな……。
  本当の殺人現場が、奥の院の中庭なら……
  なぜ、凶器のカタナが葉桜院の境内にあるんだ……?)


成「見たところ……血痕は残っていないようですね」

出来る事なら、この場でルミノール反応を見てみたい。(1周目当時から、こう思ってました)


杖を鑑識に持って行こうとするイトノコ刑事を、引き止める成歩堂。
成歩堂「その仕込みヅエを調べるの……ちょっとだけ、待ってもらえませんか!」
     「せめて……真宵ちゃんが見つかるまで……」
     「真宵ちゃんは……今、修験洞に閉じこめられています。
     でも……本当にブジなのか……」

糸鋸「このツエのシカケのことは、だれにもナイショッスよ」
   「このツエは、あくまで……”ただのツエ”ということで」
   「このツエ、アンタにあずけておくッス」

危険行為と知りながら、何とか口を噤んでくれた。

残された疑問は、エリスこと舞子が仕込み杖を持ち歩いていた理由である。
単なる護身用なのか、それとも……。



さて。今度こそ、本命の目的地・「奥の院」側の中庭へ。
毘忌尼から訊いた話――あやめの双子の姉の事――を持ちかける成歩堂。

成歩堂「お姉さんの方は、宝石商の父親に育てられたらしい」
御剣「………………………………成歩堂。
   私は……私は、その”双子の姉”を知っているかもしれない」




その名前は、もちろん――――美柳ちなみ。



御剣「今から、6年ほど前……初めて扱った事件だった。
   私がミジュクだったせいで……被告人を、死なせてしまったのだ」

   「美柳勇希と美柳ちなみには、血のつながりはない。
   勇希は、父親が再婚した相手のひとり娘だったようだ」


つながっていく。
成歩堂と御剣、二人それぞれの関わった事件が。

そのちなみが、今回の件とは無関係だと、御剣が語る根拠。
御剣「………………………今回、初めて知ったよ。
    ……成歩堂。キミの、学生時代の”事件”を」

   「……あの判決から6年たった、今年。
   ついに、執行されたのだ。彼女の死刑が……な。つい、先月のことだ」

   「彼女が、事件に関わるなど、あり得ない。
   死者は、よみがえることなどないのだから」

確かに。普通の世界なら、そうだろう。
でも残念ながら、この世界はフツーじゃないのだ。

と、ここで再び触れられる、「DL6号事件」の経緯。
第1作の壮大なネタバレが、ここでもなされる。

とにかく確実なのは、御剣にオカルトの話題はタブーという事。
もっとも、勾玉を使いこなせてる時点で、御剣も立派に霊能力者の端くれになってますが。



「奥の院」側の修験堂の中に入る。。
今までの情報を踏まえて、あやめのロックを解除。
成歩堂「あやめさん。やっぱりあなたにウソは似合いませんね」

「葉桜院」側の本堂で、成歩堂に頭巾を渡し、「消灯の鐘」を打ったあやめ。
「奥の院」側の修験堂で、毘忌尼と会話しているあやめ。

コレらは、どちらかがフェイク、なのではない。どちらも真実なのだ。

成歩堂「あなたは、”2人いた”」
     「……だれかが、あの晩……美柳ちなみを霊媒したのです!」
事件当夜、「奥の院」側に居たのは、あやめでなく、ちなみの方だった。
ならば、その彼女を霊媒したのは、果たして誰か?


が、その前に押さえるべき事。
何故あやめは、ちなみを庇うような言動を取ったのか?
あやめ「お姉さまのなさることは、いつでも、正しいからですわ」
     「私に、お姉さまをジャマすることはできませんの。
     だって、私は……うらぎりもの、なのですから」

彼女の言う「裏切り」とは、かつての狂言誘拐の件。

あやめ「すべては……この私が、ウラぎったせい、なのです」
     「身代金の受け渡し場所に、吾童山が選ばれたのは、偶然ではなかった。
     最初の計画では、私が……お手伝いするはずでしたの」
     「でも……私、コワかった。だから、逃げてしまったのです」
     「私、一度は協力するとヤクソクしたのです」

つまり、あやめとちなみは、離れ離れになってからも、連絡を取り合っていた次第。

あやめ「あの、誘拐は……私たちの父への復讐だったのです」
     「おかあさまを捨てて、地獄へ追いやった、あの男への……」
少しずつ、彼女の言葉遣いが荒くなっていく。

きっかけは、やはり17年前、「DL6号事件」の時。
あやめ「あの事件のあと……父は私たちを連れて、おかあさまと里を捨てたのです」
     「……父の再婚相手には、すでに勇希という娘がいました。
     新しい家族の中に、私の席はもう、なかったのです」
     「それ以来……おかあさまには会っておりません」

かくて。
物語全体の縦糸が、ここで明らかになる。綾里家の一族の因縁が。
家元の座にこだわり続けた、キミ子の恐ろしさが。

と、いうよりも……。
この一家の元凶はキミ子でなく、むしろ父親じゃないかと思うのは、私だけだろうか。


会話の最後に。成歩堂は、過去の出来事を改めて問いただす。
成歩堂「お姉さん……美柳ちなみが弁護士に毒を盛った事件で……
     彼女は、証拠品をかくすために、ある男子学生と交際を始めました。
     その学生について……何か、聞いていませんか?」


そう問われた彼女が、答えた言葉が、コレ。

あやめ「”うっとうしいヤツ”……」

……まあ確かに、この言葉に嘘は無い。半分は真実だ。
有罪判決を受けて死刑となったちなみは、成歩堂の事を、そう思っていただろう。

でも、残りの半分は、真実ではなかった。本当の真実は、一つじゃなかった。
というか、この前述の台詞自体、あやめのボキャブラリーじゃないよね……。



最後に残るは、春美のロック。
ソレを解くため、「奥の院」側の極楽庵へ。

ロックを解いた結果、ついに解き明かされる、事件当夜の流れ。
キーワードは無論、「霊媒」。


あの夜。春美は、修行に向かった真宵を心配して、「奥の院」側へ行っていた。
春美「葉桜院を出たのは……9時半ぐらいだったと思います」
   「雪のせいで、奥の院につく前に、10時になってしまいました」


問題になるのは、その後の出来事。
その答えを握るのは、焼却炉で見つかった怪文書――指示書である。

あの夜の春美は、ちなみを霊媒しようとしていた。
大好きな”おかあさま”に言われた事に従って。
ちなみが、何者なのかも――自分の実の姉である事さえも、何も知らずに。
『華麗に引導をたたきつけてやりなさい』の本当の意味さえも、何も分からずに。

春美「わたくし……あの晩、お夕食のあと、奥の院に向かったのです」
   「雪のせいで、奥の院についたら、10時をとっくにすぎていました」

その後は、「奥の院」側の「離れ」で、真宵を待っていた。
が、そこでつい眠ってしまって。「奥の院」側に取り残されて。

春美「目が覚めたら、朝でした」
   「……おぼろ橋はなくなっていて、修験堂には、どなたもいなくて」

それでカレーをぶち撒いたとゆー次第。


しかし。ここで踏まえるべき、重要な事。
事件当夜、春美は、ちなみを霊媒しようとはした。
が、実際には、彼女は霊媒できなかったのだ。
春美「鐘の音が聞こえたとき、わたくし奥の院に向かう途中でしたが……」
   「でも……わたくし、できなかったのです!」
   「こんなことは、初めてです。霊を呼べない、なんて……」
   「どうしても、呼べないのです」

という事は……まさか。
ちなみって、実は生きてるとか?
「奥の院」側に居たのは、実は生きてた生身のちなみだったりするのか??
…………などと、思わず思ってしまった、1周目当時。


他に考えられる理由は?と成歩堂に問われた春美の答え。
春美「わたくしより先に、だれかがその霊を呼んでいる場合です」
   「霊体は、1つきりですから」

という事は……まさか。
ちなみを霊媒したのは真宵?それともエリス?それともあやめ?……いやいやいや。
…………などと、思わず思ってしまった、1周目当時。


と、このように、ミステリの読み手とゆーものは、
いつも推理の、本命と対抗を同時に考えているものである。
後ついでに大穴も。


春美「おかあさま、おっしゃいました。『これが、最後のおねがい』……」
   「おかあさまは今《けいむしょ》というところに、いらっしゃいます」
   「わたくし……毎月、《めんかい》に行くのですが……あれは、先月のことでした」


キミ子『……春美ちゃん。いよいよ、《そのとき》が来たようです……。
    ……あなたに、やっていただきたいことがあります……。
    ……ここに来る前、お屋敷にお手紙をかくしておきました。
    ……それをよく読んで、そのとおりに行動してくれますね……』

春美の言っている「先月」という時期は、ちなみに死刑が下された頃と確かに一致する。

ただ……。
キミ子が密かに、『再会、そして逆転』の頃から既に、
この壮大な計画を練っていたのかと考えると、どうしても背筋が寒くなる。
まだ9歳の子供に、キミ子は一体何をさせる気だったのか。

春美「おかあさまは、いつだってやさしくて……大好きです!」
当の春美は、無邪気に笑っている。
「綾里家のため」=「真宵のため」と信じて。何も疑わずに。

春美は、いつ知ってしまうのだろうか。本当の真実を。
ソレを知った時も彼女は、こうして笑っていられるのだろうか。

そんな中、彼女の漏らしたこの言葉が気になった。
彼女が、倉院の里の屋敷で見つけた手紙について。
春美「だれかが一度、封を破った跡がありました」



そんな所に。ゴドーが登場。
彼は、成歩堂に語る。
「知らない」という事が、罪になるという事を。

ゴドー「おそらく……綾里真宵はもう、帰ってこねえだろうぜ」
    「……アンタが、守ってやるべきだったんだ。
    綾里真宵も……そして、綾里千尋も。
    ……2人は、大変な事件に巻きこまれていたのさ」
    「いつも、そばにいたのは……アンタだけ、だったんだ。
    助けてやれたのは、アンタだけだったんだよ!」


最初に見た時は、そんな言いがかりを……と心外に思ったのは確か。
しかし、全てを知ってからこの場面を見ると、悲痛な叫び声に聞こえてくる。


全ての決着は、法廷で。
そう言い残して、立ち去るゴドー。



かくて次章から、『逆転裁判』・「初期三部作」の総決算が――――始まる。




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